「コカ・コーラ」の販売戦略とは

「コカ・コーラ」の販売戦略とは
share
Facebook Twitter はてなブックマーク Pinterest

日本でお馴染みのコーク、コカ・コーラは競合他社にどうやって打ち勝ち、今のポジションを確立しているのでしょうか。ここでは、コカ・コーラが行なっている販売戦略と事例を紹介します。

また、貴社が市場でどんな立ち位置でマーケティング戦略を策定すべきかが分かる「市場分析シート」を無料でご提供しています。自社の強みを活かしたマーケティング戦略を立てたい方は、今後の戦略策定にご活用ください。

今すぐ無料でダウンロード

コカ・コーラの販売戦略のポイント

競合他社から色々な炭酸飲料が販売される中、コカ・コーラはなぜ日本で売れ続けているのか、販売戦略のポイントを解説していきます。

季節とイベントに合わせたパッケージ

コカ・コーラでは、普段飲んでいない人にも手に取ってもらうためのマーケティング施策を実施しています。季節やイベントに沿ったパッケージデザインを採用し、イベント時の消費を底上げすることに成功しています。

受験や卒業シーズンに合わせた福ボトルを展開

コカ・コーラでは、2019年に「福ボトル」の施策を実施しています。受験や卒業シーズンに合わせ、ラベルを勝利祈願などのメッセージ付きに変え、学生の消費を促しました。合格祈願のボトルではなく、おみくじ付きのボトルにすることで、学生以外の消費も増やしています。

福ボトルの展開によって、オリジナルのコカ・コーラだけでなく、ゼロコカ・コーラなどの他のラインナップも販売数が増加しています。

参照元:食品新聞(https://shokuhin.net/18659/2019/04/10/inryou/inryou-inryou/)

クリスマスシーズンにはリボンボトルを展開

コカ・コーラでは、クリスマスシーズンになるとリボンボトルを展開しています。従来はクリスマスパーティーといえば炭酸飲料のシャンメリーが浸透していて、コカ・コーラは定番商品とは言い難い状況でした。

そこで、クリスマスに飲む炭酸飲料として位置付けるために、2016年11月よりリボンになるラベルに変えて需要の増加を図ったのです。スタート時の2016年は、キャンペーン施策によって全国の販売数が20%も伸びています。

参照元:食品産業新聞社(https://www.ssnp.co.jp/news/beverage/2017/11/2017-1121-1400-14.html)

新製品も投入による定番商品の需要拡大

コカ・コーラでは、定番商品の需要拡大を図るために、新商品の販売を定期的に行っています。2019年7月には、初となるエナジードリンク、コカ・コーラエナジーを販売しています。SNSやネット上で話題となり、瞬く間に人気に火が付き、発売から5週間で販売本数2,000万本を記録するヒット商品となりました。

さらに、2019年9月には、期間限定商品であるコカ・コーラアップルの販売に踏み切っています。日本人に好まれるりんごのフレーバーは、期間限定にもかかわらず話題となり、多くの人から高評価を得ました。

参照元:日経クロストレンド(https://xtrend.nikkei.com/info/09/00067/121800001/)

楽しさを提供する炭酸飲料として地位を確立

全世界で一秒に4万本飲まれているコカ・コーラは、美味しさよりも楽しさを追及し、コーク界で確固たる地位を確立。競合他社のコークと差別化を図るために、味ではなく利用シーンで訴求することで、消費者の心を掴んでいます。

楽しみたい時に、わいわいと騒ぎたい時にコカ・コーラというイメージ戦略で、100年以上も愛されるロングセラー商品となっています。

共感を得やすいコンテンツに注力している

コカ・コーラは共感を得やすいコンテンツに力を入れて、需要拡大を図っています。特にスポーツは日本中が盛り上がるコンテンツなので、イベント開催前にはCMやネット広告で露出を増やして、試合観戦にはコカ・コーラと印象付けを行っています。楽しさや興奮を共感できる炭酸飲料として、地位を確立しているのです。

CMでも味については一切触れていない

コカ・コーラのCMの中でもひときわ人気を博した「Happiness Machine」は、動画再生回数が770万回を超え多くの人に視聴されました。動画では、美味しさなど商品の説明は一切でてきません。

コークがひたすら自動販売機から出てくるので周りに配ったところ、みんなが笑顔になるという物語になっています。コカ・コーラは幸せな時に飲むもの、楽しさを届けてくれるものと、好印象を与えるのに成功しています。

思い出の味で勝負している

実は、1985年4月にコカ・コーラは一度だけ味が変わっています。競合他社が現れ焦った同社は、美味しさを追及する戦略へと方向転換したのです。しかし、1886年から同じ味で販売し続けていたコカ・コーラは、既に人々の中で思い出の味として確立していました。美味しく変えたことで、逆に消費が落ち込む結果となったのです。

結局、同社は原点に返り、3カ月で元の味に戻しています。以来、味を変えることなく、思い出の味として勝負し人気を維持し続けています。

コカ・コーラの販売戦略まとめ

コカ・コーラの販売戦略では、他社と自社の棲み分けを徹底的に行っています。競合であるペプシコーラが美味しさで売り出しているのに対し、コカ・コーラは利用シーンで売り出して売上を伸ばし続けています。

他社にはないコカ・コーラならではの楽しさやワクワク感を売りにし、世代を問わず多くの方に長年愛飲されている飲料です。コカ・コーラの事例のように、販売戦略においては他社との棲み分けを図ることが大切だといえるでしょう。

販売戦略の立て方とは?
役立つフレームワークや事例を紹介

ページトップへ