「ドコモ」の販売戦略とは

「ドコモ」の販売戦略とは
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本記事では、携帯キャリア大手のドコモが安定した売上を確保するために実施している販売戦略を紹介しています。貴社の今後の販売戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。

また、貴社が市場でどんな立ち位置でマーケティング戦略を策定すべきかが分かる「市場分析シート」を無料でご提供しています。自社の強みを活かしたマーケティング戦略を立てたい方は、今後の戦略策定にご活用ください。

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ドコモの販売戦略のポイント

まだ誰も取り組んでいない戦略を実施する

ドコモは1992年に誕生しましたが、それ以前の1985年には既にグループ会社であるNTTが日本初の携帯電話サービスを開始しています。時代の先を行く通信会社として国内初の事業に力を入れており、様々な戦略を展開しているのが特徴です。2021年7月8日からは日本発となるドローン向けの新事業を打ち出すなど、目覚ましい活躍を見せています。誰もまだ取り組んでいない国内事業に積極的に挑戦し、業界をけん引する企業へと上り詰めることに成功しています。

国内事業に焦点を絞る

ドコモは国内事業に特化している会社で、国内ユーザー向けの施策を次々と打ち出しています。大容量通信を行う人向けに2021年4月からはギガホプレミア、中容量通信を行う人向けに2021年3月26日からahamoを提供開始しています。同社では、小容量通信を行う人向けのサービスも今後発表予定です。大容量・中容量・小容量と完全に棲み分ける販売戦略を実施して、他社への流出を防いでいます。

NTTと競合になる通信事業にも進出し始めている

ドコモはNTTから子会社化したことで、モバイルルーターの事業を展開し始めています。2021年8月下旬には、home 5Gと呼ばれるWi-Fiホームルーターの提供を開始する予定です。

実は、コロナ禍でリモートワークが普及し、ネット通信サービスは堅調な動きを見せています。自宅にいる時間が増えているため、Wi-Fiの導入を検討し始める家庭が増加傾向にあるのです。そこで、同社はNTTの固定回線の競合であるモバイルルーター事業にも進出し、若年層の需要を巻き取る販売戦略を実施しています。

CSからNPSに移行している

ドコモでは、顧客満足度からNPS(ネットプロモータースコア)を重視する方針へと移行しています。これまでは顧客満足は高いがNPSが低いという人の割合が多かったため、NPSを指標にすることで満足度の底上げを図っています。同社がNPSを指標にするにあたって、もっとも注力したのは目標設定の方法です。全国統一の目標値にすると、既にNPSの数値が高いエリアではモチベーションの低下、NPSが低いエリアでは達成できない恐れがありました。

地域格差を考えた販売戦略を打ち出さないと、あるエリアでは成功し他のエリアでは失敗するなど、結果にバラつきが生じる可能性が出てくるでしょう。そこで、同社では地域格差を考えた目標設定を打ち出し、従業員が納得する数値を目標にできるように調整を図っています。

スマートライフ事業を拡大している

ドコモは、販売戦略として非通信事業である「スマートライフ事業」に力を入れています。同社では数年前から通信事業の売上が鈍化していました。スマホの品質が向上したことで頻繁に買い替えるユーザーが減少し、2020年度第3四半期決算で通信事業の営業収益は前年度から707億円の減額。さらに、従来のプランよりも価格を下げたahamoのサービスが始まり、ますます通信事業の営業収益は減少する見通しにあります。

そこで、ドコモでは、2017年頃から非通信事業であるスマートライフ事業を重視しているのです。dコンテンツやディズニープラスといった非通信事業を増やし続けており、2020年度第3四半期決算によると2020年度は前年度より752億円も営業収益を増額させるのに成功しています。

参照元:docomo「2020年度 第3四半期決算について」(https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/ir/binary/pdf/library/presentation/210205/presentation_fy2020_3q.pdf)

ドコモの販売戦略まとめ

ドコモの販売戦略は、早い段階から先を見越して手を打っているのが大きな特徴です。常に先をけん引していく姿勢を見せているので、消費者の関心を集めやすく、安定して顧客を掴んでいます。販売戦略においては、ドコモのように、時には多少のリスクを背負いながらも挑戦し続ける姿勢を見せることも大事と言えるでしょう。

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