「花王」の販売戦略とは

「花王」の販売戦略とは
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私たちの生活に溶け込んだ商品を多く販売している花王。そんな花王の販売戦略ポイントはお客様を大事にする姿勢でした。この記事では、花王の販売戦略についてまとめています。

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1887年創業の花王グループは“よきモノづくり”をコンセプトに消費者やユーザーの立場に立った取り組みを行なってきました。

洗濯洗剤アタックでお馴染みの「ハイジーン&リビングケア」
ハンドソープビオレUや入浴剤バブを扱う「ヘルス&ビューティケア」
ヘルシア飲料を提供する「​ライフケア」
ソフィーナなど「化粧品」

上記の4事業を一般消費者向けに展開しています。

花王の販売戦略のポイント

「自然と調和する こころ豊かな毎日をめざして」とのキャッチコピーが有名な花王の販売戦略のポイントを検証していきましょう。

独自の流通体制が作り出す「販売力」

花王グループは、他の日用品メーカーには見られない独自の流通体制を確立しています。一般的な日用品メーカーは、小売業との間に一次卸もしくは二次卸が存在します。一方、花王グループでは、花王グループの販売部門の役割を果たす花王グループカスタマーマーケティング株式会社が、直接小売業者に商品を販売します。

売り手である花王が、小売店が最大の利益を得られる棚割りを提案する提案型営業を実施し、双方に利益のある取引を大切にしています。そのため、小売店と協力しながら、販売拡大につなげることができるメリットがあります。

双方の距離が近いため、小売店から消費者の生の声が届けられます。消費者のニーズをダイレクトに知ることができるため、新たなる商品開発や既存商品の商品改良のヒントにもなるのです。

商品の強みや価値を、小売業の売り場を通して、より早く正確に間を挟まずに伝えられることは、他社商品と比較してユーザーに選んでもらいやすい秘訣となるでしょう。

ユーザーの声を大事にした販売戦略

花王グループはマーケティング力が強いことが販売力にもつながっています。

花王カスタマーマーケティング株式会社の子会社である花王フィールドマーケティング(KFM)は、実に細やかな店頭支援業務を行っています。マーチャンダイザーは、各小売店に足を運び、陳列状況の確認から商品補充、さらには、陳列後の写真を撮影。このデータを使って店頭検証ツールの「CEX(コラボレーション・エクスチェンジ)」に登録し、POSデータと検証するなどして、より効果的な陳列方法を探していきます。

また、おむつでお馴染みのメリーズパンツは、発売以来14回以上の改良。洗剤のアタックは26回改良されています。これらは、ユーザーの声を商品改良につなげ、より選ばれる良品を作るための企業努力と言えます。

ユーザーの声を大事に拾い上げて商品に活かしていく。この姿勢こそが花王の販売戦略の肝なのでしょう。

エコーシステムを導入した情報の共有化

花王グループでは、消費者の声はもちろんのこと、実際にお客様と接する現場の声や情報を大切にしています。現場の声や情報は花王グループで共有し、ものづくりに活かされているのです。

特に、ユーザーからのダイレクトな声を重視しており、その声を利用するべくエコーシステムを導入。ユーザーからの問い合わせに対応する機能をデータベース化した「相談対応支援機能」と、ユーザーの声を全社員が共有するための「相談内容解析機能」の2つの機能を保有するシステムです。消費者の声を入力すれば、翌朝からはすべての社員が閲覧できるスピーディーさも強みでしょう。

ユーザーからの指摘などをクレームとして社内処理するだけでなく、データ化することで、製品開発や改良につなげていくことで、クレーム処理や問い合わせ時の対応もより真摯なものとなっています。こういった対応が、花王の商品は安心、花王の商品を使いたいとの声につながっているのかもしれません。

花王の販売戦略まとめ

ビオレやニベアなど、生活に溶け込んでいる花王の商品が売れ続けている背景には、卸業者を挟まない独自の流通体制が作り出す「販売力」とユーザーの声や現場の声を活かす製品開発や全社員での情報共有化といった地道な努力があります。

流通体系を考え直してみたり、もっとユーザーの声を拾い上げる方法に変えたりすることは販売戦略として有効でしょう。ユーザーの声を製品に活かし、その声を共有することは着実な売上アップのためにぜひ取り入れておきたいものです。

販売戦略の立て方とは?
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