STP分析の事例「メルカリ」編

STP分析の事例「メルカリ」編
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この記事では、日本初のユニコーン企業となった「メルカリ」をSTP分析の視点から解説していきます。貴社のマーケティング戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。

なお、この記事に合わせて自社と競合の分析を通じてマーケティングを成果に繋げるためのワークシートも提供しています。自社でSTP分析を行う前、または行ったあときこちらも活用すれば、マーケティング戦略を更に強化させることができます。ご興味のある方はぜひダウンロードしてみてください。

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そもそもSTP分析とは?

STP分析は、マーケティング戦略における環境分析のフレームワークです。戦略構築の際に用いられるフレームワークとして知られています。

STP分析とは?

市場の細分化を意味する「Segmentation」、どの市場や顧客を狙うかを決める「Targeting」、自社の立ち位置を明確にする「Positioning」3つの英単語の頭文字をとって名付けられた分析方法です。

「マーケティングの父」と呼ばれるフィリップ・コトラー氏が提言したフレームワークで、業種や業界、商材を問わず活用できます。

STP分析の目的とは?

まず、ビジネスを取り巻く市場での全体像を把握し、どのような立ち位置を取るかによって、その後の戦略を立てやすくなります。それにより、大きな利益を得られるかどうかにまでつながってきます。STP分析をするにあたって大切なのは、ユーザー目線です。ユーザーの行動を客観的に把握して、自社の立ち位置やサービスがユーザーの行動やニーズに沿っているかを考えることで、戦略的なマーケティング施策を立案していけるようになります。

ここでは、大人気フリマアプリ「メルカリ」を例にしてSTP分析をしてみましょう。

メルカリの公式サイト画像
引用元:メルカリ「https://www.mercari.com/jp/」

メルカリの「Segmentation」

メルカリが位置する市場とは?

メルカリにおける市場は大ジャンルでとらえるとネット上で買い物ができるEC市場ですが、不用品や中古品を売り買いするという点で「フリーマーケット市場」と言えます。家庭で要らなくなったさまざまなものをスマホで簡単に出品・購入できる「フリマアプリ」に特化したことで人気になりました。累計ダウンロード数は8,000万超えと、国内トップを誇っています。

また、2019年にはアプリ内でリリースされたスマホ決済サービス「メルペイ」を開始。メルカリでの売上金を実店舗で使ったり、銀行口座からチャージしたりできるようになりました。フリマアプリながら「電子決済市場」にも参入したパイオニア的存在です。

メルカリの「Targeting」

メインターゲットは10~30代女性

メルカリのメインユーザーは20~30代女性と20代男性です。「共感してもらう相手に売る」という点で、女性をターゲットにしたアプリと言えます。女性の感覚とマッチしてアプリの人気に火がついてからは、テレビCMなどでも知られるように。ユーザー層を一気に拡大し、幅広い世代に利用されるようになりました。

また、メルカリは他のアプリと比べて10代の利用が多いのも特徴的です。年代別売上額でみると、10代男性はトレーディングカード、10代女性はタレントグッズなど、単価の低い商品が多く取引されています。安価な品をより安く購入できる点が、若い世代にも支持されているようです。

メルカリにおける「Positioning」

メルカリと同じようなサービスに、Yahoo!が運営するネットオークション・フリマアプリ「ヤフオク!」や楽天が運営する「ラクマ」などがあります。

ヤフオクは入札価格や落札テクニックによっては、限りなく価格を抑えて購入できる可能性があり、ラクマは販売手数料が安いという立ち位置にあります。

それに対してメルカリの商品は、ユーザーの「言い値」によって価格が決まりますし、販売手数料もラクマに比べて安くはありません。

そこで、「誰でも出品できる」「配送料が安い」を独自のポジションにするため、出品や決済に便利なサービスや配送料の価格を追求。スマホ決済機能「メルペイ」やメルカリとヤマト運輸が提携した配送サービス「らくらくメルカリ便」などを積極的に導入した結果、ユーザー層の拡大にもつながりました。

フリマアプリのユーザー目線

メルカリと並んでユーザー数の多い「ヤフオク!」は、中古品売買という点では同じですが、ニーズが少し違います。

ヤフオク!は「できるだけ高く売りたい」「人と競争してでも安く手に入れたい」というユーザーニーズがあり、利用者も女性より男性のほうが多い傾向にあります。対してメルカリは「共感してくれる相手に売りたい」「安心・納得して買いたい」というユーザーに求められています。

また、メルカリで主に取引されているのが洋服や靴などのファッション系商品なのに対し、ヤフオク!で人気があるのは家具や家電製品などです。

このようなデータから、ユーザーは自分の求めている商品に合わせてアプリを使い分けているとも考えられます。「服なら配送料の安いメルカリ」「家具・家電なら少しでも安く競り落とせそうなヤフオク」といったように、アプリの特性を知った上で行動しているユーザーも多いでしょう。今後、フリマアプリ市場では、商品の種類や分類、サービスの特性によってユーザーによる使い分けが進んでいくかもしれません。

マーケット分析に基づいた施策の実行が重要

メルカリよりも早く市場に登場したフリマアプリはいくつもありましたが、後進のメルカリが他アプリを抑えて大きく成長した理由は、資金調達やその資金に基づいた広告戦略、マーケティング戦略にすぐれていたことがあります。
STP分析や他のフレームワークを行った後は、具体的な実行フェーズに移すことが大切です。集客対策でお困りの際は、キャククル運営元で経験豊富なZenken株式会社にご相談ください。

STP分析とは?
マーケティング初心者でも
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