【3分で理解】STP分析の事例「スターバックス」編

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この記事では、世界最大のコーヒーチェーン店「スターバックス」をSTP分析の視点から解説していきます。マーケティングの土台ともいえる「STP分析」の基礎知識を知り、スターバックスを例に挙げ実際にSTP分析を行ってみましょう。

なお、この記事に合わせて自社と競合の分析を通じてマーケティングを成果に繋げるためのワークシートも提供しています。自社でSTP分析を行う前、または行ったあときこちらも活用すれば、自社のマーケティングを更に強化させることができます。ご興味のある方はぜひダウンロードしてみてください。

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そもそもSTP分析とは?

まずは、マーケティングフレームワークの一つ「STP分析」の説明と、なぜ行なうのか目的について解説します。

STP分析とは?

STP分析とは、アメリカの経営学者であり、「現代マーケティングの父」と崇められているフィリップ・コトラーが提唱した分析方法です。STP分析は、S(Segmentation)、T(Targeting)、P(Positioning)の頭文字を取って名付けられました。それぞれの考え方を見ていきましょう。

Segmentation(セグメンテーション)は、市場細分化のことです。具体的には、市場や顧客を、地理的変数・人口統計的変数・心理的変数・行動的変数といった4つの指標を元に細分化します。

つまり、顧客を同じ質のニーズを保有するグループに分けるところからはじめます。

Targeting(ターゲティング)とは、Segmentation(セグメンテーション)で細分化したグループのなかから、自社のターゲットにふさわしい市場を選択する段階です。

最後の、Positioning(ポジショニング)では、ターゲットとした市場で自社がどのような立ち位置になるのかを明確にしていきます。市場の中で、どのように売り出すことで競合他社に勝てるのかを考えるのに必要です。

STP分析の目的とは?

STP分析の目的とは、自社が優位に販売やサービス提供をするためのポジションを見つけ出すことです。

消費者の志向やライフスタイルは、日々変化していくものです。そのため、常に同じマーケティング戦略を行っているのでは不十分です。

環境や市場、顧客のニーズに変化に応じて、自社の製品やサービスが持つ強みや魅力、ターゲットを把握し、アプローチすることが欠かせません。

このように、STP分析は競争する環境が変化する中においても、常に自社の優位性を確保するためのポジショニングが分かる手法です。それによって、その時々で最適なマーケティング戦略を立案することが可能になります。

スターバックスにおける「Segmentation」

スターバックスのSTP分析を例にあげると、まず利用顧客として年齢別のグループを作るために10代後半~70代くらいまでで男女別に細分化。

次に、職業での分類分けとして、学生、会社員、公務員、自営業、ノマドワーカー、高齢者(退職者)を設定しています。さらに、経済的な地位の高さ、低さや、地域を大都市か地方都市といった市場の分け方も適用するなど、徹底して細分化していることが成功につながった秘訣でしょう。

スターバックスにおける「Targeting」

スターバックスは、全国展開していますが、出店拡大のみに着目しているのではなく、その土地のニーズを調査した上で出店しています。

なかでも「大都市、主要都市において平均以上の収入を得ているオフィスワーカー」をターゲットとしています。職業としては、デザイン職や専門職を意識し、店舗の内装やサービスにも活かしているのです。他にもあるコーヒーチェーンと大きく異なるのは、おしゃれ感や高級感だともいえるでしょう。

ただし、ターゲットは営業時間帯などによっても異なることにも注目し、早朝は出勤前のオフィスワーカーやすでにリタイアした方、お昼間の時間は主婦やフリーランス、夕方から夜間にかけては、学生と帰宅前の会社員をターゲットとしています。休日に関しては、カップルや買い物途中の若い女性なども視野に入れて、ターゲットをうまく細分化しています。

スターバックスにおける「Positioning」

先に設定したターゲットに対して、他のコーヒーチェーンメーカーとの差別化を図り、選ばれるために、スターバックスは「都会的なおしゃれな雰囲気の店で高くて美味しいコーヒーを提供する」独自の路線を確立しています。

さらに、「サードプレイス戦略」を導入している点もポジショニングに欠かせない点でしょう。

おしゃれな雰囲気の店でコーヒーが飲めるという価値観だけでなく、居心地の良い空間や時間を提供することにも力を入れています。その戦略の1つとして、おしゃれだけれど落ち着ける内外装と限度こそあれ長居がOKのスタンスを提供。

さらに、SNSに投稿したくなる商品やグッズの取り扱いや親切で丁寧な質の高い接客を売りとしています。特に接客に関しては、競合他社との差別化が図られている点でしょう。
STP分析とは?
マーケティング初心者でもわかるよう徹底解説

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