「エンジニアが採用できない」を解決する採用戦略のポイント
最終更新日:2024年05月29日
転職サイトや採用ページに求人情報を載せているのに、なかなかエンジニアが採用できない、エンジニアからの応募が集まらないと、悩んでいる採用担当者は多いのではないでしょうか。
一方で、採用戦略が成功して効率的にエンジニアを確保できている企業もあります。エンジニアが集まらない理由や採用方法の違いから戦略の差を考え、ポイントをおさえていきましょう。
エンジニアが採用できない理由
人材が不足している
そもそもエンジニアが採用できないのは、国内の少子高齢化などの影響でエンジニアが不足しているからです。
経済産業省が行った「理工系人材の需要状況」調べによると、機械工学、電力、土木工学の分野ではすでに採用実績が減少。今後もこれら分野だけでなく、機械工学や通信・ネットワーク分野においても人材不足が進むことが予測されています。
需要に対して供給が追いついていないため、エンジニアにとっては市場が「売り手市場」状態です。
コロナ禍においても、全職種の求人数は平均で下降しているものの、IT系をはじめとしたエンジニアの求人率は圧倒的に高い求人倍率で推移しています。エンジニアにとっては選択肢が多いため、給料や待遇の優れた企業へと応募が集中してしまっていると考えられるでしょう。
参照元:経済産業省「理工系人材需給状況に関する調査結果を取りまとめました」
(https://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180420005/20180420005.html)
採用する側の理解が足りていない
エンジニアは専門性が高い職種のため、自分のスキルに合った仕事があるかという視点で就職先を探しています。少しでもエンジニアの応募を集めようと、企業側が具体的にどのようなスキルが必要かを明確にせず広く募集をかけてしまっては、興味を持ってもらえる可能性が低くなってしまいます。
給与や待遇が特段に優れているわけではない企業なら尚更、「どんなスキルを要する仕事か」「どんな分野で、どんなキャリアを持った人が活躍しているか」など、入社したあとの職場をなるべく具体的に想像できるような求人情報を打ち出す必要があります。
エンジニアの採用で意識するポイント
どの業種にも言えることですが、エンジニアを採用したい場合、給与や待遇だけでアピールするだけでなく「求職者のニーズを満たせているか」という視点を持ちながら求人情報を作成することが効率的な採用戦略につながっていきます。
ここからは、エンジニアの採用で意識すべきポイントについて解説します。
ターゲットと業務範囲を明確にする
どのようなエンジニアを募集していて、何をしてほしいのか、技術面を明確にした採用プロセスを導入することが大切です。
潜在ターゲットからの応募を集めるために、エンジニアの職種も明確にしましょう。例えば「機械系エンジニア」「ITエンジニア」という広い括りではなく、どんな機械やスキルを使った仕事かを具体的に記して募集をかけると、技術や仕事内容で探している求職者にもアピールできます。
エンジニアのニーズを把握する
求職者がどのような理由で転職したいか、新しい会社・職場で求めていることを知っておくことも大切です。エンジニアが今の会社を辞めて転職を考えているのは、主に次のような理由が考えられます。
- 給与/待遇、評価方法に不満がある
- 残業が多い・休日が少ない
- 会社や業界の先行きが不安
- さらなる専門知識や技術を身につけたい
- ほかの技術分野を経験してみたい
エンジニアがどんな悩みを抱え、転職先に何を求めているのかを知っておくと、アプローチ方法が定まりやすくなります。自社がニーズに沿った環境や条件で受け入れられる可能性が伝われば、自社と向き合おうとしてくれる求職者も増えていくはずです。
また、採用担当者とエンジニアチームの責任者が積極的にコミュニケーションを取っておき、これから採用する人材のイメージをチームで共有しておけるとベターです。自社のエンジニアチームが求めるイメージ像を理解して採用活動をすすめると、採用後に配属したあとも仕事がスムーズに進み、ミスマッチ防止にもつながります。
自社の魅力を伝える
同じようにエンジニアを募集している会社や業界の競合他社を分析し、自社にしかない魅力を洗い出して求人情報として発信できると、他社との差別化につながります。
他社が取り組んでいない待遇や評価制度がある、新しい専門技術を身につけられる環境が整っているなど、採用において強みとなる魅力があれば、積極的にアピールしていきましょう。
エンジニアの採用方法
エンジニアを採用するとき多くの企業が主に利用しているのが、オンラインによる求人広告でしょう。ただしひと口にオンライン求人といっても膨大な種類があり、媒体やメディアの選び方によっては応募数や反応が大きく左右されます。ここでは、エンジニアの採用で活用できる方法を紹介します。
ハローワーク
仕事を探している人が利用する基本的なツールとして、多くの人がチェックする情報がハローワークの求人募集です。基本的に無料で利用でき採用コストがかからないため、情報を公開している企業も多いでしょう。募集しているエンジニアの職種を具体的に掲載すれば、一定数の応募が見込めます。
ただし、ハローワークからの応募は失業保険を受け取るために何となく就職活動をしている人も少なからずいて「ひやかし」の応募があるのも事実です。本当に「ここで働きたい」「スキルを活かしたい」と考えている応募者とマッチングするには、振り分けに想定以上にリソースがかかる可能性もあります。
求人サイト広告
代表的な求人サイトに「マイナビ」や「リクナビ」などが挙げられます。これらのアクセス数の多いサイトに求人を掲載すると、それだけで応募してもらえる可能性は高まります。ただし、掲載枠によっては詳しい仕事内容や求める人材像を紹介できなかったり、応募の有無にかかわらず掲載料金が発生したりするデメリットもあります。
掲載エリアによって料金が異なることも多いため、採用コストと費用対効果を検証しながら掲載をすすめる必要があります。
転職ポータルサイト
エンジニア専用のポータルサイトに掲載すれば、利用ユーザーがすべてエンジニアという点で狙った人材とマッチングしやすいと言えます。登録している求職者のデータをもとにスカウトできる、時間や曜日を問わず応募を受付できるなど、企業側にとっても便利です。
ただし求人サイト同様、採用の可否にかかわらず掲載料金が発生しますし、同じような競合や業種も多くエンジニアの求人を掲載しています。他社と比較検討されたとき、自社で働く魅力をいかに伝えられているか否かで応募数やマッチングの精度が左右されると言えます。
転職エージェント
エンジニアと企業を仲介して、ニーズに合わせた人材をマッチングしてくれるのが転職エージェントです。転職エージェントが自社のニーズを踏まえた上で紹介してくれるため、ミスマッチを防ぎながら求職者と出会えるのが魅力。面接のスケジュール調整や給与交渉といったやり取りもエージェントが代行してくれるので、効率的に採用活動を行えます。
転職エージェントは大手企業を含め、多数の求人案件を取り扱っています。数ある企業の中から自社を紹介してもらうためにはある程度の交渉や信頼関係を気づく必要があるので、掲載してすぐに優秀な人材を紹介してもらえるとは限りません。その点を踏まえて依頼する必要があります。
また、エージェントを通じた採用は高額な紹介料が発生するため、採用コストを抑えたい企業には向いている手法とはいえません。
ポジショニングメディア
ポジショニングメディアとは、ある市場における自社の立ち位置や優位性を伝えるために制作されたWebサイトです。会社名からではなく、自社の強みと繋がっているKWからユーザーの流入を図るのが特徴です。
例えば、エンジニア職種名や技術名などと紐づけて、自社のニーズに沿ったターゲットを導きます。ポジショニングメディアでは、事業内容や社内制度はもちろん、会社理念やスタッフの働く様子など、文章や画像・動画コンテンツにして自社の魅力を発信します。コンテンツに魅力を感じたユーザーのみが問い合わせをしてくるのでマッチング精度が高く、より意欲的な求職者と出会う可能性が高まるでしょう。
さらに、今すぐ転職したいと考えている顕在層だけでなく、何となく転職について考えている潜在的なユーザーを掘り起こすことにもつながります。潜在層に自社を印象づけておくことで、後々のマッチングや成果に結びつけることも可能です。
エンジニアの面接で意識すべきポイント
ここでは、良質なエンジニアの選び方のポイントについて紹介します。なかなか良いエンジニアと出会えない、採用できないとお悩みの方は、選考方法から見直してみるのも良いでしょう。
エンジニアの採用において、面接時に技術的な内容の質問をしたりプログラミングなどの課題を課したりする「技術面接」を行う企業が増えてきています。
とくに中途採用の多いエンジニア募集では、一般職などの面接とはちがう質問をしてみるといった工夫でも技術や経験不足による重大なミスマッチを防ぐ効果があります。
技術的な質問をしてみる
「これまでに技術的なトラブルに関わった経験はありますか?」 「業務でこんな状況になったらどのように解決しますか?」 「このような障害が起きたら、何をどんな順番で調査して原因を探りますか?」など、具体的なシチュエーションを挙げて質問をしてみましょう。
応募者の課題解決力や論理的思考力をみることができます。また、過去にどんな姿勢で仕事をしてきたか、これからも成長を見込めるかといった点の指針になります。
業務の基礎知識や理解度を測る
課題を課して取り組んでもらうことで、どのようなスキルを持っているかという点はもちろん、年齢に比例したスキルや知識を有しているかを測ることができます。
Webテストを利用したりあらかじめテーマを出したりと、どのような形式でも問題ありません。出された課題に対し、どういう考えで取り組んだかを質問する際に役立ちます。
エンジニアのニーズを理解しつつ、自社の強みを伝える
エンジニアの採用戦略では、求職者のニーズをとらえること、他社にはない自社の魅力を伝えることが重要です。採用においても、競合他社との違いを明確にしていくことが応募者数アップにつながりますし、良質な人材とマッチングできる確率が高まります。
単純な労働条件や待遇だけではなく、自社の差別化ポイントが何か、働く魅力を多角的な視点で分析し、それに適した採用方法を実施してみてください。
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