「エンジニアが採用できない」を解決する採用ファネル戦略|応募から定着まで一気通貫

「エンジニアが採用できない」を解決する採用ファネル戦略|応募から定着まで一気通貫

求人票を公開しているのに応募が来ない、来ても選考で離脱される、内定を出したら辞退された——。エンジニア採用に携わる人事担当者や経営者から、こうした悩みが絶えることはありません。

ただ、「採れない」理由をひとくくりに「市場が厳しいから」で片付けてしまうと、対策の的が外れます。採用が進まない原因は、応募不足にあるのか、選考での離脱にあるのか、内定後の辞退にあるのか、それとも入社後の早期離職にあるのか。詰まっている箇所によって、打つべき施策はまったく異なります。

この記事では、エンジニア採用の課題を採用ファネルで分解し、応募獲得から定着設計まで一気通貫で改善できる実務的な手順を解説します。「応募数を追う施策」から「採用決定率と定着率を高めるファネル設計」へ転換した企業から改善が進む——この考え方を軸に、費用対効果と運用負荷まで見ながら優先度の高い施策を選べる状態を目指します。

エンジニアが採用できないのはなぜか|市場要因と自社要因を分けて考える

エンジニア採用がうまくいかない理由は、大きく「市場要因」と「自社要因」の2つに分類できます。市場要因はコントロールが難しい一方、自社要因は施策によって改善可能です。まず両者を切り分けることが、有効な打ち手を選ぶための出発点となります。

売り手市場で採用競争が激化している

国内のエンジニア不足は構造的な問題です。経済産業省の調査によれば、IT人材の需要は拡大を続けており、今後も供給不足が続くと予測されています。製造・機械・IT・通信などの幅広い分野で即戦力エンジニアへの需要が高まる一方、有効求人倍率はほかの職種を大きく上回っています。

売り手市場のもとでは、エンジニアは複数の企業から声をかけられながら比較検討を進めます。給与・待遇水準が横並びになりやすい中、「どの会社で働くか」の判断基準は、技術スタックの魅力、開発体制の健全さ、キャリアパスの見通し、職場の文化的な相性へと移っています。従来型の求人広告を並べるだけでは埋もれる構造であり、「選ばれる理由」を明確に設計できた企業に応募が集まるようになっています。

「採れない理由」を4分類で切り分ける

市場環境に加えて、自社の採用活動そのものに原因が潜んでいるケースは少なくありません。採用が進まない理由を次の4つに分類して考えると、課題の所在が見えやすくなります。

  1. 応募不足:求人情報が届いていない、届いていても刺さらない。訴求内容・チャネル選定・認知度に課題がある状態です。
  2. 選考離脱:応募は来るが、書類通過後から面接の間に辞退・音信不通が起きている。選考スピードや候補者体験に課題がある状態です。
  3. 内定辞退:内定を出したのに入社に至らない。オファー条件・競合状況・企業への信頼度に課題がある状態です。
  4. 早期離職:採用できても短期間で退職する。採用時の期待値と現実のギャップ、オンボーディング設計に課題がある状態です。

自社がどの段階で詰まっているかを数字で確認することが、施策の優先順位を決める第一歩です。施策を講じる前に、まず現状を数値で把握することを強くお勧めします。なお、4分類のうち複数に同時に問題が起きているケースも珍しくありません。その場合は、ファネルの上流(応募不足)から順番に対策を取ることで、下流の問題が連鎖的に改善されやすくなります。

開いているノートパソコン

まずは採用ファネルを可視化する|どこで歩留まりが落ちているかを特定

採用活動の課題を感覚ではなく数値で把握することが、改善の精度を上げる鍵です。採用ファネルとは、求職者が「認知→応募→書類選考→面接→内定→入社→定着」と進む各工程を可視化したフレームワークです。各工程の通過率を定点観測することで、どこに歩留まりが起きているかを客観的に把握できます。

応募→書類→面接→内定→入社→定着の基礎指標

採用ファネルで最低限追うべき指標は次のとおりです。

工程 主な指標 詰まりの典型パターン
応募 求人への応募数、チャネル別応募数 認知不足・訴求の弱さ・チャネルのミスマッチ
書類選考 書類通過率 ターゲット外の応募が多い・要件定義が曖昧
一次面接 一次通過率・辞退率 日程調整の遅延・連絡品質の低さ
最終面接 最終通過率 見極め精度・面接官の練度のばらつき
内定 内定承諾率・辞退率 オファー条件・フォロー不足・競合比較での負け
入社・定着 入社率・3ヶ月後・6ヶ月後在籍率 期待値ギャップ・オンボーディング不全

どの工程の通過率が極端に低いか、または月次で悪化しているかを確認するだけで、施策の優先順位がほぼ決まります。全工程を一度に改善しようとするより、最も通過率が低い1工程に集中することが、限られたリソースを活かす上で効果的です。データが手元にない場合は、過去3ヶ月の応募数・書類通過数・面接数・内定数・入社数を表計算ツールに入力するだけでも、ファネルの輪郭が見えてきます。

採用成功を「採用決定率×定着率」で定義する

採用活動の成果を「応募数」や「採用人数」だけで測っている企業は少なくありません。しかし、応募数の多さは必ずしも採用成功を意味しません。ターゲット外の応募が増えても選考コストが増えるだけで、採用品質は上がらないからです。

採用成功をより正確に評価するには、「採用決定率(内定承諾者÷応募者)」と「定着率(一定期間後の在籍率)」の掛け合わせで見ることが有効です。この2指標を追うことで、「採れた」のではなく「活躍できる人が入社し、継続している」という本質的な成果を測定できます。採用活動の評価軸を変えることで、施策の方向性も自然と変わってきます。

現場責任者と人事で見るべき共通KPI

採用改善が進まない企業に共通するのが、人事と現場のKPIの分断です。人事は「応募数・採用数」を追い、現場は「スキル適合度・配属後のパフォーマンス」を求める——この認識のズレが、ミスマッチ採用を生む温床になります。

少なくとも次の3点を、人事と現場責任者が定期的に確認する共通指標として設定することを推奨します。

  1. 書類通過率:ターゲット精度の指標。低ければ要件設計か訴求チャネルを見直します。
  2. 内定承諾率:候補者体験とオファー競争力の指標。低ければ選考設計とフォローを改善します。
  3. 6ヶ月在籍率:採用品質の最終指標。低ければ採用要件と現場実態のすり合わせが不足しています。

月次で3指標を並べて見るだけで、課題の発生箇所と改善の手応えが数字として把握できます。まずこの仕組みを整えることが、採用改善のスタートラインです。

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応募不足を改善する採用戦略|要件設計・訴求・導線を見直す

採用ファネルの最上流である「応募獲得」で詰まっている場合、単純に媒体を増やすよりも、訴求内容と要件定義を見直すほうが費用対効果は高くなります。採用広告費を積み増す前に、ターゲット設計と求人票の訴求力を確認しましょう。

ターゲット人材像と業務範囲を具体化する

「優秀なエンジニア」「即戦力人材」といった曖昧な表現では、ターゲットとなる求職者の目に留まりません。エンジニアは自分のスキルセットと業務内容の適合度を最初にチェックするため、要件が抽象的な求人は最初に候補から外されやすい傾向があります。

ターゲット像を具体化するには、次の3段階で整理することが有効です。

  1. 必須要件(Must):入社初日から業務遂行に必要なスキルと経験年数。ここを絞ることで、適合応募者の割合が上がります。
  2. 歓迎要件(Want):あれば望ましいが、なくても採用可能なスキル。幅を持たせることで応募母集団が広がります。
  3. 業務スコープ:入社後に担当する具体的な技術領域・プロジェクト・チーム構成。「何をするのか」を具体的に示すことが応募動機に直結します。

また、現場エンジニアのリーダーと人事が一緒に要件定義を行うことで、採用後のミスマッチを事前に防ぎやすくなります。人事だけが要件を決めると、現場が求める専門性とズレが生じやすいため、必ず現場確認のステップを組み込んでください。

求人票を”職務説明”から”価値提案”へ変える

求人票のほとんどは「業務内容・必須スキル・待遇」の羅列になっています。しかし候補者が知りたいのは「この会社で働くことで、自分にとって何が得られるか」という価値提案です。

求人票の訴求力を高めるために整理すべき項目を以下に示します。

項目 訴求すべき内容
技術スタック 使用言語・フレームワーク・インフラ構成を具体的に記載します。「モダンな技術」より「Python 3.x / FastAPI / AWS ECS」のほうが検索にも刺さります。
開発体制 チーム規模・エンジニア比率・レビュー文化・リリースサイクルを記載します。「開発者として働きやすい環境」を具体化します。
裁量と意思決定 技術選定への関与度・マネジメント方針・リモート可否・副業可否など。自律性を重視する候補者への訴求ポイントです。
成長機会 社内勉強会・資格支援・カンファレンス参加支援・技術ブログ運用など。スキルアップ環境の具体例で学習意欲の高い候補者を引き寄せます。

採用広報(技術ブログ・登壇・SNS)の最小実装

採用広報とは、求人票とは別に、自社の技術・文化・人を継続的に発信することで、潜在層のエンジニアから認知を得る活動です。媒体費用をかけずに採用ブランドを積み上げられる手段として、多くの企業で導入が進んでいます。

ただし「技術ブログを始めよう」と言っても、担当者がいない・続かない・何を書けばいいかわからないというケースが大半です。最小実装として、まず次の3テーマから始めることを推奨します。

  1. 技術的な課題解決の記録:直近のプロジェクトで取り組んだ技術的なチャレンジを、問題→解決→学びの構造で書きます。検索流入にもつながるコンテンツです。
  2. 開発環境・ツール紹介:利用しているエディタ・CI/CDパイプライン・コードレビュー体制などを紹介します。候補者が「働くイメージ」を持てるコンテンツです。
  3. 社員インタビュー・入社エントリー:在籍エンジニアの入社理由・仕事の面白さを等身大で伝えます。採用媒体には書けない「社内の本音」を伝える効果があります。

運用分担は「現場エンジニアがネタを提供し、広報または人事が編集・公開する」の2役体制が継続しやすいモデルです。月2本のペースで6ヶ月続けることができれば、候補者が検索経由で自社を発見する導線が徐々に積み上がっていきます。最初から完成度の高い記事を目指す必要はなく、等身大のコンテンツを継続的に発信することが採用広報の本質です。

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選考離脱と内定辞退を減らす|Candidate Experienceの設計

応募数を確保できても、選考途中での離脱や内定辞退が多ければ採用には至りません。候補者体験(Candidate Experience)とは、応募から内定承諾まで候補者が経験するすべての接点の質です。エンジニアは転職市場で引く手あまたのため、体験の質が低い企業は他社に流れていきます。

選考スピードと連絡品質を標準化する

選考離脱の主要因のひとつが「連絡が遅い」ことです。他社と並行して選考を進めているエンジニアは、内定が出た順に意思決定を進めます。面接後のフィードバックが3日以上かかる、次工程の案内が曖昧、書類選考の結果連絡が1週間以上かかる——こうした対応はそれだけで辞退リスクを高めます。

標準化すべき最低ラインは次のとおりです。

  1. 書類選考の結果連絡:応募から3営業日以内を目安とします。
  2. 面接日程の候補提示:書類通過連絡と同時に、3候補日を提示します。
  3. 面接後の結果連絡:面接から2営業日以内。遅れる場合は「〇日までにお知らせします」と事前に伝えます。
  4. 内定通知のスピード:最終面接から1週間以内が目安です。

連絡品質も同様に重要です。「お見送りとなりました」だけの画一的なメールではなく、選考を通じて感じた良い点や今後に向けた一言を添えるだけで、候補者の印象は大きく変わります。採用に至らなかった候補者が後日再応募する事例や、知人を紹介してくれる事例も、丁寧な連絡品質から生まれます。

技術面接を「見極め」と「動機形成」の場にする

技術面接はスキルを確認する場であると同時に、候補者が「この会社で働きたい」と感じる動機を形成する機会でもあります。多くの企業で見過ごされがちな視点です。

見極め面接として有効なのは、「これまでに技術的なトラブルに関わった経験はありますか」「この状況に置かれたらどの順番で原因を探りますか」といった具体的なシナリオ質問です。課題を課す場合も、採点だけでなく「どんな考え方でアプローチしたか」を深掘りする対話を加えると、スキルと思考プロセスの両面を把握できます。

動機形成の面では、面接の最後に「私たちが取り組んでいる技術的な課題」や「現在のチームが注力しているプロジェクト」を紹介する時間を意図的に設けましょう。現場エンジニアが面接官として参加し、等身大で仕事の面白さを語ることも、候補者の志望度を高める有効な手段です。「面接官から直接話が聞けた」という体験が、他社との差別化につながります。

内定後フォローで辞退率を下げる

内定を出した後に何もしなければ、候補者は他社との比較をじっくり進めます。内定後のフォローは、辞退率を下げる最後の砦です。

実施すべきフォローのポイントは次のとおりです。

  1. オファー面談の設定:年収・配属・役割への不安を直接解消する場を設けます。人事だけでなく現場の責任者も参加すると、候補者の納得感が高まります。
  2. 入社前接点の維持:内定から入社までの期間に、社内のエンジニアとの1on1やオフィス見学の機会を作ります。心理的な距離を縮めることで、競合他社への流出リスクを低下させます。
  3. 配属期待値の調整:入社後の最初の担当業務・チーム・プロジェクトをできる限り具体的に伝えます。曖昧な状態のまま入社されると、現実とのギャップが早期離職の原因になります。

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早期離職を防ぐ定着設計|採用の成功を入社後まで伸ばす

採用できたとしても、入社後3〜6ヶ月以内に退職されてしまえば、採用コストはゼロになります。エンジニアの早期離職の多くは、採用時に形成された期待と入社後の現実とのギャップが原因です。採用活動の設計は、入社後の定着まで含めて考えることが採用ROIを高める鍵となります。

入社初期のオンボーディング設計

入社直後のエンジニアが感じる最大の不安は「自分がここで貢献できるかどうか」という不確実性です。この不安を早期に解消するために、入社初期のオンボーディングを意図的に設計することが重要です。

最低限整備すべき要素は次のとおりです。

  1. 最初の業務設計:入社1〜2週間は、環境構築・コードベースの把握・チームメンバーとの関係構築に集中できる時間を確保します。即戦力として無理に業務を割り当てることは逆効果になります。
  2. メンター体制:技術的な疑問・業務の進め方・社内カルチャーについて気軽に相談できる担当者を明示します。特定の1人を窓口にすることで、新入社員が孤立感を感じにくくなります。
  3. 期待役割の明文化:入社後30日・60日・90日の時点で何を達成すれば「順調」とみなされるかを明示します。ゴールが見えることで、新入社員は安心感を持って業務に取り組めます。

採用時の約束と現場実態のギャップを埋める

早期離職を防ぐために有効なのは、採用プロセスの中で現実の情報を積極的に開示する考え方です。具体的には、面接時に「うちのチームが現在直面している課題」や「入社してすぐに大変だと感じること」を正直に伝えることで、入社後のギャップを事前に縮めることができます。

選考中に「いいことだけ」を強調し続けると、入社後に落胆して早期離職につながるリスクが高まります。魅力だけでなく課題も伝えることで、入社を決めた候補者の覚悟と納得度が上がり、定着率の改善に直結します。

また、採用要件と現場実態の定期的な突き合わせも重要です。半年に一度、採用時に提示した業務内容・技術環境・キャリアパスが現場で実態として提供できているかを確認することで、採用広告と現場のズレを早期に修正できます。採用担当者と現場の責任者が定期的に対話する機会を設け、「採用時に訴求した内容は今も実態に合っているか」を確認する習慣が、定着率を高める採用活動の土台になります。

パソコンを使っている人

採用施策のKBF比較表|媒体・エージェント・ダイレクト・オウンドメディアをどう選ぶか

エンジニア採用に使えるチャネルは複数あります。ただし、どのチャネルが最適かは自社の採用ステージ・予算・運用体制によって異なります。感覚ではなく、購買決定要因(KBF)で比較することで、投資対効果の高い組み合わせを選びやすくなります。

KBF比較軸(費用・立ち上がり速度・採用品質・運用負荷)

採用チャネルを評価する際に使えるKBF比較軸として、次の4つを定義します。

  1. 費用:採用1人あたりのコスト(CPA)。掲載料・成功報酬・運用人件費を含めた総コストで見ます。
  2. 立ち上がり速度:チャネルを開始してから採用成果が出るまでの期間。急募の場合は速度が優先されます。
  3. 採用品質:応募者のターゲット適合度・内定承諾率・定着率。数より質を重視する局面で重要な軸です。
  4. 運用負荷:担当者の工数。採用担当が少人数の場合、運用負荷が高いチャネルは継続が難しくなります。

主要チャネル別の向き不向き

チャネル 費用感 速度 採用品質 運用負荷 向いている状況
ハローワーク 無料 低速 低め 採用コストを抑えたい、地方拠点の採用、未経験歓迎ポジション
求人媒体(マイナビ等) 掲載課金 中速 認知度を広げたい、母集団形成を優先したい時期
エンジニア特化媒体 掲載課金 中速 中〜高 技術職に絞った応募が欲しい、スカウト機能を活用したい
転職エージェント 成功報酬(高額) 速い 高め 急募・ピンポイント採用・採用担当リソースが少ない時
ダイレクトリクルーティング 中程度 中速 ターゲットを絞り込んだスカウト、採用担当のメッセージング力がある時
ポジショニングメディア 初期投資型 低速〜中速 低〜中 中長期での採用ブランド構築、潜在層の掘り起こし、定着率改善を狙う時

ハローワークは無料で始められる反面、意欲の高い応募者との出会いに時間がかかります。転職エージェントは即効性がある一方で、採用1件あたりのコストが大きくなります。どのチャネルにも一長一短があるため、単体ではなく組み合わせることが現実的なアプローチです。

予算と体制別の組み合わせ方

採用チャネルは単体で運用するより、組み合わせることで短期と中長期の両面をカバーできます。少人数運用でも成果を狙いやすい組み合わせの考え方を紹介します。

採用担当1名・予算が限られる場合

エンジニア特化媒体1本でスカウトを中心に運用し、並行して技術ブログを月2本のペースで始めます。すぐの応募獲得はエージェントへの部分委託でカバーし、中長期での認知蓄積はオウンドコンテンツで積み上げる分担が現実的です。

採用担当2〜3名・中程度の予算がある場合

求人媒体での母集団形成を軸にしつつ、ダイレクトリクルーティングで質の高い候補者へのアプローチを並行させます。採用広報への投資も始め、半年後以降の母集団品質改善を狙います。

採用を継続的な事業基盤にしたい場合

ポジショニングメディアを中核に据え、職種名・技術領域・課題文脈からの自然流入を設計します。採用コストを媒体依存から脱却させ、中長期でのCPA改善と候補者の質向上を同時に実現できます。

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企業フェーズ別に見る実行優先順位|採用担当1名企業・拡大期・多拠点企業

採用改善の施策は多岐にわたりますが、すべてを同時に実行することはできません。自社の規模・フェーズ・リソースに合わせて、まず着手すべき施策を絞り込むことが実行の鍵です。

採用担当1名企業が先に着手すべき施策

採用担当が1名の場合、運用負荷の高い施策は続きません。最初に効果が出やすく、かつ工数を抑えられる施策に集中することが重要です。

優先度の高い施策は次の3つです。

  1. 求人票の訴求改善:技術スタック・チーム構成・裁量の具体化から始めます。すでに媒体に掲載している求人票を書き直すだけで、ターゲット応募の質が変わります。コストゼロで今日から着手できます。
  2. 選考連絡の標準化:書類通過連絡・面接後フィードバックのテンプレートと期限を社内で決めます。候補者体験の改善は運用コストが低く、辞退率に直結する施策です。
  3. 採用ファネルの数値確認:現在どの段階で詰まっているかを1ヶ月分のデータで確認します。課題特定ができれば、限られたリソースを正しい場所に使えます。

拡大期企業のボトルネック解消ポイント

採用人数が増える拡大期は、個人技に依存した採用から組織的な採用オペレーションへの移行が求められます。この時期にボトルネックになりやすいのは、面接品質のばらつきとチャネル最適化の遅れです。

  1. 面接の評価基準統一:評価シートを整備し、複数の面接官が同一基準で候補者を評価できる状態を作ります。面接官によって合否判断がバラバラになると、採用精度が下がりミスマッチが増えます。
  2. チャネルROIの定期検証:四半期に一度、チャネルごとの応募数・採用数・CPAを比較し、投資配分を見直します。「ずっと使い続けているから」という惰性での媒体選定を避けることが大切です。
  3. ダイレクトリクルーティングの本格導入:スカウト型のアプローチでターゲット層への能動的なアプローチを仕組み化します。

多拠点企業の一貫運用設計

複数拠点で採用を行う企業では、拠点ごとの採用基準・訴求内容のばらつきが課題になります。東京本社と地方拠点で求人票の表現がバラバラだったり、面接の進め方が統一されていなかったりすると、採用ブランドの一貫性が損なわれます。

取り組むべき優先事項は次の2点です。

  1. 採用基準・訴求テンプレートの整備:全拠点で使える求人票のベースと技術面接の評価シートを本社で作成し、拠点がカスタマイズできる範囲を明確にします。
  2. 採用ブランドの共通化:「なぜこの会社のエンジニアとして働くのか」というストーリーラインを全拠点で共有します。ポジショニングメディアやオウンドコンテンツは、拠点を問わず一元管理できる採用資産として機能します。

Zenkenの提案|ポジショニングメディア×採用広報で”選ばれる理由”をつくる

エンジニア採用が進まない根本的な問題のひとつは、「なぜ競合ではなく自社なのか」を候補者に伝えられていないことです。Zenkenが運営するキャククルは、ポジショニングメディア戦略を軸に、採用における訴求設計と候補者の意思決定支援を組み合わせたアプローチを提案しています。

競合比較されても選ばれる訴求設計とは

エンジニアが転職先を選ぶ際、複数の企業を比較するのは当然の行動です。求人サイトやエージェントを介すれば、複数の企業が横並びで比較されます。この比較の場で選ばれるためには、「給与・規模・知名度」以外の軸で差別化することが必要です。

ポジショニングメディアでは、エンジニア職種名・技術領域・解決したい業務課題といった文脈キーワードから候補者を集客します。「Pythonエンジニア 転職」「製造業 組み込みエンジニア 採用」といった検索から自社サイトへ誘導することで、求職者が自分のスキルと仕事の相性を自然に判断できる導線を設計できます。

訴求内容は求人票の焼き直しではなく、「自社の技術的な挑戦」「チームが大切にしている価値観」「入社後のキャリアパスの実例」といった深みのある情報に踏み込みます。結果として、「この会社で働いてみたい」と感じる候補者からの問い合わせが増え、マッチング精度と採用決定率が同時に高まります。

採用決定率・定着率につながる情報設計

候補者が内定承諾の意思決定をする際に知りたい情報は、応募前に求人票で見た内容とは異なります。「実際に入社した人はどんなキャリアを歩んでいるか」「現場の開発スタイルはどんな感じか」「会社の意思決定のスピードや透明性はどうか」——こうした情報が不足していると、内定後も不安が残り辞退につながります。

採用広報コンテンツで整備すべき情報は、次の3層です。

  1. 技術情報層:技術ブログ・カンファレンス登壇・OSS活動など、エンジニアとしての業務実態が伝わるコンテンツ。採用媒体では表現しきれない「開発の生の様子」を発信します。
  2. 文化情報層:社員インタビュー・入社エントリー・チームの日常風景など、会社の雰囲気や価値観が伝わるコンテンツ。「一緒に働きたいか」という感情的な判断に影響します。
  3. キャリア情報層:入社後のキャリア事例、評価制度の説明、マネジメントへのパスや専門職トラックの存在など、中長期での成長イメージが持てるコンテンツ。定着率の改善にも直結します。

Zenkenはこれらの情報設計から発信・運用までを一貫して支援します。120を超える業界での実績をもとに、自社の強みを候補者に伝わる形に整理し、採用媒体への依存から脱却した持続可能な採用基盤を構築するための提案を行っています。

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まとめ|エンジニア採用は「量」ではなく「ファネル設計」で改善できる

エンジニア採用がうまくいかない理由は、応募不足・選考離脱・内定辞退・早期離職のいずれかに集約されます。「採れない」とひとくくりにせず、採用ファネルで詰まっている工程を特定してから施策を打つことが、最も費用対効果の高いアプローチです。

今日から見直すべき3つの着眼点

本記事で解説した内容を整理すると、今日から着手できる改善の起点は3つあります。

  1. 採用ファネルの数値確認:応募から定着まで、どの工程で歩留まりが落ちているかを1ヶ月分のデータで確認します。課題の所在が特定できれば、次の施策が決まります。闇雲に媒体を増やす前に、まずこの作業から始めてください。
  2. 候補者体験の棚卸し:選考連絡のスピード・面接の進め方・内定後フォローを、自社の視点ではなく候補者の視点で見直します。改善が容易で効果が大きい施策であり、ほとんどの場合コストなしで着手できます。
  3. 定着設計との接続:採用活動の評価指標を「採用数」だけでなく「6ヶ月在籍率」まで拡張します。定着率を採用の責任範囲に含めることで、ミスマッチを防ぐための情報開示と要件設計が自然と改善されます。

エンジニア採用は、一時的な媒体追加や予算増額では根本的な改善は難しく、ファネル全体の設計を見直してはじめて成果が積み上がります。採用戦略の見直しや採用広報の立ち上げについてご相談したい場合は、キャククルの運営元であるZenkenにお気軽にお問い合わせください。自社の課題と強みを整理した上で、定着率を高める採用基盤づくりを支援します。

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