コールセンター運営やインバウンドセールスを手掛ける企業が導入すべきシステムが、インバウンドCTIです。これは、顧客から着信があった際に相手の情報をリアルタイムで画面に表示させたり、通話内容を自動で録音したりできるシステムをさします。
ここでいうインバウンドの意味は、電話の着信です。発信することが多い業務では、アウトバウンドCTIというシステムが役立ちます。
この記事では、さまざまな企業が提供するインバウンドCTIを取り上げ、それぞれの特徴をまとめました。顧客の問い合わせ対応やコールセンター業務の効率化、コスト削減を検討する際の参考にしてください。
インバウンドCTIシステムの一覧表
インバウンドCTIを提供する企業はたくさんあります。各社が提供するシステムはそれぞれ独自の特徴を持っているため、自社の業務にはどのシステムが合うか比較しながら選びましょう。以下の表では主なインバウンドCTIを12個まとめました。それぞれの特徴も記載していますので、参考にしてください。
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
AmeyoJ(アメヨジェイ) |
インバウンドもアウトバウンドも対応!リーズナブルな秒課金でコストを削減
|
楽天コネクト Speed |
1ヵ月単位から契約でき、繁忙期のオペレーター増員にも柔軟に対応可能 |
BlueBean |
オペレーター画面のカスタマイズ性が高く業務効率アップを図れる |
OSORA |
各種ビジネスツールと連携可能で社内での情報共有やデータ管理が容易 |
UNIVOICE ACCS |
充実のレポート機能で業務の現状分析と改善が捗る |
CT-e1/SaaS |
DXソリューションとの連携による高度な音声認識機能を有する |
ビズリンククラウドCTI |
既存設備を流用しつつ、回線の知識に長けたプロが導入をサポート |
BIZTELコールセンター |
24時間365時間対応の電話サポートで予期せぬトラブル発生時も安心 |
TIS CTI Cloud |
事業規模の大小や複数拠点・分散拠点など各種状況に柔軟に対応可能 |
MediaCalls |
シンプルな管理画面で初めてのCTI導入でも直感的な操作ができる |
COLLABOS PHONE |
問い合わせからシステム導入まで最短3週間。急務で導入したい企業に |
カイクラ |
自動の通話録音機能あり。AIにより文字起こしも対応でき業務負荷が下がる |
インバウンドCTIとは
CTIとは
電話・FAX・コンピューターを統合させたシステムのことをCTI(Computer Telephony Integration)と言います。 顧客データと電話をシステムで連携させることで、電話番号から顧客の過去の対応履歴を参照する、顧客リストをもとに自動発信するなど、電話応対業務をサポートしてくれます。 CTIはその機能からコールセンターでのお問い合わせ対応や営業活動などの業務を中心に導入が進んでいるシステムです。インバウンドCTIとアウトバウンドCTIの違い
CTIには「インバウンド型」と「アウトバウンド型」の2タイプがあります。利用目的や必要な機能によって導入すべきタイプが異なるため、タイプ別でそれぞれについて解説します。インバウンドCTIの利用目的
オペレーターの負担軽減や、顧客満足度の向上が主な利用目的です。そのため多くの着信に効率よく対応するための機能が揃っています。インバウンドCTIの主な機能
ポップアップ機能
顧客管理システムと連携して、着信と同時に画面上に顧客情報をポップアップできる機能です。
購買履歴やこれまでの対応履歴など顧客に関する様々な情報を瞬時に把握して電話対応できるため、オペレーターによる対応品質の均一化、顧客満足度の向上などの効果が見込めます。
ACD(Automatic Call Distribution:着信呼自動分配装置)機能
顧客管理システムと連携して、着信と同時に画面上に顧客情報をポップアップできる機能です。
購買履歴やこれまでの対応履歴など顧客に関する様々な情報を瞬時に把握して電話対応できるため、オペレーターによる対応品質の均一化、顧客満足度の向上などの効果が見込めます。
IVR(Interactive Voice Response:自動音声応答)機能
顧客からの着信に自動で応答・案内をする自動音声応答機能のこと。簡単な問い合わせであれば自動で回答してくれるため、応対が短時間で済むことも。回線混雑時や営業時間外などのすぐに折返しができない状況に、設定することで取りこぼしを防げます。
アウトバウンドCTIの利用目的
オペレーターが効率的に発信して顧客獲得することが主な目的です。そのため発信業務を効率化するための様々な機能が搭載されています。
アウトバウンドCTIの主な機能
ワンクリック発信機能
顧客リストから電話番号を選択すると、ワンクリックで発信できる機能。電話番号の手入力が不要になるため、入力ミスを防げてオペーレーターの操作負担軽減にも繋がります。
オートコール機能
登録リストをもとに応答するまで1件ずつ自動で発信する機能。顧客に電話が繋がり次第、オペレーターが対応するためオペレーターの発信作業を省略できて、大幅な業務効率化に繋がります。
プレディクティブコール機能
登録リストの連絡先に一斉発信を行うシステムのこと。応答があった場合はオペレーターへ接続して、応答がなかった場合には自動的に折り返し発信を行うため、効率的に発信業務を行えます。架電業務はシステムにしてくれるので、オペレーターは会話に集中できるのもポイントです。
リスト管理機能
発信リストを社内で共有・管理できて、オペレーターごとに振り分ける機能。発信を避けたい連絡先をリストから外すこともでき、クレーム対策に有効です。
クラウド型のCTIとオンプレミス型のCTIの違い
CTIには、導入コストが抑えられるクラウド型と社内ネットワーク環境で運用できるオンプレミス型の2種類の形態があります。
クラウド型のCTIのメリット
1.導入後すぐ使えて、導入コストが抑えられる
クラウド型のCTIはすでにあるネットワーク環境を利用するため、サーバなどを準備する必要がありません。そのため最短翌日から利用できる製品もあり、オンプレミス型と比べて導入費用と運用費用が抑えられるところが魅力的です。
2.インターネット上でどこでも利用可能
クラウドサーバーを利用すれば、社内だけでなく、外出先からも利用できます。クラウド型のCTIはインターネット接続ができる端末があれば、利用できるため在宅ワークなどもスムーズに対応できるでしょう。
3.メンテナンスしなくて良い
障害が発生した場合は、ベンダーが遠隔操作で障害対応してくれます。また、サーバーなどの機器の管理やネットワークの管理をベンダーに任せられるため、自社でメンテナンスせずに済み、メンテナンスのためのエンジニアを雇う必要もありません。
オンプレミス型のCTIメリット
1.月額費用が抑えられる
導入費用はクラウド型と比較すると高いですが、導入後の月額費用は電話料金だけになります。そのため月のランニングコストは抑えられる可能性が高まります。
2.機能のカスタマイズがしやすい
オンプレミス型のCTIシステムはすべて自社内で構築・運用するため、必要な機能を自由にカスタマイズできます。現場の声をシステムに反映できるため、自社に合った形でコールシステムを運用できるでしょう。
3.セキュリティが強固
オンプレミス型は、インターネット回線を介する必要がないため、外部ネットワークへの情報漏洩やクラッキングなどのリスクが軽減されます。CTIは顧客情報を扱うシステムのため、漏洩リスクが低いというのは大きなメリットでしょう。
このようにクラウド型CTIシステムにはメリットとデメリットがあるため、それぞれの特徴をよく把握して自社に合ったCTIを導入することが大切です。/p>
インバウンドCTIのまとめ
コールセンターの業務負荷軽減や効率化を図りたいなら、インバウンドCTIの導入がおすすめです。インバウンドCTIを提供している企業はたくさんあります。
導入を検討するにあたっては各社が提供するシステムの特徴や強み、料金を比較しながら選ぶ必要があります。自社の業務改善に必要なのはどんな機能か、なにを重視するかよく考えてから最適なシステムを選びましょう。
どのシステムを選べばいいか迷ったときは、本記事で紹介した各システムの情報をぜひ参考にしてください。
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- 本記事は、2023年10月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。