製造業が抱える経営課題とこれから進めるべき取り組みを解説

製造業が抱える経営課題とこれから進めるべき取り組みを解説
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製造業の現状

日本の製造業は、変化のときを迎えているといわれています。波に乗り遅れないため、現在の状況を正確に把握しておく必要があります。製造業を取り巻く環境は、どのようになっているのでしょうか。

経済状況

内閣府が発表している主要統計データによると、2021年1~3月期の四半期実質GDP成長率は前期比1.0%減(年率換算3.9%減)となっています。

1月に発令された新型コロナウイルス流行による緊急事態宣言の影響で、3四半期ぶりのマイナス成長となりました。2020年度の実質GDP成長率は4.6%減です。2020年度の減少幅は、リーマンショックを上回る戦後最大となっています。回復の兆しは見えているものの、厳しい経済状況が続いています。

参考:国民経済計算(GDP統計)(https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html)

国内製造業の経済状況はどのようになっているのでしょうか。経済産業省が発表している「2020年版モノづくり白書」によると、国内製造業も新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けているようです。

具体的には新型コロナウイルス感染拡大により各国の需要が減少し、自動車産業を中心に国内の生産拠点で生産調整が頻発したとされています。製造業を取り巻く経済状況も厳しいといえるでしょう。

参考:2020年版ものづくり白書(https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2020/honbun_pdf/pdf/gaiyo.pdf)

設備環境への投資

「2020年版ものづくり白書」によると、設備投資の動向は2014年頃から回復基調でしたが2019年以降は横ばいとなっています。生産設備導入からの経過年数はどのようになっているのでしょうか。同じく「2020年ものづくり白書」によると、長期化の傾向が見て取れます。

例えば2013年における「導入から15年以上経過している自動組み立て装置」の割合は20%程度でしたが、2018年における「導入から15年以上経過している自動組み立て装置」の割合は40%程度となっています。生産設備の老朽化が進んでいるといえるでしょう。

参考:2020年版ものづくり白書(https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2020/honbun_pdf/pdf/gaiyo.pdf)

人的リソースの確保

人的リソースの確保は、今後、厳しくなると予想されます。少子高齢化が進行して生産年齢人口が減少すると考えられるからです。2020年における総人口に占める高齢者(65歳以上)の割合は28.7%です。総人口に占める高齢者(65歳以上)の割合は、2040年に35.3%まで上昇すると予想されています。

2020年における出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数に相当)は1.34です。日本政府はさまざまな少子化対策を打ち出していますが、現在のところ大幅な改善はできていません。少子高齢化の進行ならびに生産年齢人口の減少により、製造業でも人的リソースの確保は難しくなると考えられます。

世界的情勢による影響

国内の製造業は、世界的情勢からも影響を受けています。主な影響として挙げられるのが、新型コロナウイルスの感染拡大と新興国の台頭です。新型コロナウイルスの感染拡大により各国の需要が減少しているため、国内の製造業は生産調整などを余儀なくされています。

また低コスト生産を強みとする新興国が台頭していることで、国内の製造業はこれまでの価格を維持しづらくなっています。国内の製造業は、やや厳しい状況に置かれているといえるでしょう。

製造業が抱える大きな課題

製造業が抱える大きな課題

続いて製造業が抱える大きな課題を見ていきます。どのような課題を抱えているのでしょうか。

人口減少による労働者不足と市場マーケットの縮小

製造業が抱える大きな課題として人口減少の影響が挙げられます。少子高齢化の急速な進展により、日本の総人口は2008年をピークに減少に転じています。

総務省が発表している資料によると、日本人住民の自然増減数は前年比51万1998人減(令和2年1月1日現在)です。日本の総人口は、2050年に1億人を下回ると予想されています。

参考:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数のポイント(https://www.soumu.go.jp/main_content/000701578.pdf)

少子高齢化による人口減少なので、生産年齢人口も減っています。例えば2020年12月1日現在の生産年齢人口は7443万8000人で、前年比60万7000人減となっています。日本の生産年齢人口は、2060年に4118万人まで減少すると予想されています。

参考:人口推計(令和2年(2020年)12月平成27年国勢調査を基準とする推計値,令和3年(2021年)5月概算値)
 (2021年5月20日公表)(https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html)

人口減少が製造業に与える主な影響は、国内マーケットの縮小と人手不足の2つです。今後は、今後は海外へ活路を見いだす製造業が増えるなどが予想されます。

IT活用がまだ浸透していない日本の製造業

ITを活用しきれていない点も、日本の製造業の課題として挙げられます。海外の製造業は、規模を問わずAIやIoTを積極的に活用することで、事業を効率化させるとともに品質を向上させています。

日本の製造業だけITを活用しきれないと、効率面で差を開けられるうえ品質面でも追いつかれることが予想されます。日本の製造業がITを活用しきれない主な理由は、理解不足と人材不足と考えられています。最新のIT技術は英語で公開されることが多いため、日本の製造業は対応が遅くなります。

また終身雇用が前提となる日本の製造業では、ITに特化した人材を育てにくい、あるいは雇いにくい傾向があります。だからITを活用しきれない企業が多いのです。

技術継承がうまくできず、高い技術力が引き継げていない

高度な技術を有しているにもかかわらず、次の世代へうまく引き継げていない点も製造業の課題として挙げられます。特に中小企業に多い課題といえます。

技術継承をうまく行えない理由として以下の点が挙げられます。

  • 適切な人材がいない
  • 事業の見通しをたてられない
  • 負債を抱えている

慢性的な人材不足で、技術を引き継げる人材が育っていないケースが少なくありません。また将来が不透明、負債を抱えているなどの理由で、事業の後継者を見つけられないケースもあります。

日本の中小製造業は、大企業が高品質な製品を作る下支えをしています。技術継承をうまく行えていない点は、日本の製造業全体が抱える課題ととらえるべきでしょう。

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コロナ禍における受注先の減少

コロナ禍における受注先の減少も製造業の課題として挙げられます。経済産業省が発表している2020年のグローバル出荷指数は前年比10.5%減です。

(グローバル出荷指数は、国内事業所からの出荷(国内出荷指数)と日本企業の海外事業所からの出荷(海外出荷指数)で構成される日系製造業の動向を内外一元的にとらえるための指標)

新型コロナウイルス感染拡大の影響で大幅減となっています。ちなみに2020年7~9月期、10~12月期の海外出荷指数は100%を上回っているのに対し、国内出荷指数は7~8月期87.8%、10~12月期93.6%となっています。国内事業所は、回復に時間がかかっていると考えられます。

参考:国内出荷、海外出荷とも大幅低下し、4期連続の低下となった我が国製造業のグローバル出荷;グローバル出荷指数 2020年第Ⅱ期(2015年基準)(https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20201104minikeizai.html)

製造業がこれから進めたい取り組み

製造業がこれから進めたい取り組み

製造業は、課題とどのように向き合えばよいのでしょうか。続いて、製造業が進めたい取り組みを紹介いたします。

人材を確保する

製造業は、人材を確保するためイメージの改善が必要と考えられます。現在の製造業は、一般的に「3K(きつい・きたない・危険)」と捉えられているからです。

生産年齢人口の減少により、日本の労働市場は売り手市場が続くと予想されます。売り手市場とは、企業の採用枠より就職・転職希望者の方が少ない労働市場です。

就職・転職希望者は企業よりも有利な立場で求職活動を進められます。引く手あまたの売り手市場で、労働環境の悪い企業に就職・転職したいと考える人は少ないでしょう。

だから製造業は「3K」のイメージを改善する取り組みが必要なのです。具体的にはオウンドメディアを活用した労働環境の発信などが考えられます。

産業用ロボットで人材不足への対応と生産性向上

残念ながら短期間で「3K」のイメージを改善することは難しいと考えられます。特定の企業ではなく、製造業全体に対するイメージだからです。したがって人材不足に対する具体的な取り組みも必要になります。

現実的な取り組みのひとつとして挙げられるのが、産業用ロボットの導入です。産業用ロボットには、人材不足を改善するだけでなく生産性の向上も期待できます。

生産数の増加や不良率の低下を見込めるからです。産業用ロボットにはさまざまな種類があります。自社に必要なものを見極めて導入することが重要です。

品質管理の見直しと徹底

品質管理の見直しと徹底も、製造業が取り組みたい対策といえます。製品開発の複雑化、人材不足、コスト削減などの影響で、品質管理に関するトラブルが増えているからです。

品質管理の見直しと徹底は、デジタル技術を活用して行えます。デジタル技術を活用するメリットは、品質情報を見える化できることと重大な不具合のリスクを事前に把握できることです。

熟練者の経験や勘に頼らず品質管理を行えるようになるので、人材不足の工場でも問題を見逃す可能性を減らせます。また早期に原因の特定と対応が可能になるため、問題解決にかかる期間も短縮できます。製造業は、デジタル技術の活用も含めて品質管理の見直しと徹底を図るべきといえるでしょう。

Society5.0でスマート化を図る

Society5.0を見据えて、工場のスマート化を進めていくことも重要といえます。Society5.0は、第5期科学技術基本計画で示された目指すべき未来の社会像です。

具体的には「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」を指します。

参考:Society 5.0(https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/)

Society5.0を実現した製造業の工場では、AIの指示のもとロボットが自動的に製品を製造していると予想されています。現時点でできることは、工場のスマートファクトリー化を進めることです。

スマートファクトリーは「インダストリー4.0(第4次産業革命)」の中心に位置づけられているあらゆる機器・設備をネットワークで接続して生産性などを高めた工場を指します。

スマートファクトリーは、人材不足・後継者不足などの課題に対処できると考えられています。従来型の工場から脱却して、工場のスマート化を図るべきといえるでしょう。

福利厚生などを充実させて働きやすい環境を整える

少子高齢化、生産年齢人口の減少に対応するため、労働環境の整備も求められます。「3K」のイメージを払拭して就職・転職希望者を増やすため、そして労働者の満足度を高めて少しでも長く働いてもらうためです。

具体的な施策としては、育児休業・介護休業・有給休暇の取得率を高める、残業時間を可視化して業務量を調整するなどが考えられます。

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製造業の課題の多くは、ITの活用や働き方改革で解決できます。例えば人材不足はWebサイトやSNSを活用して、取り組んでいる働き方改革をアピールすることなどで解消できる可能性があります。

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