太陽光発電業界で集客する場合、以前のようにテレアポや訪問営業を行うだけだと、なかなか成約率は上がりません。ホームページやポジショニングメディアなど、Web媒体を用いた集客が必要不可欠です。そこで、今回は太陽光発電におけるWeb集客について、現在の市場状況にも触れながら解説していきます。
太陽光発電の市場状況について
マーケット調査会社が発表したデータによると、太陽光発電の国内市場規模は2018年時点で5,460億円となっています。世界市場で見てみると、アメリカ・中国を中心に需要は大きく拡大していますが、日本では逆に縮小する結果となりました。市場の縮小傾向は2016年から続いており、この状態が続けば2030年には3,840億円まで縮小すると予測されているのです。(※)
※参照元:新電力ネット
https://pps-net.org/column/60800
つまり、日本における太陽光発電は残念ながら斜陽産業になりつつあるので、売上が見込める市場もさらに少なると想定できます。新たなビジネスモデルや法改正によって、市場状況が改善する可能性もありますが、あくまで希望的観測に過ぎません。
太陽光発電で利益を出したいと考えているなら、現状の限られた市場内で生き残るしかないと腹をくくり、集客施策を検討するべきです。市場が縮小していると言っても、全く打つ手がないわけではないので、早めに行動して競合他社に差をつけましょう。
太陽光発電の集客前にユーザー心理を知る
太陽光発電を導入したことがあるユーザーアンケートによると、
- 「会社や商品の信頼・評判」
- 「発電量・売電(シミュレーション)」
を重視していることが分かりました。アンケートの中には、検索したら会社の評判が悪かったので営業電話が来ても無視をしていた、という声もあります。
このように集客だけでなく、営業電話を行う際にも予め、お客様の声や施工実績や取り扱いメーカー数の多さなどを始めとした自社の強みをユーザーに知ってもらう必要があることが分かります。※全研本社調べ
差別化の要となる「USP」が集客を左右する
USP(Unique Selling Proposition)とは、簡潔に言えば「ユーザーに対する独自の強みの提案」を意味するマーケティング用語です。自社の商品・サービスの差別化を図る時に役立つ考え方として、日本でも大いに活用されています。
太陽光発電以外の業界にも言えることですが、昨今は似たような商品・サービスが市場に溢れかえっているため、ただ単に強みをアピールしてもユーザーの心には響きません。競合他社との差別化を図り、ユーザーに「このような独自の強みがあるから買いませんか?」と伝えるなど、USPを意識しなければ効率的に集客できないのです。
USPの歴史について
USPは今から50年ほど前、アメリカ広告の巨匠と呼ばれるコピーライター、ロッサー・リーブス氏によって提唱されました。リーブス氏はテッド・ベイツという小さな広告代理店に勤めていましたが、USPによってテッド・ベイツを世界有数の大企業に成長させたのです。
リーブス氏はUSPを提唱するにあたり、まず1940年代に成功した広告キャンペーンを徹底的に分析しました。すると“ある共通点”が見つかったので、それらをUSPとして著書にまとめた次第です。
誕生から半世紀以上経過した今でも、USPはマーケティングにおける重要な考え方として、マーケティング活動に取り入れられています。
USPの定義とは
USPに基づいて差別化を図る場合、単に独自性のある強みを提案すればいいというわけではありません。「競合他社にはない自社だけの強み」をユーザーに提案することが最も重要です。
これを踏まえて、リーブス氏はUSPの定義を以下の3項目にまとめました。
- 広告は消費者に対して提案するものでなければならない
- 競合他社が取り組んでいない、あるいは真似できない提案を考えなければならない
- 提案は多くのユーザーを動かせるほど強力でなければならない
ユーザー側(消費者)からすると、商品・サービスの選択肢は豊富にあります。その中から1つを選び出すことになるため、企業側はUSPを明確に伝えて訴求することが大切です。
バリュープロポジションも意識する
差別化を図るにあたって、USPと同じくらい重要な要素が「バリュープロポジション」です。日本語にそのまま訳すと“顧客価値”という意味になりますが、具体的には以下のような考え方を指します。
- ユーザーが望んでいて
- 競合他社は提供できない
- 自社が提供できる価値
このようにUSPの定義と似ていますが、バリュープロポジションでは特にユーザーニーズを重視しています。競合他社との差別化はもちろん大切ですが、それだけにとらわれるとユーザーニーズを見失ってしまいかねません。
適切な集客施策を実行したいなら、ユーザーニーズを踏まえて差別化できるポイントを抽出することが大切です。それができたら具体的にどうアプローチするか、どんな媒体を用いるかなど、次のステップに進むことができます。
集客の肝となるエリアマーケティング戦略とは?
効率的に集客したいなら、USPやバリュープロポジションによって差別化を図るだけではなく、地域に基づいた「エリアマーケティング戦略」を実行する必要があります。
エリアマーケティングとは、わかりやすく言えば「地域に合わせて商品・サービスが売れる仕組みを作ること」です。人口や世帯数はもちろん、年代構成・発展度・ライフスタイル・気候なども地域ごとに異なるので、集客施策で最大限の効果を得たいなら、エリアマーケティングが欠かせません。
エリアマーケティングの理解を深められるよう、目的についても解説していきます。
集客の効率化を実現する
あらゆる地域をターゲットにした集客施策と、反応が見込める地域だけターゲットにした集客施策では、言うまでもなく後者のほうが効率的です。このように集客の効率化を図りたいなら、自社の有効商圏を把握しつつ、エリアマーケティングに取り組む必要があります。
特に太陽光発電は日射量によって発電量が変動するので、地域によって向き不向きがあります。発電量の多い地域と少ない地域では、当然ながら適切な集客施策も変わってくるため、この辺りの事情もチェックしておきたいところです。
マーケティング用のデータを取得する
エリアマーケティングを実行すると、自社の有効商圏やユーザーの反応、地域ごとの特性といった貴重なデータを取得できます。これらのデータを集めれば、市場やユーザーの動向が見えてくるため、実行中の集客施策を改善したり、次のプランを検討したりすることが可能です。
そのため、エリアマーケティングは新規出店を考えている企業のみならず、既存事業を成長させたい企業にとっても重要と言えます。
各地域のトレンドを掴む
エリアマーケティングによって取得したデータを分析すれば、各地域のトレンドを掴むこともできます。トレンドがわかれば、より地域に合致した集客施策を実行できるため、さらなる効果に期待できるのです。
また、エリアマーケティングを継続すれば、長期的なトレンドを掴むこともできます。中長期的なマーケティング戦略を考える際に役立つので、その辺りも踏まえてトレンドを見極めたいところです。
代表的なWebエリアマーケティング広告手法
情報通信技術が著しい発展を遂げている現代、Web集客はやや飽和状態になっているため、紙媒体やマス媒体を併用するクロスチャネル戦略が流行っています。しかし、Web集客の重要性が下がったわけではありません。ポスティングチラシなどを見たユーザーは、ほぼ確実にWebから情報を集めようとするため、むしろ重要性は増しているのです。
アナログ→Webという情報収集の流れがある以上、Web媒体でいかにクロージングできるかが集客の分かれ目になってきます。そのため、クロスチャネル戦略を実行するかどうかを問わず、Web媒体で近隣のユーザーに訴求することが大切です。
ホームページリニューアル及び制作
太陽光発電業界では、ホームページが集客チャネルとして依然有効です。しかし、ホームページは持っていればいいというものではありません。ホームページから問い合わせができない、内容があまりにも古いといった場合、まずは問い合わせがとれる導線設計を作りましょう。簡素でも構わないので、最低限の機能を準備することが大切です。
また、訪問したユーザーに安心感を与えられるよう、ホームページ内には以下の情報を掲載しておきましょう。一からリニューアルするのが難しいなら、新たにページを追加するだけでもOKです。
- 設置費用
- 施工実績
- 会社概要
- 自社の強み
- ユーザーの声
その他、スマートフォン表示への対応も必要不可欠となります。
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ホームページへのSEO対策
ホームページのアクセス数を増やしたいなら、検索結果の上位表示を狙う「SEO対策」が欠かせません。検索した地域によって検索結果は変わってくるため、自社の商圏を踏まえて対策する地域と検索キーワードを選定することが大切です。
太陽光発電の場合、周辺地域で業者を探しているユーザー、もしくは補助金制度を調べているユーザーに着目して、SEO対策に取り組みましょう。
ポータルサイト(見積もりサイト)への登録
ポータルサイトとは、Web上の様々なページへのリンクを設置することで、玄関口の役割を果たしている大型サイトです。太陽光発電の場合、複数の業者を比べて相見積もりが取れる「見積もりサイト」が主に該当します。
ポータルサイトに登録すると自社の情報が掲載されるため、広告効果に期待できる点が大きなメリットです。また、サイトによっては紹介前に審査が入るケースもありますが、審査をクリアすれば情報の信頼性が上がるので、問い合わせにつながりやすくなります。
ポジショニングメディアでの差別化戦略
Web集客におけるポジショニングメディアとは、特定の地域やジャンルに特化したポータルサイトに近い存在です。例えば、特定地域周辺の太陽光発電に特化をしたポジショニングメディアを作ることで、その地域で情報収集しているユーザーへ効率的に訴求できます。
また、ポジショニングメディアでは提携する企業の特徴や強みを際立たせるといったことも可能です。他社と差別化を図れるのはもちろん、自社に合ったユーザーを狙って情報を届けられるため、ブランディングにもつながります。バリュープロポジションを確立できていない、既存のマーケティング戦略を競合他社に真似されており市場の奪い合い状況に苦戦をしている状況を脱却できます。
ポジショニングメディアの紹介資料
WEBマーケティング戦略のひとつである、当社のWEBサービス「ポジショニングメディア」について、太陽光発電業界のものを資料にしました。すでに導入されたお客様の声や、一般的なWEB集客手法の課題もまとめています。
太陽光発電業者が取り組んでおきたい集客・マーケティング戦略
エリアマーケティング戦略では、自社の有効商圏はもちろん、競合他社と被っている商圏も分析することが大切です。そして、ターゲットとなるユーザーも選定しつつ、最適な手法を選んで実行することが集客成功へのプロセスとなります。
全研本社では太陽光発電や蓄電池等のエネルギー業界をはじめ7000件以上のWeb集客実績があります。
我々のマーケティング戦略ではバリュープロポジションの考え方に基づいた戦略設計を行います。
そのため、受注に繋がらない商談機会の創出ではなく、貴社だから相談(商談)したいという確度の高いユーザーを創出することが可能です。
このように単なる問い合わせや資料請求で終わらせるのではなく、
受注までを意識した戦略によって広告費用対効果の改善を目指すため、導入されたらきっとご実感いただけることでしょう。
もし自社にあったユーザーから選ばれる戦略を仕掛けたい、商圏内ナンバーワンを目指したいなどと考えているならぜひ一度ご相談ください。