新規事業の営業戦略とは?立て方・営業方法・KPI設計まで解説
最終更新日:2026年04月08日
新規事業の営業戦略では、「とにかく営業する」だけでは成果が安定しません。誰に、どんな価値を、どの順番で届けるかを設計して初めて、受注と改善のサイクルが回り始めます。
この記事では、新規事業の営業戦略を立てるうえで必要な考え方に加えて、営業方法、KPI、体制づくり、失敗しやすいポイントまで整理して解説します。
この記事でわかること
- 新規事業の営業戦略を立てる基本手順
- 立ち上げ初期に有効な営業方法の選び方
- KGI・KPIの設計と見直しポイント
- リード獲得につなげる営業体制と改善の進め方
基本的な営業戦略の立て方
立ち上げた新規事業を成功させるには、入念な準備と営業戦略が大切です。
顧客、会社、商品・サービスについて理解しながら課題を探し出し、向き合わなくては正しい戦略に導けません。ここでは、新規事業のスタートアップ時におさえておきたいポイントについて解説していきます。
差別化できるポイントを探す

ターゲットを決める
売りたい商品・サービスを、市場でどの年齢層や性別を狙って売り出すかを決める必要があります。
自社の商品やサービスをどの層(=ターゲット)に向けて売り込むかを定め、そのターゲットを軸に営業活動を展開していくことを「ターゲット・マーケティング」といいます。
どんなニーズに沿った商品やサービスか、適切なターゲットに明確に伝えることが効率的な集客や売上につながっていきます。
ターゲット設定は、商品やサービスを開発する上では細かく設定するほど効果的です。
年齢や性別のほか、職業や住んでいる地域、年収、結婚しているか、子どもがいるかなど、生活状況や行動パターンを決めておくことで、その人物が「どのような思いで行動しているか」「なぜその商品やサービスに魅力を感じるのか」という仮説を立てながら戦略を立てられます。
競合市場を調べる
市場で同じような商品やサービスを展開している競合他社を、細かく調べましょう。競合他社が多い市場なら、できるだけ多くの競合を調査します。
- 同じ地域・エリアで競合他社がどのくらいいるか
- 商品やサービスには何があるか、どのような価格帯か
- どんなユーザーをターゲットにしているか
- 実際に利用しているのはどんなユーザーか
- どんな営業方法や集客施策を行っているか
自社と競合ではどのような点で違いがあるかを、同じ項目で比較しましょう。
そして、他社と比較されたときに勝てそうもない点や課題を見つけていきます。同時に、他社が行っていない取り組みや独自性のあるサービスなど、自社の強みになりそうなポイント、別化できるポイントを見出していきます。
自社のポジションを知る
競合市場を分析してターゲット層を決めたら、自社ならではの提供価値「バリュープロポジション」は何かを探っていきます。
ここで役立つのが、市場調査をもとに導き出した自社の課題や問題点です。現状や立ち位置を分析し、差別化できるポイントが明確になれば、「自社ならではの魅力」として営業で軸にすべき強みができるでしょう。
似たような商品やサービスを同じ価格・方法で売り出しても、市場の中で他と差別化することはできません。料金が高い場合はコストを抑えつつ料金を下げる方法がないか、競合他社にはないサービスを行って付加価値をつけることができないか、などの解決策を出していきます。
フレームワークを実践する

次に、営業に取り組む「枠組み」をつくっておきましょう。効率的に計画を立てやすくなりますし、営業を行う上で説得力のある提案ができるようになります。
また、戦略をすすめる上での課題を見つけやすく、問題が浮かび上がった際にも対処や修正がしやすくなります。
4P分析
4Pとは、「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(プロモーション)」の4つの頭文字からきています。どんな製品をどのくらいの価格で、どのような流通やプロモーションで売り出していくと最適か、を分析し、明確にします。
>>4P分析とは?事例から学ぶマーケティング戦略立案のヒント
3C分析
3C分析の3Cとは、「Company(自社)」「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」を指します。ターゲット層を明確にし、競合他社の現状や市場評価と自社のちがいを分析して、自社独自の強みを見つけます。
>>3C分析の事例、やり方を学んで勝てるポジションを見つける
SWOT分析
「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の頭文字をとったのがSWOT分析。自社の強みのほか、自社の弱みや問題点も含めた分析を行います。そして市場環境やトレンドなどとの関係性も含めて分析することで、自社の立ち位置をより細かく把握していきます。
>>SWOT分析を事例つきで解説!企業の経営戦略フレームワークを実践
PEST分析
「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」からくるPEST分析。中・長期的に考えたとき、これらが要因して起こり得るリスクや課題を分析してシミュレーションしておくことです。自社の立ち位置を明確にしながら、将来の予測に備えられるようになります。
バリュープロポジションキャンバス
顧客の立場になって商品やサービスの価値を検討し、提供する企業とユーザーの間で、ニーズや価値にズレがないかを見出していきます。競合他社よりも顧客のニーズに合ったものを提供できるかを追求できるようになります。
>>バリュープロポジションキャンバスの作り方や考えるコツを解説
新規事業の営業戦略を実行に落とす5ステップ
フレームワークで整理した内容は、実行ステップに落とし込まなければ成果になりません。新規事業の営業戦略では、次の5ステップで進めると実務に落とし込みやすくなります。
1. 最初に狙う顧客を絞る
立ち上げ初期は、広く売ろうとするほどメッセージがぼやけます。まずは、課題が明確で導入可能性の高い顧客層に絞り込みましょう。
2. 提供価値を1文で言える状態にする
営業資料や商談の前に、「誰のどんな課題を、どう解決するか」を一文で説明できる状態にすることが重要です。これが曖昧だと、提案ごとに訴求がぶれてしまいます。
3. 営業プロセスを設計する
リスト化、初回接触、ヒアリング、提案、追客、受注までの流れを定義し、どこで何を確認するかを決めます。立ち上げ初期ほど、営業の標準化が重要です。
4. KPIを設定して検証する
問い合わせ数だけでなく、商談化率、提案率、受注率、失注理由まで追うことで、改善ポイントが見えやすくなります。
5. 営業とマーケティングをつなぐ
営業現場で得た顧客の反応を、サイト・資料・訴求の改善に反映させることで、リードの質を継続的に高められます。
新規事業の営業方法のポイント

分析とフレームワークまで進んだら、実際に営業活動を行いましょう。ここでは、新規事業の営業で踏まえておきたいポイントを記載しています。
業種やエリアを絞り込む
提供する業種のジャンルや対象事業エリアを決めていきます。もし競合他社が同エリアで営業活動をしていたら、顧客の抱えるニーズや新たな課題を探りやすく、今後さらに差別化を図るとき有効になるでしょう。
決済権がある担当者・役職者に営業する
営業でアポイントを取る担当者が、社長や代表者など「決裁権を持っているか」も大切です。誰が決裁権を持っているか、持っていないにしても、役職や管理職として務めているかを把握しておきます。決裁者でないとしても、近しい役職や立場かなどは調べておきましょう。
営業後の検索も意識しておく
営業をかけた後の検討フェーズでは、顧客は必ずネットで検索をします。自社情報や評判など、どういった情報がネット上にあるのか確認して知っておきましょう。ホームページを更新するなど、最新の情報に整えておくのも効果的です。
新規事業で有効な営業方法の選び方
新規事業では、商材特性や検討期間によって有効な営業方法が変わります。営業手法は複数ありますが、立ち上げ初期は目的ごとに使い分けることが重要です。
アウトバウンド営業
テレアポ、メール、フォーム営業などのアウトバウンドは、短期で仮説検証しやすい手法です。誰に響くかを探る段階で有効ですが、訴求が曖昧だと反応率が落ちやすくなります。
インバウンド営業
記事、ホワイトペーパー、比較ページ、SEOなどで問い合わせを獲得する方法です。立ち上がりには時間がかかりますが、自社に興味がある見込み客を獲得しやすい点が強みです。
紹介・パートナー営業
新規事業では信頼が不足しやすいため、既存顧客や提携先からの紹介は有力な営業チャネルになります。紹介が発生する条件や紹介後の対応フローも整えておきましょう。
新規事業の営業戦略で設定すべきKPI
新規事業は成果の再現性が低いため、KPIを細かく持つことが重要です。特に次の指標を分けて見ると、ボトルネックを特定しやすくなります。
- 接触数:営業対象にどれだけアプローチできたか
- 商談化率:接触から商談に進んだ割合
- 提案率:商談から提案まで進んだ割合
- 受注率:提案から受注に至った割合
- 失注理由:価格、タイミング、機能不足、社内稟議などの内訳
特に、失注理由を営業側の感覚で終わらせず、カテゴリで蓄積することが改善速度を大きく左右します。
オンライン上での営業戦略

Webでの集客施策を行っておくことで、新規事業を効率的に顧客やターゲットに周知できます。たとえば、ポータルサイトやポジショニングメディアの制作や運営も営業戦略として有効です。
ポータルサイト

新規事業を行う分野で集客しているポータルサイトがすでにある場合は、情報掲載も検討しておくとよいでしょう。事業エリアや対応エリアのSEO施策が施されていてアクセス数が集まりやすいため、顧客やターゲットに対して効率的に周知できます。
ポータルサイトは大きく分けて地域別ポータルとジャンル別ポータルがあります。大規模なポータルサイトに掲載することによって、自社への信頼獲得にもつながりますが、広告掲載に別途費用がかかることがあります。
集客したい分野のポータルサイトがない場合には自社運営ポータルサイトを制作するという方法もありますが、莫大な制作・運営コストがかかります。
ポジショニングメディア
ポジショニングメディアは、自社独自の強みをもとにプロモーションするWebメディアです。競合他社と比較した上で、自社の差別化ポイントを見せられるため、顧客やターゲット、営業先の担当者が見た際に決め手としてサイトそのものが後押しとなります。
ポジショニングメディア事例 詳細はお問い合わせください
また、サイト内で比較ポイントがまとまっており、決裁権がない担当者が決裁者にも説明しやすい点でBtoB向けの商品・サービスを売り出す新規事業にも効果的です。
新規事業の営業体制はどう作るべきか
営業戦略を実行するには、営業担当者個人の力量だけに頼らない体制が必要です。新規事業では、特に次の3点を整えると成果が安定しやすくなります。
標準化された営業フロー
初回接触、ヒアリング、提案、追客、受注後の引き継ぎまで、各段階で確認すべき項目を共通化しておきましょう。
営業資料とFAQの整備
立ち上げたばかりの新規事業は、顧客からの質問が多くなります。営業資料、比較表、よくある質問を整えることで、説明品質を均一化できます。
営業とマーケの連携
営業が得た現場の声を、サイト改善や訴求改善にすぐ反映できる状態を作ると、リード獲得の精度が上がります。
新規事業の営業戦略で失敗しやすいポイント
- 対象顧客を広げすぎる:誰にも刺さらない提案になりやすい
- 営業方法だけを増やす:運用負荷が上がり、改善が進まない
- 受注だけを追う:失注理由やLTVが見えず、戦略が育たない
新規事業では、最初から正解を当てるのではなく、仮説検証を通じて勝ち筋を狭めていく考え方が重要です。
新規事業の営業戦略でよくある質問
営業戦略はどこまで細かく作るべきですか?
立ち上げ初期は、完璧な設計よりも「検証できる粒度」で作ることが大切です。対象顧客、訴求、営業方法、KPIが揃っていれば改善を回し始められます。
新規事業は営業とマーケティングのどちらを優先すべきですか?
短期では営業で仮説検証し、中長期ではマーケティングで再現性を作る形が有効です。片方だけでは伸びにくくなります。
BtoBの新規事業で特に注意すべき点はありますか?
決裁者だけでなく、実務担当者にも説明しやすい資料や比較ポイントを整えることが重要です。社内稟議を通りやすくする設計が受注率に影響します。
新規事業の営業戦略・方法のまとめ
新規事業の営業戦略やフレームワークにおいて大切なのは「市場分析」と「自社分析」でした。
新しい商品やサービスを展開する上で、自社やサービスの魅力「他社にはできない強み」を見つけ出しておくことは、ニーズに合った顧客とのマッチングだけでなく、これから出会いたい良質な顧客を生み出す基軸にもなります。
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