企業の広報(PR)活動は、社内外に企業活動を知ってもらうための重要な業務です。しかし、人手不足や経験ノウハウがないため、広報活動が上手く進まない企業も少なくありません。このような課題を解決する方法として、注目を集めているのが「広報・PR効果測定ツール」です。
広報・PR効果測定ツールを使えば、自社が取り上げられているメディアやSNS上の会話を把握でき、データを一元管理できます。また、プレスリリース配信機能など、広報業務の効率化につながる機能が付いているツールも多くあります。ただ、一口にPRツールといっても、得意分野や機能、料金などが様々です。
下記では、広報・PRの効果測定ツールを目的別に紹介しています。下の方にスクロールすると各サービスの詳細も確認できるので、ツールを選定する際にぜひお役立てください。
おすすめの広報・PRの効果測定ツール
海外展開も視野に入れたPRオートメーションなら
PR Analyzer

強み
30以上の機能が搭載されており、データドリブンのPRを実現できるオールインワンツール。自社の規模に関わらず、PR会社のコンサルタント歴をもつ専門家による支援も受けられます。
Qlipper

強み
コンサルあり・なしのプランから選べるPRオートメーションツール。厳選した4,000サイト以上から情報を自動的に収集でき、ChatGPTをベースにしたプレスリリース生成機能も搭載されています。
Meltwater

強み
海外ジャーナリスト、ブロガー、インフルエンサーと関係を構築できるツール。メディアデータベースを活用したキーワード検索、プレスリリース配信機能、分析機能などが完備。
広報・PR効果測定で活用できるツールの一覧表
ここでは、広報効果測定ツールを紹介します。広報・PR効果測定ツールには様々な種類があり、マスメディア・Webメディアのどちらも効果測定できるツールから、一部に特化したツールまでさまざま。効果測定するメディアや媒体に加え、ツールの機能や操作性によっても変わってきます。ぜひこちらの記事を参考にして、自社に合ったツールを選定してください。
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
PRオートメーション |
成果にこだわったツールならコレ! 企画から効果測定までワンストップで自動化
|
PR Analyzer(PRアナライザー) |
カスタマーサクセス担当がニーズに合わせてKPI設定・レポート作成を支援 |
Qlipper(クリッパー) |
AI感情分析で記事や投稿をきるポジネガ5段階で評価できる |
Webクリッピング |
過去12カ月まで遡る過去記事検索機能とうさい。無料プランもあり |
Meltwater(メルトウォーター) |
AIにより競合他社とのパフォーマンスを一定期間内で比較できる機能搭載 |
広報・PR効果測定とは

広報・PR効果測定とはその名の通り、「広報・PR活動の効果測定をする取り組み」を指します。そもそも、広報やPR活動とは、企業と社会の良好なつながりを作るための活動のことであり、経営環境を良好にする目的があります。
つまり広報・PR活動後の効果測定は、意義のある活動かどうかを裏付けられるため、企業成長には欠かせない取り組みだと言えるでしょう。
ただし、広報・PR効果測定と言っても、その場限りの効果測定や改善では企業成長につなげるのは至難の業です。中長期的な視点で広報・PR効果測定を実施し、自社が社会やステークホルダーにどのような影響を与えて、何の課題を抱えているのかを明らかにする必要があります。
しかし、広報やPR活動は効果測定するのが難しいケースも少なくなく、何を分析して何を目標として突き進むのかを明確にして取り組まないと、方向性にブレが生じやすくなります。
広報とPRの違いとは?
上述したように、広報・PR効果測定は企業成長には重要な取り組みです。
そもそも広報とPRは、関係性を構築するという意味では活動に大きな違いはありませんが、目的のニュアンスが若干異なります。広報とは、企業とステークホルダーが良好な関係を構築できるよう、情報発信をする取り組みのことです。
対して、PRとはパブリックリレーションズの略称であり、企業を取り巻く人との良好な関係性を作り出すための行動・考え方を表しています。PRは良好な関係性を構築するための活動が情報発信に限定されず、プロモーションやマーケティング施策の実行など多岐にわたります。
企業を取り巻く人と良好な関係性を築くために、広報活動の域を超えて幅広く活動することが求められます。
広報・PR効果測定するメリット

広報・PR効果測定をするメリットは、企業を取り巻く人と良好な関係性を築けているか、具体的な数値で現状を確認できる点です。
広報・PRの活動のデータを収集し可視化すれば、全社で目標到達度合いや効果の有無を把握できます。素早くPDCAサイクルを回せるようになり、客観的なデータに基づいて活動内容を見直せるでしょう。
上述したように、広報・PRが企業成長につながるということは、その反面で取り組みが企業やブランドイメージを左右することを表しています。つまり広報・PR活動では、事実に基づき、かつ企業の成長に結びつく誠実な取り組みを実施する必要があります。
日頃から広報・PR効果測定を行えば、自社の活動内容を素早く客観的に見直せるため、万が一のリスクにも備えられるでしょう。
広報・PR効果測定にツールが役立つ
広報・PR効果測定は、人の手で行うには限界があるため、ツールの活用をおすすめします。実は、広報・PR効果測定は一筋縄ではいかず、企業は取り組むうえで3つの課題に直面します。3つの課題は以下の通りです。
- 広報・PR活動行成果指標が定まりにくい
- 広報・PR活動が多様化してきている
- 継続的なモニタリングが求められる
まず、広報・PR活動は活動内容が多岐にわたるため、成果指標を定めにくく、企業や業種によってめざす指標が全く異なります。
数値化できない活動も中にはあり、全ての成果を評価できないと踏まえたうえで、成果指標を決定する必要があります。
また、広報・PR活動が多様化し露出できるメディアが増えたことから、効果測定を横断的に行わなければならず作業量が膨大に。横断的に効果測定ができるツールがあれば、コア業務に集中できる環境が整うでしょう。
さらに、効果測定は中長期的に実施する必要があり、継続的なモニタリングが必要となります。数多くあるメディアを、全て人の手でモニタリングするのは現実的ではないので、ツールの活用が望ましいといえます。
広報・PR効果測定ツールを導入するメリット
データを簡単に集められる
広報・PR効果測定ツールを導入すると、膨大なメディアを横断的にモニタリングでき、効果測定に必要なデータを簡単に手に入れられるようになります。
自動的に設定キーワードに関する記事を抽出できるほか、掲載数や露出経路などの集計が容易になるでしょう。
また、定量的なデータを得られるので、客観的な評価に基づく施策の構築や実行が可能になります。具体的な成果指標を定められるようになれば、PCDAサイクルの高速化も可能です。施策の実行から効果測定、改善策の立案までスピード感を持って対応できるでしょう。
業務効率化が図れる
さらに、広報・PR効果測定ツールの導入により、効果測定にかける時間や労力を削減できます。コアな業務に専念できるようになり、生産性を落とさずに済むでしょう。
人員配置の見直しも図れるため、人手不足の現場や省人化を目指す現場でも、広報・PR効果測定を始めやすくなります。
広報・PR効果測定ツールの選定におけるポイント
機能ラインアップ
広報・PR効果測定ツールの機能は提供会社によって異なります。メーカー間で共通している機能も多いですが、導入効果を高めるには、自社の課題やニーズにマッチした機能を有しているツールを選定することが重要です。たとえば、ニュースメディアを中心に広報活動を打ち出しているのであれば、なるべく多くの新聞やWeb媒体のデータにアクセスできるツールを選ぶと施策の成果をより効果的にトラッキングできます。
使いやすさ・操作性
広報・PR効果測定ツールの導入後には、その使い方を覚えるまでに一定の時間が必要です。ツールの操作が複雑だったり、レポート内容がわかりづらかったりすると、フル活用できるまでに時間がかかります。日々の業務や担当者が変わった場合の引継ぎをスムーズに行うために、事前の知識がなくても簡単に使えるツールを選びましょう。
サポート体制
多機能で使い方がやや複雑なツールを検討する場合、事前に運営会社のサポート体制をチェックしましょう。サポートが充実していれば、リサーチや自社での試行錯誤に時間をかけず、ツールを効率よく使うことができます。メール、電話、ビデオチャットといったコミュニケーション方法に加え、サポートと連絡が取れる時間帯も要確認です。
広報・PR効果測定で見るべき指標

広報・PR効果測定で見るべき指標は3種類。アクション指標・アウトプット指標・アウトカム指標があり、各指標のポイントを踏まえたうえで効果測定を行う必要があります。そこで、以下に各指標の押さえておきたいポイントを解説しています。
アクション指標
アクション指標とは、広報・PR活動における指標のことです。自社が情報をどれくらい公開したのかを示す指標であり、行動量を図るために用いられます。
どれくらい記事を公開し、閲覧数はどうだったのかといった具合に、広報の行動量の目標を決めておくことが大切です。
ツールの導入や代行を検討している企業も、アクション指標の設定から丸投げするのではなく、自社である程度は基本を押さえておく必要があります。
社内にノウハウを蓄積して行くことで、効果を測定しやすくなれば、予算の決定にも役立つでしょう。
アクション指標の量的指標
アクション指標は量的指標を定めると、施策のインパクトや規模を適切に評価できるようになります。量的指標としては、プレスリリースの配信数・掲載されたメディアのリスト数などがあげられます。
量的指標は総量・全体の規模を図るために用いられるので、目標に到達しない場合は情報発信量に課題があることが分かるでしょう。
アクション指標の質的指標
アクション指標を設定する際は、施策の効果を判定するための質的指標も必要となります。質的評価としては、プレスリリースの開封率・問い合わせ数・メディア訪問数などがあげられます。施策の効率や割合を評価するための指標を設定し、広報・PRの行動量が適切か否かを判断できるように土台を築いておきましょう。
アウトプット指標
広報・PR活動の露出に関する数値がアウトプット指標です。発信した情報の波及効果、露出量を測定するための目標を定めます。ただし、アウトプット指標は外的要因の影響を受けやすく、絶対評価を付けるのは至難の業です。
露出量は当日に扱われるニュースによっても異なるため、目標として設定しにくいので注意が必要でしょう。また、中にはアクションを起こさずともメディア露出できるケースもあり、ことさら広報・PR活動の効果が測定しにくくなっています。
アウトプット指標の量的指標
アウトプット指標の量的指標としては、メディアの総掲載数・広告換算費・リーチ数・インプレッション数などがあげられます。施策のインパクトや規模を適切に評価するためにも、広報・PR活動の露出量を図れる指標を設定する必要があります。
アウトプット指標の質的指標
アウトプット指標の質的指標としては、記事の掲載率、SNSシェア率、エンゲージメント率などがあげられるでしょう。露出の比率や効率を把握するための値を設定します。
ただし、アウトプット指標は外的要因の影響を大きく受けるので、その日扱われるニュースによっても露出の比率や効率に差が生じやすくなります。
アウトカム指標
アウトカム指標は、経営に貢献する指標のことです。広報・PR活動が経営に与える影響力を考え、目標を設定します。企業成長につなげるには、アクション指標・アウトプット指標よりも、アウトカム指標を重視する必要があるでしょう。
よく混同されるアウトプット指標とアウトカム指標ですが、アウトプットは施策から得られる結果であり、アウトカムは結果から得られる成果という違いがあります。
企業成長には成果が必要なため、アウトカム指標のほうがより重要な位置づけであると言えるでしょう。
アウトカム指標の量的指標
アウトカム指標の量的指標としては、POSデータ・来店データ・新規PV数などがあげられます。実際に施策を講じた際に、企業はどのような成果を得られるのか、売上やイメージアップにつながる指標を設定します。
アウトカム指標の質的指標
アウトカム指標の質的指標には、新規率・リピート率・従業員エンゲージメントなどがあげられます。全体的な成果を表す量的指標とは異なり、成果の比率や効率を表す項目を設定しましょう。
自社商品やサービスが認知される一連の流れを分析したとしても、企業の成長につなげるのは難しいといえます。一歩踏み込んで、意思決定により業績が上がったという事実(アウトカム指標)まで分析することが大切です。
広報・PR効果測定でよくある質問
Q1.広報・PR効果測定とは
広報・PR効果測定とはその名の通り、「広報・PR活動の効果測定をする取り組み」を指します。そもそも、広報やPR活動とは、企業と社会の良好なつながりを作るための活動のことであり、経営環境を良好にする目的があります。
つまり、広報・PR活動後の効果測定は、意義のある活動かどうかを裏付けられるため、企業成長には欠かせない取り組みだと言えるでしょう。
Q2.広報・PR効果測定するメリットは何でしょうか?
広報・PR効果測定をするメリットは、企業を取り巻く人と良好な関係性を築けているか、具体的な数値で現状を確認できる点です。広報・PRの活動のデータを収集し可視化すれば、全社で目標到達度合いや効果の有無を把握できます。
素早くPDCAサイクルを回せるようになり、客観的なデータに基づいて活動内容を見直せるでしょう。広報・PRが企業成長につながるということは、その反面で取り組みが企業やブランドイメージを左右することを表しています。
つまり広報・PR活動では、事実に基づき、かつ企業の成長に結びつく誠実な取り組みを実施する必要があります。広報・PR効果を測定できるツールも紹介していますので、詳しくは「広報・PR効果測定で活用できるツール一覧」をご覧ください。
広報・PR効果測定ツールのまとめ
広報・PR活動は企業成長につなげるためにも、効果測定が大切だといえます。煩雑な作業もツールを活用すれば、効率的に測定が行えるでしょう。ぜひ、この記事で取り上げたポイントを、ツール選びにお役立てください。
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- 本記事は、2023年08月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。