「USJ」の広報戦略のポイントとは

「USJ」の広報戦略のポイントとは
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USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)といえば、誰もが知る一大テーマパークです。子どもから大人まで幅広い年代に親しまれています。今では国内・海外からも注目されていますが、2010年以前は集客に伸び悩んだ時期もありました。

一体なぜUSJはV字回復できたのか、同テーマパークが再起をかけて取り組んだ広報戦略を紹介します。

USJの広報戦略のポイント

USJが経営を盛り返した広報戦略には、どの企業にも応用できる重要なポイントがあります。ここでは、広報戦略について解説していくので、ぜひ自社の広報戦略に活かしてみてください。

エンターテイメントの世界観を表現した

開園当初のUSJは、今とは違うコンセプトでした。映画の世界観を反映したテーマパークは、映画専門店のイメージが強く根付いていたのです。

そこで、社内の意識から変えるために、お金をかけなくても人々を楽しませられる、エンターテイメントの世界観を取り入れました。
例えば紛れ込んだキャストがパフォーマンスをするフラッシュモブは、小予算で実施したにもかかわらず、人々の心を掴み話題を呼びました。

内部から変えていく取り組みは、社員の意識改革に役立ち、エンターテイメントの重要性を広く認知するきっかけとなっています。

消費者理解に力を入れた

USJの意識改革に大きく貢献したと言われる森岡毅氏は、消費者理解に力を入れています。

森岡氏はV字回復の立役者と言われており、USJの再建を語るうえで欠かせない人物の一人。森岡氏「人はどうしてテーマパークへ足を運ぶのか」、消費者を理解するためにノーマル・マニア両者の欲求を知るところから着手したのです。

マニアがどうして強く欲するのかを知ることで、本能にうったえかける施策を打てると考えた森岡氏は、マニアに刺さる施策を一般大衆向けに落とし込んでいます。

本能を揺さぶるマーケティングを行わなければ競合から抜き出た施策を打てるはずがない、と踏んだ森岡氏の施策は見事にあたり、ハリー・ポッターやホラーナイトは大盛況となっています。

社内に顧客理解のフレームワークを構築した

森岡氏が築き上げた顧客理解への取り組み方は社内に浸透し、Who・What・Howのフレームワークで次々と施策を打ち続けています。

フレームワークにより顧客データを分析し、顧客の関心が高い事柄や、パークの楽しみ方を社内に共有しているのです。

また、顧客の来場履歴から一定期間の来園がない場合は、有益な情報を載せたDMを送り、満足の底上げ・再来園を促しています。

Go To USJでニューノーマル時代も生き抜く

2020年に起こったコロナ禍で休業を余儀なくされ、テーマパークは大きな打撃を受けています。USJでは、同年の秋ごろに現状を打開するための案を打ちだしました。

GoToイベントで「GoToUSJ」の期間限定チケットを販売したところ、サイトに接続しづらい状況が発生するほど人気を博しました。

USJ マリオを海外で認知してもらう

USJは2020年2月に、2021年にできる「SUPER NINTENDO WORLD(スーパー・ニンテンドー・ワールド)」のプロモーションを実施しています。

ニューヨークで行われたイベントは、約1000人がマリオになり切るというもの。

はてなブロックを叩いて豪華景品が当たる催しは、現地の人にUSJの新エリアを広く認知してもらうきっかけとなりました。USJはインバウンド消費が大きいので、同イベントは消費を底上げする効果が期待されています。

USJの広報戦略まとめ

  • 社内・社外に通用する広報戦略を立てる
  • 競合から抜き出る本能をかきたてる施策を打つ
  • マニアの欲求を刺激する施策を、一般消費者向けに落とし込む

USJの事例から分かるのは、社内・社外に通用する広報戦略を立てるのが大切だという事です。

同社の立役者である森岡氏が提唱しているように、競合から抜き出るには消費者の本能をかきたてる施策を打つ必要があります。

本能を突き動かす施策を立てるには、まずは優良顧客であるマニアの気持ちを知らなければなりません。

「どうしてそこまで深くはまるのか」「リピーターになるのか」を分析し、一般ユーザーをマニア化・ファン化させるための広報施策を社内・社外の両視点で実施することが大切です。

USJのような施策を打つには、競合他社と差別化を図るところから始めることが大事です。
自社製品・サービスの強みや価値を明確にし、どういったニーズを持つユーザーに刺さるのか、リピーターはなぜ使い続けてくれているのか、といった点を整理してみましょう。

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