6C分析とは?BtoB提案に活かす手順・テンプレートを解説

6C分析とは?BtoB提案に活かす手順・テンプレートを解説

「3C分析はやっている。でも、提案が表面的になってしまう。顧客に刺さる言葉がなかなか出てこない。」そのような経験をお持ちのBtoBマーケティング担当者や営業企画担当者の方は、少なくないのではないでしょうか。

3C分析を実践していても提案に手詰まり感がある場合、問題は分析の「深さ」にあることが多いです。顧客企業の業界環境や、その先のエンドユーザーのニーズまで踏み込めているかどうかが、提案の刺さり具合を左右します。

本記事では、3C分析をBtoB向けに拡張した「6C分析」について、定義・3Cとの違いから実務での進め方・テンプレート・失敗パターンまで一気通貫で解説します。「知っている」を「使える」に変えるための情報を順を追って確認していきましょう。

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6C分析とは

6C分析とは、環境分析の基本手法である3C分析をBtoBビジネス向けに拡張したフレームワークです。自社3C(市場・競合・自社)に加え、顧客企業の業界・競合・エンドユーザーという「顧客サイドの3C」を組み合わせた計6軸で分析します。

6c分析

3C分析との違いと6C分析が誕生した背景

3C分析は、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3軸で事業環境を整理する手法です。マーケティングの基本フレームワークとして広く普及していますが、元々BtoC向けに設計されたものであり、BtoBの複雑な商流を扱うには限界がありました。

また、PEST分析(政治・経済・社会・技術の4環境要因を扱うフレームワーク)と3C分析をうまく結びつけられないという問題も指摘されていました。PESTの視点を3Cの枠組みに統合しやすくするとともに、「顧客の先にいる顧客」まで分析できるよう改良されたのが6C分析の誕生経緯です。

BtoBでは「顧客の顧客」まで分析することが提案精度を左右する

BtoB営業の本質は自社商材を売ることではなく、顧客企業のKPI(重要業績評価指標)達成を支援することにあります。顧客がどのような業界環境に置かれ、どんな競合と戦い、エンドユーザーに何を提供しようとしているのかを把握できなければ、提案は「自社目線の情報提供」に留まります。

6C分析を使って顧客の業界環境まで踏み込むことで、「御社のターゲット層が〇〇という課題を抱えているなら、弊社のサービスがKPI改善に貢献できます」という、顧客の文脈に即した提案が実現できます。この差が競合他社との提案力の差に直結するのです。

6C分析の土台となる3C分析の基礎

marketing

6C分析は3C分析の拡張版です。6Cを正しく使いこなすために、まず3C分析の3軸を整理しておきましょう。

Customer(市場・顧客)の分析観点

Customerは3C分析の起点となる軸です。市場規模・成長率・ターゲットのニーズの3点が主要な分析観点になります。どれほど優れた商品・サービスでも、ターゲットと市場の実態を把握せずに展開すれば成果には結びつきません。

Competitor(競合)の選定と分析すべき項目

競合分析ではまず「誰を競合と見なすか」の選定が重要です。同じジャンルの商品・サービスを展開している企業を基準にピックアップし、機能・価格・販売アプローチ・ターゲット顧客層を確認します。競合他社のポジショニングを把握することで、自社がどこで差別化できるかの方向性が見えてきます。

Company(自社)の強みを客観的に把握する方法

自社分析では、感覚的な「強みだと思うもの」ではなく、データや実績に裏付けられた客観的な強みを洗い出すことが重要です。顧客からのフィードバック・受注実績・継続率などの数値情報を活用し、「なぜ選ばれたのか」を顧客の言葉で整理します。競合分析の結果と照合することで、自社の強みが際立つ差別化領域が見えてきます。

6C分析のやり方・手順

6C分析は「自社サイドの3C」と「顧客サイドの3C」を順番に整理していく6ステップで進めます。各ステップで何を調べ、どこから情報を取得するかを具体的に説明します。

ステップ1〜3:自社サイドの3C(顧客・競合・自社)

まず自社視点の3C分析を行います。

ステップ1:Customer(市場・顧客)の整理
営業データやCRM履歴から「どの業種・規模の顧客が多いか」を定量的に把握し、業界レポートを参照して市場全体の成長率・ニーズの変化も確認しましょう。

ステップ2:Competitor(競合)のマッピング
競合他社のWebサイト・プレスリリース・料金情報をもとに、主要競合の機能・価格・訴求軸を一覧化します。自社との強弱を対比形式で整理すると差別化ポイントが明確になります。

ステップ3:Company(自社)の強みの言語化
受注データ・継続率・顧客の声などをもとに客観的な強みを書き出します。「なぜ選ばれたのか」を顧客の言葉で整理できると、提案への転用がスムーズになります。

ステップ4〜6:拡張3C(顧客の業界・顧客の競合・顧客のエンドユーザー)

6C分析の核心はここからです。顧客企業そのものを「分析対象」として3Cを適用します。

ステップ4:顧客の業界環境を調べる
顧客企業が属する業界の市場動向・規制・技術トレンドを把握します。主な情報ソースは、IR資料・業界団体の白書・業界紙(日経各紙・業界専門誌)です。「顧客がどんな外部環境に直面しているか」を理解することで、提案の文脈が格段に豊かになります。

ステップ5:顧客の競合状況を把握する
顧客企業の主要競合を特定し、各社のポジショニングを大まかに整理します。「顧客が競合に勝つために何を強化しようとしているか」がわかると、自社サービスをその文脈に乗せた提案が可能になります。

ステップ6:顧客のエンドユーザーのニーズを把握する
顧客企業が価値を届けるエンドユーザーの特性・ニーズを調べます。顧客へのヒアリング・Webサイト・口コミが有効な情報ソースです。エンドユーザー視点を加えることで、「御社のお客様にとって何が価値か」という提案の解像度が上がります。

一次情報と二次情報の使い分けと収集の優先順位

6C分析で収集する情報は「二次情報(公開情報)」と「一次情報(ヒアリング等)」の2種類に大別されます。二次情報は骨格づくりに、一次情報は仮説の検証に使うのが効率的な進め方です。

情報種別 具体例 主な用途
二次情報 業界レポート、IR資料、業界紙、公的統計データ 業界構造・市場規模・競合動向の骨格把握
一次情報 顧客へのヒアリング、商談メモ、アンケート 仮説の検証・個社特有の課題の深掘り

まず二次情報で仮説を立て、その仮説を顧客ヒアリングで検証するという順序で進めると、限られた準備時間でも質の高い分析が実現できます。

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6C分析テンプレート(記入項目例)

6C分析の考え方を理解したところで、実際の業務で活用できる記入テンプレートを提示します。以下のシートをそのまま活用することで、分析作業を標準化し、チームでの展開もしやすくなります。

6C分析シートの構成と各軸の記入指針

6C分析シートは「自社3C」と「顧客3C」の計6軸で構成されます。各欄に何を記入するかの指針を以下の表に整理しました。

分析軸 分類 記入すべき内容の例
Customer(市場・顧客) 自社3C ターゲット市場規模、主要顧客層の属性・ニーズ、市場の成長率・フェーズ
Competitor(競合) 自社3C 主要競合3社の機能・価格・強み・弱み、自社との差別化ポイント
Company(自社) 自社3C 自社の強み・実績・独自リソース、成功要因の言語化
顧客の業界環境 顧客3C 顧客が属する業界の市場動向・規制・技術変化・主要プレイヤーの動き
顧客の競合状況 顧客3C 顧客の主要競合、競合との差別化方針、顧客が強化しようとしている領域
顧客のエンドユーザー 顧客3C 顧客のターゲット顧客の属性・ニーズ・購買行動、充足されていない要求

記入後の示唆出しの手順(テンプレートから提案軸を導く方法)

6C分析シートを埋めたら、次の2ステップで提案軸を導きましょう。

ステップ1:SWOT分析に接続する
6軸の整理結果をもとに、自社の強み(Company)×顧客が直面する機会(顧客の業界環境・エンドユーザーのニーズ)の組み合わせを探します。「強み×機会」の重なる部分が提案の核となります。

ステップ2:顧客課題の仮説を立て、提案骨子に落とす
「顧客は〇〇という課題を抱えている→自社のサービスがKPI改善に貢献できる→具体的な提供価値は〇〇」という因果の流れで提案骨子を整理します。この構造があれば、提案資料への転記がスムーズになります。

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6C分析を取り入れるメリット

メリット

6C分析を実務に組み込むことで、BtoB営業・マーケティングにどのような変化が生まれるのかを整理します。

顧客とマーケティング戦略レベルで対話できるようになる

6C分析を通じて顧客企業の業界環境・競合状況・ターゲット顧客を把握することで、顧客と「業界の構造」や「競争戦略」レベルの対話ができるようになります。単に商品・サービスの機能を説明するだけでなく、「御社の競合が〇〇の領域に注力している今、弊社のサービスを活用すれば先手を打てます」という提案が可能になります。こうした共通言語の形成は、提案の説得力と顧客担当者との信頼関係構築につながります。

「顧客の顧客」まで見ることで提案の解像度が変わる

BtoBマーケティングで見落とされがちな視点が、顧客企業のエンドユーザー(「顧客の顧客」)です。「御社のお客様が求めているのは〇〇ではないか」という仮説を提案に盛り込むだけで、顧客担当者の関心を引きつける力が大きく変わります。たとえば、製造業向けのシステムを提案する場合、エンドユーザーが「操作の複雑さ」を課題としているとわかれば、「現場への定着率」を提案の主軸に据えることができます。

継続取引・長期パートナーシップの土台になる

顧客のKPI達成を支援する視点で提案を続けることは、単発受注から継続取引・長期パートナーシップへの発展につながります。「売って終わり」ではなく「顧客の成果を一緒につくる」という関係性は、6C分析による深い環境理解から生まれます。業界環境の変化を先んじて捉えた提案ができれば、顧客担当者から「相談したいパートナー」として位置付けられます。

6C分析でよくある失敗と対策

6C分析を導入しても機能しないケースがあります。典型的な3つの失敗パターンと回避策を確認しましょう。

3C止まりで顧客の業界環境を分析していない

最も多い失敗は、自社の3Cで完結してしまい、顧客サイドの3C(顧客の業界・競合・エンドユーザー)まで手が回らないケースです。提案準備のルーティンに「顧客のIR資料と業界紙の確認」を標準工程として組み込み、初回商談前に30分でも業界リサーチの時間を確保する習慣が提案品質を変えます。

顧客の顧客のニーズを担当者の主観で決めてしまう

「顧客の顧客はきっと〇〇を求めているはずだ」という思い込みによる分析不全は、よく見られる失敗です。ニーズを検証せずに提案に盛り込むと、顧客担当者から信頼を失うリスクがあります。顧客企業へのヒアリングで直接確認する習慣が、主観バイアスを防ぐ最も効果的な手段です。

分析で終わり、提案への接続がない

6C分析シートを埋めても提案骨子に落とす作業をしなければ、分析結果は資料フォルダに眠ったままになります。「示唆出し→課題仮説→提案骨子」の接続を必須工程として定義し、分析後は必ず「だから何が言えるか(So What)」を問う習慣を持つことで、この失敗を防げます。

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6C分析を取り入れて顧客との対話レベルを引き上げる

棒グラフと矢印

6C分析は3C分析をBtoB向けに拡張した6軸の環境分析フレームワークです。本記事のポイントをまとめます。

  • 6C分析は自社3C+顧客サイド3Cの計6軸で構成される
  • 顧客のKPI達成を支援する視点がBtoB提案の質を左右する
  • 実務では「二次情報で骨格づくり→一次情報で仮説検証」の順で進める
  • 分析後に「示唆出し→課題仮説→提案骨子」まで接続することが重要
  • よくある失敗は「3C止まり」「主観による決めつけ」「分析で終わること」の3つ

まずは次の商談で顧客の業界レポートをひとつ確認することから始めましょう。そのひと手間が、提案の説得力を変える起点になります。

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