ダイソンの広告戦略・マーケティング戦略のポイントとは

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この記事では、「変わらない吸引力」というキャッチフレーズで、家庭用掃除機のマーケットに旋風を吹き起こしたイギリスの家電メーカー「ダイソン」の広告戦略について解説しています。貴社の今後の広告戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。

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ダイソンの広告・マーケティング戦略のポイント

オーナー兼チーフエンジニアのジェームズ・ダイソン氏は、ダイソンはエンジニアリング(技術)カンパニーであり「マーケティングをしないことが成功の秘訣」と語っています。

しかし、ダイソンの広告の打ち出し方には巧みな「ブランディング戦略」がありました。数ある日本の競合メーカーを尻目に爆発的なヒットを遂げたのは、「自社の強み」をブランドイメージそのものとして消費者に伝えることに成功したからです。

強力な言葉でメッセージを発信

「吸引力の変わらないただひとつの掃除機」というCMをはじめて観たとき、強烈なインパクトを持ったという人は多いのではないでしょうか。ダイソンは、他社と比較をせず自社製品の良さをアピールする日本の家電メーカーとは全く異なり、「自社の強み」を競合と比べたうえで、強力なメッセージとして発信しました。

「ただひとつの掃除機」「ほかのどの掃除機よりも」と言い切ることで、「技術に重きを置き、絶対の自信持つ会社」というブランドイメージを強く植え付けたのです。

また、タレントを起用したり音楽を使用したりせず、低いトーンでナレーターが淡々と製品の優位性を述べる手法も、観た人に強く製品の印象を与えました。あえて製品の技術のみにスポットを当てて紹介するCMが「技術を追求する企業」というイメージとマッチし、急速に認知度を向上させ、ブランドの価値をも高めました。

常識をくつがえす奇抜なデザイン

ダイソンの製品は、人々に「独自性のある技術を持ったブランド」と想起させるデザインが多いのも特徴です。「羽のない扇風機」や「中央が開いたヘアドライヤー」など、既存製品の形やデザインの常識をくつがえすほどの独特なデザイン性が、そのまま企業のブランドイメージへとつながっています。

また、このブランディングによって、既存製品や汎用品よりも高い価格で売り出す「高価格戦略」にも成功しました。

このように一見技術主義に思われるダイソンですが、技術力と製品の独自性、プロモーションをうまくマッチさせることで、マーケットで独自の地位を築いているのです。

ダイソンの経営戦略

きちんと機能しない製品への不満を、エンジニアの力で解決に取り組むことがダイソン根底の考え方です。社長のジェームス・ダイソン氏は、実際の肩書は社長ではなくチーフエンジニア。技術者として、商品開発の最前線で今も活躍しています。

技術力をブランドコンセプトに掲げ、「発明と改善」を続けることそのものを戦略としています。その一方で、ダイソンは「自社の技術価値を伝える」戦略にも優れています。

  • 消費者の課題(不満)を解決したことを伝える
  • 競合と比較して、自社の優れた価値を伝える

この2つを徹底的に消費者に伝えることでベネフィットを感じさせ、心を動かす訴求につなげています。

また、ダイソンはユーザーサポート制度にも力を入れています。製品保証や修理サービス、オンラインサポート制度などの機能的なサポートを行いながら、ユーザー登録者向けに限定モニターキャンペーンやイベントなどを実施。リピートやほかの製品シリーズの追加購入につなげています。

掃除機のマーケットで革命を起こし、理美容家電などのパーソナルケア参入にも成功したダイソン。人々が日常生活の中で感じている不満や課題を解決するために全力で取り組む姿勢を貫くため、研究するカテゴリーを定めていないとのこと。

今後、家電以外の分野や産業に進出する可能性もありそうです。

ダイソンの広告・マーケティング戦略まとめ

顧客に対してマーケティングを行って動いているわけではない、といいながらも、しっかりと成長を続けているダイソン。それは、ダイソンが技術を駆使して「ユーザーの問題解決」に取り組み「人々が本当に求めていること」を追求し続けているからこそと言えるでしょう。

徹底的に顧客(消費者)を理解し、ベネフィットを伝えることにこだわる姿勢が、会社の「ファン」をつくり、ブランドの価値を高め続けています。

下記の記事では、商品やサービスを認知させるだけでなく「成果」に繋がる広告戦略の具体的な方法や、その他の企業の事例を紹介しています。今後の広告戦略策定におけるアイディアが詰まっていますので、こちらも合わせてご覧ください。

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