無印良品の広告戦略・マーケティング戦略から学べること

無印良品の広告戦略・マーケティング戦略から学べること
share
Facebook Twitter はてなブックマーク Pinterest

この記事では、衣服、生活雑貨、食品という幅広い品ぞろえからなる品質の良い商品として、1980年に誕生した「無印良品」の広告戦略について解説しています。貴社の今後の広告戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。

また、事業計画の見直しや新商品・サービスの販売に向けてマーケティング戦略を検討される方へ、自社がどんな立ち位置でマーケティング戦略を立てるべきかが分かる「市場分析シート」も無料でご提供しています。ご興味のある方はこちらからダウンロードしてください。

今すぐ無料でダウンロード

無印良品公式サイトキャプチャ
引用元:無印良品「https://www.muji.com/jp/ja/store」

生活のなかの「本当に必要なもの」を「本当に必要なかたちでつくること」を追求したノーブランド商品をコンセプトに、1980年に誕生した無印良品。生成り感覚の衣服や生活雑貨、食品を中心に豊富な品ぞろえが人気で、シンプルな美しさは家具やインテリア、ファブリックにも取り入れられています。

海外では「MUJI」というブランドとして全世界で約700店舗を展開。パッケージや包装まで簡素化されたデザインが「現代の美意識」として受け入れられ、世界中にファンを持つ人気ブランドに成長しました。

1つのカテゴリーに特化せず、生活に関わるさまざまな商品を手がけている無印良品ですが、どのような方法で顧客を惹きつけ続けているのでしょうか。ここでは、無印良品の広告戦略やマーケティング戦略について解説しています。

無印良品の広告・マーケティング戦略のポイント

無印良品の広告で一貫して行われているのが、共感性を土台としたメッセージ発信です。アプリやWebサイト、オウンドメディア、SNSを使って商品の理念を伝えながら、リアルな日常生活のなかで見つけた「共感できるポイント」を訴求軸につなげています。

商品誕生までの「なぜ」や「ストーリー」を発信

無印良品の広告戦略では、実際の店舗だけでなくECサイトや専用アプリ、オウンドメディア上でも、商品を通して「常に会社の理念やコンセプトを伝える」ことを大切にしています。その理由は、多くの人に共感して商品を購入してもらうことが顧客の満足度につながると考えているからです。

価格や機能に加え、「なぜこの商品を開発したか」「なぜこのような素材や形になったのか」など商品が生まれるまでの起点やストーリー、改良点などを説明し、日常生活での「本当に必要なもの」を提案しています。

「もの」に対する向き合い方を突き詰め、一貫した理念を発信する広告戦略が功を奏し、根強いファンを獲得しているのです。

ネットとリアルをつなぐカタログアプリ

無印良品は自社サイトやアプリを変化させることで、オンラインだけでなく店舗売上でも成果をあげてきました。

以前は販売に特化したサイトの運営を行っていましたが、今ではネット販売には注力せず、専用アプリをはじめ、ECサイトにカタログの性質を持たせる方向に転換しています。

あるとき、無印良品が専用アプリ「MUJI passport」を利用している顧客の行動を調査したところ、ネット上の商品ページから購入する人は少なく、半分以上の人が商品ページを閲覧してから実際の店舗に足を運び、そこで購入していることが分かりました。

この分析から、ECサイトとしてではなく、Webカタログに比重を置いて運営することにしたのです。

専用アプリにはネットストア機能も備わっていますが、商品ページではフォローした店舗の在庫を確認できるようになっています。また、フォロー店舗からのお知らせやイベント情報を定期的に更新するなど、リアル店舗での購入につながりやすい工夫がされています。

ネットと実際の店舗にある商品情報を上手くつなげることで購買行動を高め、売り上げを伸ばしている事例と言えるでしょう。

顧客とのつながりそのものを重視

無印良品は、InstagramやTwitter、LINEなどのSNSを活用し、広告以外のマーケティングコミュニケーションを強化しています。顧客と直接会話ができる環境をつくることが、新しい価値を創出すると考えているからです。

自社サイト内にある「くらしの良品研究所」では、ほしいと思う商品アイディアやリクエストを募集するコミュニティサイトを設置。一緒に商品づくりができる取り組みで、顧客のニーズを知りつつ、良質な顧客とのつながりを強化できています。

創業からサスティナビリティを貫く企業

誕生当時から、無印良品は「資源をムダにしない」という考え方を根底にした商品開発を行っています。衣服の製造工程ででた端切れや残り糸を再生してほかの商品を生産・商品化する、なるべくインクを使わず印刷やパッケージを簡素化する、タグやシールのみで最低限の包装にするなど、サスティナブルな商品づくりを続けています。

「本当に必要なもの」の追求がサステナビリティにつながり、シンプルで洗練された美しさや使いやすさ、美味しさという「求められる価値」にたどり着きました。サスティナビリティが商品の認知度を高めながら新しい価値をつくり出し、ブランドを築き上げたと言える代表的な例です。

無印良品の広告・マーケティング戦略まとめ

無印良品のように、直接的に商品やサービスを売り込むのではなく、まずは理念や商品への向き合い方を顧客に知ってもらうことで成果につなげていく方法は、戦略的なマーケティングのひとつといえるでしょう。

Webサイトやメディアを「商品を売り込む場」としてとしてとらえず、「顧客に知ってもらい、共感を集める場」として活用することで、成果を出している事例はほかにも多くあります。

下記の記事では、商品やサービスを認知させるだけでなく「成果」に繋がる広告戦略の具体的な方法や、その他の企業の事例を紹介しています。今後の広告戦略策定におけるアイディアが詰まっていますので、こちらも合わせてご覧ください。

ページトップへ