ニトリの広告・マーケティング戦略から学べること

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この記事では、家具およびインテリア用品小売業の大手「ニトリ」の広告戦略について解説しています。貴社の今後の広告戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。

また、事業計画の見直しや新商品・サービスの販売に向けてマーケティング戦略を検討される方へ、自社がどんな立ち位置でマーケティング戦略を立てるべきかが分かる「市場分析シート」も無料でご提供しています。ご興味のある方はこちらからダウンロードしてください。

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ニトリの広告戦略・マーケティング戦略のポイント

ニトリネット公式サイト画像
画像引用元:ニトリネット「https://www.nitori-net.jp/ec/」

「お、ねだん以上。ニトリ♪」でおなじみのニトリホールディングス(以下ニトリ)。低価格・高品質・高機能を掲げて業績を伸ばし続け、33期連続増収増益を実現している、言わずと知れた家具販売の大手です。

コロナ禍における巣ごもり消費も相まって、2020年3~11月期の営業利益は約40%アップ。既存店の売上高も上昇しました。

縮小を続けていた家具業界で、ニトリが成功したマーケティング戦略のポイントは「価格戦略」と「まとめ買いの提案」です。

「安くて良い家具を提供したい」という思いを実現するために創業者の似鳥氏が行った「既存の枠にとらわれない戦略」が、業界唯一のブランディングにつながりました。

価格戦略で差別化

かつての家具業界では、小売店が工場から家具を直接買い付けるのはタブーとされていました。家具の卸問屋や商社といった「中間業者」を通さなくてはならなかったのです。しかし、それを打ち破ったのがニトリでした。家具工場へ直接出向き、何度も交渉を行って、ついに直接買付にこぎつけます。

はじめは国内工場のみの買い付けでしたが、積極的に中国やタイ、マレーシアなどの海外の家具工場へも交渉へ出向きます。海外家具の直輸入も成功させたニトリは、卸問屋と商社の中間マージンが上乗せされない、低価格な家具小売店のパイオニア的存在となりました。

さらに店舗数が拡大するに連れ、品質向上にも力を入れます。ベトナムとマレーシアに自社工場を立ち上げて海外サプライヤーの監査や教育を実施。高水準の品質を維持した家具の製造・出荷に成功します。

徹底した価格戦略で消費者に「ニトリは安い」と認知させつつ、品質向上にも力を注いだことで「低価格で高品質な家具」という独自の強みをつくり出しました。

トータルコーディネートを提案

ニトリが家具業界でひとり勝ちしたといわれる理由のひとつに「まとめ買い提案」があります。消費者に、1度の来店でさまざまな商品をまとめて買ってもらうため、これまでの小売店では見られなかった型破りなスタイルで展示フロアを演出しました。

家具を使うシーンをイメージしやすいよう、コーディネートされた部屋のように商品を展示したのです。

さらに、カーテンやじゅうたん、小物など、展示されている商品の全てが1つの店舗内でそろうようにしました。デザイン性やコンセプトが統一された見せ方によって、展示されている商品をまとめ買いする人が増えました。

このような業態は今でこそ当たり前になりましたが、当時の家具業界では、住まいにあるもの全てが家具店に揃っているのは珍しいことでした。トータルコーディネートを叶える戦略で、ニトリはインテリアやファブリック部門でもニーズを満たす存在となります。

広告入札をAIに落とし込み自動化

ニトリはEC販売だけでなく、オンライン広告を活用して実店舗への来店者を増やすO2Oマーケティング(Online to Offline)にも力を注いでいます。

Googleが開発した自動入札単価調整システムをいち早く取り入れ、来店計測とオンライン広告の成果からデータを機械学習で計算。来店の可能性が高いユーザーを予測して入札単価調整をリアルタイムに行い、広告費の削減につなげています。

広告入札の自動化を取り入れてから、手動で運用していたときに比べて来店者数が36%アップしたとのこと。広告運用の工数削減にもつながりました。

ニトリの広告・マーケティング戦略まとめ

誰もが気軽に買える価格帯と自社工場での高品質な製造によって、「安くて良い家具」の代名詞となったニトリ。

買付販売のみだった業態から原料調達、製造、流通までを自社で行う事業モデルへと進化し、独自の地位を築き上げました。価格戦略という成功体験にとらわれず、時代の変化に順応しながら製品や売り方のクオリティを高めたことで、顧客からの信頼を獲得した事例といえます。

また、ニトリの「お、ねだん以上」「お値段以上」というダブルミーニングのキャッチフレーズは、人々に強いインパクトを残しました。

ニトリでは、伝えたいメッセージや効率的・効果的な伝え方を追求するため、広告宣伝も自社で行っているといいます。顧客に伝わる広告表現の追求も、ニトリが成長する上で欠かせない戦略だったと言えるでしょう。

下記の記事では、商品やサービスを認知させるだけでなく「成果」に繋がる広告戦略の具体的な方法や、その他の企業の事例を紹介しています。今後の広告戦略策定におけるアイディアが詰まっていますので、こちらも合わせてご覧ください。

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