顕在層と潜在層に響く広告とは?マーケティング手法を紹介!
最終更新日:2026年03月18日
広告のマーケティング担当になり、思ったように成果が出ないと悩む場合があります。効果が出にくいのは、顕在層と潜在層に響く内容ではないからかもしれません。広告を出す前に、ユーザーの購買心理を理解してみましょう。
顕在層と潜在層の違い

広告では、ニーズが明確な顕在層をターゲットにする場合が多くあります。ニーズが明確だと、短期的な成果が期待できるためです。もちろんすぐ成果が出れば売上に直結しますが、顕在層へのアプローチだけでは限定した人のみになってしまいます。
そこで知識として取り入れたいのが、顕在層と潜在層の違いです。どのような特徴があるのか紹介しますので、広告のマーケティング担当者は参考にしてください。
顕在層とは
顕在層とは、簡単にいうと見込み層のことです。自分が欲しいものを理解しており、興味や関心が高い状態です。知識も豊富にあり、他社商品と比較検討をしています。
たとえば、靴がくたびれてきたので新しい靴を買いたい人が当てはまるでしょう。自分は靴が欲しいと理解しており、ネットで商品を比較する際に「パンプス」や「スニーカー」などジャンルの中のカテゴリーで調べるのが特徴です。また、欲しいブランド名が明らかな場合は、ブランド名での検索もしています。
顕在層がよく使う検索ワードは、「安い」や「送料無料」など通販と結びついた言葉です。靴を買いたい人であれば、「送料無料 パンプス」や「ブランド名 安い」などのキーワードの組み合わせ方をよく使っています。
潜在層とは
潜在層とは、大きなジャンルの商品に関心があっても、まだ具体的な商品の比較はしていない層のことです。購入の段階ではなく、何となく興味がある程度です。
たとえば顕在層と同じ靴に興味がある人であれば、どんな靴があるのか、どんな靴が自分に合っているかまでは理解していません。靴に興味があるのは、就活中で専用の靴が必要だと理解している場合や、季節の変わり目で新しい靴に興味があるなどのケースです。
潜在層は、メーカーにとって新たな見込み客になる可能性を秘めています。なぜなら、漠然とした商品への興味しかないためです。ネットでの検索では、「靴」「シューズ」などのビックキーワードで調べます。または、「就活 靴」や「春のトレンド シューズ」など疑問に対する答えを求めるキーワード検索をする場合もあります。
非認知層も知っておこう
顕在層と潜在層以外にもマーケティング担当者が知っておきたいのが、非認知層です。非認知層とは、商品のジャンルに対する興味がない人のことです。漠然とした悩みがあるが、解決する商品があるのを知りません。
非認知層は商品の認知がないため、検索で調べようとはしないでしょう。3つのタイプの中でもっとも購買から遠いタイプです。しかし、「就活で必要な靴がある」ことや、「流行に乗り遅れたくない人向けの靴がある」ことをアピールし、理解してもらえれば購買につながる可能性があります。
顕在層・潜在層に向けたアプローチの目的と理由

顕在層と潜在層を理解したら、次はそれぞれへのアプローチする目的と理由を確認しましょう。購買に近いのは顕在層、潜在層の順番です。アプローチの目的と理由は、購買への近さで変える必要があるため、それぞれ紹介します。
顕在層の場合
顕在層の場合は、購入の一歩手前の段階です。すでに比較検討している商品がみつかっている可能性があるでしょう。広告でのアプローチでは、他社との差別化が重要です。広告でアピールする理由は、現在の売上を確保し伸ばす目的があります。
顕在層は、他社の商品と比較検討している段階のため、一度サイトに訪問している場合が少なくありません。人によっては、何度もサイトを訪れることがあるでしょう。商品に興味があり、購入の決め手となる情報を探しています。
潜在層の場合
潜在層は、自社商品の検討段階に入っていません。しかし、商品ジャンルに興味や関心はあるため、自社商品が自分に合っている情報提供をしましょう。広告でアピールする理由は、継続的な売上を目指すためです。
潜在層へは、印象に残りやすい広告が有効です。まずは広告に興味をもってもらい、サイトへのアクセスを促します。購買につなげるには、まず自社商品を知ってもらう必要があるでしょう。
広告を使った潜在層へのアプローチは、すぐに購買につながるわけではありません。しかし、認知が拡大していけば、いつかは購入してくれる可能性はあります。多くの人に認知してもらえれば、継続した売上が期待できます。
顕在層におすすめの広告手法

顕在層に広告でアピールするなら、適した広告の種類を選びましょう。購買に近い層へは、有効な広告がいくつかあります。中でもおすすめなのが、リスティング広告・リマーケティング広告・ポジショニングメディアです。それぞの特徴を紹介します。
リスティング広告
リスティング広告とは、検索結果に表示される広告のことです。ユーザーが検索したキーワードに関連した広告が表示されます。リスティング広告は、別名「検索連動型広告」ともいいます。
ユーザーが検索をするのは、目的があってのことです。とくに商品名で検索した人は、購買の気持ちが高いといえるでしょう。目的を果たすため情報を得ようとしている段階です。特定のキーワードを検索する人へは、他社との差別化になるリスティング広告が有効です。
リスティング広告は、顕在層へとアピールすると費用効果が高くなります。他社より優れている点や、他社より自分に合っていると感じさせる広告にしましょう。まだ購入するか迷っている段階のため、一押しとなる広告がおすすめです。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、広告掲載枠があるWebサイトに広告が表示されます。別名「コンテンツ連動型広告」ともいいます。中でも顕在層におすすめなのは、Webサイトの追跡機能を使うリマーケティング広告です。
ディスプレイ広告は、幅広い層にアプローチするため潜在層向けです。しかし、一度サイトに訪れた人にアピールできるリマーケティング広告では、顕在層向けだといえるでしょう。リマーケティング広告は、サイトへの訪問を促すためにおすすめです。
リマーケティング広告はコンバージョン率が高めで、費用効果が期待できるでしょう。また、類似した商品のアピールで、さらに購買を高めることもできます。
ポジショニングメディア
ポジショニングメディアは、自社の強みを狙った層に対しアピールする際に有効です。他社との競争に勝てない、成約につながりづらいなど、他社との違いを浸透させたい場合におすすめです。
ポジショニングメディアは、自社にマッチしたターゲット層に絞って情報を発信できるため、ニッチな市場や商材でも活用できる点も特徴です。検索エンジンから流入する顕在層を効果的に問合せ、成約につなげることができます。
潜在層におすすめの広告手法

潜在層へは、有効な広告の種類があります。SNS広告、ディスプレイ広告、タイアップ広告の3種類です。またオウンドメディアでの集客方法も向いているでしょう。それぞれの特徴を紹介します。
SNS広告
SNS広告とは、Instagram・Twitter・Facebook広告などです。潜在層は商品ジャンルに興味はありますが、具体的な商品決定には至っていません。SNS広告を使って商品をアピールすれば、興味を深めるきっかけとなるでしょう。
SNS広告で注意したいのは、SNSごとの利用者層の確認です。自社の商品の年齢や性別に合ったSNSを活用してください。どのSNSがいいか迷ったら、自社商品をSNSで投稿している層を確認しましょう。
また、SNS広告ではシェアやリツイートしやすい内容にします。シェアやリツイートが多い広告を活用して、親近感を高めてもらうのが狙いです。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、幅広い層にアプローチできるため潜在層向けです。広告と関連性が高いWebサイトに広告が掲載されます。広告はユーザーの検索行動や年齢などのデータをもとにしており、必要な層だけに広告表示が可能です。
ディスプレイ広告のリマーケティング広告は顕在層向けですが、通常のディスプレイ広告は潜在層向けです。それぞれターゲットに合わせて使い分けましょう。
タイアップ記事広告
タイアップ広告とは、Webメディアの広告枠に広告を出す方法です。広告を出す場合は、自社商品と関連があるWebメディアを選びましょう。似たようなターゲット層であれば、広告からサイトへのアクセスが期待できます。
潜在層向けにタイアップ広告を利用するなら、情報サイトへの掲載が考えられます。情報を探している人に対し、自社商品に興味もってもらうのが狙いです。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、商品とは切り離した情報提供を目的としたメディアのことです。商品の紹介はしないため売り込み感がなく、潜在層の獲得に役立ちます。
オウンドメディアは中期や長期的に、ターゲットを育成するためのものです。広告ではないためすぐに成果が出ませんが、情報を通してファン化につながります。効果が出るのは、半年以上やコンテンツが増えてからです。
準顕在層という第3の視点を加えた4分類モデル
近年のマーケティングでは、顕在層・潜在層・非認知層の3分類に加え、「準顕在層(セミ顕在層)」を意識した4分類で考えることが重要視されている。準顕在層とは、商品ジャンルへの関心が高まりつつあるが、まだ具体的な商品を比較検討する段階には達していない層のことだ。
| 分類 | 特徴 | 購買距離 |
|---|---|---|
| 非認知層 | 商品ジャンル自体を知らない・関心がない | 最も遠い |
| 潜在層 | ジャンルへの漠然とした興味はある。悩みは自覚していない | 遠い |
| 準顕在層 | 悩みは認識しているが、解決策(商品)はまだ探していない | 中程度 |
| 顕在層 | 商品を探して比較検討している状態 | 近い |
準顕在層は「悩みの自覚はあるが行動に移していない層」であり、適切なコンテンツや広告で背中を押すと顕在層への転換が早い。潜在層よりもコンバージョンへの転換コストが低く、見込み客の育成においてとくに注目すべき層だといえる。
マーケティングファネルと広告手法の対応表
顕在層・潜在層への広告を体系的に運用するには、TOFU・MOFU・BOFUという3段階のファネルで整理すると分かりやすい。各フェーズで打つべき広告と狙うべきキーワードタイプが異なるため、一覧で把握しておこう。
| ファネル | 対象層 | 目的 | 主な広告手法 | SEOキーワード例 |
|---|---|---|---|---|
| TOFU(認知) | 非認知層・潜在層 | 認知拡大・興味喚起 | SNS広告・ディスプレイ広告・動画広告・オウンドメディア | 「靴」「シューズ」など汎用ビッグキーワード |
| MOFU(比較) | 準顕在層 | 関心深化・リード獲得 | コンテンツSEO・タイアップ記事・ホワイトペーパー | 「就活 靴 選び方」「春 スニーカー おすすめ」 |
| BOFU(決断) | 顕在層 | 他社との差別化・成約 | リスティング広告・リマーケティング・ポジショニングメディア | 「パンプス 送料無料」「ブランド名 安い」 |
各ファネルを分断させず、TOFU→MOFU→BOFUの流れを一貫して設計することが重要だ。たとえば、SNS広告で認知した潜在層をオウンドメディアに誘導し、さらにリマーケティング広告で顕在層に引き上げるという一連のシナリオを描けると、広告投資の費用対効果が大きく高まる。
広告予算配分の目安と考え方
顕在層と潜在層のどちらに広告予算を割くべきか迷うマーケティング担当者は多い。一般的な目安として、以下の配分が参考になる。
- 顕在層向け(BOFU):広告予算全体の60〜75%
- 準顕在層・潜在層向け(MOFU・TOFU):広告予算全体の25〜40%
ただし、これはあくまで目安であり、業種・商品単価・競合環境によって最適な配分は異なる。BtoB企業や高単価商材では、潜在層への投資比率を高め、長期的なリード育成(ナーチャリング)を重視する傾向がある。一方、EC・BtoCで即購買を促す商材では、顕在層への集中投資が合理的なケースも多い。
配分を決める際のポイントは「現状の売上を守りながら、将来の顧客をどれだけ仕込めるか」というバランス感覚だ。顕在層だけに集中すると短期的な成果は出やすいが、将来の顧客パイプラインが枯渇するリスクがある。
BtoBとBtoCで異なる顕在層・潜在層へのアプローチ
顕在層・潜在層へのアプローチは、BtoBとBtoCでは戦略が大きく異なる。それぞれの特性を理解した上で手法を選択することが重要だ。
BtoCの場合
BtoCは個人消費者が対象であり、感情に訴えかけるクリエイティブと、即購買につながる行動喚起が重要だ。購買サイクルが短い商品が多く、SNS広告・ディスプレイ広告・ショート動画などのビジュアル訴求が潜在層への有効手段となる。セール・期間限定などの緊急性のある訴求も効果的だ。
BtoBの場合
BtoBは企業の購買担当者が対象で、意思決定に複数の関係者が関与し、購買サイクルが長い。そのため、潜在層への長期的なナーチャリング(育成)が不可欠だ。ホワイトペーパー・ウェビナー・コンテンツSEOで情報提供を続け、リードを段階的に育てることが求められる。顕在層へはリスティング広告・ポジショニングメディアで競合との差別化を図る。
ウェビナーを活用した顕在層・潜在層の育成戦略
オンラインセミナー(ウェビナー)は、潜在層から顕在層まで幅広い段階の顧客にアプローチできる手法だ。ポイントは、ターゲット層に応じてウェビナーのテーマと形式を変えることだ。
| 顧客段階 | ウェビナーの種類 | 目的 |
|---|---|---|
| 潜在層(TOFU) | 著名人登壇型・トレンド解説型 | 認知拡大・業界関心の喚起 |
| 準顕在層(MOFU) | 課題解決型・ノウハウ提供型 | 関心深化・リード獲得 |
| 顕在層(BOFU) | 導入事例・機能デモ型 | 購買決断の後押し |
| 明確層(購買直前) | 個別相談会・Q&Aセッション | 最終不安の解消・成約 |
潜在層向けのウェビナーでは、自社商品の宣伝より業界課題や最新トレンドを軸にしたテーマ設定が参加者を集めやすい。ウェビナー参加者は接触機会が増えることでブランドへの親近感が高まるため、その後のメールナーチャリングやリターゲティング広告との組み合わせが有効だ。
2025年最新トレンド:AI最適化・Cookieレス・ショート動画
デジタル広告のトレンドは急速に変化しており、2025年以降に注目すべき3つの変化がある。
AI自動最適化広告の普及
GoogleのP-MAX(パフォーマンス最大化)やMetaのAdvantage+など、AIが自動でターゲティング・クリエイティブ・入札を最適化する広告メニューが主流になりつつある。マーケターは細かな設定を行うよりも、良質なクリエイティブ素材を提供し、AIの学習を促進させる役割が重要になっている。潜在層へのアプローチにおいても、AI最適化広告を活用すれば、従来より少ない工数で効果的なリーチが可能だ。
Cookieレス時代のターゲティング変化
サードパーティCookieの廃止に伴い、従来のリターゲティング広告の精度が低下しつつある。代替手段として、ファーストパーティデータ(自社が直接取得した顧客データ)の活用が重要になっている。メールアドレスや購買履歴などの自社データを活用した「カスタムオーディエンス」を構築し、潜在層・顕在層それぞれに合ったアプローチを行う戦略が求められる。
ショート動画広告の台頭
YouTube Shorts・TikTok・Instagram Reelsなどのショート動画は、若年層を中心に強力な認知拡大手段として定着している。15〜60秒という短時間で潜在層の関心を引き出し、ブランドの認知を積み上げるTOFU施策として効果的だ。テキスト広告と比べて記憶に残りやすく、シェアによる拡散効果も期待できる。
ゼロクリック検索時代のSEOコンテンツ戦略
GoogleのAIオーバービュー(旧SGE)の普及により、検索結果画面上で回答が完結し、サイトへのクリックが発生しない「ゼロクリック検索」が増加している。TOFU向けの情報提供型コンテンツは特にこの影響を受けやすく、従来のような検索流入に依存する戦略が通じにくくなりつつある。
これへの対応策として重要なのが次の2点だ。
- 強調スニペット(フィーチャードスニペット)の獲得:定義・数値・FAQなど明確な回答形式でコンテンツを書くことで、AIオーバービューに引用されやすくなる。クリックがなくてもブランド名が露出するため、潜在層への認知拡大効果がある
- 指名検索数の増加をKPIに設定する:コンテンツを読んだ潜在層が後日ブランド名で検索し直す行動(指名検索)を追跡し、「ブランド名の指名検索増加率」をTOFU施策の成果指標として設定する考え方が広まっている
クリック数やページビューだけでなく、ブランド認知の変化を計測する視点が、ゼロクリック検索時代のSEO戦略には不可欠だ。
顕在層と潜在層に合った広告でマーケティングしよう

広告のマーケティング担当者は、顕在層と潜在層を理解しておこう。準顕在層を含む4分類で顧客を捉え、TOFU・MOFU・BOFUのファネルに沿って適切な広告手法を組み合わせることが効果的なマーケティングへの近道だ。2025年以降はAI最適化・Cookieレス・ショート動画という3つのトレンドも押さえ、変化する環境に対応した広告戦略を立てよう。
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