ポジショニングマップの作成方法と軸の決め方について解説

ポジショニングマップの作成方法と軸の決め方について解説
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競争戦略には大きく2パターンがあります。
1つはその市場で最高を目指す競争、そしてもう一つは独自性を目指す競争です。

前者の最高を目指す競争では市場シャア重視で、最高の製品・サービスを目指します。
一方で後者の独自性を目指す競争では、利益重視(価値重視)でターゲット顧客の多様なニーズを満たすことを目指します。

前者の市場をレッドオーシャン(血で血を洗う苛烈な競争の状態)、後者の市場をブルーオーシャン(澄み渡った青い海のように競争がない状態)とたとえられます。

できることなら、青い海原を気持ちよく航海して、自らのビジネスを成功させたいものです。

このページではポジショニングマップについて説明しています。
「ポジショニングマップ」とは、平たく言えば、ブルーオーシャン、もしくは、それに近い市場を探してビジネス展開を考えていくための地図、集客の方向性を考えるためのツールととらえると良いかもしれません。

ポジショニングの定義

ポジショニングとは、提供するサービスやプロダクトにおいて、競合他社を含めて特徴を整理し自社の差別化もしくは訴求ポイントを明確にすることを指します。

この時に大切なのは、ここで指す「競合他社」は自社目線ではなく、ターゲット目線を起点とする競合他社という点です。客観的な情報を元にターゲットが想定する競合他社を選出した上で、競合他社の特徴を踏まえた縦軸×横軸からなるポジショニングマップを活用し、自社のポジショニングを明確にしていきます。

自社でサービスやプロダクトを販売しようと思うと、自社の戦略を研ぎ澄ますだけでは不十分です。必要なのは、市場や他社競合のサービスやプロダクトを明確に把握し、その上で戦略を立てることなのです。

ポジショニングマップの作り方

ポジショニングマップは、縦軸×横軸というシンプルな要素から構成されます。

<イメージ図>
ポジショニングマップの概要説明図
縦軸と横軸を導き出すためには、自社はもちろん競合他社の分析を丁寧に行う必要があります。
また、ターゲットも明確になっていなくてはなりません。ポジショニングマップは2軸でマッピングしていくため、あらかじめターゲットは競合他社と同様のレベル感かを判断しておく必要があります。ターゲットがブレてしまうと、サービスやプロダクトという観点において競合他社か否かを判断できないため注意が必要です。

また、この際自社でサービスやプロダクトに愛着やプライドを持って接している経営者や担当者ほど、「ターゲットが認識している競合」を見分けることが難しくなります。開発段階通りの競合他社ではないかもしれませんが、ユーザーである市場の声を重要視しましょう。

ポジショニングマップ作成の準備。成否をわけるのは3C分析の精度

ポジショニングマップを作成するために重要なのは事前準備です。中でも競合他社はもちろん、ポジショニングマップの肝である縦軸と横軸を決定する要因となる3C分析が重要です。3つのCの要素を見ていきましょう。

自社分析とは

1つ目は「Company」のCから自社分析です。
分析のポイントとなるのは、自社の現在の状況に関する指標です。戦略はもちろん人材や資本と言った経営資源や、営業規模などを元にした強みや弱みを洗い出していきます。サービスやプロダクトにおいては直接関係ないと考える方がいるかもしれませんが、自社の数値的な事実を洗い出すことで、どの程度資源を掛けて取り組んでいるのかを再度認識できます。

これらを踏まえた上で競合優位性のある自社の差別化ポイントを洗い出していきましょう。ブランド力や知名度は数値的に把握しにくいため、差別化ポイントとして置きましょう。

顧客分析とは

2つ目は「Customer」のCからなる顧客分析です。
Customerの中には市場という意味合いが含まれているため、顧客だけではなく市場全体の分析も行いましょう。市場全体の状況や、サービスやプロダクトに関する指標市場規模の推移、業界構造の変遷など、広い視点で捉える必要があります。

顧客に関してはまず、指標購買の意思決定者を確認します。購買は本人ではなく、家族や恋人、会社など様々な要素があるため丁寧に見極めていきましょう。また、子供向け商品の場合には親が購買の意思を決定する場合もあります。

意思決定者が分かれば、一般的なKBFすなわち購買決定要因を抽出していきます。ポジショニングマップは繰り返しお伝えしているように2軸でマッピングしますが、絞り込むまでは軸となり得る可能性をどんどん出していきます。

まずは、自社のサービスやプロダクトにおけるKBFを抽出し一覧化します。軸となる肝の作業だからこそ、丁寧な分析、そして客観的なデータに基づく判断、さらには顧客が持っているであろうイメージを意識する必要があります。

競合分析とは

3つ目のCは「Competitor」、すなわち競合を意味します。

先に絞り込んだターゲットを元に選出した競合他社におけるKBFを抽出していきます。ここで出たKBFを比較評価していくことで、競合商品やサービスに勝つことができる2軸を設定していくことができます。

競合他社が取り扱うサービスや商品には、明確に押し出しているポイントがあるはずです。それらをくまなく拾い上げ、一覧へ一旦反映するという作業を忘れないようにしましょう。そうすることで、市場感をより的確に把握することができます。

ポジショニングマップの軸を決める際に役に立つ6つパターン

競合他社のKBFは上手く抽出できたとしても、ポジショニングマップの軸をどれにするかを決定する難易度が非常に高いです。そのため、よく見られるパターンをご紹介します。

1. 製品特性や仕様に基づく軸のとり方

プロダクトの仕様やサービス特性に基づいてポジショニングマップを構築する方法です。

この軸を設定する際に注意すべき点は、ターゲットは既にサービスやプロダクトに関して一定以上の知識を持ち合わせていることが前提だということです。言い換えれば、自社のサービスやプロダクトはよくよく見てもらうことで強みを発見してもらえるのです。
例を挙げるなら処理速度の速さや燃費などが挙げられます。

購買時に突発的に購入するのではなく、長期間買い換えないサービスやプロダクト、もしくは購入金額が大きければ有効化しやすいパターンと言えます。

2. 消費者へのメリットに基づく軸のとり方

消費者の感情に訴えかけることができる場合、有効な手法と言えるでしょう。
高級感やプライベート感と言うキーワードが例として挙げられます。

消費者がメリットに感じると言うことは、既存の概念として既にコストが高い印象があるにも関わらず「安い」や、これまでの経験から推察するに遅いはずが「早い」など、逆説的な要素が無ければ訴えかけにくいという注意点があります。
感覚・感情的な要素が強くなりやすいため、定性的な要素で訴求する場合に向いています。

3. 価格と品質の関係に基づく軸のとり方

購買を決定するまでに時間が掛からない商品に向いています。
なぜなら、価格と品質の関連性が消費者にとってある程度イメージしやすいという前提の上でこの軸は成り立っているためです。新商品のこれまで類を見なかった商品や、消費者にとってイメージが湧かない商品には不向きな2軸と言えるでしょう。あくまで起点とするべきはターゲットとなる消費者です。

高価格や低価格、高品質や低品質といった4つの要素から成り立つため、ポジショニングマップ初心者であっても理解しやすい2軸という点も大きな特徴です。食材や日用品などに適しています。

4. 用途に基づく軸のとり方

自社のプロダクトやサービスを、品質や価格で差別化しにくい場合に適した2軸です。ほぼ機能面などに違いが見られない場合や、差別化できるポイントが消費者にとって見えにくい場合に向いています。例えば「徹底したカスタマーサポート」などです。

BtoC向けの商材よりもBtoB向けの商材が当てはまりやすく、「SMSの一斉送信ツール」や「採用向け候補者管理ツール」などが挙げられます。

5. 競合製品に基づく軸のとり方

明確に比較する競合他社、そしてサービスやプロダクトを決定して行います。ポジショニングマップは2軸で判断しますが、片方どちらかの軸で明らかに差異を明確にできる場合に向いている手法です。

特性やメリット、価格や用途など、差異が明らかになる要素であれば詳細は問いません。脱毛など、料金がある程度固定化されている商品を例にとると分かりやすく「他社より低価格なのに早く終わる」「短い時間で終わるのに仕上がりが綺麗」と言った具合です。
3C分析の結果選出した競合企業、また市場の状態などを総合的に判断して考えることができると良いですね。

6. 他社製品との関連性に基づく軸のとり方

プロダクト・サービス問わず有効に活用できる軸の取り方です。
例から見ていきましょう。

新たな自動車を発売する際に「まるでファーストクラスの座り心地」と言ったように、関連性がある移動手段を提示する軸の取り方です。この場合、自動車という「乗り物という移動手段」と、他社のプロダクトではあるものの同様に「乗り物という移動手段」である飛行機を対比しています。

直接競合するプロダクトやサービスとの差別化を図る場合に適した軸の取り方です。

その他、軸のとり方こそ、競争力の源泉になりえる

6つの軸について簡単に説明しましたが、この軸のとり方次第で市場の見え方大きく変わります。この意味で、新しい軸の発見こそが、市場の創造であるといっても過言ではありません。

ポジショニングマップの軸のとり方はここで語られている以上に多様性があり、創造的なものです。
かなり抽象的な軸のとり方についての説明でしたが、これを一つの参考として、実際にある売れている商品、サービス、商業施設、会社について分析することで、なにか新しいビジネスのヒントが見つかるかもしれません。

軸を選定する際のポイント

あくまでも起点は顧客

そのKBF、本当に顧客は大切?

軸の決定要因となるKBFを抽出する際、抽出したKBFは本当に顧客は大切か?を丁寧に考えるようにしましょう。

実は、本来顧客が購買決定要因となっているはずのKBFを見逃すことは簡単です。なぜなら、ポジショニングマップを作成しているのは顧客ではなく、購買を促したいと考えている企業側だからです。

企業のセールスポイントがそのままKBFになっているとは限りません。しかし企業側の立場で過ごし、サービスやプロダクトと接していると、自身が推しているポイントをそのまま反映したくなってしまいます。これは意識的にではなく、無意識のうちに行ってしまう可能性があるため、強く意識しましょう。

「価格を押し出しているが、真のKBFはデザインだった」「キャンペーンの方法が良かった」など、フラットな視点でサービスやプロダクトを見て、適切なKBFを抽出していきましょう。

顧客は認識できる?

実際に顧客のKBFである場合でも、「顧客が認識しにくいKBF」があるため注意が必要です。

例えばパソコンを例にとって考えてみましょう。パソコンに詳しい人であればCPUなどが購買理由となる可能性がありますが、価格帯が安く初心者向けパソコンの場合、メーカーの名前が重要視されているかもしれません。メーカーの知名度がたまたま顧客とのニーズと合っていたという場合があります。

ポジショニングマップを作成する上で難しいのは、顧客の視点は事実に基づいているものとは限らないという点です。「誰かから聞いたこと」「口コミサイトに書いてあったこと」のように、顧客が持っているイメージが大きく影響します。企業側はイメージをできるだけ適切にくみ取り、ポジショニングマップを作成する必要があるのです。

ターゲットに合わないポジショニング軸を使わない

ポジショニング軸は、ポジショニングマップを作成する上で非常に重要な要素です。この軸が曖昧であることはもちろんNGですが、ターゲットに合わない軸を選定しまうのが最もNGです。

先ほど紹介した6つのパターンを参照すると分かるように、軸はサービスやプロダクトによって向き・不向きなパターンがあります。また、ターゲットによっても向き・不向きなパターンがあることを忘れてはなりません。

この際、議論がまとまらないようであれば、実はターゲットが明確になっていないのかもしれません。例えば、「22歳女子をターゲット」として考えてみましょう。

このターゲットでポジショニングマップを作成しようとすると、軸選びの際に躓くはずです。なぜなら「22歳女子」はターゲットと呼ぶべき情報としては不足がありすぎます。

22歳という年齢設定であれば、大学に通っている場合は大学4年生でまだ学生です。しかし専門学校などを卒業している場合は、社会人として2年の経験を積んでいることになります。これだけ見ても生活リズムや収入が異なることは想像できますが、ひとり暮らしなのか実家住まいなのか、正社員なのかアルバイトなのか、というように、限定できる要素はたくさんあります。

自分たちが納得したポジショニングマップを作成できるよう、常にターゲットには立ち返るようにしましょう。そして立ち返るに相応しいターゲットを作成しましょう。

相関の高い軸をポジショニングマップの軸として選ばないこと

初心者にありがちなのは、2軸に相関性を持たせてしまうことです。冷静な判断をすることができれば、2「軸」な時点でそれぞれの項目に相関関係がないことは十分理解できますが、KBFの抽出を行うとつい相関関係にある内容を2軸に置いてしまいがちです。

よくあるのは「価格と品質」です。私たちは自身の生活の中で理解しているように、高い金額を払うことで高品質のものを購入したり、サービスを受けることができます。この考えのもとに立てば、「価格と品質」は相関関係にあり、「品質」が落ちれば価格は下がるし、「価格」が上がれば「品質」は上がる、というのが一般的ではないでしょうか。すなわち、ポジショニングマップであれば右上の1つの象限のみで完結します。

仮に、自社のプロダクトが他社と比較し月とすっぽんほどの品質差があり、その上で低価格を実現できる場合には相関関係にあるはずの2軸に、相関関係がなくなります。しかし、基本的にはほぼないということを念頭に置き、注意しながら軸づくりをしましょう。

ポジショニング戦略をベースとしたキャククル(全研本社)のWEB戦略

大切なのは、自社に合ったプロモーション戦略

ここまで、ポジショニングマップの作成方法について紹介しました。
当社では、ポジショニング戦略をベースとしたWeb戦略をクライアント様にご提案しています。

上記では説明しきれませんでしたが、特に中小企業様の戦略においては地域性が非常に重要な要素となります。そのため、ポジショニング戦略を運用していく場合には地域によるセグメンテーションを行った上で、ポジショニングについて検討するという順番となります。

日本の企業構成は、中小企業が99%を占めています。その状況からすると中小企業には多種多様な特徴があることは明白で、各社に合ったプロモーション戦略こそ企業運営の鍵と言えるでしょう。

自社に適したWeb戦略はできている?

現在多くのWeb会社が行っている広告モデルは、ポータルサイトを作って「広告掲載しませんか?」というものです。ポータルサイトの掲載も有効な手段ですが、各々の中小企業が持つ独自の強みや魅力はユーザーに伝えきることができません。

また、そもそも自社の強みや競合との差別化を曖昧、すなわち自社分析や競合分析を充分にしないまま、プロモーション活動を展開してしまっている企業は多いのではないでしょうか?

だからこそ、ポジショニングが重要

そこで、クライアントが市場でどのような立ち位置にいるのか明確にするためにポジショニングメディアの作成を推奨しております。ポジショニングメディアとは、各企業の特徴を詳細にまとめ、業界全体を見渡せるまとめサイトのようなものです。
このメディアはランキングサイトのように、優劣をつけるものではないため、サイト自体の集客力はあまりありません。しかし、市場全体を俯瞰的に捉えるためのツールとして重宝します。

まずは、市場全体を俯瞰的に捉えられる状況を作ります。その上で、自社がどのように戦うのか具体的な戦略を練るという手順が重要なのです。

ポジショニングメディアの紹介資料


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WEBマーケティング戦略のひとつである、当社のWEBサービス「ポジショニングメディア」について資料です。すでに導入されたお客様の声や、一般的なWEB集客手法の課題もまとめてあります。

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この情報過多の時代、闇雲に広告を打ってもユーザーの耳には届きません。市場での立ち位置を明確にし、戦うべきポジションを確立した上で自社ブランディングを行うことが大切です。
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