【SaaS企業の営業戦略】新規開拓・顧客獲得のポイントとは

【SaaS企業の営業戦略】新規開拓・顧客獲得のポイントとは
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近年ではパッケージ化されたソフトウェアやシステム導入よりも、クラウドを利用したサブスクリプションモデル等を利用することが主流になりました。

これにより、SaaS市場は急成長の動きを見せています。
この記事では今後の市場成長に併せて、SaaSのサービスを成長させていくために必要となる、SaaS企業の営業戦略について解説しています。

また営業効率アップ・成約率アップにも効果がある、営業戦略と合わせて実施したいWeb戦略も最後にご紹介しています。

SaaSの営業戦略におけるキーポイント

サブスクリプションモデルのサービスを取り扱うSaaS市場は、年平均成長率約13%の勢いで急成長しています。

2024年度にはパッケージ比率が56.1%から43.8%へ減少、SaaS比率は43.9%から56.2%に上昇する見込みで、同年の市場は約1兆2,000億円に拡大する見込みです。(※1)

広がっていく市場の中で自社サービスのポジションを確立し、シェアを確保・拡大していくためには戦略的に営業を進めていく必要があります。

SaaS企業の営業戦略のひとつとして、エンタープライズ企業の新規開拓は実績・売上に直結するため優先度が高いでしょう。
※1参照元:BOXIL「SaaS業界レポート2020」(https://lp.boxil.jp/saasreport/2020)

エンタープライズ企業の新規開拓

SaaSの営業戦略としてのエンタープライズ企業の新規開拓

SaaS企業におすすめの戦略のひとつは、エンタープライズ企業を開拓することです。

エンタープライズ企業とは、大手企業や政府機関など比較的規模の大きな企業体のことを指します。

なぜSaaSの営業においてエンタープライズ企業の開拓の優先度が高いかというと

  • 顧客単価が高い
  • 解約率が低く安定する

この2点が大きな理由です。

エンタープライズ企業は、ユーザー数が多く高い収益を見込めるうえ、サービス導入後の解約率が低いという優良顧客候補。

しかしその分、導入の判断に必要な決済に時間がかかったり、窓口担当と決済担当者が違うということも往々にしてあります。

エンタープライズ企業だけをターゲットとしてしまうと、自社の体力が先に尽きてしまうリスクも。

大切なのは中小企業とエンタープライズ企業、双方に対してアプローチできるように仕組みを整えておくことです。

例えば中小企業に対してはMA(マーケティングオートメーション)などのIT技術を用いて自動的・半自動的な顧客育成(リードナーチャリング)を行い、工数を抑えながら確度を上げていくのに対し、

エンタープライズ企業に対しては、その企業特性や組織などを個別に分析して提案するといって、柔軟かつ丁寧な営業体制をつくることが重要となります。

他部署への波及で売上拡大の機会も

エンタープライズ企業を開拓する利点として、顧客社内の他部署にもサービスを利用してもらいやすくなる点があります。

エンタープライズ企業は導入していただくまでに苦労はありますが、その分ひとつの部署で大きな成果を出せれば、顧客社内の別の部署にも紹介してもらうなど売上拡大のチャンスにつなげやすくなります。

社内で実際に成果が上がっているというのは、決済担当者が検討・決断する際にも強力な決め手になるでしょう。

エンタープライズ企業は、資金力も豊富なため上位のサービスを購入してもらう「アップセル」や、ほかのサービスも購入してもらう「クロスセル」も期待できます。

1社を開拓することで、そこから波及する影響力が高い点がエンタープライズ企業開拓の魅力です。

エンタープライズ開拓のためのSaaSの営業戦略とは

エンタープライズ開拓のためのSaaSの営業戦略とは

ターゲットの選定

エンタープライズ企業への対応は人的リソースやコストもかかるため、やみくもにアプローチするわけにはいきません。

ターゲット企業を絞り込むために、まずは様々なツールを活用し、判断基準となるデータを獲得しましょう。

ツールというのはMA(Marketing Automation)、SFA(Sales Force Automation)、CRM(Customer Relationship Management)といった、マーケティングや営業活動を支援するデジタルツールです。

これらのツールが登場する前は、どのような企業が自社に興味を持っているのかすら認識することができず、適切なターゲット設定の難易度は高いものでした。

しかし現在では、自社への流入経路や興味のある情報、閲覧頻度、どの程度の検討フェーズなのか等をデータとして集計・共有が可能になり、効率的な営業活動ができます。

自社に興味を持っている企業のニーズや課題感を分析し、自社の強みと相性の良い企業を選定の上、営業戦略を練りましょう。

このように特定の企業を絞り込んでその企業に最適なアプローチをするマーケティング手法をABM(Account Based Marketing)といいます。

ターゲットを分析しアプローチ

ターゲットの選定が完了したら、その企業を開拓するためのチームを立ち上げましょう。

これはBDR(Business Development Representative)という営業手法で、ターゲット企業に対して能動的にアプローチをかけていきます。

エンタープライズ企業を相手に営業や提案をする上では、決済フローやキーマンの把握、市場環境、ニーズ・課題、予算感、業績など把握しておくべき情報が多岐にわたります。

これらを把握するチームをつくり、新規開拓に特化した動きをしていきましょう。情報の把握には部署などの垣根を超えて、全社的な情報収集・共有が必要になります。

なお、BDRチームが新規の大手企業への専属アプローチに対応し、商談の獲得後はエンタープライズセールスチームが他部門への横展開を目指していく手法が一般的です。

リファラル戦略の推進

エンタープライズ企業の開拓には、リファラル戦略も有効です。
上述したABMにより選定したターゲット企業に対して、外部のパートナー企業などと接点がないかを確認してみましょう。

BDRは自社内のリソースや情報を活用するのに対して、外部の力を借りるのがリファラル(紹介)戦略です。

すでにパートナー企業がターゲット企業の情報を持っている場合は、手数料や一部報酬を支払う形で紹介してもらう方法や、自社の代理店として営業をかけてもらう方法があります。

またターゲット企業の情報を手に入れるために、別の企業と手を組む方法もリファラル戦略の一環です。

例えば、同じ企業をターゲットとする別企業とイベントを共催して、ターゲットにアプローチする手法も考えられます。

ほかにもSNSでつながりがないか、名刺交換していないかなど、糸口をつかむ可能性があるものは確認してみましょう。

SaaSの営業戦略で忘れてはいけないこと

SaaSの営業に必要なスキル

SaaSの営業戦略の根幹にある忘れてはいけないことは、「顧客のニーズに応える」ことです。

SaaSのツールやサービスを導入する企業にはニーズや課題があり、それに応える解決手段が自社のツールであると明確に示す必要があります。

顧客の声から機能実装する

SaaSの営業戦略として、機能実装による使いやすさや利便性の改善・ブラッシュアップは常に求められます。

現在の機能に加えて、「今後どのような機能を実装していくか」という期待値も検討フェーズでは含まれるからです。

ニーズを把握しプロダクト開発部門と常に連携が取れる体制作りが必須になります。

ただしエンタープライズの声だけ優先してしまうことで、別の企業や中小企業などの利便性を損なう可能性もあります。

  • 顧客の要望を細分化し、それぞれのニーズに応えていく
  • 機能実装のために、自社サービスが持つ本来の利便性を消さない
  • 安易な機能実装により、利益を減らしてしまう可能性があることに注意する

上記の点も踏まえて、機能実装には総合的な判断が伴います。

時にはツールの機能とは別の形で、顧客のニーズに応えられる方法がないかという検討も必要になるでしょう。

営業戦略は違っても共通する軸

このページでは、エンタープライズを開拓するための営業戦略にスポットを当ててきました。

しかし、SaaS事業では、エンタープライズの開拓に注力することと同時に、ほかの企業に対しても働きかけなければなりません。

エンタープライズ型の営業に対して、THE MODEL型の営業戦略も把握しておきましょう。

  • エンタープライズ型…
    特定→拡張→関係構築→他部署展開という流れ。アウトバウンドマーケティングを主軸に置いたセールス体系
  • THE MODEL型…
    認知拡大→顧客選定→商談→契約という流れ。インバウンドマーケティングを主軸に置いたセールス組織体系

正反対の性質を持つエンタープライズ型とTHE MODEL型。
ですがどちらも顧客の声、つまりは顧客のニーズを把握し応えることが重要である点は変わりありません。

自社のSaaSサービスのバリュープロポジションは明確か

SaaSのようにBtoBがメインとなる商材では、その顧客の比較検討フェーズは非常に慎重に行われます。

顧客は当然競合するツールなどの情報も収集しており、社内で重視される指標に沿って検討を進めていきます。

検討フェーズにある顧客に対して、自社のサービスを選ぶべき理由が明確に示せているでしょうか?

自社ならではの提供価値を表すマーケティング用語として「バリュープロポジション」というものがあります。

バリュープロポジション

バリュープロポジションを明確にする際には、顧客のニーズ分析と競合分析を行ってから、自社の強みや価値を見直していきます。

  • 自社が展開しているSaaSのツールは、顧客のどのようなニーズに応えたものでしょうか?
  • 一方で競合するSaaS企業のツールは、何を強みとして価値提供しているでしょうか?

自社が応える顧客のニーズを明確に示すことで、差別化につながるだけではなく、顧客側も自身にベストなツールを選びやすくなります。

現状の市場環境で、自社が独自性のあるポジションを取れているのかという観点は、営業戦略・マーケティング戦略においても欠かせません。

その第一歩として自社のバリュープロポジションを改めて見直してみてください。

自社にマッチする顧客にアプローチできるWeb戦略

記事の冒頭でお伝えしました、営業戦略とあわせて実施したいWeb戦略として「ポジショニングメディア」というものをご紹介します。

インターネットによる情報収集や比較検討が容易となったいまでは、営業先となる企業の決定プロセスにも変化が起きています。

そのため営業による直接アプローチ以外にも、社名や商品名で検索された際に自社の提供価値が伝わるような情報がWeb上に準備できている形がベストです。

ポジショニングメディアでは、市場内でどういった価値提供をしているのかというポジション(立ち位置)をわかりやすく伝えることで、自社の強みを求めてくれている相性の良い顧客に選んでもらえる状態をつくりだします。

ポジショニングメディアのコンバージョンフロー

おかれている市場の中で「〇〇が強みの自社」というブランドイメージを顧客に印象付けることができるため、顧客側も「自社に最もあっているツール・サービスはこれだ」と納得して決めやすくなります。

実際にポジショニングメディアを導入した企業では、自社の強みを理解した上での問い合わせが増えたことで、「お問い合わせからの商談率が8割以上に」「成約までの時間が1/3に短縮された」といった効果も感じていただいています。

ポジショニングメディアのような媒体を持っていれば、営業のアプローチで取りこぼしてしまっても、顧客自らが検索して自社の良さを認知してくれやすくなります。

また「このサービスは○○が特徴」と比較された情報をもって説明できるため、顧客担当者から決済者などへの情報共有がしやすく、スムーズな比較検討プロセスにも寄与できます。

自社にマッチした質の良いリードを獲得したい、成約率を高めたい、といった場合には、ぜひポジショニングメディア導入もご検討ください。

ポジショニングメディア戦略の
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キャククルを運営する全研本社は、クライアント企業ならではの強みを徹底分析し、それを軸とした集客・マーケティング戦略のご提案を得意としています。

いままでにSaaS企業を含む120業種以上のクライアント企業を支援してまいりました。

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