市場規模が急拡大しているSaaS(Software as a Service)。
スタートアップ企業も多数参入し、レッドオーシャン化している現在、他社から抜きん出るための広告・マーケティング戦略が必要になります。
インターネット環境が前提となるSaaSにおいては検索に対するSEO対策はもちろん、検索する呼び水となるコンテンツマーケティングが必須です。
実際にSaaS企業のほとんどがコンテンツマーケティングを実施していると言われています。
この記事ではSaaS企業のマーケティングのポイントや広告手法などを紹介していきます。
SaaS企業のコンテンツマーケティング
SaaSのサービスを導入する一番の理由は、当然のことながら課題を解決するためです。
つまりSaaSであることの前に、顧客企業の課題の解決手段として自社サービスがあることを認知してもらわなければいけません。
その上でSaaSであることの多数のメリットが、顧客が導入することへの後押しになります。
SaaSをまだ検討していない潜在層がターゲット
コンテンツマーケティングのメインターゲットになるのは、いわゆる潜在層といわれる見込み顧客です。
すでにSaaSの具体的なサービス名を検索している、または数社を比較検討している企業はニーズが顕在化(課題解決手段としてSaaSのサービスが候補になっている)しています。
一方の潜在層とは、課題はあるもののその解決手段としてSaaSが頭にない状態の見込み顧客のことです。
潜在層はニーズ顕在層に比べて母数が多く、コンテンツマーケティングが成功した際のインパクトも大きくなります。
つまり顧客の課題と、その解決手段としての自社サービスを結びつけるコンテンツをつくることが必要です。
SaaSにおけるブランディングの重要性
SaaSの競争環境は激化していくと予想されます。その中でいち早く「〇〇といえば△△」というブランドイメージを定着させることは、マーケティング戦略上、非常に重要です。
特に、市場が成熟して大手企業が参入してくる段階になったときに、ユーザーの中に自社に対するイメージがない状態では比較検討の土俵に上がることすら難しくなってしまいます。
コンテンツマーケティングを実施する際には、どういった価値提供をしている企業なのか、市場内での自社のポジションを明確に示すことを意識しましょう。
SaaS企業の広告手法
公式サイト
自社の公式サイトにコンテンツを追加し、SEO対策するのは基本であり、始めやすい方法です。
例えばブログ形式で、顧客にとっての有益な情報発信をすることで、検索からの流入を望めます。
公式サイト内のコンテンツは、いかに広告色を感じさせないかもポイントです。自社サービスへの誘導はそこまで強めず、読みやすくわかりやすいコンテンツを継続的に発信しましょう。
また公式サイトは後述する様々な広告手法の受け皿にもなります。強みとして目立たせるポイントを統一し、興味を持ったユーザーが求めている情報をわかりやすく掲載しておくことも重要です。
ポータルサイト
類似の課題解決を提案するSaaSが多数ある場合は、そのサービスをまとめて紹介するポータルサイトが存在することも多いです。
顧客としてはSaaS導入を検討する際に比較をしたいと考え検索し、情報がまとまっているポータルサイトがあれば参考にしています。
一括見積サイトや資料請求サイトもポータルサイトにあたります。これらのサイトに掲載することで認知を高めることができ、比較検討の1社として認識してもらえる機会も増えるでしょう。
競合が多数掲載されている状況で自社の情報がない場合は、それだけで後れをとってしまっている状況ですので、ポータルサイトが存在するかは必ず調べておきましょう。
オウンドメディア
オウンドメディアは公式サイト以外で自社運営するWebメディアのことを主に指します。
顧客にとって有益なコンテンツを発信することは変わりませんが、広告色が薄まることに加え、サイトテーマを全体的に統一できるため、ブランディングしやすくなるというメリットもあります。
継続的に更新することで、見込み顧客との接点を持ち続けることができ、自社に対する信頼感や安心感の醸成が可能です。
オウンドメディアの
制作・構築のポイント
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ポジショニングメディア
ポジショニングメディアとは、バリュープロポジションを軸に他社との差別化を図り、自社と相性の良い顧客を集めることができるマーケティング施策です。
- 自社ならではの強みをSaaS導入検討においての比較軸にして優位性を見せる
- SaaSの選び方を複数提案し、それに準ずる自社の強みをPRする
- 競合他社も掲載し、ニーズ別にサービスを紹介。自社に魅力を感じる顧客を集める
など、ポジショニングメディアでは市場環境や自社の強みに合わせた様々なマーケティング戦略が可能な点が特徴。
市場・ユーザー・競合と広範囲な分析が必要になる分、マーケティング戦略の時点から差別化ができます。
すでに自社に魅力を感じた状態、温度感の高い顧客を集めたい場合は効果的な施策です。
テレビCM・タクシー広告
広告に短期集中で予算をかけられる場合は、テレビCMやタクシー広告の活用も効果的です。
顧客が能動的に行う検索とは違い、見込み顧客との受動的な接点を持てるため、集中して放映することができれば認知力や拡散力は抜群です。
記憶に残る印象的なフレーズを用いること、思わず「あるある」と言わせる共感シチュエーションが描かれているとイメージも定着しやすいでしょう。
例えば、クラウド名刺管理サービスであるSansanの「それ、早く言ってよ~」のフレーズは記憶にある方も多いのではないでしょうか。
ちなみにSansanという名称を覚えていなくても、それ早く言ってよ~で検索をすると上位に出てくるようにSEO対策もされています。
SaaS企業の広告・マーケティング事例
Sansan
引用元:Sansan公式サイト(https://jp.corp-sansan.com/)
クラウド名刺管理サービスのSansanは、思わず共感してしまうシリーズCMを展開。
ユニークに描かれるあるあるシチュエーションで出る「それ、早く言ってよ~」のフレーズは広く認知されています。
※CMギャラリーはこちら(https://jp.sansan.com/special/)
Salesforce(セールスフォース)
引用元:Salesforce公式サイト(https://www.salesforce.com/jp/)
CRM、SFA、MAといった顧客管理や営業・マーケティング支援に関するSaaSを提供しているSalesforce。
コロナウィルスの感染が広がった2020年4月、「変化にフォースを。」というコピーを掲げたCMを展開しました。
CMで使われたオリジナルの楽曲も話題となり、YouTubeのCM動画は2100万回以上再生されています(2020年11月現在)。
クラウドサイン
引用元:クラウドサイン公式サイト(https://www.cloudsign.jp/)
電子契約サービスのクラウドサイン。俳優の小澤征悦さんがハンコを熱演したインパクトのあるCMが記憶にある方も多いのでは。ハンコの是非についての話題が世間でも盛り上がる中、注目を浴びました。
「サインのリ・デザイン(https://www.cloudsign.jp/media/)」というオウンドメディアも展開しています。
ferret
引用元:ferret公式サイト(https://ferret-plus.com/)
Webマーケティングに関する様々な情報を発信するオウンドメディアを展開するferret。
ユーザーが知りたい情報をまとめるとともに、自社が提供するWebマーケティングツール「ferret One」を紹介し、認知向上や資料請求などへとつなげています。
freee
引用元:freee公式サイト(https://www.freee.co.jp/)
クラウド会計ソフトのfreeeは、実際に導入されている企業の声を活用したCMを展開しています。
その他会計に関する知識を学べる記事や動画配信など、コンテンツマーケティングを積極的に行っています。
SaaSの広告・マーケティングまとめ
コンテンツマーケティングを通じて、顧客にとって有益な情報を発信し、自社を認知してもらう。
そして、課題解決の手段として、自社のサービスを検討してもらうことがまず必要です。
マーケティング施策を実施するにあたって、考えておかなければいけないのは自社のバリュープロポジションです。
バリュープロポジションとは、顧客ニーズはあるが、競合などは提供できていない。自社ならではの価値のことです。
これは言い換えれば、数ある競合サービスと比較検討したときに、顧客が自社のサービスを選ぶべき理由になります。
このバリュープロポジションが明確であるだけでなく、その強みが顧客にしっかりと伝わっているかが重要です。
自社の強みに合わせたターゲット顧客の設定と、そのターゲットに合わせた適切なコンテンツマーケティングを行いましょう。
全研本社では、バリュープロポジションを軸としたポジショニングメディア戦略を通じて、延べ7000件以上の集客支援実績がございます。
バリュープロポジションの分析、マーケティング戦略立案、サイトの制作・運用など、Webマーケティング全般をワンストップで対応可能です。
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