【3分で分かる】ZARAの差別化・経営戦略のポイントとは

【3分で分かる】ZARAの差別化・経営戦略のポイントとは
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この記事では、全世界に2,000を超える店舗を展開するスペインのファッションチェーン「ZARA」の差別化戦略について解説しています。貴社の今後の企業戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。

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ZARAの差別化・経営戦略のポイント

ZARAキャプチャ画像
引用元:ZARA公式サイト(https://www.zara.com/jp/)

ファストファッション業界でトップの売上を誇るZARA。その背景には、ZARA独自の生産方式と差別化ポイントがあります。ZARAの差別化・経営戦略のポイントを詳しくみてみましょう。

アパレル業界では異例の「JUST IN TIME」方式

GAPやユニクロ、H&Mなど、ほかのファストファッションブランドと同じく、ZARAもSPA(製造小売業)で高品質・低価格を追求した経営体制をとっています。しかし、ほかのブランドと大きく異なるのが、「JUST IN TIME(JIT)」という生産方式を採用している点です。

JITは「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」生産するというもの。大量の在庫を抱えるリスクが少ないため、経済効率が高いのがメリットです。

しかし、トレンド感を追求するファッション業界の場合、注文が入ってから店頭に並ぶまでのリードタイムのバランスをとることが難しく、少しの遅れが致命的になるというデメリットがあります。

そのため、競合他社では、一定数を生産し、在庫管理をしながら、欠品することのないように店頭に届けるというのがスタンダードです。

ZARAがあえてJITを採用しているのには、ZARA特有のブランドアイデンティティが深く関わっています。JITでは、従来の生産方式に比べ、大きな在庫を抱えるリスクがありません。そのため、在庫管理や廃棄にかかるコストを抑えられます。

ZARAは、そうして抑えてできた予算を物流に投下することで、競合他社がまねできない「スピード感」を強みとして手に入れたのです。

ZARAの差別化戦略ポイントは「スピード感」にあり

ZARAでは、週2回という異例のスピードで、1600を超える世界中の店舗に商品を供給しています。ZARAには基本的に追加生産がないので、常に新商品が供給されているわけです。

競合他社の場合は、いずれもデザインから販売までに1ヶ月程度かかることを考えると、ZARAのサイクルがいかに早いかが分かります。この「スピード感」こそがZARAの差別化戦略最大のポイントなのです。

このスピード感を実現させているのが、先に述べたJITと物流です。ファッションブランドとしては珍しいJITを採用することによって削減したコストを、ZARAは物流に投下しました。

競合他社の多くは、商品本体に関わらない部分のコストを抑えることで、高品質・低価格を実現させています。商品本体に関わらない部分に該当するのが物流であり、海外工場から商品を供給する際、運賃の安い海運を利用している場合が多いようです。

しかし、ZARAは、物流を自社の「強み」とし、欧州以外の物流には運賃の高い空輸を使っています。それを週2回、世界中に向けて供給しているということは、多大なコストがかかっていることは言うまでもありませんが、これが売上トップブランド・ZARAを支えている「軸」なのです。

ZARAは、物流による「スピード感」を強みとした逆転の発想ともいえる差別化を図ったことよって、トレンドを逃さず、多くの商品を市場に投入することが可能となっています。10~15日スパンで新商品が入れ替わるため、店舗は常に鮮度が高く、顧客の来店頻度や購入意欲の上昇につながっているのです。

ZARAは、物流を「コスト」ではなく「強み」として差別化できたことで、ファストファッション業界での確固たるポジショニングに成功したといえるでしょう。

4Eに基づいた「顧客中心」の経営戦略

ZARAの企業ポリシーは「常に顧客が中心」というもの。このポリシーを実践するために用いられているのが、顧客を中心として考える「4E」の経営戦略です。現代のマーケティングで重要とされているのは、価格だけでなく、体験や時間・利便性など目に見えない価値といわれています。

ZARAでは、顧客のブランド体験やコミュニケーションを有意義かつ有益なものとするため4Eに基づいた様々な経営戦略を実施。特に、近年のデジタル化に合わせたソーシャルメディアの活用には多大な投資をしています。

ZARAの公式サイトやアプリは、とてもスタイリッシュでECサイトを兼ねています。
facebookやInstagram、Twitterなどとリンクしやすい構成で、顧客のパーソナライゼーションを把握しやすくなっているので、より顧客のニーズに寄り添った「顧客中心」のコミュニケーションを図りやすくなっています。

スピード感を強みとしているZARAでは、こうしたデジタルメディアを活用したタイムリーな情報発信が経営戦略のカギといえるでしょう。

ZARAの差別化・経営戦略まとめ

ZARAの差別化・経営戦略まとめ

ファストファッション業界のトップポジションを維持するZARAは、競合他社がコストと捉える「物流」を自社の強みとしたことで、差別化戦略に成功しました。

物流を活かしたスピード感は、移り変わるファッショントレンドをいち早く市場に投入することを可能にし、トレンドに敏感なターゲット層のロイヤリティを確固たるものとしたのです。

さらに、多様なソーシャルメディアを活用した「顧客中心」の経営戦略を行うことによって、店舗体験やコミュニケーションを価値あるものにしています。その結果、顧客自身が様々な形でブランドを広め、新たな顧客獲得や来店頻度・購入意欲の上昇につながるという理想的な経営サイクルを構築できました。

情報があふれている現代における差別化・経営戦略には、ターゲットのリサーチはもちろんですが、競合他社のリサーチも入念に行うことで、自社しか提供できない価値を発見・創造することがポイントといえます。

差別化戦略で重要なことは、「競合とは違い、かつニーズのある強み」を明確にすることです。時に発想の転換がカギとなるかもしれません。そのうえで、顧客のパーソナライズに沿ったコミュニケーションを展開することで、時代の流れに沿った差別化戦略を構築できるのではないでしょうか。

マーケティング戦略策定後には施策に落とし込もう

マーケティング分析をした上で大切なのは、その分析結果をもとに行うマーケティング戦略の施策と戦術の実行です。しかし、ほとんどのケースで見受けられるのが、

  • そもそも適切な分析ができていない
  • 分析はできたが、それを支える戦略と戦術まで落とし込めていない
  • 分析や戦略までは組み立てたが、戦術と連動していない

という問題の発生が多くあります。
そのため、多忙な中、分析や戦略策定をしたのにもかかわらず、
成果に繋がらなければ、あなたの貴重な時間もお金も無駄にし、また練り直さなければなりません。
時間がさらにかかれば、状況も変わり市場からさらに置いてかれること可能性もあります。

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120業種以上のノウハウを基に貴社がどんな市場でどんなターゲットでどんな強みを打ち出していくべきかを分析し、策定。

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