「大塚家具」の経営・差別化戦略から学べること

「大塚家具」の経営・差別化戦略から学べること
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大塚家具の差別化戦略

大塚久美子社長が12月1日付けで代表取締役と取締役を辞任する、というニュースが舞い込んできたばかりですが、今後も大塚家具の名前は残り、山田ホールディングスの三嶋恒夫会長が社長を兼務する、という発表がありました。

ここでは大塚家具がなぜこのような状況に陥ってしまったのか、差別化戦略というキーワードで見ていきたいと思います。

もともとは「会員制」の高級路線

大塚家具は、1969年に現社長の大塚久美子氏の父親である大塚勝久氏によって創業されました。

創業当初は業界の中では珍しい「会員制」が導入され、一度大塚家具で購入すると顧客リスト上で情報を管理される仕組みを採用していました。結婚など、人生の節目の後の大量購入時に支持され、高級路線ながら高い支持を維持していました。

広いショールームもポイント

大塚家具は実際に家具を購入した後のイメージを強く持ってもらうために、広いショールームを持っています。業界の中では群を抜いて広いショールームには、部屋のレイアウトイメージがいくつも展示され、足を運んだ顧客の購買意欲を掻き立てていました。

また、会員制という特徴を活かし、過去の購買履歴などから担当営業が適切なレコメンとを行うことで、顧客にとっては唯一無二の大型家具店として地位を確立することができたのです。

また結婚や新居といったターニングポイントで大物家具を探すなら高級志向の大塚家具、というブランディングにも成功していました。

確立された高級路線からの脱却

「大塚家具=高級家具」は言うまでもなく、多くの顧客が持つイメージとして確立されています。良くも悪くも手軽さがなく、選ばれた顧客のみが足を運べるという点が大きなポイントになっていたことは言うまでもありません。

この路線が大きく変わるのが、社長が大塚勝久氏の娘である久美子氏に移行したタイミングです。久美子氏は昨今の家具業界の状態を鑑み、高級路線からの脱却を狙います。

ライバルはニトリ?

久美子氏が見つめる先には、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けるニトリの存在がありました。ニトリは「お、ねだん以上。」というキャッチコピーと共に、カジュアルな店舗戦略で商品単価も安く、誰もが気軽に足を運べるブランディングを確立しています。

商品の値段は適正かと言うことを常に追求し、自社商品なども積極的に展開しながら、全国各地に店舗を拡大しています。経営戦略が非常に明確であることや、顧客にとっても明瞭であることから多くの顧客の支持を掴むことに成功しています。

大塚家具は良くも悪くも、ニトリの影響を気にしすぎてしまったと言えるのではないでしょうか。久美子氏が社長になってからというもの、経営戦略がぐらつき、結果的に効果的な差別化戦略ができなかったことは皆さんも周知の事実ではないでしょうか。

成功できなかった大塚家具の差別化戦略

レッドオーシャンに挑んでしまった

大塚家具はこれまで「高級路線」として差別化戦略を行ってきたにも関わらず、新たな顧客獲得、またニトリなどの既存の企業と戦う戦略として、カジュアル路線への移行を行いました。
大塚家具とカジュアル路線というのは、これまででは考えられない戦略です。ゆえに顧客の興味・関心を一定数は獲得できたものの、既にレッドオーシャンのカジュアル路線界で、大塚家具がどのように戦っていくかという点までは不明瞭だったと言わざるを得ません。

結果的に一瞬来店者数増などにつなげることには成功しましたが、結果的に大塚家具のお家騒動も相まって、大塚家具のブランドに傷を付ける出来事になってしまいました。

これまで「高級路線」で統一し戦ってきた大塚家具が、「結局どんな家具企業なんだっけ?」となってしまったのは言うまでもありません。従来のブランドイメージから乖離し、新たなイメージも定着せず、最も中途半端な形になってしまっています。

大塚家具ほどの大手でもブランディング戦略の方向転換は非常に難易度が高い、ということを感じさせられます。

混在した購入路線とカジュアル路線

顧客のイメージとして根付いていた「大塚家具=高級路線」を維持するために、最も重要だったのはカジュアル路線との差別化です。自社に取り込むのであれば、従来の大塚家具のブランドストーリーとは異なる形で新たにカジュアル路線のブランドを立ち上げるなど、様々な工夫が必要でした。

目先の結果・利益にばかり目を向けてしまった結果、これまで長きに渡り培ってきた大塚家具のブランドイメージを損ねることになってしまったのです。

結果的に一時的な顧客増には繋がったものの、以前のような継続顧客の獲得には繋がらず、経営戦略としてはもちろん、他社との差別化を図る戦略としても失敗だったと言わざるを得ないでしょう。

まとめ

新たな市場への参入を考える際には、目先の利益、直近のライバル企業の情報だけでは、正しい経営戦略やブランディング戦略を描くことはできません。

これまで長い歴史がある企業なら、いままでのブランドイメージを損なってしまうリスクもあります。

差別化を意識した上で新規参入をするのであれば、ブランディング戦略の肝となる自社ならではの強みが何かを明確にしましょう。

そして忘れてはならいないのは、「顧客が求めているものはなにか」というニーズです。

顧客ニーズの視点から自社の強みを見たとき、自社だからこそユーザーに提供できる価値はないかという意識を持ち、その上で他社との差別化や、ブランディング戦略を考えてみてください。

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