差別化戦略の具体的事例集【商品・サービス別】

差別化戦略の具体的事例集【商品・サービス別】
Facebook Twitter LINE はてなブックマーク Pocket RSS

お問合せはこちら

企業の成功例に学ぶ差別化戦略

差別化とは、競合他社の商品やサービスにはない、自社商品の強みや特徴といった優位性を持つことを指します。

差別化によって競合を退け自社商品が選ばれるようになれば、価格競争などに巻き込まれることなく、高い利益を生み出しながら商品を売ることができるようになります。

競争優位の戦略

アメリカの経済学者であるマイケル・ポーターは、著作「競争優位の戦略―いかに高業績を持続させるか」の中で3つの基本戦略というものを提示しました。

コストリーダーシップ戦略

1つめの戦略は、低価格の商品を幅広い層に販売し、薄利多売で利益を出すコストリーダーシップ戦略です。低コストかつターゲットを広く持つことで支持層が広がり、業界の主導権を握ることができます。

差別化戦略

ここで取り上げている差別化戦略は、他の企業が持たないような魅力を持って業界内で独自の地位を得る戦略です。典型的なものとしては高級ブランドが挙げられます。高価格でも買いたくなるような独自の魅力を持つことで、「高くても売れる」という仕組みを作ります。

集中戦略

最後の「集中戦略」は、特定の地域やターゲットユーザーを絞り込んで、そこにリソースを注ぎ込む連略です。幅広い層が顧客になるわけではありませんが、ある特定の分野や地域では大企業にも勝るコストリーダーシップや差別化が可能になります。

価格競争はレッドオーシャンになってしまい、資本の大きさでの戦いになりがち。中小企業がマーケットで戦っていくには、独自の優位性を持って安定した収益を目指す差別化戦略が有効です。ここでは、差別化戦略で成功した代表的な事例をご紹介しましょう。

サービスの差別化戦略事例(1):スターバックスコーヒー

日本国内ではドトールやエクセルシオール、上島珈琲店など、たくさんのコーヒーチェーンがしのぎを削っています。その中において、差別化戦略で成功を収めたとされるのがスターバックスコーヒーです。

スターバックスコーヒーが差別化したのは、「商品」と「店内環境」。他のコーヒーチェーンに比べて客単価は高いのですが、それでも集客ができて利益を出し続けることができたのは、まさに他のチェーンにない価値を生み出していたからです。

スターバックスブランドが持つ差別化ポイント

スターバックスでは、提供しているドリンクの種類が多く、しかも自分でカスタマイズができるという特徴があります。もちろんスタバのコーヒーが他のチェーンにない美味しさを持っていたことも挙げられます。

また各店にバリスタがいたり、全面禁煙になっていること、店内の内装を店舗ごとに工夫を凝らしている、といった環境面でも差別化しています。

総じてこれらの差別化が、「居心地よくお洒落な空間で質のいいコーヒーを楽しむ」という高級感を演出したのです。他のコーヒーチェーンでは味わえない体験を持っていることで、スターバックスは独自のポジションを築き上げることに成功しています。

サービスの差別化戦略事例(2):モスバーガー

同じく飲食チェーンから、モスバーガーの事例もご紹介しましょう。

ハンバーガーチェーンといえば、多くの方はまず最初にマクドナルドを思い浮かべると思います。そして、その後に出てくるチェーンがモスバーガーだという方も多いことでしょう。モスバーガーは、マクドナルドに対して差別化を図ったことで成功しています。

マクドナルドの逆をいく戦略

マクドナルドに対し、高品質・高価格なサービス・商品を提供する戦略をとったモスバーガー。これにより、マクドナルドとの価格競争に巻き込まれずに独自の地位を築き上げました。

多様なメニュー・高価格

マクドナルドは、提供するメニューの数が少ないため、オペレーションの負担が少なくなります。また限られた食材を大量に仕入れるのでコストが低く、販売価格を下げることができます。

モスバーガーはその逆で、メニューが多いので顧客の好みに幅広く応えられるサービスを提供しました。その分価格は高くなりますが、豊富なメニューや味へのこだわりを実現しています。1990年台後半のハンバーガー価格競争が起きたときも、モスバーガーは価格を維持し続けました。

長時間滞在できる、居心地のよい店内

また、マクドナルドは繁華街や駅前に立地しているので、回転率が高くなるような店舗ディスプレイやデザインをしています。モスバーガーはその反対で、観葉植物や居心地のよい雰囲気など、長時間滞在できる店舗づくりをしました。

商品販売の差別化戦略事例(1):ソニー

製品において競合との差別化を図った事例には、ソニーが挙げられます。その技術力を持って他社がつくれないものを開発し、市場に出すことで差別化を図ったことで、トップメーカーに君臨したのです。

過去にはウォークマンやハンディカムという画期的な商品を世に出したソニー。近年でも、各社が開発している4Kテレビはソニーの高画質なものが注目されており、価格が高くてもソニー製品が売れるという現象が起きています。

商品販売の差別化戦略事例(2):今治タオル

商品の価値で差別化を図った事例をもうひとつ。国産の高品質なタオルメーカー、今治タオルをご紹介します。タオルメーカーの名前を意識することは普段なくても、今治タオルという名前は聞いたことがあるのではないでしょうか?それだけ差別化に成功したメーカーだという証拠です。

タオルは、水分を拭き取るという機能だけなら、100円で買ったものでも十分用が足りるもの。商品の機能だけで差別化を図るのは難しいものです。水分の吸収が良く、肌触りがいいと言われても、普段使いのタオルは安い輸入物になってしまうのが関の山。

多くの国産メーカーがこの事実に悩んでいたように、今治タオルも安いタオルに押されていました。このままではタオルが売れない、ということで機能ではなく、ストーリーによる差別化へと方向転換したのです。

品質の高さをストーリーに語らせる

今治タオルは、以下のようなタオル生産の背景にあるストーリーを前面に出して訴求しています。

  • タオル産業が120年前から昔から栄えている今治で生産されていること
  • 今治は柔らかいタオルの生産に適した水が豊富であること
  • 水に浮かべて5秒以内に沈む、吸水性の高さを品質基準としていること

ただ機能性の高さをアピールだけでは感じられない、「このタオルは高品質なんだ!」とユーザーに思わせる、感情に訴えることのできる要素で、安いタオルとの差別化を図ったのです。結果、贈答品としても今治タオルは購入されるようになり、非常に価値が高いものとして人気が出るようになったのです。

ブランドの差別化戦略事例(1):レッドブル

ブランディングで差別化を図っている代表のひとつがレッドブル。

他の栄養ドリンク、エナジードリンクは、含有成分の多さやカロリーの低さなどをアピールしています。レッドブルがそれらの競合商品と一線を画しているのは、成分などの製品のスペックは一切語らないところ。「レッドブル、翼を授ける」というコンセプトとブランドメッセージを常に掲げています。

またスポンサーとしてスポーツイベントに広告を出す場合も、敢えて商品を前面に出した広告にはしていません。選手たちとともに、協賛しているスポーツの認知を高め、シーンを盛り上げるための姿勢を掲げています。

これによって、疲れたサラリーマンのための栄養ドリンクではなく、エキサイティングな日々を乗り越えるためのエナジードリンクとしてのイメージを作り上げ、若者からの絶大な支持を獲得しました。

ブランドの差別化戦略事例(2):ディズニーランド

もうひとつブランディングによる差別化をしているのは、誰もが知っている東京ディズニーランド。

有名なエピソードとして、ゴミを拾っているスタッフに「何を拾っているのですか?」と聞くと「星のかけらを集めています」と答えた、というものがあります。これはマニュアルでそう答えるように決められているのではなく、スタッフが自発的に答えたものなのだそう。

ディズニーランドのスタッフは、自らがディズニーブランドのファンであることが非常に多いことが特徴。彼らは自らディズニーブランドの中に入り込み、ブランドを体現しているのです。これによって、ディズニーランドは内発的にブランドのストーリーや価値を生み出し、それが訪れる客を魅了しています。

ディズニーのブランドそのものの価値は誰もが認めているところですが、東京ディズニーランドで提供されるサービスの中にもブランドの価値が浸透しており、それが他のテーマパークとは違う独自の地位を築き上げているのです。

【差別化戦略】差別化を図るための要因分析と戦略立案のやり方

ページトップへ