ロイヤルホストの経営戦略から学ぶ差別化・マーケティング戦略

ロイヤルホストの経営戦略から学ぶ差別化・マーケティング戦略
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1950年にファミリーレストランのフランチャイズチェーンとして生まれた「ロイヤルホスト」。かつては日本全国に300店以上あり、「すかいらーく」や「デニーズ」と並ぶファミリーレストランの代表格として知られ、「ファミレス御三家」とまで呼ばれていました。

しかし、1997年をピークに外食産業の市場規模は縮小を続け、ロイヤルホストもそのあおりを受けます。低価格の飲食チェーンの競争激化にあわせて不採算店舗が増加。各地で閉店がすすみ、窮地に立たされました。

そんなロイヤルホストが、差別化戦略によって2013年を境に好調に転じます。
低価格を武器にする牛丼や回転ずしなどの大手チェーンがひしめく外食業界で、どのような方法で大幅に売り上げを伸ばしたのでしょうか。

ここでは、ロイヤルホストの差別化戦略やマーケティング戦略について考えていきましょう。

ロイヤルホストの差別化・マーケティング戦略のポイント

競合の多い飲食業界で、ロイヤルホストがとった差別化戦略は「中価格帯で勝負する」でした。どこの飲食チェーンやファミレスでも安く提供されているような定番メニューではなく、ホテルや洋食店でしか食べられないような本格料理を、専門店よりもリーズナブルな価格で提供すると決めたのです。

高級路線にシフト

ファミリーレストランを含め、低価格チェーンの多い外食業界で他社と差別化を図るため、メニューを高級路線に変更しました。低温乾燥熟成したパスタやアンガス牛などの素材にこだわったメニュー、健康に配慮したメニューを強化。ファミリーレストランでは味わえなかった「専門店に負けない商品づくり」に注力し、一品2000円前後と高めの価格帯に設定しました。

専門店のような美味しさと高級感のあるメニューにシフトしたことで、ファミレスの「低価格だけど味はそれなり」「調理場であたためているだけの料理」という消費者のイメージを打破。高級ファミレスという新しい地位を確立していきます。

ターゲットの「求めていること」を追求

ロイヤルホストは、来店客数と来店の時間帯を分析し「夜に来客する人が少ない」ことに着目。夜間の集客アップを目標に、メインターゲットをファミリー層から「経済的にややゆとりのある40代女性」にシフトしました。そして、ターゲットにあわせた戦略を打ち出していきます。

高品質なパスタ、時間をかけて煮込んだこだわりのスープなど、女性ウケしやすいイタリアンを中心にクオリティ重視のメニューを発売。また、女性ターゲットやシニア層を意識し、カロリーや野菜とのバランスに配慮したヘルシーメニューを積極的に開発していきました。

そして、店内の雰囲気はあえて変えず、従来のように1人でも来店しやすいカジュアルな店舗づくりを行いました。家庭では作れない「プチ贅沢なメニュー」や「健康志向メニュー」は女性を中心に話題となり、またたく間に人気を集めます。

  • 夕食は外で贅沢をしたいけど、高級レストランは入りづらい
  • 頑張った自分へのご褒美にちょっと美味しいものを食べたい
  • 美容や健康のために、栄養バランスのとれた食事がしたい

というターゲットのニーズをすべて満たしていきました。

「顧客の求めていること」を追求して的確にアプローチした結果が、ブランド再生に結びついたと言えます。

サービス面にも差別化戦略のメス。「おもてなし」の原点に立ち返った経営改革

低価格路線から脱却し、客単価アップを成功させたロイヤルホストが再生のために行った取り組みは、高級メニューの開発だけではありません。深夜客の減少を受け、深夜営業を行わない店舗を増やしました。そして、2017年にはすべての店舗で24時間営業を取りやめるなど、運営面の改革もすすめています。

営業時間を短くすることでスタッフが余裕をもって業務にあたれるようになり、接客レベルが向上。厨房で料理をするスタッフの調理レベル向上や提供する料理の品質維持にもつながりました。

「いつも開いていて安く食べられるファミレス」から、手間をかけた料理が食べられるホスピタリティの高いレストランへ。ロイヤルホストがとった差別化戦略は、他の競合他社にはない新しい価値を次々と生みだしています。

ロイヤルホストの差別化・マーケティング戦略まとめ

競合他社の多い業界で生き残るためにはロイヤルホストのように他社にはない強みや魅力をつくり、それを最大限に活かして差別化を図っていくことが重要です。

ただし、単に「競合とのちがい」をつくるだけでは戦略的な差別化とは言えません。消費者の求めている価値を探り、ニーズにこたえるような商品・サービスを提供しながら、ブランドの価値をマッチさせていくことが大切です。

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