スタジオアリスの経営戦略から学ぶ差別化・マーケティング

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この記事では、大阪に本社を置く、写真館チェーンを運営する企業「スタジオアリス」の差別化戦略について解説しています。貴社の今後の企業戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。

また、貴社が市場でどんな立ち位置でマーケティング戦略を策定すべきかが分かる「市場分析シート」を無料でご提供しています。自社の強みを活かしたマーケティング戦略を立てたい方は、今後の戦略策定にご活用ください。

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従来の写真館の堅苦しさから脱却!スタジオアリスが仕掛けた「子供写真館」

スタジオアリスHP画像
引用元:スタジオアリス「https://www.studio-alice.co.jp」

写真館は元々プロの世界でした。昔は町の偉い方々が撮影に来て、写真館オーナーがどの写真が選ぶという今ではなかなか考えられないビジネスでした。

そんな中、スタジオアリスは1992年に子供写真館としてオープンさせました。当時は差別化戦略として子供写真館を展開したのではなく、女性新入社員がやってみたいという声からはじめた新規事業でした。

しかしこの新規市場が市場にはまり、子供写真館を展開してから市場シェア率を16%から30%まで伸ばすことの成功。その中でも、

  1. プロに撮ってもらうから子供の思い出を残す場に
  2. 写真館が子供向けにサービス特化おらず、ブルーオーシャン
  3. 直接的ユーザー層である主婦と子供に焦点を当てたサービス展開

この3つのポイントが他写真館との差別化につながり、スタジオアリスを急成長させた秘訣ということがわかります。
また、子供写真館ということでトイザらスと提携したり、ディズニーキャラクターと一緒に写真撮影できるような子供向けサービスも展開して顧客満足度を上げてきました。

次からスタジオアリスが成長できた戦略を紹介していきます。

子供のハレの日に集中

かつて写真館を使う理由としてはカメラが高価であり、子供のハレの日には写真館で記念撮影をするというのが通例でした。

そこに焦点を当てて、七五三、お宮参り、お食い初めで売上を上げ続け、七五三が売上の4割を占めるようになりました。

昨今では高品質なカメラを手に入れることができるようになったため、ユーザーが離れてしまいそうだと思われがちですが、子供写真館という空間で写真を撮ってもらうというエンターテイメント性のおかげで顧客離れが起きていません。

また、七五三ニーズを競合他社よりも確実に囲い込むために繁忙期の半年前から早期予約を取れるような営業戦略を撮っています。

何度でも撮り直しOK!明朗会計の撮影サービス

従来の写真館では料金体系が不明瞭でした。しかし、スタジオアリスではいろんなポーズの写真をとっても3240円と明朗会計。

フォトフレーム代もいくらなのかメニューかされているため安心して利用することができます。

スタッフは子供をあやすことに特化させて女性を起用

スタッフはプロカメラマンに特化ではなく、女性スタッフを起用したヒトの面でスタジオアリスは差別化戦略を図っています。子供を撮影するにはカメラマンが意図したポーズをしてもらうだけでも苦労をします。

ここに焦点を当てるとカメラの技術はもちろん大切ですが、子供を被写体としての魅力を最大限に引き出すという力も必要です。

そこで子供の扱いに慣れている、子供が親しみやすい女性をスタッフとして起用することで顧客満足度を引き上げることに成功しています。

未来の見込み顧客を獲得するために妊婦を集客

スタジオアリスでは子供を持った主婦向けに集客をしているだけでなく、妊婦も集客しています。撮影料金が無料でお得にマタニティフォトを撮影することができるサービス「ベビキャン」を展開。

マタニティフォトを撮影したユーザーには「Baby Shower Book」という写真立てがプレゼントされます。その写真立てには写真が入る枠が3枠あり、残り2枠が開いた状態で渡されます。

さらにスタジオアリスのレシートには撮影料が半額になるクーポンが印刷されていることから、未完成の写真立ての2枠を埋めたいと考えるユーザーをうまくリピートさせることができる仕組みが回せています。

着付けもヘアセットも無料でやってもらえる

従来の写真館を使う場合、朝早く起きてヘアセットをしたり着付けをしていく必要があるため、主婦と子供に非常に負担がかかっている状態でした。

しかしスタジオアリスではその負担を解消すべく、着付けからヘアセットまで全てスタジオで行うようにしました。

レンタル品でもユーザーが満足できるよう500着以上の衣装を準備しています。ユーザーとしても貸衣装への負担を減らせることからスタジオアリスを選ぶきっかけの1つとなっています。

また、レンタル品ということでスタジオ側は初期費用を負担することになりますが何度か使用すれば元が取れる状態を作れることで結果的な客単価の向上を図ることができました。

スタジオアリスの経営戦略から学ぶ差別化・マーケティングまとめ

スタジオアリスは新入社員のフレッシュな考えを活かし、子供写真館を展開して全国で500店舗近くを持つ企業へ成長させることができています。

たまたまなのかもしれませんが、新入社員という会社の中でユーザーに一番近い存在だからこそ業界の盲点に気づけたのかもしれません。

もし、競合他社との差別化で悩んでいるなら差別化しようとして差別化をするのではなく、ユーザーが求めるものに愚直に寄り添ってみると新たな活路が見出せる可能性があります。

マーケティング戦略策定後には施策に落とし込もう

マーケティング分析をした上で大切なのは、その分析結果をもとに行うマーケティング戦略の施策と戦術の実行です。しかし、ほとんどのケースで見受けられるのが、

  • そもそも適切な分析ができていない
  • 分析はできたが、それを支える戦略と戦術まで落とし込めていない
  • 分析や戦略までは組み立てたが、戦術と連動していない

という問題の発生が多くあります。そのため、多忙な中、分析や戦略策定をしたのにもかかわらず、成果に繋がらなければ、あなたの貴重な時間もお金も無駄にし、また練り直さなければなりません。

下記の記事では、商品やサービスを認知させるだけでなく「成果」に繋がる差別化戦略の具体的な方法や、その他の企業の事例を紹介しています。今後の差別化戦略策定におけるヒントが詰まっていますので、こちらも合わせてご覧ください。

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