間接材向け購買管理システムは、間接材の購入が多岐にわたり、多数のサプライヤーと取引がある企業には、購買プロセスを効率化し、部門の負担やコストを削減するために役立ちます。
導入時は既存システムと連携可能かどうか、用途ごとにカスタマイズできるかどうかなど、自社のニーズを明確にした上で、より現場にマッチしたシステムを選んでいきましょう。
当ページでは、国内で広く利用されている代表的な間接材売買管理システム13社をピックアップし、それぞれの特徴を比較しながら紹介します。
紹介している購買管理システムの一部資料は下記より無料でダウンロードできます。導入検討の参考にしてください。
間接材購買管理システム比較一覧表
| 会社名 | サービスの特徴 | こんな企業におすすめ | 価格・料金プラン(税不明) | 実績のある業界 |
|---|---|---|---|---|
Biznet購買管理プラットフォーム |
多拠点・分散購買を5,000万点横断で統制、コストも工数も削減
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複数拠点・部署に購買が分散している大手企業
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初期・月額0円
※基本利用無料。オプションあり |
電気・ガス、運輸、製造、サービス、小売、建設など
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APMRO |
購買改革を丸ごと任せたい企業へ、BPO一体型で間接材支出を最適化 |
間接材の購買改革をBPO込みで丸ごと任せたい大手・製造寄りの企業
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会社規模・ID数・購買金額等で個別見積
無料トライアルあり |
トヨタグループ等の大手製造業で取引・導入実績
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BtoBプラットフォーム TRADE |
取引先が多い企業向け、80万社基盤で購買〜請求まで一気に電子化 |
取引先が多く、見積〜請求まで書類/取引を一気通貫で電子化したい企業
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要問い合わせ
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IT/通信、建設、不動産、卸・小売など
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reprua(リプルア) |
研究室の購買と試薬在庫を一体管理、見積も発注もラボで完結 |
研究室・R&D現場で、購買と試薬在庫をラボ単位で一体管理したい組織
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初期110,000円〜
月額0円~71,500円(プランによって変動) |
科学系研究室・大学/研究機関・R&D部門向け(研究室特化)
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べんりねっと |
オフィス系間接材の統制に強い、老舗ノウハウで購買を見える化 |
オフィス系間接材を中心に、購買統制と運用定着まで支援してほしい企業
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べんりねっとL(ライト):導入0円・月額0円
(指定サプライヤ機能は別途) |
オフィス系間接材の一括購買を行う企業
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PROCURESUITE(プロキュアスイート) |
基幹連携と厳格統制重視の大企業へ、20年実績の堅牢国産調達 |
基幹連携や厳格な統制が必要な大企業の調達/購買部門
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要問い合わせ
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化学、電機/電子、情報通信機器など
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ジームクラウドPC |
自社ルールが複雑でもOK、ノーコードで購買統制を素早く実装 |
購買ルールが複雑で、ノーコードで素早く統制を作りたい企業
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要問い合わせ
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記載なし
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ウチダエスコのコスト削減サービス |
成果報酬で始めたい企業へ、プロ伴走で間接材コストを確実に下げる |
成果報酬で低リスクに始め、プロ伴走で確実に削減したい企業
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要問い合わせ
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記載なし
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楽々Procurement II |
現場起点で育てたい企業向け、必要機能を足して使える柔軟購買 |
現場運用に合わせて機能を組み、段階的に育てたい企業
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要問い合わせ
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化学、大学、薬品、繊維、建設、食品、機械など
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Hi-PerBT購買管理 |
サプライヤ連携が命の製造業へ、調達情報を即時共有しムダを排除 |
全社集中購買・内部統制を強めたい企業
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要問い合わせ
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製造、卸売、医療・化学
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トラミル |
購買プロセスの抜け道を封じる、見積〜支払まで統制クラウド |
見積〜支払依頼まで統制し、不正購買を発注前に止めたい企業
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月額50,000円〜
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記載なし
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SAP Ariba |
グローバル統合調達を目指す企業へ、支出と契約を世界標準で統合 |
グローバル/グループ横断で支出・サプライヤを世界標準で統合したい企業
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要問い合わせ
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記載なし
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SOLOEL(ソロエル)購買システム |
カタログ横断+購買代行で丸投げしたい企業へ、最適価格調達を実現 |
カタログ横断+購買代行で、最適価格調達と省力化を同時に狙いたい企業
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要問い合わせ
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多業種で事例公開
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間接材向け購買管理システムとは?
間接材向けの購買管理システムとは、文具・備品・工具・IT関連品・販促品など、売上に直結しない「間接材」の購買を一元管理し、コストと業務プロセスを同時に最適化する仕組みです。見積・発注・承認・検収・請求までの購買プロセスをデジタル化することで、購買の手間を減らしながら支出の可視化・統制を進められます。
なぜ間接材購買はムダと抜け漏れが生まれやすいのか
直接材は製品・サービスの原価に直結するため、購買部門が集中管理しやすく、価格交渉や発注ルールも整備されているのが一般的です。
一方、間接材は部門や拠点ごとに必要品目が分散し、少額・高頻度の購買になりやすい領域です。結果として現場主導で調達がバラつきやすく、「誰が・何を・どこから・いくらで買っているか」が全社で見えにくくなります。
そのため、価格のばらつきや不要購買、発注ルールの抜け道といったムダと抜け漏れが構造的に生まれやすいのです。
見えない支出が可視化できないと、コストもリスクも増える
間接材を含む「間接費」は、企業の総支出のほぼ半分を占めるという調査(※1)もあるほど、規模の大きい支出領域です。
にもかかわらず、日本では約6割の企業が間接材管理に課題を感じながら、十分な改善に至っていないという調査(※2)があります。
調達実態が見えないままだと、同じ品目を部門ごとに別価格で購入していたり、相見積の手間が膨らんだり、購買ルールの抜け道が生まれたりします。
こうした“見えない支出”は、コスト増だけでなく、ガバナンスやコンプライアンス面のリスクにもつながります。
※1:引用元:Efficio「The illusion of control in indirect spend」 https://www.efficioconsulting.com/en-gb/resources/reports/the-illusion-of-control-in-indirect-spend/
※2:引用元:Amazon Business(日本CFO協会レポートの引用) https://business.amazon.co.jp/ja/blog/cfo-report-purchasing-management
だからこそ、間接材向け購買管理システムが効く
間接材向けの購買管理システムを導入すると、分散しがちな発注先・価格・購買ルールを統一し、購買データをリアルタイムで集約できます。
その結果、最適価格での調達(コスト削減)、購買業務の省力化(工数削減)、統制・監査対応(ガバナンス強化)を同時に進められるようになります。
間接材向け購買管理システムを導入するメリット
間接材向け購買管理システムは、分散しがちな購買を「統一・可視化・最適化」するための仕組みです。
ここでは、導入によって得られる代表的なメリットを3つに整理します。
コスト削減と工数削減を同時に進められる
間接材購買は少額・高頻度の発注が多く、現場ごとにやり方が違うほどムダが膨らみやすい領域です。
購買管理システムを導入すると、カタログ・見積・発注・検収の流れがひとつにまとまり、相見積や価格比較の手間、発注処理の工数を大幅に削減できます。
さらに、横断検索や購買ルールの統一により価格のばらつきを抑え、最適価格での調達を仕組み化できるため、コスト削減も同時に実現しやすくなります。
購買の抜け漏れ・不正・入力ミスを防ぎ、統制を強化できる
システム上で承認ルートや権限を設定し、申請〜承認〜発注を標準化することで、ルール外購買や発注の抜け漏れを発注前に抑止できます。
また、入力項目の標準化やデータ連携により、誤発注・過発注・発注漏れといった人為的ミスも起こりにくくなります。
結果として、ガバナンス/コンプライアンス面のリスクを下げながら、全社で正しい購買プロセスを回せるようになります。
支出を見える化し、間接材購買を継続的に改善できる
購買データがリアルタイムで集約されるため、「誰が・何を・どこから・いくらで買ったか」を全社で把握できます。
部門別の予算消化や費目ごとの支出、サプライヤー別の購入傾向などを分析できるようになることで、購買活動そのものを改善する材料が揃います。
その結果、属人的な購買判断や場当たり的な発注から脱却し、“間接材の買い方そのもの”を最適化する継続的な改善サイクルを回せるようになります。
間接材購買管理システムの主な機能
多くの間接材購買管理システムに見られる主な機能を確認しておきましょう。
| 機能名 | できること(概要) | ユーザーにとっての価値 |
|---|---|---|
| 承認ワークフロー機能 | 発注前の承認ルート・権限・金額条件などを設定し、 申請〜承認〜発注までの流れをシステムで統制する。 | ルール外購買や不正購買を防ぎ、購買プロセスの標準化とガバナンスを強化。 |
| 予算/費目管理・レポート分析機能 | 部署別の予算設定、費目(勘定科目)付与、購買実績データの出力・分析ができる。 | 「誰が・何を・いくらで買ったか」を可視化し、 支出の最適化や継続的なコスト改善につなげやすい。 |
| 基幹/会計システム連携機能 | ERP・基幹・会計システムと購買データを連携し、 マスタ・仕訳・支払処理などを自動/半自動でつなぐ。 | 二重入力やデータ分断を防ぎ、支出の流れを崩さずに可視化・統制を強化。 |
| 受発注機能 | 注文データ連携、帳票の一括印刷など、受発注に関連する業務をシステムで処理。 | 発注業務のペーパレス化と省力化を進め、ミスや作業工数を削減。 |
| 検収機能 | 納品物に対する検収を一括で処理できるなど、検収業務を効率化する機能。 | 検収漏れ・計上漏れを防ぎ、購買データの正確性と統制を強化。 |
| 見積機能 | 見積作成・取得に加え、複数サプライヤーへの同時見積(相見積)が可能なものもある。 | 価格の妥当性確認がしやすくなり、調達品質とコスト最適化を両立。 |
| 横断検索機能 | 複数のカタログサイトをリアルタイムに横断検索し、最適価格の商品を抽出できる。 | 相見積や価格比較の手間を減らし、最安・最適価格での調達を仕組み化。 |
| カタログ検索機能 | キーワード検索・カテゴリ検索・履歴検索などで、カタログ内の商品を探せる。 複数社のカタログ商品を1つのシステム上でまとめて購買可能。 | 現場が“探す・選ぶ・買う”までを迷わず完結でき、購買の手間と時間を削減。 |
事例でわかる間接材向け購買管理システム導入効果
SAP Aribaと購買管理プラットフォームを連携し、旧システムと同水準の業務効率化を維持
中部電力株式会社では、物品購入の中でも少額な間接材の購買にビズネットの購買管理プラットフォームを活用していた。旧自社開発システムからSAP Aribaへの切り替えに伴い、電子決裁による完全ペーパーレス化を実現。SAP Aribaと購買管理プラットフォームのシームレスなシステム連携を通じて、従来の業務効率化水準を継続することができた。
特に、連携開発期間中は本番に近い検証環境を構築し、繰り返しテストを実施。本番稼働初日も大きな混乱なくスムーズに移行できた。また、導入後は発注エラー時の迅速なサポートや、納品書の宛名対応など細やかな支援体制が評価されている。
結果として、以前と同じ操作感覚のまま新システムを利用できることで、ユーザー側の混乱を軽減。今後は什器やオフィス家具などの品目拡充を見据え、さらなるカタログ購買の活用拡大を目指している。
参照元:ビズネット公式HP(https://www2.biznet.co.jp/case/1304/)
グループ全体で発注工数を50%削減。利用者の6割はコスト削減も実感
カルビー株式会社では、グループ内で使用する間接材における購買システムを複数併用しており運用が複雑になっていた。管理工数の増大や購買分析に課題を抱えていたため、購買管理システム更改プロジェクトを実施。複数のサービスを比較検討した結果、連携サプライヤの豊富さや、内部統制への強化、コスト削減の可能性などに注目して「べんりねっと」を採用した。
活用開始から10年近くが経過し、現在は購入可能商品数が導入前の十数倍に増えることで商品選択の幅が拡がるとともに、多くの利用者がコスト削減を実感。さらに見積取得や価格比較などの発注工数も削減した。
購買部門による単価交渉により見積取得や価格比較などの発注工数がおよそ50%削減され、サイト間一括検索機能の導入で価格比較作業が30分から数分に短縮された。また、購買実績データを活用したサプライヤとの価格交渉やユーザ啓蒙によって、発注者の約6割が10%以上のコスト削減を実現している。
参照元:ベンリネット公式HP(https://www.benrinet.com/case/calbee.html)
購買業務の大幅な削減と効率化、コスト削減に成功
一定条件に合致した品目、役務に関する見積もり業務は「パーチェスワン購買センター」で対応してもらっています。
パーチェスワンが複数の登録サプライヤーから取得した見積もりを、調達部がシステムを通じて、価格含めた複数条件により公正に比較し、購入先を選定するフローにしたことで、購買業務の大幅な削減、調達部のリソースの最適化を推進してくれています。複数社からの比較見積もりの運用や、サプライヤーに関する情報収集などのサプライヤー調査、新規サプライヤーの発掘、招聘などをアウトソースすることで、パーチェスワンによって戦略的に競争環境が作られるため、サプライヤー運用に関する業務負荷は軽減しつつ、コスト削減にも貢献していただいています。
複数条件を組み合わせた多段階ワークフローによる承認、見積もり比較機能や、サプライヤー選定過程の見える化、各種見積もり関連データなどもパーチェスワンの中で一元管理できています。進捗管理や履歴管理の観点としても有効に機能しており、内部統制の強化としても役立っています。
参照元:パーチェスワン公式HP(https://www.purchaseone.info/case/detail3.html)
間接材向け購買管理システムの料金相場
間接材購買管理システムの費用は、導入規模や機能によって幅があります。クラウド型であれば初期費用ゼロから、月額5万円~年額600万円とさまざまです。オンプレミス型は初期費用や保守運用費が高くなる傾向です。| タイプ | 初期費用 | 月額/年額費用 |
|---|---|---|
| クラウド型 | 0~10万円 | 1人あたり1,000~3,000円/月 |
| パッケージ型 | 100万~1,000万円 | 10万円/月前後 |
| オンプレミス型 | 100万~1,000万円 | 数万円~/月 |
導入時は、単なる導入費用だけでなく、システムを使い続ける総コスト(TCO)や、どれだけ業務効率化・コスト削減が見込めるかもあわせて検討しましょう。
自社に合った間接材向け購買管理システムの選び方
間接材向け購買管理システムは、どれも「購買を効率化する」こと自体はうたっています。
ただし、導入後に成果が出るかどうかは“自社の購買のクセや運用に合うか”で決まります。ここでは、導入検討時に必ず確認したい比較ポイントを3つに絞って整理します。
既存システムと連携できるか?(会計・基幹・ERP)
すでに基幹システムや会計システム、ERPを導入している企業は、既存環境と連携できる間接材向け購買管理システムを選ぶことが重要です。
連携できない場合、購買データが分断され、「支出の流れが追えない」「二重入力が発生する」「監査に耐えない」といった運用トラブルにつながりやすくなります。
特に間接材は少額・高頻度で発注量が多いため、連携の弱さはそのまま工数の増加や可視化不全=ブラックボックス化に直結します。
「いまの会計・購買データの流れを崩さずに載せられるか」を最初にチェックしましょう。
現場が迷わず使えるか?(操作性・定着しやすさ)
間接材の発注は一部門だけでなく、全社の多くの部署・担当者が日常的に行います。つまり、システムの使いやすさは“購買統制の成否そのもの”です。
もし操作が難しく、一部の担当者しか使えない仕組みだと、現場は結局「従来のやり方」に戻り、属人化・ルール逸脱・見えない購買が再発します。
デモやトライアルでは、購買担当だけでなく発注する現場メンバーの操作感まで確認するのがおすすめです。
自社ルールに合わせて調整できるか?(カスタマイズ・統制の柔軟性)
間接材は、部署や拠点によって必要なカタログや購買プロセスが異なることが多い領域です。
そのため、承認フローや費目、画面項目、サプライヤー設定などを自社運用に合わせて調整できるかは重要な選定基準になります。
一方で、部署ごとに自由度が高すぎると全社統制が効かなくなるため、“現場の違いは吸収しつつ、全社データは一本化できる仕組み”を持つシステムを選びましょう。
間接材購買管理システムに関するよくある質問
Q1. 間接材向け購買管理システムとはどんなシステムですか?
間接材向け購買管理システムは、文具や工具、燃料、事務用品など、商品やサービスを直接構成しない物品の購買プロセスを効率化するためのシステムです。見積取得や発注など一連の業務をデジタル化し、コスト削減や業務効率化、購買履歴の可視化を実現できます。
Q2. 導入時に比較・選定する際のポイントは?
導入時は、導入しようとしているシステムが自社で使っている既存システムとの連携可否かどうか確認しましょう。また、誰でも使いやすい操作性y部署ごとのカスタマイズ性も比較ポイントとなります。
Q3. 間接材向け購買管理システム導入のメリットは?
システム導入のメリットとしては発注・見積・検収などの工数削減とペーパレス化、誤発注・過発注など人為的ミスの防止、購買履歴データの活用によるコスト最適化やガバナンス強化やサプライヤー比較や最安値検索によるコストダウンといった点が挙げられます。
間接材向け購買管理システムのまとめ
間接材購買は少額・高頻度かつ現場主導で分散しやすいため、放置すると支出が見えないまま膨らみ、価格のばらつき・不要購買・ルール逸脱といったムダやリスクが生まれやすい領域です。
だからこそ、間接材向け購買管理システムで購買プロセスとデータを一元化し、コスト削減・業務効率化・ガバナンス強化を同時に進めることが重要になります。
間接材向け購買管理システムは、基本機能は共通していても、統制の柔軟さや連携範囲、運用支援の手厚さなど細かな強みはサービスごとに異なります。
そのため、トップダウンで一方的に決めるのではなく、現場の購買フローや困りごとを丁寧に整理したうえで、自社に最適な仕組みを選ぶことが成功の近道です。
間接材購買のムダや統制漏れは、現場分散を放置する限り減り続けません。まずは自社の購買フローと支出の実態を整理し、最適化を回せる間接材向け購買管理システムを早めに検討することが、改善の近道です。
- 免責事項
- 本記事は、2023年10月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。
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