テレビCMの広告代理店への依頼を検討する際、自社の規模や目的に応じて選択することが重要です。
たとえば、中小企業やテレビCMが初めての企業にとっては、企画から制作、効果測定まで一貫してサポートしてくれる代理店がおすすめ。また、自社に広告制作チームを持っている企業は、広告枠の確保に強みを持つ代理店を利用することで、効率的にプロモーションを進められます。
本記事では、企業のニーズに応じた代理店の選び方を、2つのタイプに分けて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
企業のニーズに応じた
代理店の選び方
中小企業・
テレビCM広告が初の企業向け制作から効果検証まで任せられる代理店
動画素材を既に持っている
企業向け広告枠の確保に特化した代理店
WHOPPER TOKYO

テレビや新聞、雑誌、OOH(屋外広告)等のメディアバイイングを実施。
新交企画

新潟メインのテレビ媒体やラジオ媒体、県内・近県・首都圏他のテレビ・ラジオ媒体のメディアバイイングを実施。
テレビCMを得意とする広告代理店一覧表
テレビCM広告の出稿・運用が得意な広告代理店の中からおすすめの企業をご紹介します。
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
デイリースポーツ案内広告社 |
低コストから確実な反響獲得まで多彩なニーズに応えるプランを提案して欲しいなら
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オニオン |
“インパクト”のあるテレビCMが制作したいなら
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大弘アド |
大手代理店に負けないクオリティで課題にアプローチしたいなら
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セーラー広告 東京支社 |
数々の受賞歴と密着型サポートで信頼できる広告提案を求めるなら
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旭広告社 |
映像製作が得意な地域密着型のマスメディア広告 |
アド・フェニックス・エージェンシー |
全国各地の地上波・BS・CS各局の買い付けが可能 |
ジャパンエージェンシー |
タイムCMやスポットCM、インフォマーシャル制作にも対応 |
サンワードメディア |
主要放送局でのファッションCM、美容系CMの買取実績あり |
産案 |
オンライン・オフライン双方の幅広い広告を手掛ける |
ゴング |
専門のコンサルタントがプランを提案 |
ムサシノ広告社 |
全国157局のCM枠のバイイングが可能 |
廣告社 |
創業130年以上の老舗広告代理店 |
SkySeaS(スカイシーズ) |
運用型テレビCMを定額で放送できる「Budget型テレビCM」を提供 |
ノバセル |
過去のテレビCM分析も無料で対応 |
エムズコーポレーション |
美容、建具、水族館など幅広いジャンルの広告を手がけた実績あり |
アイビス |
視覚と聴覚の両方にはたらきかける訴求が得意 |
ビーハウス |
広告枠の仕入れからプランニングまでサポート |
WHOPPER TOKYO |
クライアントの利益を重視し、独創的な広告を提供 |
新交企画 |
広告効果を上げるコンサルティングに注力 |
テレビCMの広告代理店のほとんどが総合代理店
広告代理店は、テレビCMを放送したい広告主と広告枠を販売するテレビ局、CM映像の制作を請け負う制作会社を仲介する役割を果たしています。
そのため、テレビCMは主に、マスメディア広告からWeb広告まで幅広い広告を取り扱っていて、広告の企画から運用までを行える「総合広告代理店」が手がけていることが多いです。
大手広告代理店売上ランキング上位ベスト5
国内の大手広告代理店の売上ランキングは、以下の通りとなっています。
- 1位:株式会社 電通
- 2位:株式会社 博報堂
- 3位:株式会社サイバーエージェント
- 4位:株式会社ADKホールディングス(アサツーデイ・ケイ)
- 5位:デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(DAC)
国内で多くのテレビCMを手がけている電通が売上高トップとなっています。
電通が苦手とされるネット広告界ではサイバーエージェントが急成長していますが、売上高は電通が5兆1468億円なのに対しサイバーエージェントは4785億円と、大きく水をあけられている状況です。
参照元:デジマチェーン株式会社「広告代理店とは?大手売上ランキング&最新182社カテゴリ別解説・83主要メディア一覧」(https://dejimachain.jp/tokyo-general-ad-agency/)運用型テレビCMのニーズは右肩上がり
CM枠を1本から購入する方法「SAS(スマート・アド・セールス)」の登場により、従来のテレビCMと運用型広告を掛け合わせた運用型テレビCMのニーズが高まりを見せています。電通や博報堂の関連会社、ADKなどの大手広告代理店も積極的に取り組んでおり、運用型テレビCMの市場規模は右肩上がりです。今後も市場は拡大し続け、2025年には1,300億円規模になると予測されています。
運用型テレビCMは、テレビCM効果計測ツールを使って費用対効果を検証できる点で従来のCMと大きく異なります。 狙いたいターゲットや予算に合わせて放送日や放送番組、本数、CM内容を調整しやすいため、試しに放映して視聴者(消費者)の反応をうかがい、検証結果に合わせて改善を重ねることが可能です。
参照元:PR TIMES「株式会社テレシー:テレシー、2021年の運用型テレビCM市場は115億円、2025年には1,300億円に拡大と予測」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000086.000076049.html)コネクテッドTV(TVerやABEMA)の市場拡大
家電量販店で販売される多くのテレビがインターネット通信機能を持つようになり、コネクテッドTVの市場が拡大しています。
テレビを見ない世代が増え、地上波のテレビCMの価値が下がってきたと言われる中、コネクテッドTVが幅広い世代に浸透してきたことも市場拡大の背景です。YouTubeやTikTokといった動画メディアが台頭してきた今、マスメディアとして単体でテレビ広告を運用するだけではターゲットの目には届きません。
コネクテッドTV活用術
TVerやABEMAなどの配信サービスを使えば、これまでリーチしづらかった若年層にもアプローチできます。地上波CMと連携させることで、反応の良いクリエイティブを抽出し、メディア横断の最適化が期待できるでしょう。
- 地上波スポット放映後30分以内に同じCM素材をTVerに配信
- 視聴完了率やクリック率を計測し、効果が高い素材を再び地上波へ投入
今後は、SNSや動画メディアと連携した「クロスメディア戦略」がマストになっていくでしょう。
テレビ局・制作会社・広告代理店の役割
テレビCMを出稿する際には、広告主・広告代理店・制作会社・テレビ局の4者が、それぞれ大切な役割を担っています。関係者ごとの分担をしっかり理解しておくと、初めてテレビCMにチャレンジする場合でも安心して進められるでしょう。
テレビCMに関わる4者の役割
立場 | 主な役割 |
---|---|
広告主 | 商品やサービスの認知拡大を目的とする企業。ターゲットや予算、KPIなどの要望を代理店に伝えます。 |
広告代理店 | 企画立案から放送枠の選定・購入、進行管理まで幅広く担当。各社との調整窓口となります。 |
制作会社 | CMの絵コンテ作成・撮影・編集など、映像のクリエイティブ部分を担当します。 |
テレビ局 | CM枠を販売し、考査通過後に電波に乗せて放映します。 |
CM制作・放送の流れ
- 広告主がターゲット・予算・目的などを代理店へ提示します。
- 代理店が放送エリアや番組枠を選定し、制作会社と協力して企画を具体化します。
- 制作会社が映像を完成させ、テレビ局へ納品します。
- テレビ局が考査を経て、指定の日時にCMをオンエアします。
TV広告の出稿方式の基礎知識
テレビCMにはさまざまな出稿方法があります。自社の目的や予算、ターゲットに合わせて、最適な方法を選ぶことが大切です。
主な出稿方式の比較
方式 | 特徴 | 適した目的 | 注意点 |
---|---|---|---|
タイムCM | 番組のスポンサーとなり、枠を一定期間購入 | 長期的なブランディング | 人気枠は早期完売・費用が高め |
スポットCM | 時間帯を指定し、複数の番組にCMを流す | キャンペーン告知、広域リーチ | 単価変動が大きい |
SAS (スマートアドセールス) |
15秒単位で枠を購入し、局横断で柔軟に出稿 | 低予算テストや効果検証 | 放送時間が流動的・競合との入札あり |
ケース別おすすめの出稿方法
- 限られた商圏で信頼性重視したい場合:ローカル局のタイムCM
- 短期集中で購入促進を狙いたい場合:高視聴率帯のスポットCM
- 効果検証や少額テストを重ねたい場合:SAS+Web計測ツール
自社の目的やターゲット層を明確にし、最適な組み合わせを検討しましょう。
テレビCMの費用明細と目安
CMにかかる費用は「制作費」「放映費」「運用・検証費」の3つに分かれます。早い段階で予算上限を決めておくと、無駄なく効率的な運用ができるでしょう。
項目 | 内容 | 目安金額 |
---|---|---|
制作費 | 企画、撮影、編集、タレント起用など | 50万円~1,000万円超 |
放映費 | CM枠の購入(地域・時間帯により変動) | ローカル局:15秒×100本で約120万円 全国キー局:同条件で約600万円 |
運用・検証費 | 効果測定ツール・追加分析など | 数十万円/月 |
予算例として、静止画中心の低コストCMなら地方スポット放映で約300万円前後、タレント起用CM+首都圏放映なら約1,000万円、全国ネット放映なら2,000万円超となります。
Web動画広告との住み分け
テレビCMとWeb動画広告は、それぞれ得意とする役割が違います。目的に合わせて使い分けることで、より大きな成果が狙えます。
項目 | テレビCM | Web動画広告 |
---|---|---|
リーチ | 地域や年齢をまたぐ大量接触 | 趣味や行動で細かくターゲティング |
計測軸 | GRP/PRP・到達世帯数 | 再生完了率・CVR |
クリエイティブ長 | 15~30秒中心 | 6~120秒と自由度高い |
ブランド認知の初速にはテレビCM、行動喚起やリターゲティングにはWeb動画広告が向いています。
放送までのスケジュール早見表
テレビCMは準備から放映までにある程度の時間がかかります。早めに動き出すことが成功への近道です。
週 | 主なタスク |
---|---|
-8週 | 目的設定・代理店選定 |
-6週 | 企画確定・見積承認 |
-4週 | 撮影・編集・局考査提出 |
-2週 | 放送枠確定・素材納品 |
本番 | オンエア開始・効果計測 |
+2週 | 初回レポート・配分調整 |
テレビCM広告代理店の選び方
信頼できる代理店選びは、テレビCM成功の大きなポイントです。次の5つの指標をチェックして、自社に合ったパートナーを見極めましょう。
- 対応エリア:地上波、BS、配信面の網羅度
- 効果測定力:運用型CMツールの有無
- クリエイティブ実績:業界近似の制作事例があるか
- 企画提案の速さ:初回プラン提示までの日数
- 料金透明性:制作費と放映費の内訳が明確か
これらを比較しながら、自社の課題解決に最適な代理店を選定することをおすすめします。
テレビCMに関するよくある質問
ここからは、テレビCMに関するよくある質問と回答をまとめています。これまでテレビCMをやったことがなくて不安を感じている方は、以下のQ&Aを参考にしてみてください。
Q1.テレビCMを流した後にその効果は検証できるのでしょうか?
基本的には可能です。新しいテレビCMサービスとして運用型テレビCMが登場してから、効果測定に力を入れる広告代理店が増えてきています。 広告主の設定した目的に合わせ、認知度調査やその他検証手法によって「テレビCMを実施したあとどうなったか」、という効果検証を行います。 あまりテレビCMの効果が見られなかった場合は、データに基づいた改善のPDCAを回して、テレビCMに投下したコストに見合う成果が得られるような提案をしてくれる広告代理店が多いです。
Q2. 広告代理店に相談した時点で費用がかかるのでしょうか。テレビCMは高額なイメージが強いので躊躇してしまいます。
基本的に相談や見積もりの段階で費用が発生することはありません。また仮に打ち合わせをしたとしても、広告出稿を約束する必要もありません。 広告代理店によっては、企画の提案や絵コンテは無料で提供してくれる場合もありますので、最初にコンタクトを取った時点で、どこまで無料でできるのか、確認しておくと安心です。
Q3.こちらが希望する地方限定のテレビCMを打つことは可能でしょうか?
広告代理店の腕の見せ所は、広告媒体社から広告枠の仕入れ・買い付けを行う「メディアバイイング」と言われる業務です。 テレビCMであれば、地上波の民放各局、BS、CSだけでなく、見逃し配信サービスやインターネットTVなど放映媒体も多様化しています。 地方限定のテレビCM枠も当然おさえていますが、もしすでに具体的なエリアが決まっているのであれば、打ち合わせ時に「○○地方限定のテレビCM枠はあるか」と打診してみるのが確実です。
テレビCM広告代理店まとめ
テレビCMなどのオフライン広告は、これまで「効果検証ができない」とされてきましたが、運用型テレビCMの登場により費用対効果を検証できるようになりました。
また、コネクテッドTVの浸透によって、従来のテレビCMだけでなく、SNSや動画メディアと連携するクロスメディア戦略が求められるようになってきています。
テレビCMを打ち出したいと考えている方は、従来のテレビCMに強いだけでなく、Web広告への知識やノウハウ、クロスメディア戦略の実績を持ち、適切な提案ができる広告代理店を選ぶようにしましょう。
- 免責事項
- 本記事は、2023年5月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。