購買管理システムを導入し、発注先や拠点ごとに分散していた購買業務を一つの基盤に集約することで、見積・承認・発注・検収・請求のつなぎ作業が減り、購買部門と経理部門の処理負荷を大きく削減できます。あわせて購買実績が全社で見える化され、価格のばらつきやルール逸脱を抑えながら間接材コストを最適化しやすくなります。
この記事では、さまざまな企業で導入実績のある購買管理システムを紹介します。
購買管理システムは導入目的や用途によって選ぶべきサービスが異なるため、それぞれの特徴や費用、導入事例を参考に、自社に適したシステム選びにご活用ください。
おすすめ購買管理システム一覧表
| 会社名 | サービスの特徴 | こんな企業におすすめ | 運用の考え方・使われ方 | カバーできる業務範囲 |
|---|---|---|---|---|
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購買〜請求を一気通貫で統合。分散購買のムダを工数1/3へ
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間接材の購入先・価格・請求が
バラバラで比較や管理に手間がかかる |
購買の入口を一つにまとめ
社内ルールに沿ってスムーズに回す |
商品検索・比較 / 発注 / 請求
の一元管理 |
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研究室の試薬・研究用品購買と在庫を研究現場仕様で一体管理
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研究現場で、購買と試薬在庫が
分断され管理が煩雑 |
研究者の負担を減らす前提で
購買と在庫をセット運用 |
見積・発注・請求 / 試薬在庫管理
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べんりねっと |
間接材購買を型と伴走支援で全社定着。現場が回り続ける基盤づくり |
複数カタログを探すのが大変
価格や条件を比べにくい |
購買ポータルに集約し
承認・検収までまとめて管理 |
承認WF / 見積商談 / 発注 / 検収
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アラジンオフィス |
購買・在庫・販売まで現場オペレーションに寄り添う統合ERP型購買管理 |
発注・仕入・在庫・支払が
分かれていて全体が見えにくい |
販売・在庫を含めた
業務全体を一体で管理 |
発注 / 仕入 / 在庫 / 請求・支払
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楽々Procurement II(プロキュアメントツー) |
大企業の複雑な購買ルール・承認フローに合わせて最適化が叶うワークフロー |
申請〜承認の流れが複雑で
どこで止まっているか分からない |
購買業務ごとに電子承認を設定し
滞りなく回す |
購入依頼 / 見積 / 発注 / 検収
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PROCURESUITE(プロキュアスイート) |
見積・契約のやり方から揃えて発注前の属人化とムダを防止 |
依頼部門と購買部門、取引先の
やり取りが多く時間がかかる |
依頼〜調達〜取引先までを
一気通貫でつなぐ |
購入依頼 / 見積 / 発注 / 検収
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BtoBプラットフォーム TRADE(トレード) |
取引先連携機能で受発注・請求を企業間でまとめて電子化 |
企業間取引で見積・納品・請求の
やり取りが煩雑
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取引先も巻き込み
商取引をクラウドで完結 |
見積 / 受発注 / 納品・検収
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クラウドERP ZAC |
広告・IT・制作など案件型ビジネスの購買と原価を案件単位で管理するERP |
プロジェクトごとの外注・仕入の
発注状況や支払が把握しづらい |
案件(プロジェクト)単位で
購買と支払を管理 |
発注書作成 / 支払データ出力
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RFQクラウド |
見積依頼・比較を高速化して最適調達を支えるRFQクラウド |
見積書がメールや紙で散在し
比較・再利用できない |
見積(RFQ)に特化し
集めて見える化 |
見積取得・管理
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SAP Ariba |
グローバル企業の大規模調達を世界標準ネットワークで統制する調達プラットフォーム |
購買ルールや統制を守りながら
大規模な購買を回すのが難しい |
標準化された購買プロセスで
全体を統制 |
購買依頼〜支払い(P2P)
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Hi-PerBT 購買管理 |
製造・流通の現場購買を基幹と連携して安定運用できる業界特化の購買システム |
相見積の比較や承認ルールの順守が
属人化しミスが起きやすい |
相見積・承認・検収を
購買専用で厳密に管理 |
購入依頼 / 相見積 / 発注 / 検収
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トラミル |
既存の基幹を活かしたまま購買統制と証憑管理をクラウドで上乗せ |
基幹システムはあるが
発注〜検収の運用が使いにくい |
発注・検収を外出しし
基幹と連携して運用 |
発注 / 検収(基幹連携前提)
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APMRO |
間接材の調達運用を丸ごと任せてコスト改善まで伴走するMRO調達サービス |
間接材が少額多品目で
最適な買い方が分からない |
システム+運用支援で
間接材購買を最適化 |
カタログ購買 / 見積 / 発注 / 検収
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CBP注文決済サービス |
受発注〜請求/支払を基幹連携で一気通貫に自動化する企業間取引クラウド |
注文・検収・請求の突合に
手間がかかり取引処理が重い |
企業間データ連携で
取引プロセスを標準化 |
注文 / 検収 / 請求照合
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Pro-Sign(プロサイン) |
支出分析で削減余地を特定。購買品比較でコスト最適化を後押しする購買改革SaaS |
見積〜請求までの帳票管理が煩雑で
管理・保存が大変 |
帳票をデータ化し
取引書類を一元管理 |
見積 / 発注 / 請求・支払
(支払管理は補助的) |
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LinDo購買 |
製造業の調達を見積査定とサプライヤ連携で価格交渉まで仕組み化 |
サプライヤとの見積・査定が属人化し
価格妥当性が見えにくい |
サプライヤ連携を強化し
調達を高度化 |
見積査定 / サプライヤ評価
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intra-mart Procurement Cloud |
複雑な承認ルールでも自社のやり方のまま回せるワークフロー設計型の調達クラウド |
発注・検収・請求がつながらず
確認作業が多い |
帳票を軸に購買情報をつなぎ
内部統制を効かせる |
見積 / 発注 / 検収 / 請求
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SOLOEL(ソロエル)購買システム |
アスクル購買を軸に全社・グループの間接材を集約×統制する購買クラウド |
社内の注文がバラバラで
とりまとめや承認が負担 |
注文を集約し
まとめて発注する運用 |
注文依頼 / 承認 / 発注
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購買管理システムとは
「購買管理システム」とは、購買プロセスの効率化を目的としたシステムです。ここでの「購買プロセス」とは、購買物品の見積もりの取得、発注処理、検収処理などを指しています。
購買管理システムの種類
購買管理システムには、企業のニーズや運用スタイルに応じて選択できる2つの主要なタイプがあります。クラウド型
クラウド型購買管理システムは、インターネットを通じてサービスを提供します。 導入が容易で、初期投資を抑えることができ、スケーラビリティに優れています。 サービスプロバイダがシステムのメンテナンスやセキュリティ管理を担うため、企業のIT運用負担を軽減します。 しかし、カスタマイズの自由度が低く、サービスプロバイダーへの依存度が高くなる点に留意が必要です。オンプレミス型
オンプレミス型購買管理システムは、企業が自社内にサーバーとソフトウェアを設置し、自ら管理・運用するタイプです。 データセキュリティの管理やシステムのカスタマイズが容易であり、特定のビジネス要件に合わせた最適化が可能です。 しかし、高い初期コスト、専門的な知識が必要な運用、保守の手間が大きい点がデメリットとして挙げられます。 各企業は、自社の購買管理プロセス、セキュリティ要件、予算、ITリソースの状況を考慮して、これらのシステムの中から最適な選択を行う必要があります。購買管理システム導入の目的
購買管理システムは、下記のような目的で導入されます。
- 購買に関わるコストの削減
- 購買に関する業務を効率化する
- 購買に関するコストを適正化する
- 購買状況の管理を強化する
- 購買に関わる手続きの内部統制強化
購買管理における業務プロセスは複雑であることから、資材の調達量や価格などを人の目で確認してデータ化するには非常に手間がかかります。このような部分に関しても、購買管理システムの導入によってそれぞれのプロセスを自動化できます。
とくに備品・消耗品などの間接材を扱う企業は、間接材の購買管理システムも参考にすると、自社に必要な機能要件を整理しやすくなります。
購買管理システムの主な機能

購買管理システムにはさまざまな機能が搭載されています。ここでは、主な機能についてご紹介していきますので確認しておきましょう。
- 購買計画
- 仕入先管理
- 取引契約
- 発注管理
- 価格管理
- 納期管理
- 品質管理
- 検収支払管理
購買計画
製品の生産計画に従って、材料や部品を「どこから」「何個」「いくらで」「いつまでに」購入するかを決めることを「購買計画」と呼んでいますが、購買管理システムの活用によって購買計画に必要な情報を可視化できます。
さらにシステム上で情報の管理ができるため、生産計画に照らし合わせた時に材料・部品を漏れなく発注できているかどうかといった点についての確認が可能です。
発注量の最適化には在庫の見える化も欠かせないため、あわせて在庫管理システム併用すると、過発注・欠品の防止につながります。
仕入先管理
仕入れ先の管理を行う上では、「いつ」「何を」「どれくらい」仕入れたのかといった過去の実績に加えて、今後の購買予定などを管理していきます。
このように、仕入れ先情報をしっかりと管理することによって、購買に関するコストを最適化できます。
取引契約
材料・部品を仕入れる際には、仕入れ先との取引契約を交わします。この時に交わされる契約書には、「いつ」「どのような内容の取引だったか」といった詳細が記載されています。
取引契約機能を使用すると、契約の内容を電子化した上で管理することが可能です。現在進めている取引に加えて過去の取引も管理できるため、新しい取引契約の際に参考にできます。
発注管理
「どの仕入れ先に」「どのような商品を」「いくつ発注したか」といった発注情報を管理するための機能です。多くの場合、発注先は複数あることに加えて、同じ発注先でもタイミングによって部品の種類や個数が異なるといったケースが多いでしょう。
購買管理システムには、このような発注に関係する情報を管理する機能が搭載されているため、届いた商品の種類や数について正しく検品できるようになります。
価格管理
材料や部品を仕入れる際の価格は、1つ1つは小さいものだったとしても、全体で考えると大きなものになります。時には経営にも大きな影響を与えるケースもあるため、仕入れの際の価格はできるだけ抑えることが大切です。
購買管理システムの価格管理機能を使用すると、過去の取引ではどのくらいの価格だったのかといった点もすぐに確認できるようになります。このことにより、次回仕入れの際に過去のデータを参考にできます。
納期管理
納期管理機能では、発注した部品や材料が指定納期までに納品されるのかといった点を確認できます。もし納期が遅れそうな場合でも、購買管理システムの使用によって素早くその情報を取得し、関係者と共有できるようになります。納期の遅れによる生産計画への影響をできる限り小さくすることが可能です。
調達〜生産〜物流まで含めて全体最適を図りたい場合は、SCMシステムの記事もあわせて確認してみてください。
品質管理
製品を生産するために発注した材料や部品が、指定した品質で納品が行われるかといった点を管理する機能が品質管理機能です。万が一品質が悪いものが納品された場合には、どのような状態なのか、また品質が悪いものの個数を把握することによって、生産工程の調整も可能です。
さらにこちらの機能では、どこの仕入れ先からの部品や材料について品質に問題があったのかといった点も把握できますので、次回の発注の際に参考にできます。
検収支払管理
発注した材料や部品が納品されたら、期日までに支払いを実施する必要があります。購買管理システムにおける検収支払管理機能は、納品後の検収や支払いまでの流れを管理する機能です。こちらの機能を活用することで、発注ごとに現在どのような状況になっているのかを確認できます。
購買管理システムの導入メリット

購買管理システムの導入により、下記のようなメリットが得られると考えられます。
購買管理に関連するコスト削減
購買管理を行う場合には、伝票の作成や帳簿の管理などさまざまな作業が発生します。これらを手書きで行うのは非常に手間もかかります。
購買管理システムを使用することによって伝票の作成はシステム上で簡単に行えますし、作成伝票は自動的に管理されることから、これまで管理にかかっていた手間も削減可能。また各種書類をペーパーレスで管理できるため、印刷コストの削減にもつなげられます。
人的なミスが発生するリスクを減らせる
購買管理を人の手で行っている場合には、どうしても入力ミスなどが発生しやすくなりますし、状況の共有がうまくいかずに発注漏れなどが起こる可能性もあります。
その反面、購買管理システムの導入によって必要な入力なども少なくすることが可能に。さらに、関係者の間で簡単に共有できるため、発注履歴や納入の状況についても確認できるため、過発注や発注漏れも防げます。
購買プロセスを改善できる
購買管理システムではこれまでの購買履歴を閲覧可能です。これらのデータを活用すれば、今後の購買計画を立てやすくなるというメリットもあります。
その時の価格や品質などについても確認できるため発注先を選定する際の参考にすることもできますし、今後の発注量を調整する際にも過去のデータを参考にできます。
購買管理システムのデメリット
購買管理システムは便利ですが、デメリットがないわけではありません。ここではシステム導入する際に注意したい点を紹介します。
初期費用と月額コスト
購買管理システムのデメリットとしては、システムの導入と利用の費用が挙げられます。長期的には業務の効率化などによりコスト削減が実現できる場合が多いですが、導入時には一定の費用がかかってしまいます。また、導入後も月額運用費や利用料が発生するシステムもあります。
購買管理システムにかかる費用は、システムの規模や機能によって変動します。そのため、選定時に自社の規模に合ったシステム、または自社での業務効率化に役立つシステムを選ぶことが重要です。機能が多いシステムでも、利用シーンが少ないと費用対効果が低下します。初期費用、利用料金だけでなく、システムを導入した場合に効率化・削減できる業務も考慮したうえでの選定が重要です。
担当者の学習コスト
もう一つのデメリットは、従業員や担当者の学習コストです。システムが複雑であればあるほど、使いこなせるまでにかかる時間が長くなってしまいます。導入効果を高めるには、操作性がよく、事前の知識がなくてもスムーズに利用できるシステムをおすすめします。
自社に合った購買管理システムの選定ポイント

購買管理システムの導入の際には「自社に合うシステムを導入する」点が重要です。ここでは、購買管理システムを選定するポイントをご紹介します。
- 既存システムと連携できるかどうか
- 使いやすいかどうか
- カスタマイズがどの程度できるか
既存システムとの連携できるかどうか
企業によっては、部門別に購買記録の管理を行っている場合も考えられます。その場合には、現在使用しているシステムと新しいシステムが連携できるかどうかチェックする必要があります。
もし現在管理しているデータが新しいシステムに取り込みができなかったり、会計システムへ連携ができない場合は、導入によってお金の流れがわからなくなってしまうなど混乱が発生する可能性もあります。
使いやすいかどうか
どの部門においても購買記録の管理は大切であるため、負担なく使えるシステムであることも大切な着目点です。もし管理がしにくい、入力がしにくいといった場合には作業効率がかえって悪くなります。
購買管理システムの導入によってスタッフの作業が今以上に増えないように、使い勝手が良いシステムかどうかをあらかじめ確認しておくことが大切です。
カスタマイズがどの程度できるか
部署によって仕入れるものが異なることから、すべての部門において共通のフォーマットで対応するのが難しい場合もあるかもしれません。その場合にも対応できるよう、カスタマイズができるかどうかといった点も確認しておきたい部分です。
この点から、それぞれの部署が必要とするカスタマイズが可能な購買管理システムを選択するのが理想的といえるでしょう。
購買管理システム導入時の注意点
購買管理システムの導入にあたり、失敗を防ぐためには事前に注意点を押さえておくことが大切です。 ここでは、購買管理システムの導入にあたって注意すべき点について解説します。懸念点を払拭したうえで、スムーズな導入を進め、ビジネスプロセスの効率化を目指しましょう。
- 明確な目標設定
- コストの検討
- 適切なトレーニング
- 変更管理
明確な目標設定
そもそもの目標が不明瞭な場合、期待通りの成果が得られないケースがあります。導入前に、なぜ購買管理システムが必要か、どのような目標を達成したいかを明確にしましょう。
コストの検討
システム導入にかかるコストを適切に評価しましょう。
初期費用だけでなく、運用・メンテナンスにかかる費用も考慮し、得られるメリットに対して適切な価格か検討することが大切です。
適切なトレーニング
運用後のトラブルを避けるため、システムのトレーニングを徹底的に行い、利用者がシステムを適切に活用できるようにしましょう。
変更管理
購買管理システムの変更管理を怠ると、安定性に問題が生じる恐れがあります。導入後も変更管理を行い、システムのアップデートや変更を管理しましょう。
購買管理システム導入でよくある質問
Q1. 購買管理システムにはどんな機能がありますか?
購買管理システムは、購買管理プロセスの効率化を目的としてシステムのことですが、主な機能としては「購買計画」「仕入先管理」「取引契約管理」「発注管理」「価格管理」「納期管理」といった機能が備わっています。
Q2. 購買管理システムを導入すると何が変わりますか?
購買管理システムの導入によって得られる効果として「購買管理に関連するコスト削減」「人的ミス発生の抑制」「購入プロセスの改善」などがあります。特に人の手で行っている場合、入力ミスが発生したり、発注漏れが起こったりする可能性がありますが、それらのリスクが回避できます。さらに詳しく知りたい方は、「購買管理システムの導入メリット」をご覧ください。
Q3. 無料で使える購買管理システムはありますか?
購買管理システムの中には、導入費用や基本機能が無料で利用できるシステムもあります。無料で使える購買管理システムはコストを掛けずに導入できることが大きなメリットだといえるでしょう。
しかし、導入や運用にあたってのサポートが受けられないケースや、トラブルが発生したときに保障が受けられない、もしくは追加料金が発生するケースもあるため注意が必要です。また機能や利用可能なユーザー数に制限を設けており、機能やユーザーの増加に応じて段階的に料金が発生するケースもあります。
無料で導入できる点はメリットですが、使える機能やユーザー数に制限があると、思ったような導入効果が得られない可能性も。そのため導入時には慎重に選ぶことが大切です。
まとめ
購買管理システムの種類にはさまざまなものがあり、目的や用途によってどのシステムを選択するかが変わってきます。そのため、購買管理システムの導入を検討する際には、まずは自社でどのような目的でシステムを導入したいのかを整理することが大切になってきます。
自社のニーズをしっかりと把握した上でそれぞれのシステムの特徴を確認し、自社の目的や用途に応じた購買管理システムを選びましょう。
- 免責事項
- 本記事は、2024年12月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。
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