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SES研修を委託できる企業11選!料金や特徴、導入事例を徹底比較

最終更新日:2025年10月28日

SES事業における研修は、単なる新人教育ではなく、収益を左右する重要な投資です。

この記事では、新人・未経験者を早期に戦力化したいSES企業に向けて、キャリア支援や実務演習などに強みを持つ11社の研修サービスを一覧で紹介します。各社の特徴や導入メリットを比較し、自社に最適なパートナー選びにお役立てください。

また、紹介している掲載企業のうち、一部の資料は下記よりダウンロードが可能です。比較検討の参考にご活用ください。

目次

SES研修を委託できる企業一覧表

会社名 サービスの特徴

ウズカレBiz

「配属される人材」を育てるキャリア支援まで組み込んだ研修

  • 配属に向けた個別のキャリア支援が充実している
  • 配属が決まるまで学習・支援を無償で継続できる
  • 研修途中の離脱にも安心の返金対応

CREW

少人数チーム制と専属コーチで、学習継続率を高める研修

リアプロ

実務経験になるプロジェクト形式のJava実践研修

SAMURAI ENGINEER Biz

課題や目的に応じてカリキュラムを柔軟に設計できるオーダーメイド型

インターネット・アカデミー

Web技術に強く、標準仕様に準拠した専門性の高いIT研修

Global Knowledge

公式ベンダー研修に強みを持つ専門機関

富士通ラーニングメディア

育成全体を支える総合研修サービス

インソースデジタルアカデミー

ITスキルとビジネスマナーを同時に学べる長期型パッケージ研修

日立アカデミー

IT・マネジメント・戦略分野までを一貫して学べる大手向け研修

VENTURIQ

SESの現場ニーズを反映した3ヶ月集中型のJava開発研修

IT COLLEGE

通学型・少人数制によるライブ指導で未経験者を育成

「配属される人材」を育てる
キャリア支援まで組み込んだ研修

ウズカレBiz

ウズカレBiz

※画像をクリックすると
資料ダウンロードフォームへ移動します。

引用元: ウズカレBiz公式サイト(https://uzuz-college.jp/biz/)

ウズカレBizの概要

ウズカレBizは、SES企業で活躍するインフラエンジニアの育成を行う法人向けの研修サービスです。未経験者や若手人材を対象に、ネットワークやLinuxサーバーといった基盤技術の習得を目指し、CCNAやLinuCレベルの実践的なスキルを体系的に学べる内容となっています。

特長は、単に研修を行うだけでなく、「配属=戦力化」までをしっかり支援する設計です。面談対策やスキルシート作成などのキャリア支援は、専任のコーチが個別で対応。また、研修後に配属先が決まらなかった場合も無償で学習・配属支援を継続する仕組みを用意しています。さらに、研修中に万が一離脱者が出た場合は、日割りでの返金対応も可能です。

こうした仕組みがあるからこそ、研修後に「配属できない」「途中で辞めてしまった」などのリスクを抑えつつ、早期に即戦力化できる人材を育成することが可能になります。SES事業において重要なアサインの質とスピードを高めながら、教育投資の無駄を最小限に抑えられる点が、ウズカレBiz導入の大きなメリットです。

ウズカレBizを選ぶべき理由

配属に向けた個別のキャリア支援が充実している

ウズカレBizでは、技術研修を担当する講師とは別に、配属に特化した専任のキャリアコーチが受講者一人ひとりを個別にサポートします。配属面談での受け答え練習やスキルシートの作成支援、活動の進捗管理など、現場に出るための準備を丁寧に伴走する体制を整えています。

技術スキルがあっても、面接の場でうまくアピールできずに配属が決まらない――そんな課題に直面する企業にとって、ウズカレBizのキャリア支援は頼もしい味方になります。研修後すぐに現場で活躍できる人材に育てるための「最後の一押し」を、しっかりと支えてくれる仕組みです。

配属が決まるまで学習・支援を無償で継続できる

研修を修了しても、すぐに配属先が決まらないことは少なくありません。ウズカレBizでは、そうしたケースにも柔軟に対応できるよう、配属が決定するまで無償で学習サポートとキャリア支援を継続しています。

この継続支援により、研修後の待機期間も有意義に活用でき、受講者のモチベーション低下やスキル忘却を防ぐことができます。「研修終了=支援終了」ではない体制は非常に心強く、人材の空きリスクや再教育の手間を抑えながら、スムーズに配属へつなげることができます。

研修途中の離脱にも安心の返金対応

教育投資には一定のリスクが伴います。研修中に本人の都合で離脱してしまった場合、企業にとっては大きな損失になりかねません。
ウズカレBizでは、万が一の離脱時には研修費用を日割りで返金する制度を設けており、導入企業の負担を最小限に抑えられる仕組みとなっています。

初めての育成型研修に不安を抱える企業でも、安心して導入しやすい環境が整っています。

ウズカレBizの導入事例

7~8割の受講社員が資格を取得

インフラエンジニアとして入社した新入社員向けに「ネットワーククラス」と「サーバークラス」に分けて、1ヶ月間の研修を行ってもらいました。配属後に必須となるITインフラ関連スキルはもちろん、チャットやクラウド環境の操作にも慣れてもらえるため、現場配属後の立ち上がりが早い印象を持ちました。

また、アバターを操作して受講するメタバース形式での集合研修のため、自宅からも受講できるだけでなく、オンライン特有の「画面見ているだけ」状態も解消できました。講義動画はすべて動画化されているので、配属後も資格取得などの学習が可能となり、7~8割の受講社員が資格を取得することができました。

引用元:UZUZ COLLEGE公式HP (https://uzuz-college.jp/biz-infra/)

入社から稼働までがスムーズ

IT研修を採用支援と組み合わせたハイブリッドサービスを提供いただいています。(「SODATEC」という研修型採用プログラムとして活用)

また、研修で使用している教材をeラーニング形式で提供してもらっているので、入社後の資格取得にも活用できています。
9日間のITインフラに関連した研修を実施した受講生を採用選考につなげることで、面接だけではわからない「適性」や研修を完遂した「就業意欲」を測ることができ、メリットを感じています。

また、基礎研修が選考段階で完了しているので、入社後の配属にかかるタイムラグも少なく、すぐに稼働させることができて助かっています。

引用元:UZUZ COLLEGE公式HP (https://uzuz-college.jp/biz-infra/)

ウズカレBizの料金プラン
※人材開発支援助成金を活用した場合

通常料金(一人あたり/税込)

1ヶ月プラン(17日)
  • 研修料金:275,000円
  • 助成金額:232,500円
  • 実質負担額:42,500円
2ヶ月プラン(34日)
  • 研修料金:550,000円
  • 助成金額:465,100円
  • 実質負担額:84,900円

ディスカウント料金(一人あたり/税込)
※受講人数が8名以上の場合

1ヶ月プラン(17日)
  • 研修料金:247,500円
  • 助成金額:220,100円
  • 実質負担額:27,400円
2ヶ月プラン(34日)
  • 研修料金:495,000円
  • 助成金額:440,300円
  • 実質負担額:54,700円

ウズカレBizの会社概要

会社名 株式会社UZUZ COLLEGE
所在地 東京都新宿区西新宿3丁目11-20オフィススクエアビル新宿3階
URL https://uzuz-college.jp/

CREW

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少人数チーム制と専属コーチで、学習継続率を高める研修

CREWは、仲間と切磋琢磨しながら学ぶ「チーム学習」に特化した研修サービスです。
4〜5人の小さなチームごとに専属コーチが付き、目標達成まで手厚くサポート。個人学習では続きにくい学習も、仲間同士の励まし合いや競争意識で自然と学びを支えてくれる仕組みです。G検定コースでは、全国平均を大きく上回る合格率を実現しているのも特徴です。

コーチは一方的に知識を教えるのではなく、日々のチャットやフィードバックを通じて学習習慣づくりをサポートします。単なる知識習得だけでなく、実践を意識したプロジェクトワークや上司を巻き込んだ仕組み、研修後のOJT支援も用意されています。

CREWの導入事例

チームで成長できる環境

CREWでの学習は「5者5様」のスタイルで同じ目標に向かって一緒に努力するチームスポーツのような感覚を味わうことができました。

引用元:CREW公式HP (https://www.crew5.co.jp/)

CREWの会社概要

会社名 株式会社CREW
所在地 東京都品川区上大崎4-5-16 クリプトメリア目黒204
URL https://www.crew5.co.jp/

リアプロ

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実務経験になるプロジェクト形式のJava実践研修

リアプロは、SES企業が抱えがちな「待機人材」問題の解決に特化した、実践型のJava研修サービスです。
最大の特長は、研修自体を実際の受託開発プロジェクトの形式で実施する点にあります。研修を通して得た経験を「実務経験」としてスキルシートに記載できるため、案件参画時の単価アップや、経験者枠でのアサインにつながりやすくなります。

カリキュラムは300種類以上のプロジェクトから選定され、実際の開発現場さながらの納期・品質管理を体験。プロジェクトマネージャーやリーダーによるフィードバックも受けられるため、技術だけでなくビジネス現場で求められるプロ意識やチームワークも身につけることができます。
全国どこからでも参加できるオンライン完結型で、助成金の活用によるコスト抑制も可能です。

リアプロの会社概要

会社名 株式会社システムシェアード
所在地 東京都千代田区外神田1丁目18-13 秋葉原ダイビル13F
URL https://tokyoitschool.jp/

SAMURAI ENGINEER Biz

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課題や目的に応じてカリキュラムを柔軟に設計できるオーダーメイド型

SAMURAI ENGINEER Bizは、企業ごとの目的や現場課題に合わせて完全オーダーメイドのカリキュラムを設計できる研修サービスです。スキルや経験レベルに応じて最適な学習プランを提案してくれるため、現場で本当に必要とされるスキルを効率よく習得できます。

また、月額制で幅広い技術を学べるeラーニング「侍テラコヤ」も提供しており、フロントエンドからインフラ、さらにはChatGPTや生成AIなど最新テーマまでカバー。現役エンジニアによるサポート体制も整っているおり、自律的な学習にも取り組みやすい環境です。
助成金申請のサポートも受けられるため、コスト面の不安を抑えながら導入できます。

SAMURAI ENGINEER Bizの会社概要

会社名 株式会社SAMURAI
所在地 東京都港区虎ノ門一丁目3番1号 東京虎ノ門グローバルスクエア17階
URL https://www.sejuku.net/

インターネット・アカデミー

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Web技術に強く、標準仕様に準拠した専門性の高いIT研修

インターネット・アカデミーは、日本初のWeb専門スクールとして誕生し、長年にわたり業界標準に準拠したIT教育を提供してきました。特にWeb技術分野に強みがあり、W3C(World Wide Web Consortium)の正規メンバーとして、日本の教育機関で唯一認定されている点が大きな特徴です。

研修は企業ごとの課題や開発環境に合わせてカスタマイズ可能。オンラインライブ・講師派遣・通学・eラーニングなど多様な受講スタイルに対応しており、SES企業での新人研修や現場スキルの底上げにも多くの実績があります。SIerやWeb業界での実務理解を深めるカリキュラムが充実しているのもポイントです。

インターネット・アカデミーの会社概要

会社名 インターネット・アカデミー株式会社
所在地 東京都新宿区新宿2-5-12 FORECAST新宿AVENUE 10階
東京都新宿区新宿2-5-15 新宿山興ビル2階(法人研修・資格試験センター)
URL https://www.internetacademy.jp/

Global Knowledge

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公式ベンダー研修に強みを持つ専門機関

Global Knowledgeは、世界的に知られるITおよびビジネススキル研修の専門企業トレノケート株式会社が提供するサービスです。AWS・Microsoft・Cisco・Google Cloudなど主要ITベンダーの公式トレーニングを幅広く展開し、最新技術や公式資格取得を目指すエンジニアの育成に適しています。

新人向けのIT基礎研修から、AIやデータ分析、セキュリティ、ビジネススキルに至るまで豊富なコースが用意されており、オンライン・対面どちらの形式にも対応。企業のニーズや課題に合わせて最適な研修プランを提案する「研修コンシェルジュ」サービスも提供しているため、SES企業の多様な育成戦略に柔軟に応えます。

Global Knowledgeの会社概要

会社名 トレノケート株式会社
所在地 東京都新宿区西新宿6-8-1 住友不動産新宿オークタワー 20F
URL https://www.trainocate.co.jp/

富士通ラーニングメディア

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育成全体を支える総合研修サービス

富士通ラーニングメディアは、ITスキルだけでなくヒューマンスキルやビジネススキル、組織開発まで2,800を超える多彩な研修プログラムを展開しています。富士通グループの豊富な実績を背景に、知識の習得だけでなく、実践演習や現場で役立つ経験学習に重点を置いた研修設計が特長です。

オンライン、集合研修、eラーニングといった多様な学習フォーマットを用意し、企業の規模や目的に応じて柔軟にカスタマイズ可能。人材育成コンサルティングやスキル診断、LMSの導入支援も行っているため、全社的なリスキリングや体系的な人材開発を検討するSES企業にも適しています。

富士通ラーニングメディアの会社概要

会社名 株式会社富士通ラーニングメディア
所在地 神奈川県川崎市幸区大宮町1-5 JR川崎タワー
URL https://www.fujitsu.com/jp/group/flm/

インソースデジタルアカデミー

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ITスキルとビジネスマナーを同時に学べる長期型パッケージ研修

インソースと子会社のインソースデジタルアカデミーは、2,000を超えるIT研修や3,000以上の多彩な研修メニューを提供しています。特に、JavaやPHPなど長期パッケージ型の新人研修では、ITスキルだけでなくビジネスマナーや社会人基礎力も同時に習得できる内容となっており、SES企業の新卒一括育成に最適です。

DX・AI分野にも注力しており、最新技術を取り入れたカリキュラム開発が特徴。研修中の進捗を可視化できるシステムや、文系出身者・未経験者へのフォロー体制も万全です。動画eラーニング、集合・オンライン研修など多様な形式で学べるため、幅広い人材育成ニーズに応えられます。

インソースデジタルアカデミーの会社概要

会社名 株式会社インソースデジタルアカデミー
所在地 東京都文京区白山1-32-10 インソース白山ビル
URL https://www.insource-da.co.jp/

日立アカデミー

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IT・マネジメント・戦略分野までを一貫して学べる大手向け研修

日立アカデミーは、日立グループの豊富な事業経験とテクノロジーをもとにした、エンタープライズ向けの高品質な研修を提供しています。IT技術・DX・プロジェクトマネジメントからリーダーシップ・戦略的思考まで、幅広い分野を体系的に学べるのが特長です。

日立グループで実践されてきた最新の知見やノウハウをカリキュラムに反映し、単なる知識習得にとどまらず、実務で活きるスキルやリーダーシップ力を身につけることができます。オンライン・集合研修の両方に対応し、企業ごとに最適な育成プランをオーダーメイドで提案。高度技術者や次世代リーダー育成を目指すSES企業にも適しています。

日立アカデミーの会社概要

会社名 株式会社日立アカデミー
所在地 東京都台東区東上野二丁目16番1号 上野イーストタワー18階
URL https://www.hitachi-ac.co.jp/

VENTURIQ

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SESの現場ニーズを反映した3ヶ月集中型のJava開発研修

VENTURIQ(ヴェンチュリック)は、SES企業向けに設計された3ヶ月間のテックスキル新人研修サービスを提供しており、Webアプリ構築に必要な知識と実践力を習得できる内容となっています。

この研修の最大の特徴は、SESの現場で実際に求められる業務知識をベースにカリキュラムが構成されている点です。Java Silver資格取得を目指す内容を含め、コーディング演習を研修時間の約60%以上確保し、毎月の面談で進捗チェックと改善提案を行います。

研修では、Java Silver取得に加え、SQL・HTML・CSS・Spring Boot等を使ったWebアプリ開発演習を行っています。進捗管理は月1回の面談や成績評価、受講者と企業への報告を通じて行われ、フィードバックに基づいた学習改善が徹底されています。

VENTURIQの会社概要

会社名 株式会社VENTURIQ
所在地 東京都中央区銀座3‑7‑6 CIRCLES銀座5階
URL https://www.venturiq.co.jp/

IT COLLEGE

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通学型・少人数制によるライブ指導で未経験者を育成

IT COLLEGEは、20年以上のSES・受託開発実績を活かして提供する、新卒・未経験者向けのエンジニア研修サービスです。現場で必要とされる実践的なITスキルと、ビジネスマインドの両面を育成するトレーニングを提供しています。

研修はJava・C#.NET・PHPなどのWeb開発から、サーバー・ネットワーク・クラウドまで、20種類以上のコースを自由に組み合わせできる柔軟性が魅力です。最短2ヶ月の集中コースから長期プログラムまで、受講者の習熟度に応じて選べます。
講師は全員エンジニア経験5年以上の正社員で、少人数制かつ通学(集合研修)が基本。顔を見ながらのライブ指導とコードレビューにより、高い完走率を実現しています。

IT COLLEGEの導入事例

初心者でも知識を深く理解できた

カリキュラムがよく設計されており、必要な知識やスキルを包括的にカバーしていると感じました。また、講師の方々の説明も分かりやすく、初心者でも知識を深く理解できるようサポートしていただきました。

引用元:IT COLLEGE公式HP (https://it-college.co.jp/case/)

IT COLLEGEの会社概要

会社名 株式会社リゾーム
所在地 東京都中央区日本橋箱崎町17-1 箱崎リージェントビル6F
URL https://it-college.co.jp/

現場で通用する人材を育てるには?SES研修の必要性を再確認

研修担当者がクラウドシステムの図を使ってSES研修を行っている様子。

SES(システムエンジニアリングサービス)事業において、エンジニアは企業の最も大切な資産です。
特に未経験から採用した人材を「現場で活躍できる戦力」へと成長させることは、企業の成長や安定した収益に直結します。単なる新人研修では不十分であり、現場で本当に役立つスキルや考え方を身につけるための戦略的な研修が重要になります。
ここでは、SES研修の必要性と、なぜ多くの企業で「研修は受けたが現場では通用しない」というギャップが生まれるのか、その背景を解説します。

未経験エンジニアの即戦力化が求められる理由

SES企業の収益モデルは、エンジニアが現場で活躍することで成り立っています。そのため、採用から現場参画までの期間をいかに短縮し、エンジニアを早く戦力化できるかが、経営上の大きな指標となります。もしエンジニアがスキル不足で現場に出られず、待機している期間が長くなると、その間の人件費は企業にとって大きな負担となり、収益機会の損失につながります。

さらに、準備が不十分なまま現場に送り出した場合、プロジェクトの遅延や品質低下、エンジニアの短期離職など、さまざまなリスクが生まれます。安定的な人材育成こそが、SES事業の競争力と持続的な成長のカギとなります。

新人教育におけるよくあるつまずき

多くの企業で新人研修に力を入れているにもかかわらず、「現場でなかなか通用しない」という声が後を絶ちません。これは、単なる技術力だけの問題ではなく、現場特有のルールや文化、心理的な壁など、複数の要素が絡み合っているからです。

  • 技術的な知識はあるが、現場の「流儀」や独自ルールにうまく馴染めない
  • 研修で使ったフレームワークやツールと現場の環境が違い、応用できない
  • 「質問すると評価が下がるのでは」と考えてしまい、聞きたいことが聞けない

このようなつまずきが放置されると、本人の自信喪失や孤立を招き、最終的には早期離職につながってしまう危険性があります。新人が現場でしっかり活躍できるよう、こうしたギャップを研修段階から意識して埋めていくことが大切です。

SES研修の基本構成とは?主な内容と設計ポイント

現場で活躍できるエンジニアを育てるためには、バランスの取れた研修カリキュラムが欠かせません。ここでは、SES研修で押さえておきたい3つの基本要素と、それぞれの設計ポイントをわかりやすくまとめます。

技術研修:プログラミング言語やツールの基礎

まず大切なのは、しっかりとした技術力を身につけることです。SES研修では、現場でよく使われるプログラミング言語やツールを中心に学びます。特にJava、SQL、Linuxは多くの開発現場で重宝されており、習得しておくことで幅広い案件に対応できるようになります。

習得する主な技術・ツール 概要
Java Webアプリや業務システムで使われる汎用的なプログラミング言語
SQL データベース操作の基礎となる言語
Linux 多くのサーバー環境で利用されるOSの基本操作
Eclipse、Git、DBクライアント 開発やバージョン管理、データ操作で必要なツール

プログラミングだけでなく、EclipseやGitなど、実際の開発で欠かせないツール操作にも慣れておく必要があります。これらの操作を研修段階で何度も練習することで、現場に出てからの生産性が大きく変わります。

開発演習:現場を想定した実践型プログラム

座学だけでは身につかない「使えるスキル」を定着させるためには、現場さながらの実践演習が効果的です。小規模なアプリケーション開発を通じて、要件定義から設計、実装、テストまで一連の流れを経験し、俯瞰的な視点や業務の全体像を理解します。

また、同期の書いたコードをレビューしたり、自分のコードについてフィードバックをもらうことは、技術力だけでなくコミュニケーション力の向上にもつながります。

ITリテラシー・業界理解の強化

エンジニアには技術だけでなく、IT業界で働く上で欠かせない基礎知識や考え方も重要です。情報セキュリティや個人情報保護、法令順守(コンプライアンス)などは、ITのプロとして最低限身につけておきたいポイントです。

  • セキュリティや個人情報保護法への理解
  • 報告・連絡・相談(報連相)」の実践
  • プロジェクトの進行フローやエンジニアの役割把握

これらを意識して研修に組み込むことで、エンジニアとしての土台がしっかりと築かれます。

「研修は受けたが現場で通用しない」そのギャップの正体とは?

頭を抱えてコードエラーに悩むプログラマーの男性

多くの企業が新人研修に力を入れていますが、なぜ現場で通用しないケースが後を絶たないのでしょうか。その背景には「研修で学んだ内容と、実際の現場環境との間に大きなギャップがある」ことが挙げられます。

研修と実務環境の乖離に要注意

現場で使われているフレームワークやツールが研修と異なり、せっかく学んだ知識が応用できないと感じることがあります。また、配属後の業務では既存システムの機能追加やバグ修正など、研修で経験していない業務も多く、戸惑うケースが目立ちます。

  • 配属先で使用する技術や開発手法が研修と異なる
  • 新規開発よりも既存システムの理解や改修業務が中心

このような「リアリティ・ギャップ」は、新人エンジニアの自信を失わせ、スムーズな現場定着を妨げる原因になります。

報連相や質問力不足も定着を妨げる要因に

技術的なギャップ以上に深刻なのが、コミュニケーションの壁です。現場で困ったときに「何が分からないのか分からない」状態に陥ることや、質問できずに抱え込んでしまう新人も少なくありません。

心理的な安全性が低いと、失敗を恐れてコミュニケーションを避けがちです。この状態が続くと、チームへの定着が難しくなり、離職リスクが高まる傾向があります。

研修設計で意識したい、実務力を育てる4つのアプローチ

研修と現場のギャップを埋めるためには、受講者が「自分で考え、手を動かし、仲間と協力しながら学ぶ」仕組みづくりが不可欠です。ここでは実践力を高めるための4つのポイントを紹介します。

アウトプット重視の構成に切り替える

座学中心の研修から、実践的な演習や発表の機会を増やすことが重要です。実際にコードを書いたり、バグ修正・コードレビューなど現場に近い課題に取り組むことで、知識が身につきやすくなります。

  • 座学と演習のバランスを見直し、アウトプット中心に
  • バグ修正やレビュー、日報の提出など現場で役立つ課題設定

「分からない」を放置しないチーム学習

同期と一緒に学び、互いにフィードバックし合うチーム型研修は、安心感を生みやすく、技術力とコミュニケーション力の両方を高める効果があります。

  • チームでの課題や日報共有を通じて、気づきや成長を促す
  • 相談しやすい雰囲気が、心理的なハードルを下げる

配属先を意識したカスタマイズも検討

一律のカリキュラムではなく、配属予定の現場やエンジニア個々のキャリアに合わせて、学ぶ内容を柔軟に調整することも大切です。

配属先 重点スキル
Web開発 フロントエンド・バックエンド技術、UI/UX
インフラ クラウド、仮想化、サーバー構築
運用・保守 監視ツール、障害対応、ドキュメント作成

研修を現場定着までつなげるために必要な支援とは?

SES研修の本当のゴールは、研修が終わった後、エンジニアが現場で自信を持って活躍できるようになることです。そのためには、現場配属後のフォローアップと、現場と研修担当者の密な連携が重要です。

フォローアップ期間の設計がカギ

現場に配属された直後の3か月間は、研修で学んだ内容を実践力として定着させるうえでとても重要な時期です。配属後1か月・3か月などのタイミングで、本人・OJT担当・研修担当の三者で面談を行い、進捗や不安の確認・相談ができる場を設けると良いでしょう。

  • 節目ごとの面談で課題や悩みを早期に発見・対応
  • 初期は無理のないタスクから始め、小さな成功体験を積ませて自信を育てる

こうした配慮が、現場定着とモチベーション維持につながります。

研修担当者と現場の連携もポイントに

研修担当と現場の教育担当がしっかり情報共有を行うことで、「何ができるのか」「どこでつまずきやすいか」などを現場側が把握でき、適切な指導や業務の割り振りができます。

  • 新人のスキル・弱点・つまずきやすいポイントを現場に正直に伝える
  • 評価基準のギャップを埋めることで、配属先での不安やミスマッチを減らす
  • 指導に定評のある先輩エンジニアのプロジェクトに配属する工夫も有効

外部研修や助成金の活用で質と効率の両立を

すべてを自社だけでまかなう必要はありません。外部の研修機関や公的制度を活用することで、研修の質と効率の両立が可能です。経営資源を効率よく使い、より良い人材育成を目指しましょう。

内製にこだわらず、プロの手を借りる選択も

社内の指導者だけでなく、経験豊富な外部研修機関やプロ講師によるカリキュラムを活用することで、教育の質のばらつきが抑えられます。外部の力を上手に取り入れることで、自社のリソースを本来の事業に集中させつつ、着実な人材育成が可能となります。

  • 社内に十分な指導リソースがない場合、外部機関の研修を積極的に検討
  • 実績のある研修プログラムや講師陣を活用して指導の質を安定化

「人材開発支援助成金」など制度の活用も検討を

質の高い外部研修をコスト面で諦めてしまうのはもったいないことです。国や自治体の助成金制度を活用することで、研修費用の大幅な削減が可能です。

主な制度名 助成率・内容 要件例
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース・中小企業向け例) 経費助成:最大75%
賃金助成:1時間あたり960円
雇用保険の適用事業所であること、訓練期間中も通常賃金を支払うこと、他

このような助成金制度を利用するためには、申請前にいくつかの準備が必要です。

研修を始める前に「訓練計画書」を作成し、事前に提出することが求められます。研修の内容や期間、対象者などをきちんとまとめて計画を立てることがポイントです。また、研修が終わった後には、所定の期間内に支給申請を行う必要があります。

また、このような助成金は、単なるコスト削減のためだけでなく、採用から定着までを見据えた長期的な人材育成への投資としても活用できます。研修を通じてスキルを身につけた人材が、企業の中で長く活躍できる体制づくりに役立つため、将来に向けた安定的な事業運営にもつながります。

まとめ

SES事業において、現場で通用するエンジニアを育てることは、単なる教育ではなく、事業の収益性や持続的な成長に直結する重要な経営課題です。だからこそ、現場で「使える力」を育てる研修設計が欠かせません。従来の座学中心の研修にとどまらず、実務に近い演習やチーム学習、配属後のフォロー体制まで含めて見直すことが求められています。

ただし、こうした研修をすべて自社でまかなうのは、負担も大きくなりがちです。研修の質を保ちつつ効率的に進めたいとお考えであれば、外部の研修機関を活用することも十分に現実的な選択肢です。

「現場で通用する人材が育たない」「研修をしてもすぐ辞めてしまう」など、育成に課題を感じているなら、今こそ研修のあり方を見直すチャンスです。外部の力も上手に取り入れながら、御社に合った育成体制を構築することが、エンジニアと企業の未来を支える確かな一歩になるはずです。まずはできるところから、取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。

免責事項
本記事は、2025年7月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。