受注拡大の方法とは?公式と課題、11の戦略的施策を経営者向けに解説

受注拡大の方法とは?公式と課題、11の戦略的施策を経営者向けに解説

受注拡大を実現するためには、戦略的な施策が欠かせません。やみくもに営業活動を続けていくだけでは、労力に対して得られる成果は限定的になってしまいます。受注を拡大させるための戦略を知り、実行していくことで、大きな成果につなげましょう。

この記事では、具体的な受注拡大のための戦略や施策を複数紹介。中には商談化率8割受注単価が2.5倍以上リード獲得ができる集客施策もご紹介しておりますので、ぜひ自社に合ったマーケティング方法を見つけてください。

受注拡大を目指す中小BtoB企業の多くが、「施策を試しても思うように伸びない」という壁にぶつかります。新しい営業ツールを導入したり、広告を出稿したりしても、なかなか受注数が増えないと感じていませんか。

その原因の多くは、施策を選ぶ前に必要な「戦略の設計」が抜けていることにあります。受注拡大は、思いつきで施策を並べても実現しません。「商談数×受注率×商談単価」という公式でビジネスを分解し、自社の課題がどこにあるかを特定した上で、自社が「選ばれる理由」に合った打ち手を選ぶことが、持続的な受注拡大への近道です。

本記事では、受注拡大の本質から始まり、受注が伸びない典型課題、戦略設計の考え方、商談獲得の4チャネル、受注率と単価を上げる施策、業種とフェーズ別の選び方まで、経営者・営業責任者が知っておくべき内容を体系的に解説します。

受注拡大とは?売上拡大との違いと本質

受注拡大とは、新規・既存顧客を問わず、受注件数と受注額を増やすことを指します。「売上拡大」と混同されることがありますが、両者には明確な違いがあります。

売上拡大は、既存事業の収益を全体的に伸ばすことを目的とした概念であり、商品の価格改定、顧客単価の引き上げ、新商品の投入なども含みます。一方、受注拡大は「商談から契約に至るプロセスの量と質を高めること」に焦点を当てた概念です。

つまり、受注拡大は売上拡大の一部を構成するものであり、特に「どうやって商談を増やし、どうやって成約させるか」という営業・マーケティングの実行プロセスを問う概念と捉えることができます。

また、受注拡大には二つのアプローチがあります。ひとつは「新規受注の拡大」、もうひとつは「既存顧客からの受注拡大(アップセル・クロスセル・更新率向上)」です。多くの企業が新規開拓に目を向けがちですが、実は既存顧客への深耕によるほうが、受注単価・受注率ともに高くなるケースが少なくありません。

本記事では、新規・既存の両面を含む広義の「受注拡大」を対象に、その戦略と施策を解説します。まずは受注拡大の根本的な仕組みから把握していきましょう。

受注拡大の方程式:商談数×受注率×商談単価

受注を増やしたいと思ったとき、多くの企業が真っ先に「施策を増やす」方向に動きます。しかし、闇雲に施策を増やしても、思ったような結果が出ないことがほとんどです。受注拡大を実現するためには、まず以下の方程式を理解することが重要です。

受注額 = 商談数 × 受注率 × 商談単価

売上は「商品金額×販売数」によって決まります。つまり、売上を増やすためには、商品の金額を上げるか、販売数を増やすかのどちらかが必須です。これを受注拡大の観点から整理すると、「顧客あたりの成約額(商談単価)を上げる」か「成約数(商談数×受注率)を増やす」かという二つの方向性になります。この公式を3つの要素に分解して考えると、自社がどこに課題を抱えているのかが明確になります。

商談数:どれだけ見込み顧客と接点を持てているか

商談数が少ない場合、マーケティングと集客力に問題があります。認知獲得・見込み客獲得・アポイント獲得のいずれかのフェーズで詰まっているはずです。見込み顧客の何割が具体的な商談に入り、何割が成約に結び付くのかを想定し、実現していくことで売上見込みを立てることができます。

受注率:商談に入った見込み顧客をどれだけ成約に転換できているか

受注率が低い場合、提案力・競合との差別化・クロージングのいずれかに問題があります。競合と横並びになってしまい、最終的に価格で選ばれてしまうケースがこれに当たります。提案力と商談設計の改善が主な打ち手です。

商談単価:1件の商談から得られる受注額はどれくらいか

単価が低い場合、サービス設計・付加価値提案・ターゲティングに問題があることが多いです。同じ商談数・受注率でも、単価が上がれば受注額は大きく伸びます。既存顧客への深耕や付加価値提案が有効です。

この3要素を「かけ算」で捉えることが重要なのは、どれか一つが大きく改善されれば、受注額全体に対して乗数的な効果をもたらすからです。反対に、どれか一つに致命的な問題があれば、他をいくら改善しても効果が出にくくなります。

受注拡大を目指す際は、「自社はどの要素に課題があるか」を分析的に考える姿勢を常に持っておくことが大切です。まず自社の現状をこの3要素で分解し、「どこにボトルネックがあるか」を特定することが、受注拡大戦略の出発点になります。

受注拡大の公式を自社に当てはめる相談をする

受注拡大が進まない4つの典型課題

受注拡大の公式を知っていても、実際に改善が進まないケースがあります。その背景には、中小BtoB企業に共通する典型的な課題が存在することが多いです。以下の4つに整理して解説します。自社に当てはまる課題がないか確認してみてください。

課題① 既存顧客依存(新規開拓の枯渇)

多くの中小企業は、受注のほとんどを既存顧客からの継続・追加に頼っています。既存顧客との関係が良好である間は問題が表面化しにくいのですが、主要顧客が1社でも離脱すると、受注額が大きく落ち込むリスクがあります。また、既存顧客だけに頼る体制では、事業の成長に自然な上限が生まれてしまいます。

このような状態を見分けるサインとしては、「売上上位3社で全体の50%以上を占めている」「営業活動の大半が既存顧客への対応になっている」「新規案件がほとんど既存顧客からの追加依頼で占められている」などが挙げられます。新規開拓を仕組みとして行えていない企業は、ここから見直す必要があります。

課題② 営業の属人化(組織としての再現性の欠如)

受注が特定の担当者に集中しており、組織としての営業力になっていないケースです。優秀な営業担当者が退職・異動するたびに業績が落ちる、商談プロセスがブラックボックスになっており育成が進まないという状況がこれに当たります。

訪問営業だけに頼ってしまうと、時間と労力がかかる割には得られる利益が少ないケースも出てきます。個々人のスキルに依存した営業を続けているだけでは、企業全体の売上を大きく伸ばすのは難しいでしょう。属人化した営業は、短期的には結果が出ていても、組織として拡張するには限界があります。商談プロセスの言語化・標準化が根本的な対策となります。

課題③ マーケティングと営業の分断

マーケティングが獲得したリードと、営業現場が求めるリードの質がかみ合っていないケースです。「マーケが送ってくるリードは質が悪い」「営業が何を求めているかわからない」という声が両部門から上がっているなら、この問題が発生しています。

両部門間でリードの品質基準・フィードバックの仕組み・商談化率の指標が共有されていないことが原因であることがほとんどです。マーケティングによって成約見込みの高い顧客を獲得できれば、より効率の良い営業活動ができるようになります。マーケティング強化と営業連携の設計が、ここでは有効な打ち手になります。

課題④ 提案力不足(価格競争への巻き込まれ)

商談まで進んでいるにもかかわらず、最終的に「価格」で競合に負けてしまうケースです。これは多くの場合、自社の提供価値を顧客の言語で伝えられていない「提案力不足」が原因です。自社の特長を機能・スペックのレベルでしか語れず、顧客が感じる「成果・変化・リスク低減」の観点で訴求できていないと、どうしても価格比較になりがちです。

解決の鍵は「自社の強み」を把握することです。既存顧客を分析し、なぜ顧客化できたのか、自社にしか提供できない価値は何かを掘り下げることが大切です。「選ばれる理由の設計」(次章参照)がこの課題の根本解決につながります。

自社の課題構造を可視化する

受注拡大の戦略設計:自社が「選ばれる理由」から考える

受注を伸ばすために施策を選ぶ前に、必ず取り組まなければならないのが「選ばれる理由の設計」です。なぜ今の顧客は自社を選んでいるのか、それが言語化されていなければ、施策を打っても「誰に」「何を」訴求しているのかがあいまいになります。

購買決定要因の洗い出し

購買決定要因(KBF: Key Buying Factors)とは、顧客が購買を決める際に重視する要因のことです。BtoB購買においては、一般的に以下のような要因が挙げられます。

  • 課題解決の確実性(本当にこれで解決できるか)
  • 担当者・会社への信頼感
  • 導入コストと期待される費用対効果
  • 導入・運用の容易さ
  • アフターサポートの質
  • 既存システムとの連携性

自社の購買決定要因を特定するためには、以下の3つのアプローチが有効です。

まず「既存顧客への深掘りヒアリング」です。「なぜ自社を選んだか」「競合と比較してどこが決め手になったか」を直接聞くことで、再現性のある「選ばれる理由」が見えてきます。お客様に掘り下げて聞くことができるのは実際の会話の場です。その際に大切なのは、お客様にもっと満足してほしいから聞いているという姿勢です。

次に「競合他社との比較分析」です。競合の強みと弱みを整理し、自社が競合に勝てるポイントを明確にします。そして「自社の強みとリソースの棚卸し」です。社内に蓄積された実績、技術力、顧客との関係性など、競合が簡単には真似できない資産を洗い出します。

「灯台下暗し」ではありませんが、遠くにあるものは気付けても、すぐ足元にある重要なことは逆に気付きにくいかもしれません。また、身近で働く従業員に聞くのも良い方法です。実際にお客様と接する従業員は、隠れたお客様の声を理解していることが少なくありません。

フレームワークを活用して自社の強みを見つける方法もあります。3C分析(Customer・Competitor・Company)は、市場環境や競合他社との違いを明確化することで、自社の強みが分かるフレームワークです。3C分析を行うことで、自社の強みや弱み、現状を客観的に把握でき、市場において行うべき成功ポイントが分かります。

ポジショニングマップで自社の立ち位置を可視化する

購買決定要因の中から2つの重要軸を選び、ポジショニングマップを作成することで、自社と競合の立ち位置を視覚的に把握することができます。このマップ上で、競合がひしめいている領域と、競合がいない「ホワイトスペース」を特定することが重要です。

ホワイトスペースとは、市場にニーズが存在しているにもかかわらず、競合が対応できていないポジションです。ここに自社のリソースと強みが合致するなら、値引き競争をせずに差別化できる可能性があります。ポジショニングマップを定期的に更新することで、市場の変化に対応した戦略修正も可能です。

選ばれる理由が明確になると、施策の選び方が変わる

「選ばれる理由」が言語化されると、訴求するターゲット・チャネル・コンテンツが自然に定まります。たとえば、「顧客の業務理解の深さ」が選ばれる理由であれば、業種特化型の比較メディアや事例コンテンツとの相性が高くなります。「スピード対応」が強みなら、インサイドセールスやリスティング広告で即応性を訴求することが有効です。

Zenkenが提供するポジショニングメディア戦略は、この「選ばれる理由」を起点に、自社に親和性の高い顧客だけを集客する仕組みです。ユーザーは自分のニーズや課題に合った製品やサービスを探せ、クライアントは自社に合ったユーザーを獲得することができる、自社のポジションを市場に浸透させるWebメディア戦略です。

ポジショニングメディアのイメージ画像詳細についてはお問い合わせください

「選ばれる理由」から始める戦略設計の相談

商談を生み出す4つの獲得チャネルと自社に合う選び方

受注拡大において、商談数を増やすことは最初のステップです。商談獲得の打ち手は大きく4つのタイプに分類できます。それぞれの特性と自社に合う選び方を解説します。

見込み客に見つけてもらう施策

見込み客が自分から探してくる流れを作る施策です。認知から問い合わせまでのプロセスを設計することで、質の高い見込み顧客を継続的に獲得できます。

  • SEO記事・オウンドメディア:検索意図に沿ったコンテンツを発信し、課題認識段階の顧客にリーチします。SEO対策によって自社コンテンツが上位表示されるようになれば、多くのユーザーの流入や知名度アップが期待できます。中長期的な集客基盤になる施策です。
  • リスティング広告:GoogleやYahoo!などの検索エンジンで特定のキーワードを検索したユーザーに広告を表示します。一定の見込みがある相手に絞り込んで効率よく広告を出せる点が魅力です。即時性が高く効果検証も速い施策です。
  • SNS運用:TwitterやFacebook、InstagramといったSNSを活用した情報発信です。アカウント開設は無料で行えます。多くの人に自社製品やサービスを知ってもらうきっかけが作れますが、自社のターゲット層が多い媒体を選択することが重要です。
  • 比較メディア掲載:同ジャンルのサービスを比較・検討しているユーザーに対して自社を訴求できます。購買意欲の高いユーザーへのリーチが期待でき、自社の強みを理解した反響が増える傾向があります。
  • ウェビナー・オンラインセミナー:WEB会議システムを使ったセミナーです。顧客を入れる大規模な会場を借りる必要がなく、自宅から気軽に申し込みをしてもらいやすいメリットがあります。専門テーマで見込み顧客を集め、信頼関係を構築します。セミナー参加申し込み時にメールアドレスなどの情報を取得することで、継続的な関係性の構築にもつながります。
  • ホワイトペーパー・資料ダウンロード:課題解決の情報提供と引き換えに連絡先を取得します。メールマガジンや次のセミナーの案内を送ることで、継続的な関係性構築につながります。

こちらから働きかける施策

自社から能動的にアプローチするアウトバウンド施策です。認知がない相手にもアプローチできる点が特徴です。

  • 展示会出展:職種別や業界別の展示会に出展することで、来場者に直接自社製品を紹介できます。展示会に足を運ぶユーザーは該当ジャンルに興味のある人だけですから、効率よく営業活動を行えます。出展費用や人件費・資材費などのコストと準備の手間はかかりますが、大量の見込み顧客獲得が可能です。
  • 営業代行・インサイドセールス外注:専門の営業組織に新規アポイント獲得を委託します。インサイドセールスとは相手先に訪問しない内勤型営業のことで、電話・メール・オンライン会議システムなどを活用して営業活動を行います。社内リソースが足りない場合や、新市場に参入する際に特に有効です。
  • 自社テレアポ・訪問営業:電話や訪問で直接アプローチします。ターゲットリストの精度が成果に直結します。定期的な訪問で見込み顧客との信頼関係を構築することが大切です。KPIを設定して進捗を定期確認することで、活動の質を高めていくことができます。
  • フォーム営業・手紙営業・DM郵送:ターゲット企業のお問い合わせフォームへのメッセージ送信や、郵送DMで接触する手法です。競合が行いにくいアナログ施策として、特定のターゲットに刺さることがあります。
  • リストマーケティング:営業先リストを作成して取得済みのリストに対してメール・電話でアプローチします。リストの品質を高めることで、営業の効率化を図ることができます。
  • テレビCM:テレビ番組の合間に放映する映像広告です。多くの視聴者に自社製品をアピールできる半面、放映費用・制作コストともに高く、繰り返し放映するためには莫大な費用が必要です。中小BtoB企業には現実的な選択肢とはなりにくい施策ですが、ブランド認知という観点では一定の効果があります。

紹介・推薦で広げる施策

既存の関係性を起点に新規顧客を獲得する施策です。紹介・口コミは非常に大きな宣伝効果を持っており、成約率が高く、継続的な顧客となってくれる可能性が高い点が特徴です。

  • 既存顧客からの紹介:既存顧客との信頼関係を深めることで自然な紹介につながります。企業側からの直接的な働きかけには限界がありますが、紹介インセンティブの設計で活性化できます。紹介だけで大きな受注を得るのは困難なため、他のマーケティング施策と組み合わせて実施するのが効果的です。
  • パートナー企業紹介:同業・隣接業種のパートナーに自社を紹介してもらう仕組みです。パートナーとのつながりを深めることで継続的な紹介網を構築できます。
  • 紹介マッチングサービス:ビジネスマッチングサービスを活用して紹介網を広げます。
  • リファラル報酬制度:顧客や関係者に報酬を設計し、紹介を仕組みとして定着させます。

他社と組んで広げる施策

パートナーシップを活用して販路を拡大する施策です。自社だけでは届きにくい顧客層に対して、パートナーを通じてリーチできます。

  • 共催ウェビナー・セミナー:補完的なサービスを提供するパートナーと共同でセミナーを開催します。お互いのリストとブランドを活用できるため、単独開催より効率的に集客できます。
  • 代理店・アライアンス販売:自社に代わってパートナー企業が販売活動を行う形態です。地理的・業種的なカバレッジを一気に広げられます。
  • バンドル販売:自社サービスを他社サービスとセットで提供します。顧客にとっての利便性が高まり、自社のみでは競争しにくい領域でも選ばれやすくなります。

4チャネルの特性比較

チャネル種別 立ち上げコスト 商談化の速さ リードの質 向いている業種・フェーズ
見つけてもらう 中〜高 遅め(中長期) 高い IT・SaaS、専門職
働きかける 低〜中 速い 中程度 製造業・卸売、停滞期打開
紹介・推薦 速い 非常に高い 法人向けサービス、専門職
他社と組む 中程度 高い 全業種(成長期向け)

「選ばれる理由」から逆算する、自社に合うチャネルの決め方

チャネルを選ぶ際には、前章で設計した「選ばれる理由」を起点に逆算することが重要です。どれだけコストをかけても、自社の強みが伝わらない場所で集客しても成約率は上がりません。

「このチャネルで集まる顧客は、自社が強みを発揮できるターゲットか」という問いを常に持ちながら施策を選定することが大切です。また、特定のチャネルに依存せず、複数の施策を組み合わせることで受注の安定性を高めることもできます。

受注率を上げる施策:提案力・組織営業・商談設計

商談の機会を増やしても、受注率が低ければ受注総額は伸びません。受注率を上げるためには、提案力・商談プロセス・組織営業の3つの観点から改善することが重要です。

提案資料の構造化

成約率の高い提案資料には共通の構造があります。「顧客の課題提起→解決策の提示→期待される成果→事例→価格・条件→よくある疑問への回答」という流れで設計することで、顧客の購買意欲を段階的に高めることができます。特に「顧客の課題提起」を冒頭に置くことで、「自分ごと」として読んでもらいやすくなります。自社製品の強みを理解してもらった上での提案は、価格交渉をされにくくなる効果もあります。

組織営業への移行

個々人のスキルに依存した訪問営業を続けているだけでは、企業全体の売上を大きく伸ばすのは難しいでしょう。トップ営業に依存した商談から、チームとして受注を取る体制に移行することが重要です。

具体的には、ロールプレイングを取り入れたスキルアップ研修の実施が効果的です。営業担当者が顧客役になり切ってロールプレイを行うことで、営業手法の改善点がより明確に見えてきます。その他にも、複数名による同行営業、商談内容のレビューと改善、受注・失注理由の言語化と共有などが有効です。

商談前の準備設計

ヒアリング項目を事前に設計しておくことで、商談の質が大きく変わります。「顧客が抱える課題の背景」「過去にどんな解決策を試みたか」「決裁者と関与者は誰か」「予算と時期」などの項目を事前に設計し、商談内で自然にヒアリングできるスクリプトを持つことが重要です。商談の中で企業が抱える課題を把握し、課題解決のための提案をすることで成約に結び付けることが、新規開拓営業の基本です。

インサイドセールスとフィールドセールスの連携

インサイドセールスが育てた見込み顧客を、フィールドセールスが確実に受注につなげる連携体制を構築することが受注率向上の鍵になります。引き継ぎ時に顧客の課題と関心情報をしっかり共有できる仕組みが必要です。マーケティング部門と営業部門が連携することで、成約見込みの高い顧客を効率よく獲得できるようになります。

商談単価を上げる施策:既存深耕と付加価値提案

同じ商談数・受注率でも、商談単価を上げることができれば受注額は大きく伸びます。商談単価の向上に有効な施策を紹介します。

既存顧客の深耕(追加・範囲拡大)

既存顧客は自社への信頼度が高く、新規顧客より商談・成約のハードルが低いです。追加でサービスを提案するアップセル、関連サービスを提案するクロスセル、対応範囲を広げる範囲拡大提案を組み合わせることで、1顧客あたりの取引額を増やすことができます。既存顧客との継続的な接点を維持しながら、顧客の事業課題の変化をキャッチすることが深耕の出発点です。

付加価値提案への転換

単なる「機能・仕様の説明」から「成果・変化の保証」へと提案の軸をシフトすることで、価格交渉から脱却できます。顧客が得られる具体的な成果(業務効率化・コスト削減・リード数の向上など)を具体的に訴求できると、価格だけで比較されにくくなります。

長期契約・定期更新モデルの活用

単発の取引から、年間・複数年の契約や月額型への移行を検討することも有効です。1回の商談から得られる受注額を大幅に高めることができます。長期取引の中で信頼関係が深まると、さらなる範囲拡大の機会も生まれます。

価格設計の見直し

時間や工数を基準とした価格設定は、どうしても価格競争に巻き込まれがちです。成果に基づいた価格設定や、顧客が得る価値に連動した価格設計に移行することで、商談単価を構造的に引き上げることができます。自社の強みと市場ポジションを踏まえた価格設計の再設計が重要です。

企業の成長段階と業種別に見る施策の選び方

受注拡大の施策は、業種や企業の成長段階によって有効なものが異なります。「何でも試す」のではなく、自社の状況に合った施策を絞り込むことが重要です。以下のマトリクスを参考に、自社の状況に当てはまる組み合わせから施策の優先順位を考えてみてください。

業種 立ち上げ期 停滞期 成長期
製造業(下請け) 比較メディア・展示会 営業代行・新市場開拓 強み強化・既存深耕
IT・SaaS オウンドメディア・紹介 オウンドメディア強化・単価向上 組織営業・アライアンス
法人向けサービス 紹介・共催セミナー アウトバウンド強化 既存深耕・単価向上
専門職・士業 紹介・比較メディア 専門性発信・紹介強化 高単価特化・法人開拓
卸売・商社 テレアポ・DM 営業代行・リスト活用 アライアンス販売

立ち上げ期の戦略

立ち上げ期は、まず「認知」と「信頼構築」が最優先です。コストの低い施策から始め、受注パターンが見えてきたら拡張する順番が理想的です。特に紹介・比較メディアの活用は、初期投資を抑えながら質の高い商談を獲得できる手段として有効です。この時期に「選ばれる理由」の仮説を検証しながら磨いていくことが、後の成長フェーズへの土台になります。

停滞期の戦略

停滞期は、現状の打ち手が機能していないことを認識した上で、新しいチャネルへの投資か、受注率・単価の改善に集中するかを選択する必要があります。既存顧客への深耕で「止血」しながら、新規チャネルを育てる二正面作戦が有効なことが多いです。自社の強みを再定義し、ポジショニングを見直すことで突破口が開けるケースも少なくありません。

成長期の戦略

成長期は、組織として再現性を持って受注できる仕組みを整えることが重要です。属人営業からの脱却、パートナー・アライアンス展開、高単価顧客への集中といった方向性が考えられます。オンラインマーケティングは年々市場規模を拡大しており、時代に合った手法で効率よく受注拡大を目指すのであれば、オンライン施策の活用が重要になります。いずれのフェーズでも、「選ばれる理由」を磨き続けることが受注拡大を持続させる根本的な取り組みです。

自社に合った施策を相談する

受注拡大で見るべき指標と数値管理の考え方

受注拡大に取り組む際、適切な指標を設定して定期的に確認することが重要です。施策を実行しながら「何が効いていて、何が効いていないか」を把握することで、次の打ち手を正確に判断できます。以下の5つの指標を最低限管理しておくことをおすすめします。

商談数(パイプライン数)

一定期間内に発生した商談の件数です。商談数の推移を追うことで、集客施策の効果を把握できます。月次・四半期での管理が基本です。KPIとして商談数の目標値を設定し、進捗状況を定期的に振り返ることで、施策の方向性を調整できます。

受注率(成約率)

商談に入った案件のうち、成約に至った割合です。受注率が低下している場合は、リードの質・提案力・競合状況の変化のいずれかを疑います。受注・失注の理由を言語化して蓄積することで、改善の方向性が見えてきます。

商談単価(平均受注額)

1件の受注から得られる平均的な受注額です。単価の推移を見ることで、付加価値提案や価格設計の改善効果を確認できます。単価が下がり続けている場合は、価格競争に巻き込まれているサインとして注意が必要です。

商談から受注までの期間

商談が発生してから受注に至るまでの平均期間です。この期間が短縮されると、同じ商談数でも受注の回転率が上がり、年間の受注総額が増えます。また期間が長い案件は失注リスクも高くなるため、プロセスのどこで滞留が起きているかを把握することが重要です。

顧客あたりの平均取引額

既存顧客1社あたりの平均年間取引額です。既存顧客深耕の効果や、追加提案・関連提案の成果を測定するのに使います。この数値が増えているかどうかで、既存顧客への価値提供が適切かどうかを判断できます。

これらの指標を管理するためにSFAやCRMの導入を検討している企業も多いですが、ツールはあくまで手段です。まず「何を見るべきか」の指標設計を行い、その後にデータを集める仕組みを整えるという順序が重要です。ツールを導入することが目的にならないよう注意しましょう。

まとめ:受注拡大に向けた次の一歩

本記事では、受注拡大の本質と戦略設計の考え方を解説しました。最後に、3つの重要なポイントを振り返ります。

第一に、受注拡大は「商談数×受注率×商談単価」の掛け算で捉えることが重要です。どこにボトルネックがあるかを特定してから施策を選ぶことで、効果が出やすくなります。思いつきで施策を並べるのではなく、まずこの公式で自社の課題を分解することが出発点です。

第二に、施策を選ぶ前に「自社が選ばれる理由」を設計することが、値引き競争から抜け出すための起点です。購買決定要因の言語化とポジショニングの設計が、すべての施策の質を上げます。自社の強みを理解した顧客が増えれば、受注単価・受注率ともに向上していきます。

第三に、業種や成長フェーズによって有効な打ち手は異なります。自社の状況を分析し、最も効果が出やすいところから始めることが、着実な受注拡大への道です。近年はオンラインによる施策を重視する動きが目立ちますが、自社の業種・顧客特性に合わせてオフライン施策と組み合わせることも大切です。

キャククル運営元のZenkenでは、120業種以上のWeb集客支援実績を持っており、様々な集客・営業課題を解決してきました。受注拡大のために人材を一気に拡充することが難しい場合でも、集客の質を強化し、少ない労力で多くの成約を上げる体制を構築するという発想が有効です。成約率の高い集客を行って効率的に受注拡大をしていきたいという方針があれば、お力になれますので、お気軽にご相談ください。

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