作業員の位置監視・管理システムは、作業員の位置や稼働状況をリアルタイムで把握するためのソフトウェアです。建設現場や製造業における高齢化や人手不足、さらには残業規制の厳格化などに伴い、作業員の安全確保と現場管理の効率化が急務となっています。位置監視・管理システムを導入することで、現場全体のリソース配置を最適化し、工程の遅延やトラブルを早期に発見することが可能です。
作業員の位置管理を目的にシステムを選ぶ際は、現在地の確認だけでなく、入退場や移動履歴、エリアごとの滞在時間をどこまで把握したいかを整理することが大切です。本ページでは、導入時の負担が少ないクラウド型プラットフォームから、バイタルデータを取得できるウェアラブル端末まで、各システムの強みや特徴を比較紹介します。現場の環境や課題に合わせたソリューション選びにお役立てください。
本ページで紹介している掲載企業のうち、一部の資料は下記よりダウンロードが可能です。比較検討の参考にご活用ください。
作業員位置監視・管理システムの一覧
「対応できる業務」は、危険エリア通知・緊急時通知・体調データ把握・行動履歴確認の4項目で比較しています。
判定基準:各サービスの公式公開情報を基に整理しています(2026年10月14日確認)。「対応」は該当機能あり、「一部対応」は対応範囲に限定あり、「不明」は公開情報だけでは判断できない項目です。「不明」は非対応を意味しません。オプション・連携・機器構成が必要な場合は各セルに条件を添えています。緊急時通知はSOSや転倒・無動作などの通知、行動履歴確認は位置・滞在・作業記録の振り返りを指します。体調データの取得は診断機能を意味しません。
| 会社名 | サービスの特徴 | 向いている企業 | デバイスの形状 | 対応できる業務 |
|---|---|---|---|---|
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【PR】大規模建設現場の人員をリアルタイムに可視化する施工管理IoT
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複数の大規模現場を抱える中堅~大手ゼネコン
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スマートバッジ等の小型デバイス
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危険エリア通知:対応
緊急時通知:対応(SOS・落下検知) 体調データ把握:不明 行動履歴確認:対応(滞在・勤怠記録) |
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GenVital LTE |
位置情報と体調をリアルタイム把握できる中継器不要のLTEリストバンド |
1現場100~200人規模の作業員を抱える
中堅~大手の建設・プラント会社 |
スマートウォッチ型
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危険エリア通知:不明
緊急時通知:対応(SOS・転倒検知) 体調データ把握:対応(心拍など) 行動履歴確認:不明 |
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ワーカーコネクト |
LoRaWANネットワークで広範囲の現場をカバーする見守りサービス |
中小~中堅の建設・製造・設備保全会社
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腕時計型センサー
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危険エリア通知:不明
緊急時通知:対応(SOS・転倒検知) 体調データ把握:対応(心拍・皮膚表面温度) 行動履歴確認:対応(CSV出力) |
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ガーディアン |
リストバンド型センサで作業員の脈拍や暑さストレスを遠隔監視 |
中小~中堅の工場・建設・設備保全会社
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リストバンド型
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危険エリア通知:不明
緊急時通知:不明 体調データ把握:対応(脈拍・暑さストレス) 行動履歴確認:不明 |
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作業者みまもりサービス |
スマートフォン不要のリストバンド型端末で脈拍や位置情報を一括管理 |
中堅~大手の製造・プラント・建設会社
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リストバンド
ペンダント 専用端末 防爆スマートフォン等 |
危険エリア通知:不明
緊急時通知:対応(SOS・転倒転落検知) 体調データ把握:対応(機器構成による) 行動履歴確認:不明 |
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3D K-Field |
3Dマップ上で現場を再現し作業員の位置と安全をリアルタイムに把握 |
大手・準大手ゼネコンや大規模工場
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IoTセンサ
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危険エリア通知:対応
緊急時通知:不明 体調データ把握:対応(外部サービス連携) 行動履歴確認:対応 |
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作業員位置管理システム(シーサイト) |
次世代LPWA通信「ELTRES」を活用した位置情報・軌跡管理 |
中小~中堅の土木・建設会社
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超小型端末(約35g)
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危険エリア通知:不明
緊急時通知:不明 体調データ把握:不明 行動履歴確認:対応(軌跡表示・CSV出力) |
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船員位置管理システム |
港湾工事や作業船の作業員をスマートフォンで監視し労働災害リスクに対応 |
港湾工事・海洋土木・作業船を扱う
中堅~大手施工会社 |
スマートフォン(専用アプリ)
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危険エリア通知:対応
緊急時通知:対応(無動作検知) 体調データ把握:不明 行動履歴確認:不明 |
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モスダッド |
動態管理から位置把握までスマートフォンの地図で作業員を一括可視化 |
小~中規模の現場チームを複数抱える
建設・測量・フィールドサービス企業 |
スマートフォン
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危険エリア通知:一部対応(登録地点への接近警告)
緊急時通知:不明 体調データ把握:不明 行動履歴確認:対応(作業記録・日報) |
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BLEモバイル・ロケーション |
ハンディターミナルとBLEビーコンで手軽に実現する位置検知 |
中小~中堅の工場・倉庫・研究施設
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Androidハンディターミナル
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危険エリア通知:不明
緊急時通知:不明 体調データ把握:不明 行動履歴確認:対応(データ記録・CSV出力) |
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ID-Watchy |
IoTセンサーと映像の連携で作業員の動線やバイタルを高精度に可視化 |
複数工程・複数エリアを持つ
中堅規模以上の工場・倉庫 |
ウェアラブル端末
IoTセンサー |
危険エリア通知:対応(機器構成による)
緊急時通知:対応(ウェアラブル連携) 体調データ把握:対応(ウェアラブル連携) 行動履歴確認:対応 |
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安全見守りくん |
ウェアラブルで現場の異変を即時検知する安全管理ソリューション |
大手製造業・鉄鋼・化学・石油などの
大規模工場・プラント |
スマートフォン
ウェアラブルカメラ 環境センサー |
危険エリア通知:不明
緊急時通知:対応(転倒・転落検知) 体調データ把握:対応(機器構成による) 行動履歴確認:対応(軌跡の振り返り) |
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CAGER |
電池内蔵のアクティブICタグで長距離を検知する |
中小~中堅の工場・倉庫・施設
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電池内蔵アクティブICタグ
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危険エリア通知:対応(機器構成による)
緊急時通知:対応(ボタン発信) 体調データ把握:不明 行動履歴確認:不明 |
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作業員位置監視システム(ヘルツ電子) |
GPSが届かない広大な現場でも自営無線通信で広範囲をカバーするシステム |
中堅~大手の土木・地下工事・大規模製造会社
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専用送信機
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危険エリア通知:不明
緊急時通知:不明 体調データ把握:不明 行動履歴確認:不明 |
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エアロスカウト |
既存のWi-Fi網を活用し低コストで導入できる位置監視・管理システム |
既に業務用Wi-Fiを整備している
中堅~大手の工場・病院・倉庫 |
バッジ型
リストバンド型タグ |
危険エリア通知:対応(条件設定)
緊急時通知:対応(緊急呼び出し) 体調データ把握:不明 行動履歴確認:対応(蓄積データ分析) |
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GeoMation |
屋内・屋外を問わず作業員の位置を途切れず連続して把握できるシステム |
大手・準大手の製造、プラント、土木会社
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スマートフォン
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危険エリア通知:対応(安全支援オプション)
緊急時通知:不明 体調データ把握:不明 行動履歴確認:対応(安全支援オプション) |
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作業者安全モニタリングシステム(村田製作所) |
ヘルメット装着で作業員の位置と安全を一元管理 |
中堅~大手の建設・製造・鉄鋼・自動車・物流会社
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ヘルメット後付けデバイス
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危険エリア通知:対応(オプション)
緊急時通知:対応(SOS・転倒落下検知) 体調データ把握:対応(心拍センサ連携はオプション) 行動履歴確認:不明 |
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リモートモニタリングシステム(古野電気) |
位置や体調環境を一元管理する建設現場向けモニタリング |
中堅~大手ゼネコン・サブコン
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BLEタグ
温湿度・バイタルセンサー |
危険エリア通知:不明
緊急時通知:不明 体調データ把握:対応(バイタルセンサー連携) 行動履歴確認:対応(CSV出力) |
作業員位置監視・管理システムおすすめ18選の詳細情報
作業員位置監視・管理システムとは?現場管理に求められる役割
作業員位置監視・管理システムとは、建設現場や工場において作業員の位置や稼働状況をリアルタイムで把握するための仕組みです。近年は人手不足や高齢化、働き方改革の影響により、限られた人員で安全性と生産性を両立する必要性が高まりつつあります。
作業員の位置管理では、現在地の確認に加え、入退場や移動履歴、エリアごとの滞在時間などを日々の現場管理に活用します。位置監視と位置管理は機能が重なるため、製品名だけで区別せず、所在確認・安全確認と人員配置・作業実績の把握のうち、どの用途まで対応できるかを比較しましょう。
2025年の労働災害による死亡者数は、建設業214人、製造業115人でした。両業種とも前年から減少した一方、重大事故への備えは引き続き必要です。また、同年の職場における熱中症による死傷者数は、全業種で1,803人に上りました。この数字は死亡者と休業4日以上の被災者を対象としており、軽症を含むすべての発症件数ではありません。
広い敷地や見通しの悪い建屋では、管理者の巡回や口頭連絡だけで全員の所在を確認するには限界があります。危険区域への立ち入りや単独作業の状況を把握し、異常の連絡を受けた際に作業員のいる場所を確認できる仕組みを整えることが重要です。位置情報の可視化は、現場の安全確認と初動対応を補助する手段となります。
※労働災害の死亡者数は、新型コロナウイルス感染症による災害を除く確定値です。熱中症の死傷者数は建設業だけでなく全業種の集計です。いずれも位置管理不足が原因の災害件数や、システムの導入効果を示す統計ではありません。
【参考元】
・厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況を公表」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73382.html)
・厚生労働省「令和7年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73330.html)
確認日:2026年10月14日
作業員位置監視・管理システムのメリットと導入効果
作業員位置監視・管理システムを導入することで、建設現場や工場、インフラ点検などの現場において、作業員の安全確保と業務効率化を同時に進めやすくなります。従来は目視や無線連絡に頼っていた作業員の所在確認をシステム上で可視化できるため、現場全体の状況把握やトラブル時の初動対応がスムーズになります。それぞれのメリット・導入効果を見ていきましょう。
作業員の所在をリアルタイムで把握できる
広い現場にまたがる作業では、誰がどこにいるのかを把握するだけでも時間がかかります。位置監視・管理システムを活用すれば、作業員の現在地をリアルタイムに確認できるため、点呼や人員配置の確認がスムーズになります。緊急時にも対象者の位置をすぐに把握でき、救助や避難誘導の初動を早められる点は大きなメリットです。
危険エリアへの侵入を検知し、事故リスクを低減できる
一部の作業員位置監視・管理システムでは、重機の稼働エリアや立入禁止区域、高所・狭所などの危険エリアを設定し、作業員が接近・侵入した際にアラートを出すことができます。これにより、管理者が危険を早期に把握し、事故が発生する前に注意喚起や退避指示を行いやすくなります。特に、複数の作業が同時進行する現場では、作業員同士や重機との接触リスクを抑える効果が期待できます。
無駄な移動や待機時間を削減できる
作業員の動線や滞在時間を可視化することで、現場内の非効率な動きを把握しやすくなります。例えば、「資材置き場までの移動が多い」「特定の工程で待機時間が発生している」といった課題をデータから確認できます。こうした情報をもとに、作業手順や人員配置、資材配置を見直すことで、移動時間や待機時間の削減につながります。
勤務時間や作業実績の記録を効率化できる
位置情報や入退場データを活用することで、作業員の勤務時間や現場滞在時間、作業エリアごとの実績を自動で記録しやすくなります。手書きの日報や口頭報告に頼る運用では、記入漏れや集計ミスが発生しやすいですが、システム化することで管理業務の負担を軽減できます。勤怠管理や原価管理の精度向上にもつながります。
現場管理者の判断を支援できる
作業員の位置や稼働状況が可視化されると、管理者は現場の状況を感覚ではなくデータに基づいて判断できます。人員が不足しているエリア、作業が滞っている工程、危険エリアに近づいている作業員などを把握できれば、早めの配置変更や注意喚起が可能です。現場全体を俯瞰しながら管理できるため、安全性と生産性の両立に役立ちます。
作業員位置監視・管理システムの種類と特徴
作業員位置監視・管理システムは、位置情報を取得する方式と、対応する現場環境で比較すると違いが分かりやすくなります。屋外の広い敷地で現在地を把握したいのか、建屋内のエリアや作業場所まで確認したいのかを先に整理しましょう。
| 種類 | 向いている場面 | 導入前に確認すること |
|---|---|---|
| GPS・GNSS型 | 広い屋外の敷地や、離れた現場での所在確認 | 衛星電波の受信状況、建屋内での補完方法、データ送信の通信環境 |
| BLEビーコン型 | 建屋内のエリア・フロアごとの所在や滞在状況の確認 | 受信器などの設置箇所、金属・壁の影響、エリア検知か座標測位か |
| Wi-Fi型 | 無線LANを整備した工場・倉庫・施設内での位置管理 | 既存アクセスポイントの利用可否、測位用の配置・設定、タグへの対応 |
| UWB型 | 設備や通路など、屋内の位置を細かく把握したい場合 | 基準点となる機器の設置、遮蔽物、実環境での測位誤差と更新間隔 |
| 複合測位型 | 屋内と屋外を行き来する現場での継続的な所在確認 | 方式を切り替える場所、測位の空白時間、表示・履歴のつながり |
※上記は比較のための分類です。同じ製品が複数の方式を利用する場合があります。測位精度や対象範囲は方式名だけで決まらず、製品仕様・機器配置・現場環境によって変わります。
GPS・GNSS型は広い屋外の所在確認に向く
GPSを含む衛星測位システム(GNSS)の電波を利用して現在地を取得します。現場側に測位用の受信器を配置する方式とは異なり、衛星電波を受信できる屋外の広い敷地や、離れた作業場所の位置を地図上で確認したい場合に向いています。
一方、一般的な受信機では屋内・地下・トンネルなどで衛星電波を受信しにくく、高い建物の周囲でも誤差が生じることがあります。建屋内まで管理したい場合は、屋内測位の方式を併用できるかを確認しましょう。取得した位置情報を管理画面へ送るには、別途通信環境も必要です。
【参考元】内閣府「みちびき FAQ」(https://qzss.go.jp/overview/faq/index.html)、「衛星測位サービス」(https://qzss.go.jp/overview/services/sv04_pnt.html)
BLEビーコン型は屋内のエリア管理に活用しやすい
Bluetooth Low Energyの電波を使い、タグやビーコンと受信器などを組み合わせて位置を把握します。作業員がどの作業エリアにいるか、各エリアにどの程度滞在しているかを確認したい現場で候補になります。構成によって、作業員側が発信する方式と、現場側のビーコンを端末で受信する方式があります。
BLEでも、電波の強さで位置を推定する方式と、電波の到来方向を使うAoAなどでは仕組みが異なります。「エリア単位で分かればよい」のか「座標を細かく知りたい」のかに合わせて選んでください。金属設備やコンクリート壁、電波の反射・干渉の影響も受けるため、稼働中の現場で検証することが大切です。
【参考元】Bluetooth SIG「Direction Finding」(https://www.bluetooth.com/learn-about-bluetooth/feature-enhancements/direction-finding/)
NEC「製造プラントにおける作業員の安全見守りに関する実証実験」(https://jpn.nec.com/press/202308/20230803_01.html)
Wi-Fi型は無線LAN設備を活用した屋内管理の候補になる
Wi-Fiタグなどの電波をアクセスポイントで受け、位置情報を取得する方式です。工場や倉庫、施設内で既存の無線LANを活用できる製品もあり、位置情報と温度などのセンサーデータを同じシステムで扱う構成もあります。
ただし、通常のインターネット接続に十分なWi-Fiがあるだけで、希望する位置測位まで実現できるとは限りません。アクセスポイントの互換性、測位に必要な台数・配置、タグや管理ソフトの対応を確認しましょう。既存設備をどこまで使え、追加で何を設置するかを分けて見積もると、導入負担を比較できます。
【参考元】アイランドシックス「AeroScout RTLS・IoT」(https://www.iland6.com/iland6-product/aeroscout/)
UWB型は屋内の位置を細かく把握したい場合に検討する
超広帯域の電波を用い、信号の伝わる時間などから距離を測定して位置を求める方式です。作業員が携行するタグと、位置の基準となるアンカーなどを組み合わせます。広いエリアへの滞在確認よりも、設備や通路に対してどこにいるかを細かく見たい場合の候補になります。
導入時には、対象範囲に合わせた基準点の配置や通信・電源を含む設置計画が必要です。遮蔽物のある状態での誤差や、位置情報の更新間隔も確認しましょう。危険区域との関係を把握する用途では、希望する境界を判別できる精度があるかに加え、警告通知などの機能が製品にあるかを個別に確認する必要があります。
【参考元】FiRa Consortium「How UWB Works」(https://www.firaconsortium.org/discover/how-uwb-works)
複合測位型は屋内外を行き来する現場に適する
屋外ではGNSS、屋内ではBLEやWi-Fiなど、複数の方式を組み合わせて位置を管理します。屋外の作業区域と建屋の間を移動する現場や、単一の方式では測位できない場所が残る現場で検討したい構成です。
方式を切り替える際に位置の更新が途切れないか、同じ管理画面で履歴を追えるかを確認してください。どの場所でどの方式を使うのかが曖昧だと、管理したい区域に空白が残るため、導入前に対象範囲を図面上で整理することが重要です。
LPWAは主にデータを送る通信方式で、ウェアラブルは端末の形状、クラウド型は情報を管理する構成です。これらは測位方式とは分けて比較しましょう。LPWAの利用エリアや送信間隔、端末の電池交換・充電、クラウドへの接続条件まで確認すると、現場で継続運用できるかを判断しやすくなります。バイタルデータの収集は対応製品の付加機能であり、位置測位だけで体調異常を判定できるわけではありません。
【参考元】内閣府「東京駅周辺の屋内外シームレス測位実験」(https://qzss.go.jp/info/archive/tokyo_160217.html)、「みちびき対応の見守り位置情報端末」(https://qzss.go.jp/usage/userreport/mimamori_200316.html)
アイランドシックス「hoopo 屋外位置管理ソリューション」(https://www.iland6.com/iland6-product/hoopo/)
作業員位置監視・管理システムを選ぶ際に重視したいポイント
機能数の多さだけでなく「現場に負担をかけずに導入・運用を進められるか」を重視することが重要です。建設業界ではデジタル機器に不慣れな作業員も多く、複雑な操作が必要なシステムは定着しにくい傾向が見られます。
現場でのスマートフォン操作やデータ入力といった手間が少なく、専用のタグを身に着けるだけで完結する仕組みであることに加え、コスト削減や安全性向上といった成果をしっかりと得られるかが選定のポイントとなるでしょう。管理者側の機器教育の負担を抑えつつ、作業員の本来の業務を妨げずに導入できるツールを選ぶことが大切です。
作業員の位置管理に必要な機能を確認する
位置情報を何に使うかによって、必要な機能は異なります。作業員の現在地を知りたいのか、入退場や作業実績まで管理したいのかを決め、次の3点を確認しましょう。
測位範囲と精度:屋内・屋外・地下など、実際の作業場所で位置を取得できるか。フロアやエリア単位で十分か、より細かな位置が必要かを確認します。
更新間隔と通信断への対応:位置情報が何秒・何分おきに更新されるか。通信が途切れた際に、最終取得位置と取得時刻を確認できるかも比較します。
記録と集計:入退場、移動履歴、エリア別の滞在時間など、必要なデータを保存・集計・出力できるか。記録できる項目と保存期間は製品ごとに確認します。
滞在時間と実際の作業時間は必ずしも一致しません。作業実績の管理にも使う場合は、作業内容・工程情報との紐づけや、日報への反映方法まで確かめましょう。
【参考元】
・日立システムズエンジニアリングサービス「ロケーション管理サービス」(https://www.hitachi-systems-es.co.jp/service/beacon/)
・古野電気「建設現場向けリモートモニタリングシステム」(https://www.furuno.com/jp/construction-dx/remote-monitoring/index.html)
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