間接材向け購買管理システムは、間接材の購入が多岐にわたり、多数のサプライヤーと取引がある企業には、購買プロセスの効率化や購買部門の負担やコスト削減をしたい企業に向いている購買管理システムです。
導入をする際は既存システムと連携可能なシステムや用途ごとにカスタマイズできるシステムなど、各社搭載している機能はさまざまです。現場の声を丁寧にヒアリングし間接材購買における自社のニーズを明確にした上で、より現場にマッチしたシステムを選んでいきましょう。
当ページでは、国内で広く利用されている代表的な間接材売買管理システム14社をピックアップし、それぞれの特徴を比較しながら紹介します。
間接材購買管理システム比較一覧表
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
Biznet購買管理プラットフォーム |
間接材の購買管理をトータルサポート!同じ商品の最安値を瞬時に抽出できる
|
APMRO |
コスト削減・ガバナンス強化・業務効率化を同時に目指す |
BtoBプラットフォーム TRADE |
既存の基幹システムや会計システムとの連動も可能 |
reprua(リプルア) |
研究者の声から開発された研究業界特化型の購買管理システム |
べんりねっと |
充実した機能が特徴で購買の見える化を実現。大手企業の導入実績が豊富 |
PROCURESUITE(プロキュアスイート) |
法令対応からコスト削減まで調達業務のプロフェッショナルツール |
ジームクラウドPC |
調達計画作成や外部システム連携などの多彩な機能を搭載 |
ウチダエスコのコスト削減サービス |
導入ハードルが低い成果報酬型で効率的な購買管理を実現 |
楽々Procurement |
各企業・各現場に合わせて機能を柔軟に組み合わせられる |
Hi-PerBT購買管理 |
取引情報をリアルタイムで共有。サプライヤーとの連携がもっと簡単に |
トラミル |
見積から支払依頼まで個人に依存しないプロセスを維持 |
SAP Ariba |
カタログ購買から契約管理まで多様な購買ニーズに対応する柔軟な機能を提供 |
SOLOEL(ソロエル)購買システム |
34社の大手サプライヤーと連携。最適価格での購買を実現 |
間接材購買管理システムとは?
間接材購買管理システムとは、直接的に商材となるものではない品目(文具、工具、事務用品、燃料、販促品など)の購買管理を効率化するシステムのこと。見積取得や発注処理、検収処理など、従来は人の手によって行われていた様々なプロセスにシステムを導入することで、煩雑で時間を要した間接材の購買の迅速化・正確化・省人化などを測ります。
間接材と直接材の違い
間接材と直接材の違いを確認しておきましょう。
間接材とは
間接材とは、その企業が提供している商品・サービスとは直接的な関係のない物品のこと。例えば製造業の場合、工具や燃料などは不可欠な物品であるものの、販売する商品を構成するものではありません。あるいはサービス業であれば文房具やレジなどが不可欠な物品となりますが、いずれも提供するサービスを直接構成するものではありません。
これらのように、商品やサービスを直接構成するものではないものの業務に不可欠な物品のことを、間接材と言います。
直接材とは
直接材とは、商品やサービスを直接構成する物品を言います。例えば自動車製造工場の場合、金属ボディやタイヤは商品を直接構成する物品なので、直接材となります。あるいは美容院の場合、ハサミやシャンプーはサービスを直接構成する物品なので、直接材となります。
企業のコスト戦略では間接材購入の見直しが重要
企業活動を中心的に支える直接材については、大量発注や交渉による価格の最適化等を通じ、基本的にはどの企業でもコスト戦略を構築済みです。
一方で間接材については、拠点や部署や担当者によって発注先が異なったり最安値の検索プロセスがバラバラだったりなどし、必ずしも購入価格が最適化されていません。これが、企業のコスト戦略において、直接材よりも間接材の購買管理が重要とされているゆえんです。
自社に合った間接材購買管理システムの選び方
間接材購買管理システムを選ぶときのポイントを3つほど確認しておきましょう。
既存システムと連携可能か?
基幹システムや会計システムを導入済みの企業においては、既存システムに連携できる間接材購買管理システムを導入することが大切です。もし連携できない場合、導入によりお金の流れを追えなくなるなど、様々なトラブルの発生が想定されます。
誰にとっても使いやすいか?
間接材は、基本的に全ての部署で発注が必要となるものです。すぐにでも注文しなければならない間接材もあるでしょう。
そうである以上、部署の誰もが簡単に使えるシステムであるべきです。一部の担当者しか使えない難解なシステムを導入すると、間接材購買における属人化やコンプライアンスの乱れが生じる可能性もあります。
部署に適したカスタマイズができるか?
部署によっては間接材のカタログの種類や購買プロセス等が異なるため、それぞれの部署に合わせて画面や登録内容等をカスタマイズできれば理想的です。
仮に部署ごとの仕様が異なっても、全社的には購買管理を一元化できるシステムを選びましょう。
間接材購買管理システムを導入するメリット
間接材購買管理システムを導入する主なメリットを3点ほど見てみましょう。
間接材購買におけるコストや工数が削減される
間接材購買においてファックスや電話、手書きの伝票などを使用している場合、間接材購買管理システムを導入することで、購買に掛かるコストや工数が大きく削減されます。
社内のペーパレス化にも貢献するため、印刷コストの削減にもつながるでしょう。
購買プロセスにおける人為的ミスの削減につながる
間接材購買管理システムでは、商品検索や見積、発注、検収などの一連のプロセスがパターン化され、入力項目も最小限に抑えられているので、購買におけるミスが起こりにくくなります。
誤発注、過発注、発注漏れなどの人為的ミスは、ほとんど起こらなくなるでしょう。
間接材の購買活動を根本的に改善できる
間接材購買管理システムを通じた購買履歴は、さかのぼって内容を確認したりデータ化して分析したりすることも可能です。
これらの機能を有効に活用することで担当者の直感的な購買活動を適正化できたり、より全社的な利益となる購買プロセスを開発できたりなど、間接材の購買における根本的な改善を目指すことが可能となります。
間接材購買管理システムの主な機能
多くの間接材購買管理システムに見られる主な機能を確認しておきましょう。
カタログ検索機能
キーワード検索やカテゴリ検索、履歴検索などの様々な機能からカタログ内の商品を検索することが可能。複数社のカタログで選択した商品を1つの間接材購買管理システムでまとめて購買することもできます。
横断検索機能
複数のカタログサイトをリアルタイムで横断的に検索することが可能。その時点での最安値商品を見つけられます。
受発注機能
注文データ連携や帳票一括印刷など、受発注に関連する様々な機能が搭載されています。
見積機能
一般的な見積はもちろんのこと、複数のサプライヤーに対する同時見積り(相見積)が可能なシステムもあります。
検収機能
一括して検収ができる機能などが搭載されています。
事例でわかる間接材向け購買管理システム導入効果
グループ全体で発注工数を50%削減。利用者の6割はコスト削減も実感
カルビー株式会社では、グループ内で使用する間接材における購買システムを複数併用しており運用が複雑になっていた。管理工数の増大や購買分析に課題を抱えていたため、購買管理システム更改プロジェクトを実施。複数のサービスを比較検討した結果、連携サプライヤの豊富さや、内部統制への強化、コスト削減の可能性などに注目して「べんりねっと」を採用した。 活用開始から10年近くが経過し、現在は購入可能商品数が導入前の十数倍に増えることで商品選択の幅が拡がるとともに、多くの利用者がコスト削減を実感。さらに見積取得や価格比較などの発注工数も削減した。 購買部門による単価交渉により見積取得や価格比較などの発注工数がおよそ50%削減され、サイト間一括検索機能の導入で価格比較作業が30分から数分に短縮された。また、購買実績データを活用したサプライヤとの価格交渉やユーザ啓蒙によって、発注者の約6割が10%以上のコスト削減を実現している。
参照元:ベンリネット公式HP(https://www.benrinet.com/case/calbee.html)
SAP Aribaと購買管理プラットフォームを連携し、旧システムと同水準の業務効率化を維持
中部電力株式会社では、物品購入の中でも少額な間接材の購買にビズネットの購買管理プラットフォームを活用していた。旧自社開発システムからSAP Aribaへの切り替えに伴い、電子決裁による完全ペーパーレス化を実現。SAP Aribaと購買管理プラットフォームのシームレスなシステム連携を通じて、従来の業務効率化水準を継続することができた。 特に、連携開発期間中は本番に近い検証環境を構築し、繰り返しテストを実施。本番稼働初日も大きな混乱なくスムーズに移行できた。また、導入後は発注エラー時の迅速なサポートや、納品書の宛名対応など細やかな支援体制が評価されている。 結果として、以前と同じ操作感覚のまま新システムを利用できることで、ユーザー側の混乱を軽減。今後は什器やオフィス家具などの品目拡充を見据え、さらなるカタログ購買の活用拡大を目指している。
参照元:ビズネット公式HP(https://www2.biznet.co.jp/case/1304/)
購買業務の大幅な削減と効率化、コスト削減に成功
一定条件に合致した品目、役務に関する見積もり業務は「パーチェスワン購買センター」で対応してもらっています。 パーチェスワンが複数の登録サプライヤーから取得した見積もりを、調達部がシステムを通じて、価格含めた複数条件により公正に比較し、購入先を選定するフローにしたことで、購買業務の大幅な削減、調達部のリソースの最適化を推進してくれています。 複数社からの比較見積もりの運用や、サプライヤーに関する情報収集などのサプライヤー調査、新規サプライヤーの発掘、招聘などをアウトソースすることで、パーチェスワンによって戦略的に競争環境が作られるため、サプライヤー運用に関する業務負荷は軽減しつつ、コスト削減にも貢献していただいています。 複数条件を組み合わせた多段階ワークフローによる承認、見積もり比較機能や、サプライヤー選定過程の見える化、各種見積もり関連データなどもパーチェスワンの中で一元管理できています。進捗管理や履歴管理の観点としても有効に機能しており、内部統制の強化としても役立っています。
参照元:パーチェスワン公式HP(https://www.purchaseone.info/case/detail3.html)
間接材向け購買管理システムの料金相場
間接材購買管理システムの費用は、導入規模や機能によって幅があります。クラウド型であれば初期費用ゼロから、月額5万円~年額600万円とさまざまです。オンプレミス型は初期費用や保守運用費が高くなる傾向です。タイプ | 初期費用 | 月額/年額費用 |
---|---|---|
クラウド型 | 0~10万円 | 1人あたり1,000~3,000円/月 |
パッケージ型 | 100万~1,000万円 | 10万円/月前後 |
オンプレミス型 | 100万~1,000万円 | 数万円~/月 |
導入時は、単なる導入費用だけでなく、システムを使い続ける総コスト(TCO)や、どれだけ業務効率化・コスト削減が見込めるかもあわせて検討しましょう。
間接材購買管理システムに関するよくある質問
Q1. 間接材向け購買管理システムとはどんなシステムですか?
間接材向け購買管理システムは、文具や工具、燃料、事務用品など、商品やサービスを直接構成しない物品の購買プロセスを効率化するためのシステムです。見積取得や発注など一連の業務をデジタル化し、コスト削減や業務効率化、購買履歴の可視化を実現できます。
Q2. 導入時に比較・選定する際のポイントは?
導入時は、導入しようとしているシステムが自社で使っている既存システムとの連携可否かどうか確認しましょう。また、誰でも使いやすい操作性y部署ごとのカスタマイズ性も比較ポイントとなります。
Q3. 間接材向け購買管理システム導入のメリットは?
システム導入のメリットとしては発注・見積・検収などの工数削減とペーパレス化、誤発注・過発注など人為的ミスの防止、購買履歴データの活用によるコスト最適化やガバナンス強化やサプライヤー比較や最安値検索によるコストダウンといった点が挙げられます。
間接材購買管理システムのまとめ
間接材購買管理システムは、どのメーカーのものでも基本的な機能こそは同じであるものの、細かい機能において異なる面も多いため、自社のニーズに適合したシステムを選ぶことが大事です。
間接材購買は現場単位で行われることから、トップダウン型でシステムを決めるのではなく、ボトムアップ型で現場のニーズを丁寧にヒアリングしてからシステムを決めるようにしましょう。
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- 本記事は、2023年10月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。