SES事業における研修は、単なる新人教育ではなく、収益を左右する重要な投資です。
この記事では、新人・未経験者を早期に戦力化したいSES企業に向けて、キャリア支援や実務演習などに強みを持つ11社の研修サービスを一覧で紹介します。各社の特徴や導入メリットを比較し、自社に最適なパートナー選びにお役立てください。
また、紹介している掲載企業のうち、一部の資料は下記よりダウンロードが可能です。比較検討の参考にご活用ください。
| 会社名 | サービスの特徴 |
|---|---|
ウズカレBiz |
「配属される人材」を育てるキャリア支援まで組み込んだ研修
|
CREW |
少人数チーム制と専属コーチで、学習継続率を高める研修 |
リアプロ |
実務経験になるプロジェクト形式のJava実践研修 |
SAMURAI ENGINEER Biz |
課題や目的に応じてカリキュラムを柔軟に設計できるオーダーメイド型 |
インターネット・アカデミー |
Web技術に強く、標準仕様に準拠した専門性の高いIT研修 |
Global Knowledge |
公式ベンダー研修に強みを持つ専門機関 |
富士通ラーニングメディア |
育成全体を支える総合研修サービス |
インソースデジタルアカデミー |
ITスキルとビジネスマナーを同時に学べる長期型パッケージ研修 |
日立アカデミー |
IT・マネジメント・戦略分野までを一貫して学べる大手向け研修 |
VENTURIQ |
SESの現場ニーズを反映した3ヶ月集中型のJava開発研修 |
IT COLLEGE |
通学型・少人数制によるライブ指導で未経験者を育成 |
現場で通用する人材を育てるには?SES研修の必要性を再確認
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SES(システムエンジニアリングサービス)事業において、エンジニアは企業の最も大切な資産です。
特に未経験から採用した人材を「現場で活躍できる戦力」へと成長させることは、企業の成長や安定した収益に直結します。単なる新人研修では不十分であり、現場で本当に役立つスキルや考え方を身につけるための戦略的な研修が重要になります。
ここでは、SES研修の必要性と、なぜ多くの企業で「研修は受けたが現場では通用しない」というギャップが生まれるのか、その背景を解説します。
未経験エンジニアの即戦力化が求められる理由
SES企業の収益モデルは、エンジニアが現場で活躍することで成り立っています。そのため、採用から現場参画までの期間をいかに短縮し、エンジニアを早く戦力化できるかが、経営上の大きな指標となります。もしエンジニアがスキル不足で現場に出られず、待機している期間が長くなると、その間の人件費は企業にとって大きな負担となり、収益機会の損失につながります。
さらに、準備が不十分なまま現場に送り出した場合、プロジェクトの遅延や品質低下、エンジニアの短期離職など、さまざまなリスクが生まれます。安定的な人材育成こそが、SES事業の競争力と持続的な成長のカギとなります。
新人教育におけるよくあるつまずき
多くの企業で新人研修に力を入れているにもかかわらず、「現場でなかなか通用しない」という声が後を絶ちません。これは、単なる技術力だけの問題ではなく、現場特有のルールや文化、心理的な壁など、複数の要素が絡み合っているからです。
- 技術的な知識はあるが、現場の「流儀」や独自ルールにうまく馴染めない
- 研修で使ったフレームワークやツールと現場の環境が違い、応用できない
- 「質問すると評価が下がるのでは」と考えてしまい、聞きたいことが聞けない
このようなつまずきが放置されると、本人の自信喪失や孤立を招き、最終的には早期離職につながってしまう危険性があります。新人が現場でしっかり活躍できるよう、こうしたギャップを研修段階から意識して埋めていくことが大切です。
SES研修の基本構成とは?主な内容と設計ポイント
現場で活躍できるエンジニアを育てるためには、バランスの取れた研修カリキュラムが欠かせません。ここでは、SES研修で押さえておきたい3つの基本要素と、それぞれの設計ポイントをわかりやすくまとめます。
技術研修:プログラミング言語やツールの基礎
まず大切なのは、しっかりとした技術力を身につけることです。SES研修では、現場でよく使われるプログラミング言語やツールを中心に学びます。特にJava、SQL、Linuxは多くの開発現場で重宝されており、習得しておくことで幅広い案件に対応できるようになります。
| 習得する主な技術・ツール | 概要 |
|---|---|
| Java | Webアプリや業務システムで使われる汎用的なプログラミング言語 |
| SQL | データベース操作の基礎となる言語 |
| Linux | 多くのサーバー環境で利用されるOSの基本操作 |
| Eclipse、Git、DBクライアント | 開発やバージョン管理、データ操作で必要なツール |
プログラミングだけでなく、EclipseやGitなど、実際の開発で欠かせないツール操作にも慣れておく必要があります。これらの操作を研修段階で何度も練習することで、現場に出てからの生産性が大きく変わります。
開発演習:現場を想定した実践型プログラム
座学だけでは身につかない「使えるスキル」を定着させるためには、現場さながらの実践演習が効果的です。小規模なアプリケーション開発を通じて、要件定義から設計、実装、テストまで一連の流れを経験し、俯瞰的な視点や業務の全体像を理解します。
また、同期の書いたコードをレビューしたり、自分のコードについてフィードバックをもらうことは、技術力だけでなくコミュニケーション力の向上にもつながります。
ITリテラシー・業界理解の強化
エンジニアには技術だけでなく、IT業界で働く上で欠かせない基礎知識や考え方も重要です。情報セキュリティや個人情報保護、法令順守(コンプライアンス)などは、ITのプロとして最低限身につけておきたいポイントです。
- セキュリティや個人情報保護法への理解
- 「報告・連絡・相談(報連相)」の実践
- プロジェクトの進行フローやエンジニアの役割把握
これらを意識して研修に組み込むことで、エンジニアとしての土台がしっかりと築かれます。
「研修は受けたが現場で通用しない」そのギャップの正体とは?
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多くの企業が新人研修に力を入れていますが、なぜ現場で通用しないケースが後を絶たないのでしょうか。その背景には「研修で学んだ内容と、実際の現場環境との間に大きなギャップがある」ことが挙げられます。
研修と実務環境の乖離に要注意
現場で使われているフレームワークやツールが研修と異なり、せっかく学んだ知識が応用できないと感じることがあります。また、配属後の業務では既存システムの機能追加やバグ修正など、研修で経験していない業務も多く、戸惑うケースが目立ちます。
- 配属先で使用する技術や開発手法が研修と異なる
- 新規開発よりも既存システムの理解や改修業務が中心
このような「リアリティ・ギャップ」は、新人エンジニアの自信を失わせ、スムーズな現場定着を妨げる原因になります。
報連相や質問力不足も定着を妨げる要因に
技術的なギャップ以上に深刻なのが、コミュニケーションの壁です。現場で困ったときに「何が分からないのか分からない」状態に陥ることや、質問できずに抱え込んでしまう新人も少なくありません。
心理的な安全性が低いと、失敗を恐れてコミュニケーションを避けがちです。この状態が続くと、チームへの定着が難しくなり、離職リスクが高まる傾向があります。
研修設計で意識したい、実務力を育てる4つのアプローチ
研修と現場のギャップを埋めるためには、受講者が「自分で考え、手を動かし、仲間と協力しながら学ぶ」仕組みづくりが不可欠です。ここでは実践力を高めるための4つのポイントを紹介します。
アウトプット重視の構成に切り替える
座学中心の研修から、実践的な演習や発表の機会を増やすことが重要です。実際にコードを書いたり、バグ修正・コードレビューなど現場に近い課題に取り組むことで、知識が身につきやすくなります。
- 座学と演習のバランスを見直し、アウトプット中心に
- バグ修正やレビュー、日報の提出など現場で役立つ課題設定
「分からない」を放置しないチーム学習
同期と一緒に学び、互いにフィードバックし合うチーム型研修は、安心感を生みやすく、技術力とコミュニケーション力の両方を高める効果があります。
- チームでの課題や日報共有を通じて、気づきや成長を促す
- 相談しやすい雰囲気が、心理的なハードルを下げる
配属先を意識したカスタマイズも検討
一律のカリキュラムではなく、配属予定の現場やエンジニア個々のキャリアに合わせて、学ぶ内容を柔軟に調整することも大切です。
| 配属先 | 重点スキル |
|---|---|
| Web開発 | フロントエンド・バックエンド技術、UI/UX |
| インフラ | クラウド、仮想化、サーバー構築 |
| 運用・保守 | 監視ツール、障害対応、ドキュメント作成 |
研修を現場定着までつなげるために必要な支援とは?
SES研修の本当のゴールは、研修が終わった後、エンジニアが現場で自信を持って活躍できるようになることです。そのためには、現場配属後のフォローアップと、現場と研修担当者の密な連携が重要です。
フォローアップ期間の設計がカギ
現場に配属された直後の3か月間は、研修で学んだ内容を実践力として定着させるうえでとても重要な時期です。配属後1か月・3か月などのタイミングで、本人・OJT担当・研修担当の三者で面談を行い、進捗や不安の確認・相談ができる場を設けると良いでしょう。
- 節目ごとの面談で課題や悩みを早期に発見・対応
- 初期は無理のないタスクから始め、小さな成功体験を積ませて自信を育てる
こうした配慮が、現場定着とモチベーション維持につながります。
研修担当者と現場の連携もポイントに
研修担当と現場の教育担当がしっかり情報共有を行うことで、「何ができるのか」「どこでつまずきやすいか」などを現場側が把握でき、適切な指導や業務の割り振りができます。
- 新人のスキル・弱点・つまずきやすいポイントを現場に正直に伝える
- 評価基準のギャップを埋めることで、配属先での不安やミスマッチを減らす
- 指導に定評のある先輩エンジニアのプロジェクトに配属する工夫も有効
外部研修や助成金の活用で質と効率の両立を
すべてを自社だけでまかなう必要はありません。外部の研修機関や公的制度を活用することで、研修の質と効率の両立が可能です。経営資源を効率よく使い、より良い人材育成を目指しましょう。
内製にこだわらず、プロの手を借りる選択も
社内の指導者だけでなく、経験豊富な外部研修機関やプロ講師によるカリキュラムを活用することで、教育の質のばらつきが抑えられます。外部の力を上手に取り入れることで、自社のリソースを本来の事業に集中させつつ、着実な人材育成が可能となります。
- 社内に十分な指導リソースがない場合、外部機関の研修を積極的に検討
- 実績のある研修プログラムや講師陣を活用して指導の質を安定化
「人材開発支援助成金」など制度の活用も検討を
質の高い外部研修をコスト面で諦めてしまうのはもったいないことです。国や自治体の助成金制度を活用することで、研修費用の大幅な削減が可能です。
| 主な制度名 | 助成率・内容 | 要件例 |
|---|---|---|
| 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース・中小企業向け例) | 経費助成:最大75% 賃金助成:1時間あたり960円 |
雇用保険の適用事業所であること、訓練期間中も通常賃金を支払うこと、他 |
このような助成金制度を利用するためには、申請前にいくつかの準備が必要です。
研修を始める前に「訓練計画書」を作成し、事前に提出することが求められます。研修の内容や期間、対象者などをきちんとまとめて計画を立てることがポイントです。また、研修が終わった後には、所定の期間内に支給申請を行う必要があります。
また、このような助成金は、単なるコスト削減のためだけでなく、採用から定着までを見据えた長期的な人材育成への投資としても活用できます。研修を通じてスキルを身につけた人材が、企業の中で長く活躍できる体制づくりに役立つため、将来に向けた安定的な事業運営にもつながります。
まとめ
SES事業において、現場で通用するエンジニアを育てることは、単なる教育ではなく、事業の収益性や持続的な成長に直結する重要な経営課題です。だからこそ、現場で「使える力」を育てる研修設計が欠かせません。従来の座学中心の研修にとどまらず、実務に近い演習やチーム学習、配属後のフォロー体制まで含めて見直すことが求められています。
ただし、こうした研修をすべて自社でまかなうのは、負担も大きくなりがちです。研修の質を保ちつつ効率的に進めたいとお考えであれば、外部の研修機関を活用することも十分に現実的な選択肢です。
「現場で通用する人材が育たない」「研修をしてもすぐ辞めてしまう」など、育成に課題を感じているなら、今こそ研修のあり方を見直すチャンスです。外部の力も上手に取り入れながら、御社に合った育成体制を構築することが、エンジニアと企業の未来を支える確かな一歩になるはずです。まずはできるところから、取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。
- 免責事項
- 本記事は、2025年7月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。
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