近年、外食産業やレジャー施設を中心に、タッチパネル式券売機の導入が急増しています。
キャッシュレス決済や多言語対応はもちろん、リアルタイムでのメニュー更新が可能など、従来のボタン式では実現しにくかった機能が多数搭載されているのが魅力です。本記事では、代表的なタッチパネル式券売機を取り上げながら、導入を検討する際に押さえておきたい特徴や選定ポイントを詳しく解説します。
会社名 | サービスの特徴 |
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クラウドパス |
オンラインとオフライン販売両方に対応!データの一元管理でチケット販売を効率化
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ブレイン |
飲食店や無人店舗で導入が進む多機能券売機システム。キャッシュレス決済や4ヶ国語対応、売上分析機能を備える |
DeliousLio |
非接触型運用を可能にし、DX推進を支援する次世代型券売機。24インチタッチパネルやクラウド管理機能で利便性を強化 |
券職人 VT-T21シリーズ |
多様な業態に対応した高性能券売機シリーズ。ユニバーサルデザインや豊富なモデル展開で柔軟な運用が可能 |
楽らく券助 |
コンパクトでリーズナブルな券売機。簡単なメニュー設定機能や運用サポート動画により、小規模店舗に最適 |
Operal VMT-600シリーズ(マミヤ・オーピー) |
高額紙幣対応モデルを含む多機能券売機。5言語対応や調理場連携機能で、大規模施設にも適応可能 |
ST350A(株式会社スペース) |
業界最薄のタッチパネル式券売機。5ヶ国語表示や7大アレルゲン表示機能を搭載 |
KC-TXシリーズ(芝浦自販機株式会社) |
27インチ画面と柔軟な画面構成が特徴。複合決済やサイネージ機能でブランド力を向上 |
MP-T4S/MP-T500シリーズ |
多様なキャッシュレス決済をサポートする高性能券売機。コンパクト設計で運用効率と利便性を両立 |
タッチパネル式券売機とは?
タッチパネル式券売機は、商品の券やサービス利用券を購入するためのシステムを備えた端末で、従来のボタン式券売機とは異なり、画面を直接タッチして操作を行います。現在では、飲食店・交通機関・娯楽施設など幅広い業種で導入が進んでおり、UI(ユーザーインターフェイス)の柔軟性や多言語対応のしやすさなどが特徴です。
従来型の券売機との違い

ボタン数に制限がない
従来のボタン式だと、メニューを増やすたびにボタンを追加する必要があり、物理的スペースの問題で拡張が難しくなるケースが多くありました。一方、タッチパネル式であればディスプレイ上で表示を切り替えられるため、商品やサービスメニューの追加・削除が比較的容易です。
視覚的に分かりやすい
画像や動画を表示させることで、利用者に商品の魅力をより直感的に訴求できます。シーズン限定商品やおすすめのメニューをアイキャッチ的に配置することで、ユーザーの購買意欲を高める効果も期待できます。
タッチパネル式券売機を導入するメリット
接客負荷の軽減
顧客が機械で注文と支払いを完結できるため、スタッフの業務負荷が軽減されます。飲食店であれば、レジ担当や注文を受ける担当者が削減でき、その分ホール対応や調理補助に回せるなど、人的リソースの最適化が可能です。
回転率の向上
注文・支払いがセルフサービスになることで、オペレーション速度が向上します。店舗滞在時間の短縮につながるため、限られた客席数でも回転率が高まり、売上増加を見込めます。
ヒューマンエラーの削減
人力での注文管理では、記入ミス・金銭ミス・言い間違いなどのトラブルが起こりがちですが、券売機を通すことによってそうしたリスクが大幅に減少します。間違いが減れば顧客満足度の向上にもつながります。
多言語対応や視覚的誘導がしやすい
多言語表示や写真付きのメニューを表示できるため、外国人観光客や初めて利用するユーザーにとっても分かりやすくなります。バリアフリーやユニバーサルデザインの観点からも重要です。
リアルタイムでのメニュー更新
POS連携やクラウド管理の機能が付属する券売機も多く、在庫状況や販売状況に合わせて簡単にメニューを切り替えたり、価格変更を行えます。新商品のテスト販売やキャンペーンの設定なども素早く実施できます。
タッチパネル式券売機の選定時に確認すべきポイント
操作性・UI設計
操作の分かりやすさ: タッチパネルの反応速度や表示デザイン、ボタンの大きさなどが利用者のストレスに直結します。特に高齢者や機械に不慣れな層が利用する場合は、なるべく操作をシンプルかつ大きな文字で分かりやすく表示する設計が求められます。
UIのカスタマイズ性: 店舗ブランディングや季節ごとにメニューを変えるなどの要望に対して、ソフトウェア側で自由にレイアウトや色、文字を変更できるかが重要です。
機能拡張性
クラウド連携・POS連携: 券売機単体で売上管理を行うケースもありますが、複数店舗を抱える企業やIT活用に積極的な店舗ではクラウドやPOSとのデータ連携が欠かせません。売上や在庫を一元管理することで効率化が進むだけでなく、顧客分析の精度も上がります。
決済方法の豊富さ: クレジットカード・電子マネー・QRコード決済など、利用者が望む支払い方法に対応しているかどうかも見逃せません。特に現代ではキャッシュレス対応の重要度が高まっており、対応できる支払い手段が多いほど集客効果が期待できます。
保守・メンテナンス体制
故障時のサポート: 機械はどうしても故障やトラブルが発生するリスクがあります。24時間365日対応のコールセンターや迅速な修理体制など、メーカーや代理店のサポート体制を確認しましょう。
定期的な保守点検の有無: 導入後も安定稼働が続くように、定期的な点検やソフトウェアのアップデートなどのスキームが整っているかどうかが肝心です。部品の交換スケジュールや保守費用の見積もりも事前に把握しておきましょう。
設置スペースや設置条件
サイズ・電源・通信環境: タッチパネル式券売機はディスプレイ部分が大きくなる傾向にあります。設置場所の広さやコンセントの数、通信回線(有線LANまたはWi-Fi)の確保なども念頭に置いて計画を立てましょう。
防水・防塵対応: 店舗によっては屋外に券売機を設置する場合や、水回りの近くに設置しなければならないケースがあります。屋外設置に強い防水・防塵タイプを選ぶのか、室内専用でコストを抑えるのか、事前に明確にしておく必要があります。
導入コストと費用対効果の試算
以下では、タッチパネル式券売機を導入した場合の費用対効果をざっくり試算した一例をご紹介します。
導入コスト(初期費用)
- 券売機本体:120万円
- 設置・設定費用:10万円
- 合計:約130万円
人件費削減効果
- 1日8時間 × 週6日 × 年間50週 = 2,400時間
- 時給1,100円換算 → 年間264万円相当
回収期間
- 初期投資130万円 ÷ 年間削減効果264万円 = 約6か月で回収可能
このように、導入費用は一時的な支出であっても、業務効率化や人件費削減によって半年から1年以内で回収できるケースが多く見られます。
補助金・リース・中古活用で初期費用を抑える方法
タッチパネル式券売機は便利で高機能ですが、本体価格や設置工事費を含めると数十万円から数百万円の初期投資が必要になります。ここでは、導入時の負担を軽減するための代表的な方法をご紹介します。
1. IT導入補助金を活用する
中小企業・小規模事業者向けに国が実施している「IT導入補助金」は、タッチパネル式券売機の導入にも利用できる制度です。キャッシュレス対応やPOS・会計システムと連携できる券売機であれば、ITツールとして認定され、補助の対象となります。
【2025年度の主な条件】※今後変更される可能性があります。
- 券売機本体(ハードウェア):上限 20万円/台・補助率 1/2
- 付随ソフトウェア・クラウド利用料
└ 導入費用 50万円以下:中小企業は3/4、小規模事業者は4/5
└ 50万円超〜350万円:補助率2/3
審査や事前申請が必要ですが、採択されれば初期費用を大きく抑えられます。申請手続きに不安がある場合は、メーカーや販売代理店がサポートしてくれるケースもあります。
2. リース・レンタルの活用
リースやレンタルを利用することで、まとまった資金がなくても導入できます。以下は、それぞれの特徴です。
リース契約
- 初期費用0円で導入でき、月額のリース料で分割支払い
- 一定期間(通常5年程度)の契約期間があり、途中解約は原則不可
- 機器の所有権はリース会社にあり、契約満了時に返却・再リース・買い取りなどを選択
レンタル契約
- 短期イベントや仮設店舗などに向いており、数日〜数か月単位で利用可能
- 支払いは「使った分だけ」となり、柔軟性が高い反面、長期利用では割高になる傾向あり
特に飲食イベントやフードフェスなどの一時的な利用では、レンタル型が費用を抑える有効な手段となります。
3. 中古券売機の導入
新品の導入に比べて、数十%以上コストを削減できるのが中古券売機です。導入予算が限られている場合や、まず試験的に導入したい場合に適しています。
中古機を選ぶ際の注意点
- 新紙幣対応:2024年に刷新された紙幣に対応しているかを確認(非対応の場合は識別機の改修が必要)
- 保証・メンテナンス:購入後の保守体制が整っているか、動作保証はあるかを事前にチェック
- 部品供給状況:古いモデルでは消耗品や交換部品が手に入りにくい場合もあるため、導入後の運用性も考慮が必要
中古機は、券売機専門の販売業者であればクリーニング済み・動作確認済みのものが多く、安心して導入できる選択肢となります。
導入ステップとスケジュール
ステップ1:事前の打ち合わせと設置場所の確認
まずはじめに、自分たちの店舗や施設にどんな券売機が必要かを整理します。
- どんな商品やメニューを券売機で販売するか
- 1日にだいたい何枚くらい券を発行しそうか
- 支払いは現金が多いか、キャッシュレス決済が中心か
- 設置するスペースはどれくらいあるか、電源やインターネットは使えるか
このような情報をもとに、券売機の機能と照らし合わせてがどんなもの合っているかを検討します。
また、実際に券売機を置く場所を見てもらい、機械が運び込めるか、設置できるかを確認してもらうことも大切です。
ステップ2:機種の選定と費用の見積もり
整理した要件をもとに、複数のメーカーや機種を比べながら、最適な券売機を選びます。
見るべきポイントとしては以下のような項目があります。
- 画面の大きさや見やすさ、多言語に対応しているかどうか
- 支払い方法の対応範囲(現金・ICカード・QRコード・クレジットカードなど)
- 画面のデザインが自由に変えられるかどうか(使いやすさに直結します)
- クーポン発行や他の機器との連携ができるか
- 故障時などにどのくらい迅速に対応してくれるか
費用を出してもらうときは、機械そのものの価格だけでなく、設置費用やオプション料金も含めて確認しましょう。
ステップ3:設置と動作確認
選んだ券売機は、通常1日ほどで設置できます。
床にしっかり固定したり、屋外に置いたりする場合は、電源の工事やネット回線の準備が必要になることもあります。
設置が完了したら、次のような点をチェックします。
- メニューの表示やタッチ操作がスムーズにできるか
- 支払いが正しく処理されるか(現金・キャッシュレス両方)
- 券の印字や発行に問題がないか
インターネットにつながる機種であれば、クラウドやPOS(売上管理システム)とのつながりも確認ておきましょう。
ステップ4:スタッフへの操作説明と試運転
券売機は、毎日使うスタッフがきちんと扱えることがとても大切です。
導入後には、メーカーや販売会社の担当者から、基本的な使い方の説明を受ける機会があります。
できれば営業開始前に試しに使ってみる時間を取っておくと安心です。実際に触ってみることで、スタッフの不安が減り、本番もスムーズに進みます。
ステップ5:本格運用とアフターサポートの開始
正式に運用が始まったあとは、保守契約(点検や修理などを含むサポートサービス)に基づいて、定期的な点検やトラブル対応が受けられます。
多くのメーカーでは、年中無休で対応してくれる体制が整っており、急な故障時にも迅速な対応が期待できます。
また、画面に表示するメニューやキャンペーン情報を定期的に更新すれば、販促にもつながります。
季節限定メニューを写真付きで紹介したり、割引クーポンを画面に表示したりすることで、来店促進や売上アップにもつなげることができます。
タッチパネル式券売機のまとめ
タッチパネル式券売機は、業務の効率化だけでなく、顧客の満足度向上にもつながる頼れるツールです。
多言語対応やキャッシュレス決済、柔軟なメニュー更新など、店舗運営を効率化させる様々な機能を備えています。これからの店舗運営を、もっと快適でスマートに変えてみませんか?
- 免責事項
- 本記事は、2024年12月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。