Pマークはコンサルなしで取得できるか?自社対応の手順と判断基準

Pマークはコンサルなしで取得できるか?自社対応の手順と判断基準

本記事はZenken株式会社が運営するキャククルが独自に作成しています。Zenken株式会社が運営するキャククルは、Pマーク®およびプライバシーマーク®制度を運営する一般財団法人日本情報経済社会推進協会とは関係ありません。Pマーク、プライバシーマーク、プライバシーマーク制度は一般財団法人日本情報経済社会推進協会の登録商標です。

Pマークを取得したいものの、コンサル費用をかけずに自社で進めたいと考える企業は少なくありません。取引先から取得を求められた、入札条件に入っている、個人情報を扱う業務が増えた、ISMSとあわせて個人情報保護体制を整理したいなど、取得を検討する理由はさまざまです。

Pマークは、コンサルを利用しなければ取得できない制度ではありません。一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)は、申請資格、申請先、費用、新規申請方法、更新申請方法、各種様式などの情報を公開しており、事業者が自社で準備を進めることも可能です。

ただし、Pマーク取得は申請書を出すだけでは進みません。個人情報の取扱いを洗い出し、リスクを確認し、規程や手順を整え、従業員教育を行い、内部監査とマネジメントレビューを実施し、審査で説明できる状態にする必要があります。担当者が兼務で進める場合、制度理解よりも社内運用を作る部分でつまずきやすくなります。

Pマークをコンサルなしで取得するには、書類作成の前に、個人情報の取扱いを社内で把握し、運用記録を残し、審査で説明できる状態を作ることが重要です。

自社対応が難しい場合の支援会社を確認する

Pマーク®はコンサルなしでも取得できるか

Pマークは、コンサル会社に依頼しないと取得できない制度ではありません。自社で制度を理解し、必要な体制を整え、申請・審査に対応できれば、コンサルなしで取得を目指すことは可能です。

ただし、「コンサルなしで取得できる」と「すべての企業が無理なく自社対応できる」は別です。Pマーク取得では、個人情報保護マネジメントシステムを構築し、実際に運用していることが求められます。規程のひな形を埋めるだけではなく、自社の業務に合わせて個人情報の流れを整理し、社内で守れるルールに落とし込む必要があります。

自社対応を検討する場合は、まず次の3点を確認しましょう。

  • 社内にPマーク取得準備へ時間を使える担当者がいるか
  • 個人情報の取得、利用、保管、委託、廃棄の流れを把握できているか
  • 教育、内部監査、審査対応まで自社で進行管理できるか

この3点が揃っていれば、コンサルなしで進められる可能性があります。一方で、担当者が兼務で時間を確保できない、個人情報の流れが部署ごとに分かれている、取引先の期限が迫っている場合は、外部支援を使う方が結果的に負担を抑えられることがあります。

コンサルなしで取得しやすい会社の条件

コンサルなしでPマーク取得を進めやすい会社には、いくつか共通点があります。規模の大小だけでなく、業務フローの分かりやすさ、個人情報の取扱い範囲、社内担当者のリソースが重要です。

条件 自社対応しやすい理由
個人情報の取扱いが限定的 顧客情報、従業員情報、問い合わせ情報などの流れを把握しやすい
拠点や部署が少ない 社内ルールの浸透、教育、監査範囲を整理しやすい
担当者が一定の時間を確保できる 規程作成、台帳整備、教育記録、内部監査まで進めやすい
既に情報管理のルールがある 既存ルールをPマーク取得準備に活かしやすい
取得期限に余裕がある 制度理解や社内調整に時間をかけられる

特に小規模な会社で、個人情報の取扱いがシンプルであり、経営者や管理部門が取得準備に関与できる場合は、自社対応の余地があります。逆に、個人情報を扱う部署が複数ある場合や、委託先、クラウドサービス、採用情報、会員情報、問い合わせ情報などが分散している場合は、整理に時間がかかります。

コンサルなし取得が難しくなりやすい会社の条件

コンサルなしで進める場合に難しくなりやすいのは、制度の理解そのものよりも、社内の情報を集めて運用に落とし込む工程です。特に個人情報の取扱いが複雑な会社では、担当者だけで全体像を把握するのが難しくなります。

難しくなりやすい条件 起きやすい問題
複数部署で個人情報を扱っている 部署ごとの取得目的、保管場所、委託先、廃棄方法が把握しにくい
個人情報を外部委託している 委託先管理、契約、評価、再委託の確認が必要になる
採用、会員、EC、問い合わせなど情報源が多い 個人情報台帳やリスク分析が複雑になりやすい
取得期限が決まっている 取引先対応や入札期限に間に合わせるための進行管理が難しい
担当者が兼務で時間を取れない 書類作成、教育、監査、審査対応が後回しになりやすい

自社だけで進める場合、審査直前に書類の不足や運用記録の不足に気づくことがあります。取得を急ぐ事情があるなら、最初からすべてを自社で抱え込むより、必要な部分だけ外部支援を使う選択肢もあります。

Pマーク®取得までの全体の流れ

Pマーク取得は、準備、運用、内部確認、申請、審査、改善対応という流れで進みます。自社対応で進める場合は、全体の工程を把握し、どの段階で何を残すべきかを決めておくことが重要です。

  1. 取得目的と適用範囲を決める
  2. 個人情報の取扱いを洗い出す
  3. 個人情報台帳、リスク分析、委託先管理を整える
  4. 規程、手順書、様式を整備する
  5. 従業員教育を実施し、記録を残す
  6. 内部監査を実施する
  7. 代表者による見直しを行う
  8. 申請書類を準備する
  9. 文書審査、現地審査に対応する
  10. 指摘事項への対応を行う
  11. 付与適格決定後、契約や登録料の手続きを行う

JIPDECでは、申請資格、申請先、費用、新規申請方法、更新申請方法、付与後の手続き、各種様式などが公開されています。2024年10月1日からは、JIPDECへの申請事業者を対象にオンライン申請の受付も開始されています。申請方法や必要書類は公式情報を確認しながら進めましょう。

個人情報の洗い出しと台帳整備

Pマーク取得準備の最初の山場は、個人情報の洗い出しです。個人情報がどこから入り、誰が使い、どこに保管され、誰に委託され、いつ廃棄されるのかを整理します。

洗い出す対象は、顧客情報だけではありません。問い合わせ情報、資料請求情報、見積依頼、契約書、採用応募者情報、従業員情報、退職者情報、防犯カメラ映像、名刺、メール、クラウドサービス上のデータなども確認対象になります。

確認する情報 確認する内容
取得経路 フォーム、メール、電話、名刺、契約書、採用媒体など
利用目的 問い合わせ対応、契約管理、採用選考、請求、配送など
保管場所 社内サーバー、クラウド、紙ファイル、担当者PCなど
アクセス権限 誰が閲覧・編集できるか、権限管理されているか
委託先 給与計算、配送、システム運用、採用管理、メール配信など
保管期間・廃棄 いつまで保管し、どの方法で削除・廃棄するか

コンサルなしで進める場合、この洗い出しを担当者の思い込みで済ませないことが重要です。各部署に確認し、実際の業務フローに沿って整理しましょう。

規程・手順書・様式を整える

個人情報の取扱いを整理したら、規程、手順書、様式を整備します。ここで重要なのは、ひな形をそのまま使うことではありません。自社の業務に合わないルールを作ると、審査時に説明しにくくなり、取得後も運用できません。

整備する文書には、次のようなものがあります。

  • 個人情報保護方針
  • 個人情報管理規程
  • 個人情報台帳
  • リスク分析表
  • 委託先管理記録
  • 教育記録
  • 内部監査チェックリスト
  • 是正処置記録
  • 代表者による見直し記録

自社対応では、文書を作ること自体が目的になりがちです。しかしPマーク取得で重要なのは、社内ルールが実際の業務と一致していることです。担当者が守れないルール、現場に説明できないルール、記録が残せないルールは見直す必要があります。

従業員教育と運用記録を残す

Pマーク取得では、社内で個人情報保護の取り組みを運用していることが重要です。そのため、従業員教育を実施し、教育内容、対象者、実施日、理解確認などの記録を残す必要があります。

教育では、制度の説明だけでなく、自社の業務で起きやすいリスクを扱うと実務に定着しやすくなります。たとえば、問い合わせフォームの情報を誰が確認するのか、名刺情報をどこに登録するのか、採用応募者情報をいつ削除するのか、メール誤送信を防ぐにはどうするのか、といった具体的な内容です。

また、運用記録は審査対応だけでなく、取得後の更新にも関係します。教育、委託先評価、内部監査、是正処置、代表者による見直しなどは、継続的に記録を残せる仕組みにしておきましょう。

内部監査とマネジメントレビューを実施する

申請前には、内部監査とマネジメントレビューを行います。内部監査では、決めたルールが実際に運用されているか、不足や不一致がないかを確認します。マネジメントレビューでは、内部監査の結果や運用状況を踏まえ、代表者が改善や見直しを判断します。

コンサルなしで進める場合、内部監査が形式的になりやすい点に注意が必要です。チェックリストを埋めるだけでなく、実際の個人情報台帳、委託先管理、教育記録、問い合わせ対応、採用情報管理などを確認しましょう。

内部監査で不備が見つかること自体は問題ではありません。重要なのは、不備を記録し、原因を確認し、是正処置を行い、改善した状態を残すことです。審査では、整った書類だけでなく、運用と改善の流れを説明できることが重要になります。

申請書類の準備と審査対応

申請書類は、申請先や事業者の状況によって必要なものが変わります。申請資格、申請先、費用、様式、オンライン申請の対応範囲は、JIPDECや該当する審査機関の公式情報を確認して進めましょう。

審査では、文書審査や現地審査を通じて、個人情報保護マネジメントシステムが構築・運用されているか確認されます。自社対応で重要なのは、担当者だけが内容を理解している状態にしないことです。現場担当者、管理者、経営者が、自社の個人情報の取扱いとルールを説明できる状態にしておく必要があります。

審査で指摘が出た場合は、指摘内容を確認し、必要な是正を行います。ここで慌てないためにも、申請前に社内で予行確認を行い、説明できない部分や記録が不足している部分を洗い出しておくことが大切です。

コンサルなしで失敗しやすいポイント

Pマークをコンサルなしで進める場合、つまずきやすいポイントがあります。早い段階で把握しておけば、自社対応のまま進めるか、部分的に外部支援を使うか判断しやすくなります。

失敗しやすいポイント 起きる問題 対策
ひな形をそのまま使う 自社業務と合わず、現場で運用できない 実際の業務フローに合わせて修正する
個人情報の洗い出しが浅い 台帳やリスク分析に漏れが出る 部署ごとに取得・利用・保管・委託を確認する
教育記録が不足する 運用している証拠を示しにくい 対象者、実施日、内容、理解確認を記録する
内部監査が形式的になる 不備に気づかないまま申請してしまう 現場の実態と記録を照合する
担当者に業務が集中する 準備が遅れ、審査対応も属人的になる 経営者、各部署、管理部門の役割を決める

特に多いのは、書類は揃っているが実際の運用が追いついていない状態です。Pマーク取得を目的化せず、個人情報を扱う業務そのものを整理する意識で進める必要があります。

コンサルを使うべきタイミング

コンサルなしで始めても、途中から外部支援を使う判断は十分にあります。すべてを丸投げするのではなく、詰まりやすい部分だけ支援を受ける方法もあります。

次の状況に当てはまる場合は、Pマーク取得支援会社の利用を検討した方がよいでしょう。

  • 取引先や入札の期限が決まっている
  • 担当者が兼務で準備時間を確保できない
  • 個人情報の取扱いが複数部署にまたがっている
  • 委託先、クラウド、外部サービスの利用が多い
  • 規程や台帳の作り方が分からない
  • 内部監査や審査対応に不安がある
  • 取得後も更新・運用を継続できるか不安がある

支援会社を使う場合でも、自社が何も理解しないまま進めるのは避けるべきです。Pマークは取得後も運用が続くため、社内担当者がルールの意味と記録の残し方を理解している必要があります。

Pマーク取得支援会社を確認する

Pマーク®取得支援会社を比較する前に確認すること

外部支援を検討する場合は、料金だけで選ばないことが重要です。Pマーク取得支援会社によって、支援範囲、訪問回数、文書作成の代行範囲、教育支援、内部監査支援、審査対応、取得後の更新支援が異なります。

比較項目 確認すること
支援範囲 文書作成、台帳整備、教育、内部監査、審査対応のどこまで含むか
対応方法 訪問、オンライン、チャット、メール、電話のどれで支援するか
社内負担 自社で作業する範囲と、支援会社が補助する範囲
取得後支援 更新、運用改善、教育、内部監査まで相談できるか
費用条件 初期費用、追加費用、更新費用、支払い条件

「安いから」「すべて任せられそうだから」だけで選ぶと、取得後に社内で運用できない状態になりやすくなります。自社で理解すべき部分と、外部に任せる部分を分けて比較しましょう。

自社対応と外部支援を使い分ける

Pマークは、コンサルなしでも取得を目指せます。ただし、自社対応に向いている会社と、外部支援を使った方がよい会社は分かれます。個人情報の取扱いがシンプルで、担当者が時間を確保でき、社内で教育や内部監査まで進められるなら、自社対応を検討できます。

一方で、取得期限がある、個人情報の取扱いが複雑、担当者が兼務で進まない、審査対応に不安がある場合は、支援会社を使う方が現実的です。大切なのは、コンサルを使うかどうかではなく、取得後も社内で運用できる状態を作ることです。

Pマーク取得を自社で進める場合も、外部支援を使う場合も、まずは自社の個人情報の流れ、取得目的、社内体制、担当者の工数、期限を整理しましょう。そのうえで、必要な支援範囲を決めると、費用と社内負担のバランスを取りやすくなります。

Pマーク取得支援会社を確認する

ページトップへ