製造業の販売促進(販促)施策10選!新規開拓で選ばれる理由を作る

製造業の販売促進(販促)施策10選!新規開拓で選ばれる理由を作る

製造業の販売促進(販促)というと、展示会やWeb施策など、具体的な手法を増やすことに目が向きがちです。
しかし実際には、施策を重ねても新規開拓につながらない、問い合わせは来ても受注に結びつかない、といった声が少なくありません。

その背景にあるのが、他社と比較されたときに「なぜ選ばれるのか」を説明できる材料が不足しているという課題です。BtoBの製造業では、検討期間が長く、複数社比較や社内稟議が前提となるため、単なる露出や接点づくりだけでは選定まで進みません。

本記事では、製造業で活用される代表的な販売促進(販促)施策を10個取り上げ、それぞれが新規開拓のどの段階で、どのように「選ばれる理由」づくりに寄与するのかを整理します。
あわせて、施策を点で終わらせず、営業成果につなげるための考え方や注意点も解説していきます。

製造業の販売促進(販促)は「施策」ではなく選ばれ方の設計

製造業の販売促進(販促)というと、展示会や広告、Web施策など、具体的な手法を思い浮かべる方が多いかもしれません。実際、販促は新規顧客との接点を作るうえで重要な役割を担います。

一方で、「露出を増やすこと」自体が目的になってしまうと、思うような成果につながらないケースも少なくありません。問い合わせは来るものの、その後の検討で止まってしまう、という状況です。

BtoBの製造業では、問い合わせ後に複数社が比較対象となり、社内での検討や稟議を経て発注先が決まります。
このプロセスの中では、単に接点があるだけでなく、
「なぜこの会社なのか」
「他社ではなく、ここを選ぶ理由は何か」
説明できる状態が求められます。

そのため、製造業における販売促進(販促)は、施策を増やすことそのものではなく、比較検討の場で、そのまま選定理由として使われる情報を揃えるための設計と捉えることが重要です。

こうした「選ばれ方」を意識した情報設計や信用材料の考え方については、比較検討で選ばれるために必要な信用材料の考え方(製造業ブランディング)の記事で詳しく解説しています。

まず整理したい:製造業の販促目的は3つに分けられる

製造業の販売促進(販促)施策を検討する前に、まず押さえておきたいのが「何のための販促なのか」という目的の整理です。この目的が曖昧なまま施策を選ぶと、手段が先行し、成果につながりにくくなります。

製造業の販促目的は、大きく分けて次の3つに整理できます。

① 新規接点を作る(認知・出会い)

展示会やWeb広告、SEOなどは、これまで接点のなかった企業に自社を知ってもらうための手法です。新規開拓の入口として重要な役割を果たしますが、ここでできるのはあくまで「出会い」までです。

② 比較検討を前に進める(理解・納得)

問い合わせや資料請求の後、取引先は複数の製造業を比較しながら検討を進めます。この段階では、技術や実績、対応範囲などが判断材料として分かりやすく整理されているかが重要になります。

③ 受注率を上げる(指名・決め手)

最終的に選ばれるかどうかは、「決め手」があるかどうかで決まります。他社との違いや、自社を選ぶ理由が明確でなければ、比較の末に選定から外れてしまいます。

多くの製造業で見られる失敗は、①の新規接点づくりだけに注力してしまうことです。②や③の設計がないままでは、問い合わせが増えても受注につながらない状態に陥りやすくなります。

次の章では、これら3つの目的を踏まえたうえで、製造業で活用される具体的な販売促進(販促)施策を整理していきます。

製造業の販売促進(販促)施策10選【目的別】

製造業の販売促進(販促)には、オフライン・オンラインを含めてさまざまな手法があります。ただし、施策の種類が多い分、「何となく良さそう」という理由で選んでしまうと、成果につながりにくいのも事実です。

そこで、製造業で活用される代表的な販売促進(販促)施策を、「どの目的に効く施策なのか」という視点で整理します。自社の課題が、新規接点づくりなのか、比較検討の促進なのか、受注率の改善なのかを意識しながら見てみてください。

以下では、製造業でよく使われる施策を、オフライン施策/オンライン施策/第三者評価・専門メディア露出の3つに分けて紹介します。

施策 主な目的 製造業での勝ち筋 よくある失敗
【1】展示会 ① 新規接点 名刺獲得後に、技術や実績を整理した資料・Webページでフォローすることで、比較検討につながりやすくなる 出展して終わりになり、比較検討で使われる情報が残らない
【2】商社・代理店 ① 新規接点 得意分野や対応範囲を明確にし、代理店側が説明しやすい状態を作る 強みが整理されておらず、他社と一括りに紹介される
【3】既存顧客からの紹介 ① 新規接点 紹介時に使える事例や実績資料を用意しておくことで、検討がスムーズに進む 口頭紹介のみで、比較検討の場で情報不足になる
【4】SEO(技術・用途キーワード) ② 比較検討 技術内容や対応実績を用途別に整理し、検討材料として検索される状態を作る 会社紹介だけで終わり、比較検討に使える情報がない
【5】コンテンツマーケティング ② 比較検討 課題別・用途別の情報を蓄積し、「この会社は詳しい」と認識される 情報が点在し、選定理由として整理されていない
【6】Web広告 ① 新規接点 明確な用途やニーズがある層に絞って出稿することで、無駄打ちを減らす 流入後の比較材料がなく、問い合わせで止まる
【7】SNS活用 ① 新規接点 技術や取り組みを継続的に発信し、関心層との接点を作る フォロワーは増えるが、検討につながらない
【8】動画(製造工程・技術紹介) ② 比較検討 言葉では伝わりにくい工程や品質を、視覚的に補完できる 動画単体で終わり、選定理由として整理されない
【9】専門メディアでの情報発信 ② 比較検討 第三者視点の記事が、比較検討や稟議でそのまま使われる 単発露出で終わり、情報が蓄積されない
【10】導入事例の整備 ③ 受注率 業界・用途別の事例が、最終判断の決め手になりやすい 事例が少なく、他社との差が見えない

どの施策も単体では効果が限定的になりやすく、比較検討の場で使われる情報が揃っていないと、販促効果は伸びにくい点は共通しています。
では、なぜ多くの製造業でこの状態が起きてしまうのでしょうか。

施策を打っても成果が出ない理由は「信用材料」が足りないから

製造業の販売促進(販促)は、施策を実行すればすぐに成果が出るものではありません。展示会やWeb施策で接点を作ったあと、問い合わせ、比較検討、社内判断といった段階を経て、はじめて受注に至ります。

そのため、新規開拓がうまくいかない場合も、「露出が足りない」「施策の数が足りない」といった問題だけでなく、問い合わせ後の検討プロセスで止まっていないかを確認する必要があります。

多くの場合、ボトルネックは施策そのものではありません。比較検討や稟議で必要になる「信用材料」が揃っていないことが原因で、検討が前に進まなくなっています。

問い合わせ後、比較で選ばれない典型パターン

問い合わせが入ったあと、取引先は複数社を並べて比較します。このとき、技術力や対応力があっても、それが相手にとって判断しやすい形で提示されていないと、次のような状態になります。

  • 強みが伝わらず、結局「どこも同じ」に見える
  • 比較軸が整理されていないため、担当者が社内で説明できない
  • 検討が進まず、優先順位が下がって自然消滅する

つまり「ダメだった」のではなく、選定理由として使える情報が不足していて、判断ができない状態です。

稟議で説明できず止まる典型パターン

BtoBの製造業取引では、担当者の判断だけで発注が決まるとは限りません。社内稟議や上長承認が入る場合、担当者は「なぜこの会社にするのか」を説明する必要があります。

このときに信用材料が不足していると、次のような言い方で検討が止まります。

  • 「良さそうなのは分かるけど、決め手が弱い」
  • 「他社との違いを説明できない」
  • 「費用対効果が見えない」

ここで止まるケースは、営業が弱いというよりも、比較検討と稟議のための説明セットが用意できていないことが原因です。

信用材料チェックリスト(簡易)

「信用材料」は難しい概念ではなく、比較検討や稟議の場でそのまま使える情報のことです。
まずは、以下が揃っているかを確認してみてください。

  • 導入事例(業界・用途別)
  • 第三者からの評価・露出(業界メディア・専門メディア等)
  • 技術・品質・保証体制(検査体制、認証、保証、対応範囲)
  • 比較軸(他社との違い、選ばれる理由が一言で言える状態)
  • FAQ(不安・懸念の先回り:納期、最小ロット、対応範囲、トラブル時対応など)

これらが揃ってくると、取引先側は「判断」しやすくなり、検討が前に進みます。言い換えると、販促施策の成果は、信用材料をどれだけ整備できているかで大きく変わります。

こうした信用材料を軸に、製造業が「選ばれる状態」を作る考え方は、製造業のブランディング=比較検討で選ばれる状態を作る方法で詳しく整理しています。

販促の成果を“費用対効果”で判断するためのKPI

製造業の販売促進(販促)を検討する際、多くの現場で挙がるのが「費用対効果が見えない」「投資に見合うのか判断しづらい」といった不安です。この不安の多くは、成果をどの指標で判断するかが整理されていないことから生まれています。

販促の成果は、PV数や問い合わせ件数だけでは判断できません。とくにBtoBの製造業では、検討期間が長く、比較や稟議を経て受注に至るため、途中段階の変化を見る指標が重要になります。

指名検索数

社名やサービス名、製品名などで検索される回数は、「検討候補として認識されているかどうか」を測る指標です。
販促によって指名で探される状態が増えていれば、比較検討の土俵に乗れていると判断できます。

重要キーワードでの露出

技術名や用途名など、検討段階で使われやすいキーワードで露出できているかも重要です。
単なる表示回数ではなく、比較検討に使われるキーワードで見つかっているかを見る必要があります。

問い合わせの質

問い合わせ件数が増えても、検討度合いが低ければ成果にはつながりません。用途や課題が具体的な問い合わせが増えているかどうかは、販促が適切な相手に届いているかを判断する指標になります。

商談化率・受注率

問い合わせから商談、受注に至る割合は、販促と営業のつながりを測る指標です。
信用材料が整ってくると、商談の進み方や決定までのスピードにも変化が表れます。

営業の説明工数削減

意外と見落とされがちですが、営業現場の変化も重要な指標です。
説明資料や事例、第三者評価などが揃うことで、毎回ゼロから説明する必要がなくなり、営業の説明工数が減っているかを確認できます。

これらの指標を組み合わせて見ることで、販促施策が比較検討や稟議にどう影響しているかを把握しやすくなります。
単発の数値ではなく、プロセス全体の変化として捉えることが、費用対効果を判断するうえで重要です。

最短で「選ばれる理由」が伝わる状態を作る方法

ここまで見てきたように、製造業の販促では、施策の数を増やすことよりも、比較検討や社内判断で使われる情報を、どのように整理・蓄積するかが成果を左右します。

比較検討や社内判断で使われる情報を整えるには、技術やテーマごとに、説明・実績・補足資料が同じ文脈で確認できる状態を作るという考え方があります。
検討のたびに資料やページを探し回らなくても、必要な情報がまとまっていれば、取引先は内容を理解しやすく、社内でも説明しやすくなります。

この考え方のポイントは、施策を点で打たないことです。展示会、Web、営業資料などをバラバラに用意するのではなく、一つの軸となる説明や情報設計を積み上げていくイメージになります。
例えば、展示会での説明内容と、Webサイトに掲載されている情報、営業が商談で使う資料が同じ考え方・同じ表現でつながっていれば、取引先にとっては理解しやすく、判断もしやすくなります。

このように、接点ごとに説明を変えるのではなく、どの接点でも「同じ理由で選べる状態」を作ることが、結果的に比較検討で迷われにくい状態につながります。
すべての企業に当てはまる方法ではありませんが、販促施策が点在している、説明が属人化していると感じている場合には、検討してみる価値のある考え方の一つです。

販促施策は単体で完結するものではなく、製造業マーケティング全体の中で、どの役割を担っているかを整理することで、はじめて営業成果につながりやすくなります。

販促を含めた製造業マーケティングの全体像や考え方については、以下で整理しています。

製造業マーケティングの全体像と考え方

自社の販促が「営業成果」につながっているか整理したい方へ

ここまでお読みいただき、
販促施策単体ではなく、製造業マーケティング全体の中で、いま何が機能していて、何が足りていないのかを整理したいと感じた方もいるかもしれません。

このような整理相談は、特に次のような状況にある製造業の方に向いています。

向いているケース

  • 展示会・Web・営業資料が、それぞれ別々に作られている
  • 問い合わせはあるが、商談化や受注につながりにくい
  • 自社の強みや選ばれる理由を、社内で説明しきれていない
  • 販促施策が、比較検討や稟議でどう使われているか把握できていない

一方で、次のような場合は、今すぐの対応が不要なケースもあります。

今すぐでなくてもよいケース

  • 既存顧客や紹介だけで、安定して受注できている
  • 販促や営業の仕組みを、これから大きく変える予定がない

「何かを依頼する」というよりも、現在の販促施策が、営業や意思決定の場でどう機能しているのかを整理するところから始めたい場合は、現状整理という形でお話しすることも可能です。

製造業の販促・マーケティングの
現状整理について相談する

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