民泊・ホテル向けスマートロックとは、暗証番号、ICカード、QRコード、スマホアプリなどを使って客室や物件の入退室を管理できる電子錠です。物理鍵の受け渡しを減らせるため、民泊のチェックイン対応やホテルのフロント業務を省人化しやすくなります。
この記事では、民泊・ホテル向けスマートロック13製品を費用、解錠方法、設置方式、PMS・予約システム連携、オフライン対応などの観点から比較しています。無人チェックイン化や鍵の受け渡し業務の削減を検討している宿泊施設の方は、導入目的に合うスマートロック選びの参考にしてください。
各社の詳細資料は、下記のリンクからダウンロード可能です(※一部のみ)。比較検討にお役立てください。
民泊・ホテル向けのスマートロック一覧
民泊・ホテル向けスマートロックは、料金だけでなく、設置方式や解錠方法、チェックインシステムとの連携可否まで確認して選ぶことが重要です。以下の一覧表では、各製品の特徴、そのスマートロックの導入に向いている施設、料金、解錠方法を比較できます。
| 会社名 | サービスの特徴 | こんなホテル・民泊におすすめ | 料金プラン | 解錠方法 |
|---|---|---|---|---|
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【小規模民泊・ホテル向け】穴開け工事不要、初期・月額費用もお手頃
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チェックイン対応を無人化したいが高額投資は避けたい
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【初期】
110,000円(本体66,000円+中継機44,000円 / 台) 【月額】 マンスリープラン:990円 年間プラン:825円 / 台 ※税込み |
暗証番号
ICカード 物理鍵 |
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Akerun(アケルン) |
金融機関並のセキュリティレベルを誇るシステム |
高いセキュリティレベルを担保したい
自動ドアと鍵付き扉を一元管理したい |
非公開(要問合せ)
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ICカード
アプリ URLリンク |
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Baycomスマートロック |
通信+映像+鍵をまとめて、まるごと遠隔管理 |
「通信会社」「防犯カメラ業者」「電子錠業者」
が別々で、保守や請求が煩雑 |
【初期】
新規加入手数料:3,300円/1施設 【月額】 基本利用料:1,012円 ゲートウェイ1台+スマートロック管理システム:1,650円/台 |
暗証番号
ICカード 物理鍵 |
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bitlock PRO |
導入コストゼロで始められるスマートロック |
オフィス・店舗・宿泊施設の
入退室セキュリティ強化と運用コスト削減 |
【初期】0円
【月額】5,500円~ |
アプリ
暗証番号 ICカード/社員証 スマートウォッチ 顔認証 物理鍵 |
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Novel(ノーヴェル) |
レバーハンドル式とスマートロックが一体化したデザイン |
スリムな形をしているスマートロックを導入したい
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【初期】8.8万円~
【月額】非公開 |
スマホ/アプリ
(※Apple Wallet含む) ICカード |
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RemoteLOCK |
予約と鍵をシームレスにつなぐ、クラウド入退室管理 |
複数拠点・数百室規模のホテルチェーンで鍵管理が煩雑
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【初期】
本体:66,000円~207,900円(機種により異なる) 中継機:40,000円/台 【月額】 1,650円~2,750円/台(機種により異なる) |
暗証番号
QRコード 物理鍵 |
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KEYVOX |
宿泊業務をまとめてデジタル化 |
民泊のDX推進、宿泊体験の差別化
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【初期】
本体:不明 【月額】 スマートロック利用料:2,500円×ロック数 各種パック料金:5,500円~9,500円(プランにより異なる) |
暗証番号
QRコード 物理鍵 アプリ |
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SwitchBotロック |
15種類の解錠方法に対応しているスマートロック |
様々な解錠方法で顧客にとっての利便性を高めたい
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非公開
(一般消費者向けでは17,800円~ ※税込) |
アプリ
ICカード パスワード 指紋 音声 Apple Watch 他 |
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KEYPo(キーポ)・PiACK Biz |
長期運用に耐える国産品質・防犯性の高さ |
長期運用で壊れにくく、
メンテナンスの手間を減らしたい |
【初期】
本体セット:135,355円~ (スマートロック+中継器+ゲートウェイの合計) ※税込 【月額】 Web管理システム利用料:2,178円~/台 ※税込 |
暗証番号
URLキー 物理鍵 ICカード |
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キヅクモスマートロック |
カメラとの連携(録画機能)によるセキュリティ強化が可能 |
カメラとの連動で施解錠を遠隔でしっかり確認したい
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【初期】
160,270 円~(税込)※ 【月額】 3,300円~(税込) ※機器設置費用は別途お見積り |
暗証番号
ICカード アプリ |
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EPIC |
「買い切り型」で月額費用が発生しないスマートロックシステム |
月々の運用費用を抑えたい
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非公開
(初期費用・導入費用のみ) |
暗証番号
アプリ ICカード 指紋 顔認証 リモコン |
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igloo(igloohome) |
Wi-Fiに依存しにくいオフライン対応型スマートロック |
通信環境に左右されにくいスマートロックで、
民泊・貸別荘の非対面チェックインを行いたい |
非公開
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暗証番号
Bluetooth 物理鍵 |
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NinjaLockM |
不動産管理の現場に強い、IoT連携型スマートロック |
鍵紛失・交換・退去時対応などが手間
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【初期】本体:機種により異なる
【月額】記載なし |
暗証番号
物理鍵 アプリ |
民泊・ホテル向けスマートロックのポジショニングマップ
民泊・ホテル向けスマートロックは、施設規模や運営方法によって選ぶべき製品が異なります。小規模民泊では、工事不要・低コスト・暗証番号発行のしやすさが重要です。一方、ホテルや複数拠点を運営する施設では、PMS連携、複数客室管理、入退室ログ、共用部管理などが重要になります。
以下では、掲載製品を「中〜大規模ホテル・施設管理向け/小規模・民泊向け」と「シンプルな鍵管理/運営システム連携型」の2軸で整理しました。自施設の運営規模や課題に近い位置の製品から比較すると、導入目的に合うスマートロックを選びやすくなります。
運営連携型
運営連携型
鍵管理型
シンプル導入型
※上記のポジショニングマップは、各製品の公式情報や本記事で紹介している特徴をもとに、編集部が整理したものです。
| 製品名 | マップ上の位置 | ポジションの理由 |
|---|---|---|
| LINKEY Plus | 民泊向け・運営連携型 | 小規模ホテル・民泊向けに、暗証番号発行、工事不要、原状回復しやすさ、低コストを提供しているため。 |
| KEYVOX | 民泊向け・運営連携型 | 鍵管理だけでなく、チェックイン、決済、本人確認までまとめて対応できるため。 |
| igloo | 民泊向け・オフライン対応型 | 通信環境に左右されにくく、民泊・貸別荘の非対面チェックインに向いているため。 |
| SwitchBotロック | 民泊向け・シンプル導入型 | 後付けしやすく、解錠方法も多く、小規模民泊や賃貸物件で試しやすいため。 |
| EPIC | 民泊向け・鍵管理型 | 買い切り型で、暗証番号、ICカード、指紋、顔認証など多様な解錠方法に対応しているため。 |
| KEYPo | 民泊・無人施設向け鍵管理型 | 時限キー配信やURLキーに対応し、民泊・レンタルスペース・無人施設の鍵管理に向いているため。 |
| キヅクモスマートロック | 民泊向け・セキュリティ連携型 | 遠隔での暗証番号設定に加え、カメラ連携によるセキュリティ強化ができるため。 |
| RemoteLOCK | ホテル向け・運営連携型 | クラウド管理、複数拠点管理、PMS・予約システム連携に強みがあるため。 |
| Akerun | ホテル・法人施設向け管理型 | 高いセキュリティ、入退室ログ、複数拠点管理、自動ドア管理に対応しているため。 |
| Novel | 中〜大規模ホテル向け | ホテルキー管理システムとの併用を前提とした、中〜大規模ホテル向け製品のため。 |
| Baycomスマートロック | ホテル・施設管理向け連携型 | 通信回線、防犯カメラ、鍵管理をまとめて導入できる施設管理向けのため。 |
| bitlock PRO | 法人施設・宿泊施設向け鍵管理型 | ホテル専用ではないものの、法人施設や宿泊施設の入退室管理に使いやすいため。 |
| NinjaLockM | 不動産管理・中長期滞在向け | 不動産管理、マンスリーマンション、賃貸運用と宿泊の両面で活用しやすいため。 |
民泊・ホテル向けスマートロックおすすめ13選の詳細情報
【完全ガイド】民泊・ホテル向けスマートロックの選び方
ホテル・民泊向けスマートロックを選ぶ際は、最初から「ホテル向け」「民泊向け」と分けて考えるよりも、まずは自施設でどこまで鍵管理を自動化したいのかを整理することが重要です。
スマートロックには、暗証番号やICカードで解錠できるシンプルな製品から、PMS・予約システム・セルフチェックインシステムと連携し、予約情報に応じた鍵発行や権限管理まで自動化できる製品まであります。
そのため、選定時は以下の流れで確認すると、自施設に合う製品を段階的に絞り込みやすくなります。
| 選定ステップ | 確認すること | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 1. 導入目的を決める | 鍵の受け渡し削減だけか、チェックイン省人化まで行うか | 必要な機能の範囲が決まる |
| 2. 運営規模を確認する | 客室数、物件数、拠点数、現地スタッフの有無 | 管理画面・権限管理・一括管理の必要性が変わる |
| 3. 予約情報との連携を確認する | PMS、OTA、サイトコントローラー、セルフチェックインとの連携 | 鍵発行を自動化できるかが決まる |
| 4. 解錠方法を選ぶ | 暗証番号、ICカード、QRコード、URL、アプリなど | 宿泊者が迷わず入室できるかを見る |
| 5. 設置可否を確認する | ドアの厚み、錠前、サムターン、工事可否、屋外対応 | 導入できない製品を早めに除外できる |
| 6. トラブル対応を確認する | 通信障害、電池切れ、締め出し、緊急解錠 外国人宿泊客への対応 |
無人・省人運営では特に重要 多言語対応など |
| 7. 費用対効果を見る | 初期費用、月額費用、保守費用、削減できる業務工数 | 安さだけでなく運用負担の削減効果も比較する |
1. 導入目的を決める
スマートロック選びで最初に決めたいのは、導入目的です。単に物理鍵の受け渡しを減らしたいだけなのか、予約情報に応じた暗証番号発行やチェックイン対応まで自動化したいのかによって、選ぶべき製品が変わります。
たとえば、小規模な民泊や貸別荘で「鍵の受け渡しをなくしたい」という目的であれば、暗証番号式や後付け型のスマートロックが候補になります。一方、ホテルや複数物件を運営する民泊では、PMSや予約システムと連携し、チェックイン前後の鍵発行・無効化まで自動化できる製品のほうが向いています。
| 導入目的 | 向いている製品タイプ | 重視したい機能 |
|---|---|---|
| 鍵の受け渡しをなくしたい | 暗証番号式・後付け型スマートロック | 工事不要、暗証番号発行、低コスト |
| 夜間チェックインを省人化したい | 遠隔管理対応スマートロック | 予約ごとの鍵発行、遠隔解錠、オフライン解錠 |
| フロント業務を削減したい | PMS・セルフチェックイン連携型 | 自動鍵発行、チェックアウト後の自動失効 |
| 複数客室・複数物件を管理したい | クラウド一括管理型 | 複数拠点管理、入退室ログ、スタッフ権限管理 |
| 無人運営の不安を減らしたい | セキュリティ連携型 | ログ確認、カメラ連携、緊急時サポート |
ホテルの場合は、フロント業務や客室管理をどこまで省人化するかが判断基準になります。民泊の場合は、オーナーや管理会社が現地に行かずにゲストを入室させられるかが重要です。
2. 客室数・物件数に合った管理機能を選ぶ
スマートロックは、施設規模によって必要な管理機能が変わります。1〜数室の小規模施設であれば、シンプルな暗証番号発行や後付け設置のしやすさが重視されます。一方、客室数が多いホテルや複数物件を運営する民泊では、1台ずつ手動で管理する運用では負担が大きくなります。
管理する部屋数や物件数が増えるほど、以下のような機能が重要になります。
- 複数のスマートロックを一括管理できる
- 宿泊者・清掃スタッフ・管理会社ごとに権限を分けられる
- 入退室ログを確認できる
- 鍵の有効期限を自動で設定できる
- 電池残量や通信状況を遠隔で確認できる
ホテルと民泊では、同じ「複数管理」でも見るべきポイントが少し異なります。
| 運営タイプ | 重視したいポイント | 理由 |
|---|---|---|
| 小規模ホテル・旅館 | 工事不要、暗証番号対応、電話サポート、低月額費用 | 初期投資を抑えながら、まずは一部客室から導入しやすいため |
| ビジネスホテル | PMS連携、複数客室管理、入退室ログ、カードキー代替 | フロント対応や夜間チェックインの負担を減らしやすいため |
| 無人ホテル・省人ホテル | セルフチェックイン連携、本人確認連携、遠隔解錠 | チェックインから入室までを非対面化しやすいため |
| 複数拠点のホテル | クラウド一括管理、API連携、スタッフ権限管理 | 拠点ごとの鍵管理を本部側でまとめやすいため |
| 1室〜数室の民泊 | 後付け型、暗証番号式、低コスト、アプリ不要 | ゲストが迷わず使え、導入負担も抑えやすいため |
| 一棟貸し・貸別荘 | 耐候性、防水・防塵性能、外部給電、緊急対応 | 屋外環境や遠隔地での運営トラブルに備える必要があるため |
| 複数物件の民泊 | OTA連携、物件別管理、清掃スタッフ権限、ログ管理 | 物件ごとの暗証番号管理や清掃手配を効率化しやすいため |
小規模施設では「導入しやすさ」、大規模施設では「管理しやすさ」が重要です。まずは客室数・物件数・現地スタッフの有無を整理し、それに合う管理機能を選びましょう。
3. 予約システム・PMS・OTAとの連携範囲を確認する
スマートロックを宿泊施設で活用する場合、予約情報と鍵発行を連携できるかは重要な比較ポイントです。
PMSや予約システムと連携できるスマートロックであれば、予約情報に応じて暗証番号や入室URLを自動発行し、チェックアウト後にアクセス権を自動で無効化できます。これにより、フロントスタッフや民泊オーナーが手作業で鍵を発行・回収する手間を減らせます。
ただし、すべてのスマートロックがすべてのPMSやOTAに対応しているわけではありません。導入前には、現在利用しているシステムとどのように連携できるかを確認しておきましょう。
| 確認項目 | ホテルでの見方 | 民泊での見方 |
|---|---|---|
| PMS連携 | 予約情報から客室ごとの鍵を自動発行できるか | PMSやサイトコントローラー経由で鍵発行できるか |
| セルフチェックイン連携 | チェックイン端末・本人確認システムと連携できるか | 事前チェックインや本人確認とセットで運用できるか |
| OTA連携 | 公式予約・OTA予約をまとめて管理できるか | Airbnb、Booking.com、楽天トラベルなどの予約経路と相性がよいか |
| 自動メッセージ | チェックイン前に暗証番号やQRコードを送れるか | ゲストへ自動で入室案内を送れるか |
| チェックアウト後の無効化 | 退室後にアクセス権を自動で切れるか | 暗証番号の使い回しや再入室を防げるか |
ホテルでは、PMSやセルフチェックイン端末との連携により、フロント業務や夜間対応の負担を減らせるかが重要です。民泊では、AirbnbなどのOTA運用や予約後の自動メッセージと相性がよいかを確認する必要があります。
連携ができない場合でも、手動で暗証番号を発行できる製品はあります。ただし、予約数や物件数が増えるほど手作業の負担が大きくなるため、将来的に運用規模を広げる予定がある場合は、連携範囲を重視して比較しましょう。
4. 宿泊者が迷わず入室できる解錠方法を選ぶ
スマートロックは、解錠方法によって宿泊者の使いやすさが変わります。ホテル・民泊のどちらでも、宿泊者が初めて訪れる場所で迷わず入室できることが大切です。
特に無人チェックインや夜間チェックインを行う場合、解錠方法がわかりにくいと問い合わせやクレームにつながります。宿泊者の年齢層、外国人比率、リピーターの多さ、スマートフォン利用を前提にできるかを考えて選びましょう。
| 解錠方法 | 特徴 | 向いている運用 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 暗証番号 | 番号を入力するだけで解錠できる | ホテル・民泊どちらでも使いやすい。無人チェックインとも相性がよい | 番号の使い回しを防ぐため、予約ごとの発行・失効が望ましい |
| ICカード | カードをかざして解錠できる | ホテルのカードキー代替、スタッフ用の鍵管理 | カード発行・回収・紛失対応が必要 |
| QRコード・URLリンク | 事前送付されたQRコードやURLで解錠できる | セルフチェックイン、非対面チェックイン | スマホの電池切れや通信環境に注意が必要 |
| スマホアプリ | アプリ経由で施解錠できる | リピーター、長期滞在、会員制施設 | 初回利用者にはインストールや操作説明が負担になる場合がある |
| 顔認証 | 手ぶらで解錠できる | 高価格帯ホテル、先進的な宿泊体験を訴求する施設 | 導入費用や個人情報管理の負担が大きい |
| 物理鍵 | 非常時に解錠できる | 緊急時のバックアップ | 管理方法を決めないと紛失リスクが残る |
ホテルでは、ビジネス客、観光客、高齢者、外国人旅行者など幅広い宿泊者が利用します。そのため、暗証番号やICカードなど、説明が少なくても使いやすい方式が候補になります。
民泊では、ゲストが現地でスタッフに質問できないケースが多いため、アプリ不要で使える暗証番号式や、事前案内しやすいQRコード・URLリンクが向いています。一方で、アプリインストールや会員登録が必要な方式は、初回利用者にとって負担になる場合があります。
5. 既存ドア・錠前・設置環境に合うかを確認する
スマートロックは、すべてのドアに設置できるわけではありません。導入したい製品があっても、ドアの厚みや錠前の種類、サムターンの形状によっては取り付けできない場合があります。
製品比較を進める前に、以下の点を確認しておきましょう。
- ドアの厚み
- 錠前の種類
- サムターンの形状
- レバーハンドルの有無
- 室内側・屋外側の設置可否
- 自動ドアや共用部扉との連携可否
- 穴開け工事やシリンダー交換が必要か
- 賃貸物件で原状回復できるか
ホテルでは、客室によってドア仕様が異なるケースや、既存のカードキーシステム・共用部セキュリティと併用するケースがあります。全室一括導入を検討する場合は、現地調査や適合確認を行い、導入できない客室がないかを確認しておくことが重要です。
民泊では、賃貸物件、戸建て、一棟貸し、古民家など物件ごとにドア仕様が大きく異なります。賃貸物件で運営する場合は、ドアを傷つけにくい工事不要タイプや後付けタイプが候補になります。一棟貸しや貸別荘では、屋外設置の可否、防水・防塵性能、耐久性も確認しておくと安心です。
6. トラブル対応を確認する
通信障害・電池切れ時に締め出しを防げるか確認する
ホテル・民泊のどちらでも、通信障害や電池切れによって宿泊者が入室できなくなると大きなトラブルになります。特に無人運営や夜間チェックインでは、現地にスタッフがいない状態で締め出しが起きる可能性があるため、緊急時の対応方法まで確認しておく必要があります。
スマートロックを選ぶ際は、以下の点を比較しましょう。
| トラブル | 確認すること | 見るべきポイント |
|---|---|---|
| Wi-Fi・通信障害 | オフラインでも暗証番号やICカードで解錠できるか | 遠隔操作ができない場合でも、現地解錠できるか |
| 電池切れ | 電池残量通知、外部給電、非常用キーに対応しているか | 入室不可になる前に管理者が気づけるか |
| ゲストの操作ミス | 解錠手順をわかりやすく案内できるか | 画像付き案内、多言語案内、問い合わせ先を用意できるか |
| 深夜・早朝のトラブル | サポート窓口や管理会社が対応できるか | 夜間到着の多い施設では特に重要 |
| 端末故障 | 代替の解錠手段を用意できるか | 物理鍵、予備コード、現地対応の運用を決めておく |
ホテルでは、フロントや夜間スタッフがいる場合でも、複数客室で一斉にトラブルが起きた際の対応を考えておく必要があります。電池残量を管理画面で確認できるか、客室ごとにアラートを受け取れるか、メンテナンスの担当者を決められるかを確認しましょう。
民泊では、オーナーや管理者が現地にいない状態でゲストが到着することが多いため、通信障害時でも入室できる仕組みがより重要です。オフライン暗証番号、Bluetooth解錠、外部給電、現地管理会社による緊急対応など、複数のバックアップ手段を用意できる製品を選ぶと安心です。
外国人宿泊者への対応を確認する
外国人宿泊者が利用する施設では、解錠方法そのものだけでなく、案内のわかりやすさも重要です。スマートロックが暗証番号やQRコードに対応していても、案内文が日本語だけだと、チェックイン時の問い合わせが増える可能性があります。
多言語対応では、以下を確認しておきましょう。
- 英語、中国語、韓国語などで解錠手順を案内できるか
- チェックイン前に自動メッセージを送れるか
- 解錠手順を画像付きで説明できるか
- 暗証番号やQRコードを安全に送信できるか
- トラブル時の連絡先を多言語で案内できるか
ホテルでは、PMSやセルフチェックイン端末、自動送信メールと組み合わせて、フロントへの問い合わせを減らせるかを確認するとよいでしょう。民泊では、Airbnbなどの予約メッセージに解錠手順を組み込めるか、到着前に自動で案内できるかが重要です。
特に民泊では、ゲストが建物入口、共用玄関、客室ドアのどこでどの番号を使うのか迷いやすいため、文章だけでなく、写真やステップ形式の案内を用意しておくと入室トラブルを防ぎやすくなります。
7. 清掃スタッフ・管理会社・設備業者の権限管理ができるか確認する
スマートロックは、宿泊者の入室だけでなく、スタッフや関係者の入退室管理にも使えます。ホテル・民泊ともに、宿泊者以外が施設に出入りするため、誰に・いつまで・どの部屋の権限を付与するかを管理できるかが重要です。
権限管理で確認したいポイントは以下です。
- 宿泊者ごとに有効期限付きの鍵を発行できるか
- 清掃スタッフに作業時間だけ使える鍵を発行できるか
- 設備業者や管理会社に一時的な権限を付与できるか
- 権限を遠隔で削除できるか
- 入退室ログで「いつ・誰が入ったか」を確認できるか
- 管理者権限とスタッフ権限を分けられるか
ホテルでは、フロントスタッフ、清掃スタッフ、設備業者、管理者など、複数の関係者が客室や共用部に出入りします。客室ごとの権限管理に加えて、共用部、自動ドア、バックヤードなども含めて管理できるかを確認しましょう。
民泊では、清掃スタッフや管理会社に毎回物理鍵を渡す運用だと、受け渡しや回収の手間が発生します。作業時間だけ使える暗証番号や電子キーを発行できれば、物理鍵の紛失リスクを抑えながら、清掃・点検・備品補充の運用を効率化できます。
8. 導入コストと削減できる業務負担をセットで比較する
スマートロックの費用は、本体価格だけで比較すると判断を誤ることがあります。設置工事費、ゲートウェイ・中継機費用、月額管理費、PMS連携費用、保守費用なども含めて確認しましょう。
特にホテルでは、1台あたりの月額費用が小さく見えても、全室導入すると大きな固定費になります。民泊では、初期費用を抑えられる製品が魅力に見えますが、手動で暗証番号を発行する手間や、トラブル時の現地対応コストも含めて考える必要があります。
| 費用項目 | 確認すること | 注意点 |
|---|---|---|
| 本体価格 | 1台あたりの価格 | 客室数・物件数分の台数が必要 |
| 設置費用 | 工事費、出張費、現地調査費 | 後付け型か工事型かで変わる |
| ゲートウェイ・中継機 | 遠隔管理に必要か | 部屋ごと・施設ごとに必要台数が変わる |
| 月額管理費 | 1台あたり、または施設単位の費用 | 全室導入時の固定費を確認する |
| システム連携費 | PMS、OTA、セルフチェックイン連携の費用 | 連携オプションが別料金の場合がある |
| 保守・サポート | 電話サポート、保証、故障時対応 | 無人運営では対応時間も重要 |
| 運用コスト | 電池交換、清掃時確認、管理者作業 | 導入後の管理負担も比較する |
費用を見る際は、単に「安いかどうか」ではなく、削減できる業務負担も含めて検討しましょう。
ホテルであれば、フロント対応時間、夜間チェックイン対応、カードキー発行・回収、鍵紛失時の交換対応をどれだけ減らせるかが判断材料になります。民泊であれば、鍵の受け渡し、キーボックス管理、暗証番号の手動変更、清掃スタッフへの鍵共有、ゲストの入室トラブル対応をどれだけ減らせるかが重要です。
最終的には「導入後の運用」を基準に選ぶ
スマートロックは、機能が多い製品ほど必ず使いやすいとは限りません。小規模民泊では、アプリ不要で使える暗証番号式のほうがゲストにとってわかりやすい場合があります。一方、複数客室を持つホテルでは、低価格な単体スマートロックよりも、PMS連携や一括管理ができる製品のほうが運用負担を減らせる可能性があります。
最後に、以下の順番で候補を絞ると比較しやすくなります。
- 鍵の受け渡しだけを減らすのか、チェックインまで省人化するのかを決める
- 客室数・物件数・現地スタッフの有無を整理する
- 現在使っているPMS・OTA・予約管理システムとの連携可否を確認する
- 宿泊者が迷わず使える解錠方法を選ぶ
- 既存ドアや錠前に設置できるか確認する
- 通信障害・電池切れ時の入室手段を確認する
- 清掃スタッフや管理会社の権限管理ができるか確認する
- 初期費用・月額費用・削減できる業務負担を比較する
この流れで選定すれば、ホテル・民泊のどちらでも、単なる機能比較ではなく、自施設の運営課題に合うスマートロックを選びやすくなります。
民泊・ホテル向けスマートロックとは?
スマートロックとは、スマートフォン・暗証番号・ICカードなどを使って開閉できる電子錠のことです。物理的な鍵を使わずに入退室を管理できるため、鍵の受け渡しにかかる時間や人件費を削減し、運営の効率化につながります。
民泊やホテルをはじめとした宿泊施設では、非対面チェックインや省人化の流れを背景に、スマートロックの導入が急速に進んでいます。
近年では感染症対策を契機に「非接触・無人チェックイン」が一般化し、宿泊客が安心して利用できる仕組みづくりが重要視されるようになりました。スマートロックはまさにこの流れを支える中核技術といえます。
スマートロックの導入が増える背景
スマートロック導入が加速している主な理由は、次の通りです。
- フロント業務の無人化・省人化の流れ
- 24時間チェックイン対応へのニーズ拡大
- 民泊新法(住宅宿泊事業法)に対応した本人確認義務
- 非接触・衛生意識の定着
これらの要因から、宿泊客とスタッフ双方の負担を軽減しながら、安全で効率的な運営体制を築くことが求められています。スマートロックはそのための戦略的インフラ投資と言えるでしょう。
一般住宅向けスマートロックと民泊・ホテル向けスマートロックの違い
一般住宅向けスマートロックは、家族や知人との鍵共有、オートロック、スマホ解錠などを主な目的として設計されています。一方、民泊・ホテル向けスマートロックでは、予約ごとの暗証番号発行、チェックアウト後の自動失効、PMS・セルフチェックインシステムとの連携、清掃スタッフや管理会社への一時権限付与など様々な機能が搭載されています。
単にスマホで鍵を開けられるだけでは、宿泊施設の運用には不十分な場合があります。無人チェックインや複数客室管理を行う場合は、予約管理や本人確認、決済、入退室ログ、緊急時対応まで含めて比較しましょう。
ホテル・民泊がスマートロックを導入する導入効果とメリット
1. 鍵の受け渡しを自動化して業務効率化
スマートロックの大きなメリットは、鍵の受け渡しや管理業務を自動化できる点です。PMS(ホテル管理システム)や予約システムと連携できる製品であれば、予約情報に基づいて暗証番号や解錠URLを自動発行し、チェックアウト後に無効化することも可能です。
これにより、スタッフが手作業で鍵を発行したり、現地で鍵を受け渡したりする必要が減り、業務負担を軽減できます。チェックイン対応が多い施設や、少人数で複数物件を管理している民泊運営者にとっては、省人化につながる効果が見込まれます。
2. フロント業務や人件費の削減
スマートロックをセルフチェックインシステムや本人確認システムと組み合わせることで、チェックインから入室までの流れを非対面化しやすくなります。宿泊者が事前に案内された暗証番号やQRコードを使って入室できれば、現地スタッフによる鍵の受け渡し対応を減らせます。
その結果、フロント常駐時間の短縮や夜間対応の削減につながり、人件費の抑制が期待できます。完全無人化には法令や緊急時対応などの体制整備も必要ですが、スマートロックは省人運営を実現するための基盤となる設備です。
3. セキュリティの向上
従来の物理鍵では、紛失や複製、返却忘れといったリスクが発生します。スマートロックでは宿泊期間中のみ有効な暗証番号や電子キーを発行でき、チェックアウト後には自動で無効化できます。鍵を回収する必要がないため、前の宿泊者が再入室するリスクも抑えやすくなります。
また、入退室履歴を確認できる製品であれば、いつ・誰が入室したのかを記録として残せます。万が一トラブルが発生した場合でも、状況確認がしやすくなり、宿泊者と施設双方の安心感につながります。
4. 鍵紛失・再発行対応のコスト削減
物理鍵を使った運用では、宿泊者が鍵を紛失した場合、再発行やシリンダー交換が必要になることがあります。スマートロックであれば、暗証番号や電子キーを変更・再発行することで対応できるため、鍵紛失時のコストを軽減できます。
特に、短期滞在の宿泊者が多い民泊や、チェックイン・チェックアウトの回転が早い施設では、鍵トラブルの削減は運営効率に直結します。鍵の受け渡しから紛失対応までデジタル化することで、管理コストを抑えやすくなります。
5. ゲスト満足度の向上
スマートロックを導入すると、宿泊者はフロントで鍵を受け取る必要がなくなり、いつでもスムーズに入室できます。チェックイン時の待ち時間を減らせるため、移動で疲れているゲストにとっても利便性の高い仕組みです。
また、暗証番号やQRコード、ICカードなど、施設に合った解錠方法を選べば、外国人旅行客やスマートフォン操作に不慣れな宿泊者にも対応しやすくなります。入室までのストレスを減らすことは、口コミ評価やリピート利用の向上にもつながります。
6. 複数施設・複数部屋の管理を効率化
複数の客室や民泊物件を運営している場合、物理鍵の管理は大きな負担になります。スマートロックを導入すれば、管理画面上で各部屋の鍵を発行・変更・削除できるため、現地へ行かずに鍵管理を行いやすくなります。
清掃スタッフや設備業者に一時的な入室権限を付与できる製品であれば、作業時間に合わせた鍵発行も可能です。管理者、宿泊者、清掃スタッフごとに権限を分けられるため、複数施設を運営する事業者にとっては、運用効率と安全性の両面でメリットがあります。
ホテル・民泊でスマートロックを導入する際の注意点
導入効果を最大化するには、技術的な運用面とゲスト対応面の両方に配慮することが欠かせません。
通信環境と電池切れ対策を確認
スマートロックの多くは電池式で動作しているため、電池切れは宿泊運営上の大きなリスクです。
電池残量を自動通知してくれる機種を選び、定期交換のスケジュールを組み込むことが重要です。
また、万が一電池が切れた場合に外部給電できる機構(Micro USB端子など)を備えた製品を選ぶと安心です。
さらに、通信トラブルを避けるためにはWi-Fi環境の安定性も欠かせません。暗証番号式など、通信に依存しない解錠方法を併用しておくと、緊急時の対応が容易になります。
ゲストの操作サポート
どれだけ高機能でも、ゲストが使い方に戸惑えば評価は下がります。
高齢者や外国人ゲストの利用を想定し、使い方マニュアルや多言語対応の案内を準備しておくと安心です。スマホアプリ不要の暗証番号タイプを選ぶのも効果的です。
SMSでの手順送信や動画ガイドを活用するのも良いでしょう。
設置可能なドアか事前に確認
後付け型スマートロックは、ドアの厚みや形状によっては取り付けできない場合もあります。
設置前に現地調査を行い、ドアの素材やサムターン(ドア施錠・解錠のためのつまみ)の形状を確認しておきましょう。
テープ固定タイプの場合は、表面の状態が悪いと外れる可能性もあるため、安定性の確認が必要です。
スマートロック導入前に確認したい法令・運用要件
スマートロックは、宿泊施設の省人化や無人運営を進めるうえで有効な設備です。ただし、法令上では「鍵のスマートロック化」自体ではなく、本人確認、宿泊者名簿の整備、防犯、緊急時対応まで含めた適切な運用体制が求められます。ホテル・簡易宿所と民泊では適用される制度や要件が異なるため、スマートロックを導入前に確認すべきポイントを整理しておくことが重要です。
物件が属している運営制度
宿泊施設の運営は、旅館業法上の許可、住宅宿泊事業法の届出、国家戦略特区法上の認定のいずれかで適法に行う必要があります。どの制度で運営するかによって、本人確認の方法、管理体制、日数制限の有無などが変わります。スマートロック選定の前に、まず自施設がどの制度に該当するのかを改めて明確にしておく必要があります。
参照元:厚生労働省「違法民泊対策について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000110603.html)本人確認義務
旅館業では、宿泊者名簿の正確な記載を確保するため、対面または対面と同等の手段による本人確認が求められています。2025年4月1日からは、自動チェックイン機器等を通じた本人情報の照合による本人確認も認められています。ただし、その場合でも、本人確認の状況を顔が判別できる角度で録画し、必要時に確認できることや、機器の操作に関する問い合わせ体制を確保することが必要です。つまり、暗証番号やアプリ解錠ができるだけでは不十分で、チェックイン機器や録画設備、サポート体制まで含めて設計する必要があります。
参照元:厚生労働省「旅館業における衛生等管理要領の一部改正について」(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc9552&dataType=1)鍵の管理と緊急対応施策
旅館業におけるフロント代替要件では、緊急時に迅速に対応できる体制が必要です。通常は10分程度で職員等が現場対応できる体制が想定されています。また、自動チェックイン機器等を使う方式では、本人確認を受けた者に渡した鍵(スマートロックの場合は暗証番号など)がなければ宿泊者専用区域に出入りできない構造になっていることも求められます。スマートロックを導入する場合は、鍵の発行・失効だけでなく、緊急解錠、夜間対応、トラブル時の駆けつけまでを運用設計に入れておくことが重要です。
参照元:厚生労働省「令和7年4月1日からフロント要件が変わります!~「旅館業における衛生等管理要領」が改正されました~」(https://www.mhlw.go.jp/content/001439321.pdf)管理委託や日数制限(民泊の場合)
住宅宿泊事業法に基づく民泊では、年間提供日数の上限が180日です。また、家主不在型や居室数が5を超える場合などは、住宅宿泊管理業者への委託が必要になります。さらに、安全措置として、非常用照明、避難経路の表示、防火区画などが求められる場合があり、家主不在かどうかや宿泊室の床面積によって要件が変わります。民泊向けのスマートロックを選ぶ際は、解錠方法だけでなく、管理委託の前提や建物側の安全措置まで含めて確認すべきです。
参照元:厚生労働省「民泊の安全措置の手引き」(https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/content/001368071.pdf)
民泊制度ポータルサイト「管理業務の委託について」(https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/business/host/entrust.html)
民泊制度ポータルサイト「管理業務の委託について」(https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/overview/minpaku/law1.html)
宿泊者名簿・外国人対応・自治体条例
旅館業では宿泊者名簿の作成と3年間の保存が求められ、日本国内に住所を有しない外国人宿泊者については、国籍・旅券番号の記載に加え、旅券の呈示と写しの保存が必要です。電子的な保存も認められています。民泊では、自治体ごとに条例による上乗せ規制があります。スマートロック導入に伴い省人化・無人化を進める場合、全国一律で判断せず、自治体の窓口や保健所、建築・消防部局への確認を前提に導入を検討することが大切です。
参照元:厚生労働省「旅館業における衛生等管理要領の一部改正について」(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc9552&dataType=1)民泊・ホテル向けスマートロックの解錠方式
アプリ
専用のスマートフォンアプリをインストールし、BluetoothやWi-Fi経由で鍵を操作する方式です。スマホさえあれば物理的な操作なしで解錠できるため、ゲストの利便性が高いのが特徴です。ただし、アプリの事前ダウンロードや会員登録の手間をかかる点がデメリットとなっています。また、スマホの電池切れや通信障害、アプリの不具合によって解錠できなくなるリスクがあります。
QRコード
予約後にメール等で送付されたQRコードを、ドア付近のリーダーにかざして解錠する方式です。ゲスト側はアプリのダウンロードが不要で、手持ちのスマホ画面や印刷した紙をかざすだけで済むため、チェックインがスムーズです。
リーダー(読み取り装置)をドア外側に設置する必要があるため、導入時に追加の費用がかかります。また、スマホ画面の明るさ不足や汚れ、直射日光の影響で読み取りエラーが発生しやすく、ゲストを待たせてしまう可能性もあります。
ICカード
専用のカードキーや、交通系ICカード、流通系カードを登録して鍵として利用する方式です。従来のホテルキーと同じ操作感であるため、直感的に利用できるのが最大のメリットです。スマホの操作が苦手な層にも優しく、通信環境に左右されない安定した動作が期待できます。
しかし、カードの紛失や盗難のリスクが残ります。再発行の手間やコストが発生するほか、物理的な受け渡しが必要な場合は、完全な非対面・無人チェックインを実現するのが難しくなる点がデメリットです。
暗証番号
テンキーに数字を入力して解錠する方式で、民泊や小規模ホテルで広く普及しているタイプの一つです。スマホもカードも不要で、番号を覚えるだけで解錠できる「手ぶら」の利便性が魅力です。物理的な紛失が起こり得ないため、管理も楽になります。
一方、番号の打ち間違いや失念によるトラブルが発生しやすいほか、入力時に背後から番号を盗み見られるセキュリティリスクがあります。
顔認証
カメラで顔をスキャンし、あらかじめ登録された本人データと照合して解錠する最新の方式です。ゲスト側は何も持ったり暗証番号を覚えたりする必要がなく、顔を向けるだけで解錠できるため利便性が高めです。また、セキュリティレベルも高く、他人によるなりすましが困難です。
デメリットとしては、まずコストが挙げられます。導入費用が他の方式に比べて高額になりやすく、高精度のカメラやサーバー設備が必要です。また、マスクやサングラスの着用、照明環境によって認証精度が落ちる場合があります。さらに、個人の生体情報を扱うため、プライバシー保護とデータ管理に関する厳重な対策と規約整備が求められます。
民泊・ホテル向けスマートロックの費用・料金相場
民泊・ホテル向けスマートロックの費用は、本体価格だけでなく、中継機・ゲートウェイの有無や設置工事といった要素によって変わります。導入前には、初期費用と月額費用を分けて確認しておくことが大切です。下記では、費用項目別に料金相場を紹介します。
| 費用項目 | 目安 | 補足 |
|---|---|---|
| スマートロック本体 | 0円〜20万円程度 | サブスク型は初期費用0円のものもあり。買い切り型や業務用モデルは、数万円〜20万円台まで幅があります。 |
| 中継機・ゲートウェイ | 3万〜5万円程度 | 遠隔操作やクラウド管理を行う場合に必要になることがあります。本体セットに含まれる製品もあります。 |
| 設置工事費 | 0円〜10万円程度/台 | 後付け型や工事不要タイプは不要な場合があります。交換・埋め込み型は、ドア形状や設置条件によって費用が変動します。 |
| 月額管理費 | 1,000円〜5,000円程度/台 | クラウド管理、入退室ログ確認、遠隔操作、暗証番号発行、API連携などの利用料として発生します。 |
| PMS・チェックイン連携費 | 要見積もり/プランにより変動 | 予約情報に応じた暗証番号の自動発行や、セルフチェックインシステムとの連携は、プランや施設規模によって費用が異なります。 |
※上記の表は、各社公式サイトで公開されているスマートロック本体価格、クラウド管理システム利用料、設置工事費などをもとにキャククル編集部が作成しています。実際の費用は設置台数、ドア形状、工事有無などによって変動します。
工事不要タイプ(後付け型)
既存のドアのつまみに被せたり、強力な両面テープやネジで固定するだけで設置できるタイプです。穴あけ工事が不要なため、賃貸物件でも導入しやすく、撤去も簡単に行えます。本体価格は2〜5万円程度と比較的手頃で、短期運営や小規模民泊に最適です。
ただし、ドアの素材や形状によっては取り付けが難しい場合があるため、事前確認が重要です。
工事必要タイプ(交換・埋め込み型)
既存のシリンダーを交換したり、ドアに埋め込んで設置するタイプで、専門業者による工事が必要です。初期費用は5〜15万円前後と高めですが、防犯性・耐久性に優れ、長期運営に向いています。大型ホテルや新築施設など、安定稼働を重視する場合に選ばれる傾向があります。導入時には、ドア構造や配線環境などを考慮し、施工実績のある業者に依頼するのがおすすめです。
ホテル・民泊でのスマートロック導入ステップと成功のポイント
ステップ1:現地確認と機種選定
ドアの形状や施設の構造、利用者層に応じて適したスマートロックを選定します。
賃貸物件の場合は、原状回復が容易な後付け型が便利です。
ステップ2:システム連携設定
PMSや予約サイトとAPI連携し、暗証番号の自動発行や入退室ログの管理を行います。
自動化によって鍵の管理工数を減らし、運営の属人化を防ぐことができます。
ステップ3:ゲスト案内と運用開始
チェックイン案内メールやSMSに暗証番号・入室手順を記載し、トラブル時の連絡方法も明確にします。
操作ガイドや動画リンクを用意しておくことで、ゲストが迷わず入室できる体験を提供できます。
買い切り型よりも、サブスクリプション型(クラウド連携型)のほうがアップデートや遠隔管理が可能で、長期的な安心感があります。
人件費削減と運用安定性のバランスを見て判断するとよいでしょう。
民泊・ホテル向けスマートロックのよくある質問
Q1. 民泊の鍵受け渡しは、スマートロックとキーボックスどちらが良いですか?
運用コストとセキュリティの観点から、スマートロックの方が推奨されます。キーボックスは数千円で導入できる安さが魅力ですが、暗証番号の管理が不適切だと不正入室につながる可能性があり、また鍵の紛失・持ち去り時には現地対応が必要になるなど、運用上のリスクとコストが発生し得ます。
一方、(機種・連携によりますが)スマートロックは“滞在期間のみ有効な暗証番号”などを発行できるため、ゲストの不正滞在や鍵の紛失リスクをシステム側で防げます。初期費用はかかりますが、トラブル対応の人件費やリスク管理を含めたトータルコストでは、スマートロックの方が安定的で安全な運用が可能です。
Q2. インターネット(Wi-Fi)が不安定な環境でも使えますか?
使用可能です。ただし、機種選びが重要になります。宿泊施設で使われるスマートロックの中には、Wi-Fiが不安定でも“暗証番号をロック本体で検証して解錠できる”など、常時クラウド接続に依存しないタイプがあります。
Wi-Fiが不安定になりがちな環境では、常時クラウド接続が必要な機種よりも、通信障害時でもテンキー操作だけで解錠できるモデルを選ぶと安心です。「ネットが切れたらゲストが入れない」という事態を避けるため、オフライン時の挙動を確認して選定しましょう。
Q3. 電池切れでゲストが入室できなくなるトラブルはどう防ぎますか?
「電池残量通知」と「緊急給電機能」がある機種を選ぶことで防げます。クラウド管理型の機種では、電池残量の通知やアラートが用意されている場合が多いです。ただし対応は機種・構成(ハブ有無等)で異なるため、仕様確認が必要です。
また、緊急時に外部電源(モバイルバッテリー等)を接続して一時的に給電・解錠できる機能があれば、ゲスト自身で解決可能です。さらに、物理鍵での解錠を最終手段として残せる機種であれば、システムトラブル時のバックアップとして機能します。
Q4. 賃貸物件の民泊でもスマートロックは設置できますか?
設置可能です。現在は強力な両面テープで固定する「貼り付けタイプ」や、既存のシリンダー(鍵穴)を活用して取り付ける「穴あけ不要タイプ」が充実しており、ドアを傷つけずに導入できます。ただし、両面テープ跡や小傷が残る可能性もあるため、事前にオーナー/管理会社の承諾を取り、退去時の原状回復方針も確認した上で導入するのが安全です。
ドアの形状やサムターン(つまみ)の種類によっては取り付け不可の場合もあるため、導入前にドアの写真等で適合診断を行うことをおすすめします。
Q5. アプリや暗証番号など、どの解錠方式が民泊に向いていますか?
民泊では、予約ごとに固有の暗証番号を発行できる“キーパッド(暗証番号)方式”が運用しやすいケースが多いです。専用アプリでの解錠は、ゲストにアプリのダウンロードやアカウント登録の手間を強いることになり、スマホ操作に不慣れな方や通信環境のない海外ゲストにとってハードルとなります。
メールで送られた番号を押すだけの暗証番号方式であれば、誰でも直感的に操作でき、チェックイン時の問い合わせを大幅に減らせます。
Q6. PMSや予約システムと連携すると、具体的に何がラクになりますか?
連携により「鍵(暗証番号)の発行・更新」と「ゲストへの通知」を大幅に自動化できます。PMS(宿泊管理システム)と連携すると、予約が入った時点でゲストごとの暗証番号を自動発行し、チェックインメールに記載して自動送信できます。また、キャンセルや日程変更があった場合も、自動で鍵の有効期限が更新・無効化されます。
これにより、管理者が手動で番号を発行したりメールを送ったりする手作業を大きく減らし、入力ミスや送信漏れのリスクを下げられます。
Q7. 清掃スタッフや業者の入室権限(鍵)はどう管理すべきですか?
ゲストとは別に、スタッフ専用の「限定的な権限」を発行して管理します。例えば、「毎週火曜日の10:00〜15:00のみ有効」といった曜日・時間限定のパスワードを発行したり、管理者用の権限を付与して入室ログ(履歴)を記録したりします。
物理鍵を使い回すと「誰がいつ入ったか」が不明確になりがちですが、スマートロックなら個別にIDや番号を割り振れるため、内部不正の抑止や清掃完了の確認もスムーズに行えます。
Q8. 料金はいくらかかりますか?また、月額費用は何にかかるのですか?
一般的には「初期費用(本体機器代+設置費)」と「月額システム利用料」がかかります。月額費用は、クラウドシステムのサーバー維持、鍵の遠隔発行機能、API連携、サポート体制などに充てられます。
家庭用スマートロックには月額無料のものもありますが、宿泊施設向け(ビジネス用)は、トラブル時の電話サポートやログ管理、PMS連携などの機能が運用上求められることが多く、月額のクラウドサービスとして提供されるケースが一般的です。「安心料+業務効率化のシステム料」として捉えると良いでしょう。
ホテル・民泊のスマートロック導入で運営効率と顧客満足を両立
スマートロックの導入は、単なる「鍵の電子化」にとどまりません。
業務効率化・セキュリティ向上・顧客体験の向上という3つの課題を同時に解決する仕組みです。
宿泊施設の規模や運営形態に合わせて最適な製品を選び、PMSやチェックインシステムと連携させることで、無人でも安全でスムーズな運営体制を構築できます。
今後の宿泊業界では、「非接触・自動化」が標準となる時代が来ています。
施設運営の効率化を進めながら、ゲストに安心と快適さを提供する第一歩として、スマートロックの導入をぜひ検討してみてください。
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- 本記事は、2025年11月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。
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