ポジショニング戦略で差別化!中小企業だからこそ必要な経営競争力
最終更新日:2026年02月10日
STP分析の構成要素である「ポジショニング」ですが、戦略まで落とし込むためには関係者全員が正しく理解することが大切です。
そこでこの記事では、ポジショニング戦略とは?という基本から、ポジショニング戦略と差別化がどうかかわってくるのか、中小企業が経営面で競争力をつけるために、なぜこのポジショニング戦略が重要なのかを解説していきます。
またポジショニングの考え方を突き詰めて、自社の独自性や強みを認知させた上で集客ができる「ポジショニングメディア戦略」についても、記事後半でご紹介しています。
- 自社コンセプトにマッチした見込み顧客が増え、契約単価が1000万円向上した
- 商材の強みや特徴を理解した上で反響に至るため、価格競争から脱却し受注単価が2.5倍になった
- 数ある競合から自社に興味を持ってもらえるようになり、反響獲得後から契約までの期間を3分の1に短縮できた
上記のような成果にご興味のある方はぜひ最後までご覧ください!
ポジショニング戦略が重要な理由
現代のビジネス環境では、どの業界でも競合が増加し続けています。かつては品質や価格だけで差別化できた時代もありましたが、今では多くの企業が高品質な商品やサービスを提供できるようになり、単なる品質競争では生き残ることが難しくなっているのが現実です。
同質化競争から脱却する必要性
多くの企業が直面している課題は、競合他社との「同質化」です。似たような商品、似たような価格、似たようなサービス内容では、顧客から見れば「どれを選んでも同じ」という状態になってしまいます。この状態に陥ると、最終的には価格だけで選ばれるようになり、利益率の低下を招くことになります。
実際、中小企業の多くが「価格で勝負するしかない」という苦しい状況に追い込まれています。しかし、価格競争に巻き込まれてしまうと、体力のある大企業に太刀打ちできません。そこで必要になるのが、独自のポジションを確立し、価格以外の価値で選ばれるための「ポジショニング戦略」なのです。
顧客の記憶に残る重要性
人間の脳は、各カテゴリーで1位から3位までの存在しか記憶しないと言われています。「国内のカレーチェーンは?」と聞かれたとき、多くの人はCoco壱番屋しか思い浮かばないでしょう。2位以下の企業は、カレーが好きな人でさえ即座に名前を挙げることができません。
これは、顧客の記憶に残らなければ、選択肢にすら入れてもらえないことを意味しています。ポジショニング戦略によって、何らかの軸でナンバーワン・オンリーワンになることで、初めて顧客の記憶に残る存在になれるのです。
ポジショニング戦略とは業界内で自社ポジションを差別化・独立化すること

ポジショニング戦略とは、業界内における自社のブランドや商品・サービスの立ち位置(ポジション)を確立させて、ユーザーにとってナンバーワン・オンリーワンの存在になること。
例えば、カレーチェーンについて聞かれると、真っ先にイメージされやすいのは全国に1,000店舗以上構える「Coco壱番屋」です。
「日乃屋カレー」や「ゴーゴーカレー」など、カレーチェーンは他にも存在しているのですが、規模としては10〜60店舗程度になっています。(※)
つまり、国内のカレーチェーン業界はCoco壱番屋の一人勝ち状態であり、他とは比較にならないと言っても過言ではないため、ポジショニング戦略は文句なしに成功しているというわけです。
※参照元:Yahoo!ニュース「2019年、国内主要カレーチェーン店の出店数」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200107-00249002-bizspa-bus_all
Coco壱番屋のようなナンバーワンの存在になれると、それだけで差別化・独自化につながります。なぜなら、ナンバーワン以外の存在は、ユーザーの記憶に残りにくいからです。
実際、Coco壱番屋以外のカレーチェーンについて聞かれると、カレー好き・外食好きのユーザーでもない限り、すぐ名前は出てこないでしょう。
ポジショニング戦略で抑えておくべきポイント

ポジショニング戦略を立案する前に注意しなければならない重要なポイントとしては「そのポジショニングが顧客のベネフィット、顧客の視点で策定されているか」という点です。
これを無視して十分な市場分析もせず、自社に都合がいいようなポジショニングをしてしまうと、失敗する可能性が高い。
ポジショニングの策定には、以下6つの要素を満たせているかどうかをチェックしてください。
企業側(売り手)の考えるポジショニングがユーザーに伝わるか
ビジネスが成立するだけのターゲットが存在しているか
売り手都合ではなく顧客目線のポジショニングになっているか
売り手が策定したポジショニングにユーザーが共感してくれるか
競合との差別化の明確化ができているか、その差をユーザーが理解できるか
企業理念やポリシーと製品・サービスのポジショニングに整合性が認められるか
いくら独自性があるといっても、それを求めているターゲットが少なければビジネスはストレッチしませんし、売上にも期待できません。
また自社の思い込みだけで「こんなにすばらしい価値があるのだから、多少高い値段でも買うだろう」というポジショニングに舵を切ったとして、顧客はそうは思わないかもしれない。
顧客が価値や魅力を感じなければ、ポジショニング戦略は成立しないのです。
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ポジショニング戦略のメリット

ポジショニング戦略を成功させることで、下記のようなメリットが得られます。
業界内の価格競争から脱却できる
ユーザーが離れない
効果的にブランディングできる
集客・売上を安定させることができる
ポジショニング戦略導入時の各メリットについて理解を深められるよう、ひとつつずつ掘り下げて解説していきます。
業界内の価格競争から脱却できる
自社が携わっている業界内で独自のポジションを確立すれば、競合他社との価格競争から脱却することができます。
仮に商品・サービスの価格が他より高かったとしても、自社ならではの機能や価値が備わっていれば、ユーザーから選んでもらえる可能性は高いのです。
逆に独自のポジションを確立させないと、ユーザーには「似たような商品・サービスの1つ」などと認識されてしまいます。
そうなると価格で勝負するしか選択肢がなくなってしまうため、利益を上げるどころか赤字経営に陥りかねません。
ユーザーが離れない
業界内におけるナンバーワン・オンリーワンの存在は、ユーザーにとって非常に魅力的です。一度ポジションを確立することができれば、ユーザーが「ここの商品を買っておけば安心」といった感じで“指名買い”を続けてくれる可能性が高まります。
指名買いなら他の商品・サービスと比較せずに選んでもらえるため、ユーザーが競合他社に移ってしまうことがありません。
つまり、ユーザーが自社から離れないため、利益もしっかり確保できるのです。
効果的にブランディングできる
業界ナンバーワン・オンリーワンという肩書きは、ブランディングの観点から見ても大きな意味を持っています。
自社だけが提供できる独自の価値を見出し、それをポジショニング戦略で確立すれば、ユーザーに「あのメーカーの商品だから欲しい」といったブランドイメージを持たせることができるのです。
例えば、自社ブランドを銘打ったバッグとノーブランドで安価なバッグがあった場合、特徴に大した違いがなければ大抵のユーザーは後者を選びます。
しかし、しっかりブランディングができていれば、ユーザーはブランドそのものに価値を感じるため、価格が10倍だろうが自社のバッグを選んでくれるというわけです。
集客・売上が安定する
ここまで解説してきたメリットを踏まえれば、ポジショニング戦略の成功によって、自社の集客・売上は安定すると言えます。
指名買いを続けてくれるユーザーを一定数獲得できる上、価格競争にも巻き込まれないからです。
ユーザーは自社の独自性やブランドに価値を見出しているので、もし商品・サービスの価格が相場より高く設定されていても、しっかり集客できる市場を作ることができます。
それに伴い、売上アップも狙えるため、より大きな利益へとつながるのです。
マーケティングコストの削減
明確なポジションを確立できると、ターゲット顧客が明確になるため、無駄な広告費を削減できます。誰に何を伝えるべきかがはっきりしているので、効率的なマーケティング施策を展開できるのです。
また、指名買いが増えれば、新規顧客獲得のための広告費を抑えながらも、安定した売上を確保できます。顧客獲得コスト(CAC)を下げながら、顧客生涯価値(LTV)を高められるため、収益性の高いビジネスモデルを構築できます。
競合参入の抑止
独自のポジションを確立し、そこで圧倒的な存在感を示せば、競合企業が同じ領域に参入しにくくなります。後から参入してきても「後追い」「二番煎じ」というイメージを持たれやすく、先行者利益を享受できます。
特に、ニッチな市場で確固たる地位を築けば、大企業も「市場規模が小さすぎて参入メリットがない」と判断するため、安定した事業運営が可能になります。
目指すべきポジショニング戦略
ポジショニング戦略において最も重要なポイントは、競合他社より上を目指すことではなく、自社独自のポジションを確立することです。
業界や企業規模にもよりますが、商品・サービスの価格・品質を見直すなどして、競合他社に真っ向勝負を挑んでも、そう簡単に勝つことはできません。
なぜなら、競合他社もそれに負けじと対抗してくるからです。
しかし、競合他社とは異なる独自のアプローチを実行すれば、中小企業でも大企業より優位なポジションを得ることができます。同じカテゴリー内で競い合うのではなく、市場内に新規カテゴリーを作ることで、ユーザーの注目も集めやすくなるのです。
また、新規カテゴリーなら競合他社に先駆けて行動できるので、ナンバーワン・オンリーワンを目指しやすいと言えます。
後から競合他社が参入してくる可能性もありますが、一度でもポジショニング戦略が成功すれば、ユーザーの印象に強く残るため、簡単に顧客を奪われることもありません。
つまり、ポジショニング戦略の秘訣は「戦わずして勝つ」ということに尽きます。
競合他社が激戦を広げている市場ではなく、その隙間にあるニッチな市場から攻めることが大切です。
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ポジショニング戦略の考え方

ポジショニング戦略と一口に言っても、業種や企業規模によって適切なアプローチは変わってくるため、絶対的に正しい方法というものはありません。
ただし、押さえておくべき考え方や知識については共通しているので、そちらを中心に解説していきます。
まずは現状把握
ポジショニングは、市場における自社の立ち位置の明確化です。ポジショニングを行うことで競合と差別化を図るわけですが、そのためにはまず、
競合にはない、自社ならではの強み
その強みを求めている具体的な顧客像
自社を取り巻く競合環境
の把握が必要です。「自社にはこれといった強みはない」という方がいるかもしれませんが、上記の3つの要素を細かく分析していけば、ポジショニング戦略に活かせる強みは必ず見つかります。
現状把握を簡単に進めるには、「Company(自社)」、「Customer(顧客)」、「Competitor(競合)」のそれぞれの頭文字をとって名付けられた「3C分析」というフレームワークがおすすめです。下記のページには、印刷して記入するだけで3C分析が進められるワークシートを用意しておりますので、ぜひ活用してみてください。
ポジショニングマップの活用

ポジショニング戦略を検討するにあたり、ぜひ活用して欲しいフレームワークが「ポジショニングマップ」です。
例えば、上記画像のポジショニングマップをアパレル市場と仮定した場合、自社は安価でカジュアル、A社は高価でフォーマル、B社は高価でカジュアルというポジションをそれぞれ確立しています。このケースだと”安価でフォーマル”に該当する企業がいないので、新たなカテゴリーを作るならそこが狙い目というわけです。
ただし、これはわかりやすいよう単純にまとめた例なので、実際はユーザーのニーズも視野に入れながら、市場を見極める必要があります。
ユーザーを置いてけぼりにすると、優れた商品・サービスを生み出したとしても、その価値が十分に伝わらないため、結果的にポジションを確立できなかったり、価格競争に陥ったりしてしまうのです。
ポジショニング戦略にとって差別化・独自化は大切ですが、それはあくまでユーザーに基づくということを忘れないようにしましょう。
ポジショニングマップにおける「軸」
ポジショニングマップを使う場合、どんな要素を「軸」として設定するかによって、最終的に確立できるポジションが変わってきます。そのため、軸を決めるプロセスは非常に重要です。
軸には様々な要素を設定できますが、購入や申し込みといった「コンバージョン」につながるかどうかが主な基準となります。
質と量、デザインと機能、短期的と長期的など、ユーザーのニーズや性質に合わせて検討することが大切です。
また、軸を決めるにあたり「セグメンテーション」と「ベネフィット」という考え方も重要なので、合わせて解説していきます。
セグメンテーション
「セグメンテーション」とは、市場を同じニーズや性質を持つユーザーの塊(セグメント)に細かく分類することです。
マーケティングにおける基本知識の1つで、市場細分化と呼ばれることもあります。
セグメンテーションを実行するにあたり、下記の4つの方法(変数)が切り口になってきます。
- デモグラフィック(人口統計的変数)
- ジオグラフィック(地理的変数)
- サイコグラフィック(心理的変数)
- ビヘイビアル(行動変数)
各変数について、具体例も含めつつ解説していきます。
デモグラフィック(人口統計的変数)
年齢・性別・職業・所得・学歴・家族構成など、人口統計のデータに基づいてセグメンテーションを行う方法です。
ユーザーの消費行動と最も関連性が深いことから、マーケティングでもよく用いられています。
ジオグラフィック(地理的変数)
国・都市・市区町村・路線・気候・人口規模など、地理的な情報からセグメンテーションを行う方法です。
特に実店舗型ビジネスと関連性が深く、出店エリアやメニュー内容を検討する際に役立ちます。
サイコグラフィック(心理的変数)
価値観・性格・趣味・ライフスタイル・購買動機など、ユーザーの心理・感性に基づいてセグメンテーションを行う方法です。
元となるデータは定性的なものですが、Web上の行動履歴やサイト訪問履歴から把握することができます。
ビヘイビアル(行動変数)
商品・サービスの利用時間・利用頻度・利用場所、ユーザーの購買状況・態度・知識などによってセグメンテーションを行う方法です。
こちらもWebの発展によりデータを取得しやすくなったので、マーケティングにおける重要性も増しています。
ベネフィット
「ベネフィット」を一言で表すなら“商品・サービスから得られる満足感”です。
例えば、包丁を売りたい場合、「よく切れる」だけではなく「よく切れるからスムーズに料理できる」と伝えれば、ユーザーはベネフィットを感じられるため、購買にもつながりやすくなります。
ポジショニング戦略の軸についても、ベネフィットを意識して考えることが大切です。ベネフィットは下記の3種類に分類されます。
機能的ベネフィット
安い・早い・美味しい・軽い・便利など、商品・サービスの機能や性質によってもたらされるプラス効果のことです。
情緒的ベネフィット
楽しい・カッコいい・安心感・充実感など、商品・サービスを利用することで得られるプラス感情のことです。
自己実現ベネフィット
自分に自信が持てる・自分の理想を叶えられるなど、商品・サービスによって実現できる自己表現のかたちです。
ポジショニング戦略は実行あるのみ
ユーザーや競合他社を分析して、良いポジションを見つけることは準備段階に過ぎません。ポジショニング戦略は実行して初めて意味を持つからです。
もちろん、資金やスケジュールなど都合もありますが、全部は無理でも一部のアプローチなら少しずつ始めることができます。そのため、戦略のプランを立てたら、キレイにまとめなくてもいいので、まずは言語化してみましょう。
1. どのユーザーに
2. 他にはない特徴や強みを持っている
3. どんな商品・サービスを提供して
4. どのようなことを実現して欲しいのか
このように狙うべきポジションを言語化したら、あとは実行に移すのみです。
ポジショニング戦略の具体的な実践ステップ
ポジショニング戦略を成功させるには、段階的なアプローチが効果的です。ここでは、実務で活用できる具体的なステップを解説します。
Step1: 徹底的な市場調査
ポジショニング戦略の第一歩は、市場を深く理解することです。単に競合がどこにいるかを把握するだけでなく、顧客が本当に求めている価値は何か、市場にはどんな空白地帯があるかを見極めます。
市場調査では、既存顧客へのインタビューやアンケートを実施し、「なぜ自社を選んだのか」「他社と比較してどこが良かったのか」「不満に感じている点は何か」を詳しく聞き取ります。この過程で、自社では当たり前だと思っていた強みが、実は顧客にとって大きな価値だったという発見がよくあります。
また、競合分析では、直接的な競合だけでなく、間接的な競合や代替品も視野に入れます。例えば、レストランの競合は他のレストランだけでなく、スーパーの惣菜やデリバリーサービスも含まれます。
Step2: 自社の強みの棚卸し
市場調査の結果を踏まえて、自社の強みを客観的に整理します。ここで重要なのは、売り手の視点ではなく、買い手の視点で強みを定義することです。
「創業100年」という事実は、それ自体では強みになりません。しかし、「100年の歴史の中で培われた信頼と実績」と言い換えれば、顧客にとっての価値が明確になります。
自社の強みを洗い出す際は、技術力、サービス品質、価格、納期、アフターサポート、企業文化、立地、ネットワークなど、あらゆる角度から検討します。一見小さな強みでも、特定のセグメントにとっては決定的な価値になることがあります。
Step3: ターゲット顧客の明確化
誰にでも好かれようとすると、結局誰にも選ばれません。ポジショニング戦略では、「誰を狙うか」を明確に定義することが重要です。
ターゲット顧客を設定する際は、ペルソナを作成します。年齢、性別、職業、年収といったデモグラフィック情報だけでなく、価値観、ライフスタイル、抱えている課題、情報収集の方法など、できるだけ具体的に描き出します。
例えば、「30代の働く女性」という設定では曖昧すぎます。「35歳、都内在住、IT企業勤務、年収600万円、独身、キャリアアップに意欲的、仕事と自分磨きの両立に悩んでいる、InstagramとNewsPicksを毎日チェック」といったレベルまで具体化することで、効果的なメッセージが設計できます。
Step4: ポジショニングの決定
市場調査、強みの棚卸し、ターゲット設定が完了したら、いよいよポジショニングを決定します。ポジショニングマップを活用し、競合がいない空白地帯を探します。
重要なのは、その空白地帯に十分な顧客ニーズがあるかを確認することです。競合がいないのは、単にビジネスとして成り立たないからという可能性もあります。市場規模、成長性、収益性を慎重に評価しましょう。
ポジショニングを決定したら、それを一言で表現する「ポジショニングステートメント」を作成します。「〇〇業界で、△△に困っている××向けの、□□を実現する唯一のサービス」といった形で、端的に表現します。
Step5: メッセージングと実行
ポジショニングが決まったら、それを顧客に伝えるためのメッセージを設計し、具体的な施策に落とし込みます。Webサイト、パンフレット、営業トーク、広告など、あらゆるタッチポイントで一貫したメッセージを発信することが重要です。
また、ポジショニングは一度決めたら終わりではありません。市場環境の変化、競合の動向、顧客ニーズの変化に応じて、定期的に見直し、必要に応じて調整していくことが求められます。
BtoBとBtoCでのポジショニング戦略の違い
BtoB(企業向けビジネス)とBtoC(消費者向けビジネス)では、ポジショニング戦略のアプローチが異なります。それぞれの特性を理解した上で、適切な戦略を立てることが重要です。
BtoBポジショニングの特徴
BtoBでは、購買の意思決定に複数の関係者が関わります。担当者、部門長、経営層など、それぞれの立場で重視するポイントが異なるため、多層的なメッセージングが必要になります。
また、感情よりも論理が重視される傾向があります。ROI(投資対効果)、コスト削減効果、生産性向上など、数値で示せる価値が求められます。そのため、事例やデータを用いた説得力のあるポジショニングが効果的です。
BtoBでは、業界特化型のポジショニングが有効です。「製造業向け」「医療業界向け」など、特定業界のニーズに深く応えることで、その業界内での圧倒的なポジションを確立できます。
BtoCポジショニングの特徴
BtoCでは、個人が意思決定を行うため、感情に訴えかけるメッセージが効果的です。ライフスタイル、価値観、憧れといった情緒的な要素を取り入れたポジショニングが重要になります。
また、BtoCでは購買までの時間が短いため、瞬間的に印象に残るポジショニングが求められます。シンプルで覚えやすいメッセージ、ビジュアルイメージの活用などが効果的です。
SNSでの口コミや評判が購買に大きく影響するため、シェアしたくなる、人に話したくなるポジショニングを設計することも重要です。
デジタル時代のポジショニング戦略
インターネットとSNSの普及により、ポジショニング戦略のアプローチも進化しています。デジタル時代ならではの戦略を解説します。
SEOを活用したポジショニング
検索エンジンで特定のキーワードで上位表示されることは、そのカテゴリーでのポジション確立につながります。「〇〇といえばこの会社」という認知を、検索結果という形で視覚化できるのです。
例えば、「オーガニック化粧品 敏感肌」で常に上位表示されていれば、そのポジションでの認知を獲得できます。SEO施策を通じてポジショニングを強化することは、現代のマーケティングにおいて非常に重要です。
SNSでのブランディング
SNSは、自社のポジショニングを直接顧客に伝えられる強力なツールです。InstagramやTwitter、LinkedInなどで、一貫したメッセージとビジュアルイメージを発信し続けることで、ポジションを強化できます。
また、インフルエンサーとのコラボレーションや、ユーザー生成コンテンツの活用も効果的です。顧客自身が自社のポジショニングを代弁してくれる状態を作ることが理想です。
コンテンツマーケティングによる専門性の確立
ブログ、ホワイトペーパー、動画など、質の高いコンテンツを継続的に発信することで、「この分野の専門家」というポジションを確立できます。
特にBtoBでは、専門性の高いコンテンツを提供し続けることで、業界内での信頼とポジションを獲得できます。問い合わせや商談の前に、コンテンツを通じて自社の専門性を理解してもらえるため、商談の質が向上します。
ポジショニング戦略でよくある失敗パターン
多くの企業がポジショニング戦略で失敗しています。典型的な失敗パターンを知ることで、同じ過ちを避けましょう。
失敗①自社視点のポジショニング
最もよくある失敗は、顧客ニーズを無視して、自社の都合でポジショニングを決めてしまうことです。「この技術は素晴らしいから、高く売れるはずだ」という思い込みで進めても、顧客がその価値を感じなければ失敗します。
対策としては、必ず顧客の声を聞き、顧客が価値を感じる要素でポジショニングを設計することです。自社が誇りに思っている技術や機能が、必ずしも顧客にとって重要とは限りません。
失敗②市場規模を無視したニッチ化
差別化を追求するあまり、ビジネスとして成り立たないほど狭いニッチに入り込んでしまう失敗もよくあります。競合がいないのは魅力的ですが、顧客もいなければ意味がありません。
対策としては、ポジショニングを決定する前に、そのセグメントの市場規模と成長性を必ず確認することです。最低限、自社が目標とする売上を達成できるだけの市場があるかを検証しましょう。
失敗③一貫性のないメッセージ
ポジショニングは決めたものの、Webサイト、パンフレット、営業トーク、広告などでバラバラのメッセージを発信してしまう失敗も多いです。これでは顧客に明確なイメージが伝わりません。
対策としては、ポジショニングステートメントを明文化し、全社員で共有することです。マーケティング担当者だけでなく、営業、カスタマーサポート、経営層まで、全員が同じメッセージを発信できる体制を作りましょう。
失敗④実態とのギャップ
ポジショニングで打ち出したメッセージと、実際の商品・サービスにギャップがあると、顧客の期待を裏切ることになり、ブランド毀損につながります。
対策としては、ポジショニングを決定する際に、それを実現できる体制や能力が自社にあるかを確認することです。もし不足している部分があれば、ポジショニングを実行する前に、その能力を獲得する必要があります。
ポジショニング戦略はユーザーとの接点を持てることで発揮する

ポジショニング戦略は他社との違いや商品ポジションを設定するだけでは成功はしません。どれだけユーザーとの接点が持てるかということがとても重要です。
複数のタッチポイントで、自社が勝てると見込んだ市場で多くのユーザーに「このポジションにおいて最高に価値がある」と知らしめることが大切です。
例えば商品の省エネさを売りに打ち出したいと考えたとしても、検索時に自社が表示されなかったり、競合と一覧的に並べられたりしているだけでは無意味です。
つまり、競合他社との違いだけでなく、顧客に「買う理由」が提供できなければポジショニング戦略は成功しないのです。
購買における動機付け(=自分に合った商品だというポジショニング)
検索等のユーザー接点におけるブランディング(=最も省エネだというポジショニング)
この2点が実現できれば、競合他社が参入しにくい自社だけが勝てる市場を生み出せるということになります。
「ポジショニングメディア」を用いた「ポジショニング戦略」
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ポジショニングが決まったら、どのように自社を打ち出せばいいのか分かったら、そのポジショニングをユーザーに認知してもらう必要があります。
例えば、安さ重視であれば「○○ 最安値」等、安さ重視のユーザーに対してアプローチします。
しかし、価格ではなく高品質重視や特定のニーズを狙い撃つようなポジショニング設定であれば、少しひねった戦術を練る必要があります。
この自社のポジションをしっかりユーザーへ浸透できる手段がポジショニングメディアです。
ポジショニングメディアを展開することで、その市場におけるWebブランディングも同時に実行することができ、売上に直結する集客の実現、市場へ自社イメージの浸透を図ることができます。
ポジショニングメディアを導入した結果、
欲しかったターゲット層を効率的に集客でき、受注単価が2.5倍に上がった
数ある競合他社から自社に興味を持ってもらい、商談から契約までの時間が3分の1に短縮できた
自社の「強み」を理解してくれる顧客が増えてアポ率が3倍以上になった
といったマーケティング効果を提供することができています。
ポジショニングメディアの概要や事例を簡潔にまとめた資料もございますので、ぜひご覧ください!
ポジショニングメディアの
制作事例一覧
ポジショニング戦略に関するよくある質問
Q1.ポジショニング戦略はどのくらいの期間で効果が出ますか?
ポジショニング戦略の効果発現には、一般的に6ヶ月〜1年程度かかります。ただし、これは業界や市場規模、投入するリソースによって大きく異なります。
短期的には、Webサイトやパンフレットなどのメッセージを統一することで、問い合わせの質が向上するなどの変化が見られます。中期的には、認知度の向上や、ブランドイメージの定着が進みます。長期的には、指名検索の増加や、価格競争からの脱却といった本格的な成果が現れます。
重要なのは、一貫したメッセージを継続的に発信し続けることです。途中でポジショニングをコロコロ変えると、顧客に混乱を与え、効果が出にくくなります。
Q2.中小企業でもポジショニング戦略は有効ですか?
はい、むしろ中小企業こそポジショニング戦略が重要です。大企業と正面から競争しても勝ち目は薄いですが、ニッチな市場で独自のポジションを確立すれば、中小企業でも十分に勝てます。
中小企業の強みは、意思決定の速さと柔軟性です。市場の変化に素早く対応し、特定のセグメントに深く入り込むことができます。また、経営者と顧客の距離が近いため、顧客ニーズを直接把握しやすい点も有利です。
限られたリソースを分散させず、選んだポジションに集中投資することで、その領域では大企業を上回る存在感を示すことができます。
Q3.競合が同じポジションを狙ってきたらどうすればいいですか?
先行者利益を活かして、さらにポジションを深掘りすることが重要です。競合が参入してきた時点で、自社はすでにそのポジションでの実績と認知を持っています。
対策としては、顧客事例を増やす、コンテンツを充実させる、サービス品質をさらに高めるなど、ポジションをより強固にする施策に注力します。また、より細分化されたセグメントに特化することで、競合との差別化を図ることもできます。
最悪の場合は、別のポジションへの移行も検討します。ただし、一度確立したポジションを捨てることは大きなコストを伴うため、慎重に判断する必要があります。
Q4.複数のポジショニングを同時に展開できますか?
基本的には、一つのポジションに集中することをおすすめします。複数のポジションを同時に展開すると、メッセージが曖昧になり、顧客に何の会社なのか伝わりにくくなります。
ただし、複数の事業部や商品ラインを持つ企業の場合は、それぞれ異なるポジショニングを設定することは可能です。その場合も、企業全体としてのブランドイメージは統一しつつ、各事業で独自のポジションを確立するという考え方になります。
また、段階的にポジションを広げていくアプローチもあります。最初は狭いニッチで確固たる地位を築き、その後、隣接する領域に展開していくという戦略です。
Q5.ポジショニングを変更するタイミングはいつですか?
ポジショニングの変更は、慎重に判断すべきです。頻繁に変更すると、顧客に一貫したイメージを伝えられず、ブランド価値が毀損されます。
変更を検討すべきタイミングとしては、市場環境の大きな変化(技術革新、法規制の変更、顧客ニーズの劇的な変化など)、競合の圧倒的な優位性の確立、自社の事業戦略の大幅な転換などが挙げられます。
変更する場合は、既存顧客への影響を最小限に抑えるよう配慮が必要です。段階的に移行する、既存顧客向けと新規顧客向けで異なるメッセージを用意するなど、丁寧なコミュニケーションが求められます。
Q6.BtoBとBtoCでポジショニング戦略の違いはありますか?
はい、BtoBとBtoCでは重視すべきポイントが異なります。BtoBでは、ROIやコスト削減効果など、数値で示せる論理的な価値が重要です。意思決定に複数の関係者が関わるため、それぞれの立場に応じたメッセージングが必要です。
一方、BtoCでは、感情に訴えかけるメッセージが効果的です。ライフスタイル、価値観、憧れといった情緒的な要素を取り入れたポジショニングが重要になります。
ただし、基本的なフレームワークや考え方は共通しています。顧客ニーズを深く理解し、競合との差別化を図り、独自のポジションを確立するという本質は変わりません。
Q7.ポジショニング戦略とブランディングの違いは何ですか?
ポジショニング戦略は、「市場内での立ち位置を決める」戦略です。一方、ブランディングは、「顧客の心の中にどんなイメージを植え付けるか」という活動です。
両者は密接に関連していますが、順序としては、まずポジショニングを決定し、その後、そのポジションを強化するためにブランディング活動を展開するという流れになります。
例えば、「高級志向の30代女性向けオーガニック化粧品」というポジショニングを決定したら、そのポジションを体現するブランドイメージ(洗練されたデザイン、自然素材の活用、環境への配慮など)を構築していくのがブランディングです。
ポジショニング戦略を落とし込んだ戦略にお悩みならZenkenへ

先述した通り、ポジショニング戦略は策定するだけでは意味がありません。
自社のポジションをユーザーに伝えなければならないため、それを踏まえたマーケティング施策を考えることが大切です。
とはいえ、マーケティング分析や戦略立案、具体的な施策の選定をするのは大変な作業量です。
そもそも適切な分析ができていない
分析はできたが、それを支える戦略と戦術まで落とし込めていない
分析や戦略までは組み立てたが、戦術と連動していない
というのが、正直なところではないでしょうか。
マーケティングの専門部署がない、くわしい人材が確保できないといった場合には、弊社のような外部の専門会社に依頼するのがベター。慣れない業務で時間をとられるのは効率的ではありませんし、かけた時間が成果につながる確証もありません。
Zenkenでは、貴社のマーケティング課題をお伺いした上で、貴社がどんな市場でどんなターゲットでどんな強みを打ち出していくべきかを分析し、策定させていただくところからサポートさせていただきます。
なかでも120業種・8,000サイト以上のWebメディアの制作・運用の実績に基づいたコンテンツマーケティングに関しては、きっとお役に立てると思います。
もしマーケティング戦略にお悩みがございましたら、下記フォームよりお問い合わせください。お待ちしております。

