アウターブランディングとは|意味から成功事例・進め方まで徹底解説

アウターブランディングとは|意味から成功事例・進め方まで徹底解説

アウターブランディングとは、顧客や求職者、取引先など社外の相手に、企業や商品・サービスの価値を伝え、理解や信頼を育てる活動です。Webサイトや広告、営業資料、顧客対応など、さまざまな接点を通じて、自社を選ぶ理由を伝えます。

ホームページに理念や沿革、サービスの特徴を掲載していても、顧客が「自社の課題にどう役立つのか」「ほかの会社と何が違うのか」を判断できなければ、相談につながらない場合があります。発信量を増やす前に、相手が比較検討に必要とする情報を届けられているかを確認しましょう。

アウターブランディングでは、誰に、どの価値を、何を根拠に伝えるかを整理することが出発点です。中小企業でも、既存のホームページや営業資料の説明を補い、現場の対応とそろえることから始められます。

この記事では、アウターブランディングの意味やインナーブランディングとの違い、期待できる効果を整理します。そのうえで、具体的な進め方と施策、企業事例を参考にするポイント、自社の取り組みを見直すチェック項目を紹介します。

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アウターブランディングとは?社外に価値を伝える活動

アウターブランディングとは顧客へ価値を発信する活動

アウターブランディングの定義と対象

アウターブランディングは、企業や商品・サービスの価値を社外に伝え、どのような存在として認識してもらうかを形づくる活動です。対象には顧客、求職者、取引先、投資家などが含まれますが、取り組みの目的に応じて、優先して伝える相手を決めます。

顧客には解決できる課題や対応範囲、求職者には仕事内容や働く環境など、相手が判断するために必要な情報を届けます。企業として大切にする価値観を共有しつつ、説明する内容は相手に合わせて具体化します。

ロゴや広告の印象に加え、Webサイトの説明、営業担当者の提案、購入後のサポートも、自社への理解や信頼に関わります。発信内容と実際の対応をそろえることも、アウターブランディングの重要な要素です。

顧客が比較検討するときの判断材料になる

価格や仕様が近い商品・サービスを比較するとき、顧客は対応範囲、使いやすさ、支援体制、実績なども含めて検討します。自社に強みがあっても、その情報が見つからなければ、比較の判断材料にはなりません。

たとえば「手厚いサポート」という表現だけでは、具体的に何をしてもらえるかは分かりません。相談できる内容や対応時間、導入時の支援などを示すことで、顧客は自分たちに合うサービスかを判断しやすくなります。

アウターブランディングでは、自社が伝えたい特徴を、顧客にとって意味のある選定理由として説明することが大切です。認知を広げるだけでなく、強みとその根拠が伝わっているかを確認しましょう。

アウターブランディングとインナーブランディングの違い

アウターブランディングは社外への価値の伝達、インナーブランディングは社内での理解と実践を主な目的とします。働きかける相手は異なりますが、顧客に伝える価値と現場で提供する価値をそろえる点でつながっています。

比較項目 アウターブランディング インナーブランディング
主な対象 顧客・求職者・取引先など、社外の関係者 経営層・従業員など、社内の関係者
目的 自社の価値を伝え、認知・理解・信頼や比較検討につなげる 理念や提供価値を理解し、仕事の判断や行動に反映する
主な手法 Webサイト、営業資料、広告、SNS、イベント、PR 対話・研修、社内報、実践事例の共有、業務資料の整備
確認する指標・情報の例 対象顧客の認知・理解、問い合わせ内容、選定理由、顧客の評価 理念や強みの理解度、業務での実践状況、従業員の意見

社外への説明と、現場での対応をそろえる

たとえば、Webサイトで「導入後も相談しやすい」と伝えるなら、現場でも相談窓口や対応範囲、引き継ぎ手順を共有しておく必要があります。説明と実際の対応が食い違えば、顧客の期待に応えられなくなります。

一方、現場で評価されている対応が、サイトや営業資料には記載されていない場合もあります。顧客から寄せられた評価を社内で共有し、継続して提供できる強みとして発信することも、両者を連動させる方法です。

社内の理解・実践と、社外への伝え方のどちらに不足があるかを確認し、必要な箇所から改善しましょう。インナーブランディングをすべて終えてから、アウターブランディングを始める必要はありません。

違いや着手順序については、インナーブランディングとアウターブランディングの違い・進め方も参考にしてください。

アウターブランディングで期待できる4つの効果

アウターブランディングの4つの効果

アウターブランディングは、自社の価値を顧客に理解してもらい、比較検討や継続利用につなげるための取り組みです。期待できる効果は、届ける相手や発信内容、実際に提供する商品・サービスによって変わります。

1. 競合との違いが伝わり、比較検討の判断材料になる

自社が得意とする課題や対応範囲、その裏付けとなる実績を伝えることで、顧客は競合との違いを判断しやすくなります。価格や仕様に加え、導入支援、使いやすさ、納品後の対応なども選定の材料になります。

差別化では、他社と違う点を挙げるだけでなく、その違いが対象顧客にとってどのような価値を持つかを説明することが重要です。

2. 顧客の信頼を育て、継続利用を後押しする

発信している価値と実際の体験が一致していれば、顧客は自社への信頼を持ちやすくなります。利用後も役立つ情報を届け、必要な支援を提供することは、継続して選ぶ理由を確認してもらう機会になります。

ただし、ブランドへの共感だけで継続利用が決まるわけではありません。品質や価格、顧客側の事情も関わるため、評価されている点と不満の両方を把握し、サービスの改善にもつなげましょう。

3. 新規顧客が自社を知り、相談するきっかけになる

対象顧客が利用する媒体や接点で情報を届けることで、これまで自社を知らなかった相手に知ってもらう機会をつくれます。紹介を受けた人がWebサイトを訪れた際にも、強みや事例が整理されていれば、相談先として検討しやすくなります。

認知の広がりを確認するときは、閲覧数だけでなく、どのような顧客から何を理由に問い合わせが来たかも見ます。自社が対応したい相談につながっているかを確認することが大切です。

4. 価格以外の価値が評価され、収益改善につながる可能性がある

顧客が自社の強みや支援内容を理解していれば、価格だけで判断される状況を減らせる可能性があります。対応範囲や条件を事前に伝えることは、商談での認識のズレを減らすうえでも役立ちます。

一方、認知が高まっただけで、広告費が減ったり利益率が上がったりするとは限りません。発信や運用にも費用がかかるため、受注単価、粗利、継続状況、集客・営業にかかった費用をあわせて確認します。

アウターブランディングの成果は、知られたかに加え、何を評価され、取引にどうつながったかまで追うことで判断しやすくなります。

アウターブランディングの対象となる企業と商品・サービス

アウターブランディングでは、企業全体の価値を伝える場合と、個別の商品・サービスの価値を伝える場合があります。両者は併用できますが、今回の取り組みで何を理解してもらいたいかを決めると、発信内容を整理しやすくなります。

コーポレートブランディング:企業全体の価値を伝える

コーポレートブランディングは、企業としての考え方や得意領域、事業を通じて提供する価値を伝える活動です。顧客だけでなく、求職者や取引先などが、その企業を理解し、関係を築くかどうかを判断する材料になります。

企業理念や沿革に加え、どのような課題に取り組んできたか、品質や支援体制をどう維持しているかなど、事業の実態を示します。複数の商品・サービスを展開している場合は、共通する強みや姿勢を伝えることで、企業全体への理解を助けます。

「商品は知られているが、どのような会社か伝わっていない」「事業ごとの説明が分かれ、会社としての強みが見えにくい」といった場合に、見直す対象になります。

プロダクトブランディング:商品・サービスの価値を伝える

プロダクトブランディングは、個別の商品・サービスについて、誰のどのような課題に役立つのか、何を理由に選べるのかを伝える活動です。名称やデザインとともに、機能、使い方、対応範囲、導入事例などが判断材料になります。

企業名が知られていても、新しいサービスの用途や既存サービスとの違いが伝わっているとは限りません。顧客が利用場面を想像し、自分たちに合うかを判断できる説明を整えます。

「会社の知名度はあるが、特定サービスの相談が少ない」「商品ごとの違いが分かりにくい」といった場合は、商品・サービス単位の発信を見直します。

顧客が判断に迷っている箇所から優先する

どちらに取り組むかは、問い合わせや商談で顧客が何を確認しているかを手がかりにします。取引先としての信頼性や対応体制が分からないなら企業情報を、用途や導入条件が分からないなら商品・サービス情報を補うことが優先候補です。

会社の認知度と、商品・サービスへの理解を分けて確認し、顧客の判断に不足している情報から整えましょう。両方を発信する場合も、企業として約束する価値と、個別の商品・サービスで提供する内容が食い違わないようにします。

アウターブランディングを進める4ステップ

アウターブランディングの4ステップ

アウターブランディングを進める際は、対象顧客と提供価値を整理し、その根拠を伝える情報と接点を整えます。すでに理念やロゴ、Webサイトがある場合は、今回の課題に対して何が不足しているかを確認するところから始めましょう。

STEP 1:対象顧客と比較検討の基準を確認する

まずは、今回の取り組みで優先する相手を決めます。既存顧客の選定理由や商談記録、失注理由などから、自社が評価される条件と、対応が難しい条件を整理してください。

BtoBなら業種や企業規模、利用場面、導入時の課題、購買に関わる担当者などを確認します。年齢や性別といった人物属性を細かく設定するだけでは、企業が購入を判断する理由は分かりません。

競合についても、同じ顧客が比較する商品・サービスを中心に、訴求内容、対応範囲、実績などを確認します。顧客が何を重視し、その中で自社のどの強みが評価されるかを考えましょう。

対象を絞るときは、顧客のニーズ、自社の対応力、事業としての採算が合うかを確認します。狭く絞ること自体を目的にせず、優先する理由を明確にしてください。

STEP 2:伝える価値と、その裏付けを整理する

対象顧客が決まったら、自社がどのような課題に対応でき、何を理由に選べるのかを言葉にします。既存の理念やブランド方針がある場合は、それらとの整合性を確認しながら具体化します。

整理する内容は、次の3点です。

  • 顧客の課題:どのような場面で、何に困っているか
  • 提供する価値:自社の商品・サービスが、その課題にどう役立つか
  • 裏付け:実績、事例、対応体制、仕様など、説明を支える事実は何か

「高品質」「柔軟な対応」といった言葉を使う場合も、何の品質か、どの範囲で対応できるかまで示します。営業や現場の担当者にも確認し、継続して提供できる内容を約束しましょう。

STEP 3:既存の情報と表現を見直す

整理した価値が、Webサイトや営業資料で伝わっているかを確認します。会社の紹介に偏っていないか、サービスの対象や対応範囲が分かるか、根拠となる事例へ進めるかを点検してください。

まずは、顧客がよく見るページや商談で使う資料から修正します。強みの説明を具体化する、導入条件を補う、関連事例へのリンクを設けるなど、既存の情報を活かした改善ができます。

ロゴ、色、写真、言葉遣いも、提供価値と合っているかを確認します。変更が必要な場合は、どの課題を解決するための変更かを明確にし、影響する媒体や更新作業を整理しましょう。

STEP 4:必要な接点で発信し、反応を確認する

情報を整えたら、対象顧客が利用する接点で届けます。既存サイトや営業資料に加え、広告、SNS、展示会、外部メディアなどから、目的と運用体制に合うものを選びます。

実施前には、何を確認するかも決めておきます。認知が課題なら対象顧客への接触や認知状況、強みの理解が課題なら問い合わせ・商談での選定理由などを確認します。閲覧数だけでなく、相談内容や顧客の評価も記録してください。

発信後は、届いていないのか、価値が伝わっていないのか、相談に必要な情報が足りないのかを分けて見直します。反応を確かめながら、訴求内容や発信先、相談までの導線を改善しましょう。

アウターブランディングに取り組む6つの施策

アウターブランディングの施策は、対象顧客に情報を届ける機会と、比較検討に必要な情報のどちらが不足しているかを確認して選びます。まずは既存のホームページや営業資料を点検し、新しい媒体を追加する必要があるかを判断しましょう。

1. ホームページ・オウンドメディアの情報を整える

ホームページは、検索や紹介、広告などで自社を知った相手が、詳しい情報を確認する接点になります。理念や沿革に加え、顧客が自分たちに合う会社かを判断できる情報を整えます。

確認する項目 ホームページで示す情報
誰に役立つか 対象となる企業・顧客、利用場面、対応できる課題
何を理由に選べるか 得意領域、対応範囲、支援体制など、顧客の比較軸に沿った強み
強みの根拠は何か 導入事例、実績、仕様、具体的な業務・支援の進め方
利用前に確認したい条件は何か 料金の考え方、導入条件、対応地域、契約・利用開始までの流れ
次に何をすればよいか 関連事例や資料へのリンク、相談できる内容、問い合わせ方法

オウンドメディアの記事も、顧客の疑問に答えた先に、関連するサービスや事例を確認できる導線を設けます。新規記事を増やす前に、閲覧されている既存ページで説明が不足していないかを確認してください。

ホームページでは、会社が伝えたい情報と、顧客が選ぶために必要な情報がそろっているかを点検しましょう。

2. SNSで対象顧客との接点をつくる

SNSでは、商品・サービスの利用場面、現場の取り組み、専門知識などを継続して発信します。対象顧客が利用する媒体と、写真・動画・文章など自社が運用しやすい形式を選びます。

投稿への反応だけでなく、どのような質問が寄せられるか、サイトや相談へ進む人がいるかも確認します。フォロワー数を増やすことだけを目標にせず、伝えたい価値への理解につながっているかを見直しましょう。

3. 広告で不足している接触機会を補う

情報は整っているものの、対象顧客に知ってもらう機会が少ない場合は、広告を検討します。Web広告や動画広告、業界媒体などから、届けたい相手と目的に合う配信先を選びます。

広告で伝える強みと、遷移先のページで説明する内容をそろえることが大切です。関心を持った人が、対応範囲や根拠となる事例を確認できるようにしておきましょう。

4. 展示会・イベントで実物や対応を体験してもらう

展示会や体験イベントでは、実物の確認、デモ、担当者との対話を通じて、Webだけでは伝わりにくい特徴を説明できます。顧客が何を確かめたいのかを想定し、見せる内容や説明を準備します。

来場者数や名刺の枚数に加え、対象顧客との接点ができたか、何に関心を持たれたか、その後の相談につながったかを確認します。会場で伝えた内容を後から確認できるページや資料も用意しておくと、検討を助けます。

5. 広報・PRで取り組みや事実を伝える

新サービス、調査結果、事業上の取り組みなど、社外に知らせる具体的な情報がある場合は、プレスリリースや取材対応を活用します。誰にとってどのような意味がある情報かを明確にし、根拠となる事実を示します。

プレスリリースの配信と、メディアによる掲載・評価は分けて捉えましょう。掲載された場合も、件数だけでなく、伝えたい内容が対象となる相手に届いたかを確認します。

6. 営業・顧客対応と発信内容をそろえる

営業資料や担当者の説明、購入後のサポートも、自社への理解や信頼に関わります。サイトで約束している内容を現場で提供できるか、部署によって説明が食い違っていないかを確認します。

現場でよく聞かれる質問や、顧客に評価された対応を共有し、Webサイトや資料にも反映しましょう。対応条件が変わったときに、誰がどの情報を更新するかを決めておくことも必要です。

施策を選ぶ前に、顧客に伝える強みを整理する

ホームページや広告を改善したくても、何を強みとして伝えるかが定まらない場合は、顧客の選定理由と競合の訴求を照らし合わせる必要があります。社内では当たり前の対応が評価されていることもあれば、強調している特徴が顧客の判断に結び付いていないこともあります。

Zenkenでは、市場・競合の調査を踏まえたポジショニングの整理と、Webマーケティング施策の設計を支援しています。自社の強みを、どの顧客に、どのような根拠とともに伝えるかを整理したい場合は、ご相談ください。

ホームページで伝える強み・訴求を相談する

アウターブランディングの企業事例と自社に活かすポイント

アウターブランディング成功事例

企業事例では、目立つ広告やデザインに加え、どのような価値を、どの接点で伝えているかに注目しましょう。ここでは5社の取り組みを紹介します。各社の発信内容をもとにした参考例であり、個々の施策による売上向上などを示すものではありません。

Apple:企業の考え方と製品が提供する価値を結び付ける

Appleは「Think Different」という考え方を企業の姿勢として発信しています。創立50周年に関する公式発表でも、従来の考え方に疑問を持つ姿勢と、人々の創造や学びを支える製品・サービスを結び付けて説明しています。

この事例から参考にできるのは、企業の理念を、利用者が実現できることとつなげる視点です。自社でも、掲げている方針が商品やサービスのどの特徴に表れ、顧客にどう役立つかを具体的に示しましょう。

参照:Apple公式「『Think Different』を体現してきた50年間」

Red Bull:顧客の関心に沿った接点でブランドを発信する

Red Bullは、公式サイトでさまざまな競技のアスリートやイベントを紹介しています。商品情報に加え、スポーツなどの活動を通じてブランドに触れる接点を設けている例です。

自社に応用する際は、対象顧客が関心を持つテーマや参加する場を確認します。大規模なイベントを再現する必要はありません。顧客が集まる展示会や専門的な情報発信など、自社の価値と関連があり、継続できる接点を検討しましょう。

参照:Red Bull公式「アスリート紹介」

無印良品:ものづくりの方針を具体的な取り組みで説明する

無印良品は、素材の選び方、生産工程の見直し、包装の簡素化をものづくりの基本として示しています。商品をどのような考え方でつくっているかを、素材や工程、包装という具体的な要素で説明しています。

参考になるのは、抽象的な理念を、顧客が確認できる事実で伝える方法です。「品質にこだわる」「無駄を減らす」といった方針があるなら、実際にどの工程や仕様、対応方法に反映しているかを示すと、理解を助けられます。

参照:無印良品公式「ずっと良い値。」

ユニクロ:ブランドの方針を商品の特徴へ展開する

ユニクロは、日々の暮らしを豊かにする服というLifeWearの考え方を掲げています。公式の「Masterpiece」では、個々の商品に込めた工夫や特徴を紹介し、ブランドの方針を商品単位で説明しています。

自社でも、企業全体のメッセージと、個別の商品・サービスの説明をつなげることが参考になります。共通の方針を繰り返すだけでなく、それぞれの利用場面でどのような価値があるかを具体化しましょう。

参照:ユニクロ公式「Masterpiece」

キッツ:品質や信頼性を支える仕組みを伝える

バルブメーカーのキッツは、コーポレートレポートで、素材を重視する考え方と品質保証体制を説明しています。品質や信頼性を、製品を支える仕組みと結び付けて伝えているBtoBの例です。

法人向けの商品・サービスでは、担当者が社内で選定理由を説明できる情報も重要です。自社の品質管理、検査、保守、供給体制などから、顧客が重視する条件に関係する情報を示しましょう。

参照:キッツ公式「コーポレートレポート2025」

事例は、対象顧客・提供価値・根拠・接点に分けて考える

これらの事例を自社に置き換えるときは、誰に伝えるのか、何を評価してもらいたいのか、それを裏付ける事実は何か、どこで届けるかを整理します。知名度や予算、購入までの流れが異なるため、同じ施策を実施しても同じ結果になるとは限りません。

自社の顧客が判断に必要としている情報を見極め、既存のサイトや資料で伝えられることから取り入れましょう。

アウターブランディングの実践チェックリスト

施策を追加する前に、現在の発信で顧客に何が伝わり、何が不足しているかを点検しましょう。Webサイトや営業資料、問い合わせ・商談の記録を照らし合わせながら確認します。

確認項目 点検する内容 確認状況
対象顧客 優先する顧客と、その顧客が抱える課題を具体的に説明できるか □
選定基準 顧客が何を比較し、どのような理由で依頼先を選んでいるかを把握しているか □
提供価値 自社の特徴が、顧客にとってどのように役立つかを説明しているか □
強みの根拠 実績・事例・仕様・対応体制など、訴求を裏付ける情報があるか □
発信と実態 サイトや広告で伝えている内容を、現場で継続して提供できるか □
情報の見つけやすさ 顧客がよく見るページから、対応範囲・条件・関連事例を確認できるか □
相談への導線 相談できる内容と問い合わせ方法が分かり、必要なページへ進めるか □
発信先 対象顧客が情報収集や比較検討で利用する接点を選んでいるか □
効果の確認 閲覧数に加え、問い合わせ内容や選定理由など、目的に合った情報を確認しているか □
更新・改善の担当 サービスの条件が変わった際に、誰が資料やページを更新するか決まっているか □

未確認の項目は、原因を調べてから改善する

チェックが付かない項目は、「情報がない」のか「あるが見つけにくい」のか「顧客に伝わったか確認していない」のかを分けて考えます。原因によって、必要な作業は変わります。

たとえば、強みの根拠が不足しているなら、現場や顧客への確認から始めます。事例はあるのにサービスページから見つけられないなら、リンクや掲載位置の改善が候補になります。問い合わせは来るものの対象外の相談が多いなら、対象顧客や対応条件の説明を見直しましょう。

すべての項目を一度に整える必要はありません。顧客の判断を妨げている箇所から、影響の大きさと修正にかかる工数を踏まえて優先順位を決めます。

まず一つのページや資料を改善し、問い合わせや商談で同じ疑問が繰り返されていないかを確認してください。その結果をもとに、ほかの接点にも改善を広げていきましょう。

アウターブランディングでよくある失敗と対策

アウターブランディングで期待した反応が得られないときは、発信量を増やす前に、説明と実態、対象顧客、評価方法を確認します。ここでは、取り組みの中で起こりやすい4つの問題と、見直すポイントを紹介します。

1. 発信している内容と実際の対応が食い違う

広告やサイトで手厚い支援を伝えていても、対応範囲や受付条件が分かりにくいと、顧客の期待とのズレが生じます。現場では対応できない内容を約束していないか、重要な条件が省かれていないかを確認しましょう。

対策は、説明の修正と運用の改善に分けて考えます。発信が過大なら表現を改め、対応にばらつきがあるなら手順や役割分担を見直します。人員や権限の不足が原因の場合は、社員教育だけでは解消できません。

顧客に約束する価値は、現場で提供できる範囲と照合し、必要な条件も含めて伝えましょう。

2. 媒体や担当者によって強みの説明が食い違う

サイト、広告、営業資料で異なる強みを強調していると、顧客が何を評価すればよいか分かりにくくなる場合があります。まずは、対象顧客と中心となる提供価値、その根拠が共有されているかを確認します。

すべての媒体を同じ文章にする必要はありません。広告では関心を持つきっかけを、サービスページでは対応範囲を、営業資料では具体的な提案条件を示すなど、接点の役割に合わせて説明します。

共通して伝える内容と、媒体ごとに補う情報を整理し、サービス変更時の確認・更新担当者を決めておきましょう。

3. 顧客の選定基準と訴求が合っていない

自社の技術や実績を詳しく紹介していても、顧客が確認したい情報に答えていなければ、相談につながらない場合があります。問い合わせや商談で繰り返される質問、選定・失注の理由から、判断に必要な情報を確認してください。

対象顧客を絞る際も、ニーズがあり、自社が対応でき、事業として継続できるかを確かめます。十分な根拠がないまま対象を狭めると、必要な顧客との接点まで減らす可能性があります。

顧客層によって重視する条件が異なる場合は、用途別の事例やページを用意するなど、相手が自分に合う情報を見つけられる構成を検討しましょう。

4. 短期の売上だけで評価する、または検証せずに続ける

施策の直後に受注が増えないことだけを理由に中止すると、認知や理解の変化を見落とす場合があります。一方、長期的な取り組みだからといって、反応を確認せずに同じ発信を続けても、改善の判断ができません。

施策の目的に合わせて、接触・認知、強みの理解、問い合わせ、商談・受注を分けて確認します。自社の検討期間を踏まえて評価時期を決め、広告や営業活動など、同時に変わった条件も記録しましょう。

継続するかを判断するために、何を、いつ確認し、どのような結果なら見直すかを実施前に決めておくことが大切です。

指標の選び方や測定方法は、ブランディング効果測定のKPI設計と実践手法も参考にしてください。

アウターブランディングは、顧客が選ぶ理由を整理することから

アウターブランディングでは、企業や商品・サービスの価値を、社外の相手が判断できる情報として伝えます。誰に届けるのか、何を評価してもらいたいのか、その根拠は何かを整理し、発信と実際の対応をそろえることが基本です。

最初から新しいサイトや広告を用意する必要はありません。既存のホームページや営業資料を確認し、対象顧客、対応範囲、強みの裏付け、相談までの流れが伝わっているかを点検しましょう。

会社紹介は充実しているのに相談につながらない場合は、顧客が比較検討に必要とする情報が不足していないかを見直すことが、次の一歩です。

強みの伝え方や優先施策をZenkenに相談する

「自社の強みは挙げられるが、競合と比べて何を伝えるべきか決められない」「サイトや広告を改善したいが、どこから着手すべきか分からない」。こうした場合は、顧客の選定基準と競合の訴求を照らし合わせ、自社の価値が評価される相手と伝え方を整理する必要があります。

Zenkenでは、市場・競合の調査を踏まえたポジショニングの整理と、Webマーケティング施策の設計を支援しています。現在の発信や集客上の課題を確認し、対象顧客に伝える強みと、優先して改善する接点を検討します。

特定のニーズを持つ顧客に自社の強みを伝えるポジショニングメディアも、施策の選択肢です。導入ありきではなく、既存の取り組みを活かせる範囲と不足している接点を整理したうえで、自社に合う進め方をご相談ください。

ポジショニングメディア事例

ポジショニングメディアの詳しい内容は、以下の資料でもご確認いただけます。

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