広告代理店の新規開拓がうまくいかないのは、営業方法のせい?
最終更新日:2026年02月10日
「最近テレアポの確度が下がってきた」「リストが枯渇して困っている」「対面のアポイントが取りにくい」…広告代理店の新規開拓がうまくいかないのは、なぜなのでしょうか。
コロナ禍で変わった仕事との向き合い方の影響もありますが、新規開拓の効率性を高めるためにはインバウンド営業に取り組むことが非常に重要になってきています。
そこで今回は、広告代理店の新規開拓営業のコツや営業方法、アウトバウンドとインバウンドの違い、成約率の高い見込み客を集める方法などを解説していきます。
広告代理店の新規開拓が難しい理由
広告代理店にとって、新規開拓は最も重要な営業活動の一つです。しかし同時に、最も難易度が高い営業活動でもあります。なぜ広告代理店の新規開拓は難しいのでしょうか。
競合が多く差別化が困難
広告業界には、大手総合広告代理店から中小専門代理店まで、無数のプレイヤーが存在します。顧客企業は既に複数の広告代理店と取引関係を持っていることが多く、新規参入する余地が限られています。
また、提供するサービス内容も似通っているため、明確な差別化ポイントを打ち出すことが困難です。「リスティング広告運用」「SNS広告運用」「クリエイティブ制作」など、基本的なサービスはどの代理店も提供しています。単なる機能や実績の羅列では、顧客の心に響きません。
信頼関係の構築に時間がかかる
広告予算は企業にとって重要な投資です。効果が出なければ無駄になるだけでなく、担当者の責任問題にもなりかねません。そのため、実績のない新規の広告代理店に予算を任せることには強い抵抗感があります。
既存の取引先代理店は、長年の関係の中で信頼を築いてきています。業界特性や商品知識を理解し、過去の成功・失敗を共有しています。この信頼関係を切り崩して新規参入することは、容易ではありません。
成果の可視化が難しい
広告の効果測定は複雑です。認知度向上、ブランドイメージ改善、問い合わせ増加、売上向上など、目的によって評価指標が異なり、短期間で成果を示すことが難しい場合があります。
特にブランディング広告の場合、効果が現れるまでに時間がかかるため、新規取引開始直後に明確な成果を示すことができません。このため、「本当に効果があるのか」という顧客の不安を払拭することが困難です。
広告代理店の新規開拓営業でおさえるべきポイントは5つ

新卒が入社してきてOJT対応などで忙しくなる時期ですが、営業活動は待ったなし。4月に新しい期を迎えるにあたり、げきを飛ばされている営業マンも多いのではないでしょうか。
広告代理店の新規営業も例外ではありません。
広告代理店が新規開拓営業をするときにおさえておくべきポイントは、以下の5つです。
– ターゲットを決める
– 相手の課題やニーズを把握する
– 相手にとってのメリットや価値を伝える
– 決済者とコミュニケーションを取る
– 既存顧客を分析する
そんなことはわかっているさ、という声が聞こえてきそうですが、基本のキを確認しておくいい機会です。
ここで基本を振り返ってみましょう。
ターゲットを決める
新規顧客への営業で結果を出すぞ! と張り切っていても、やる気だけでうまく開拓できるものではありません。無鉄砲に営業をしては、効率が悪いだけです。
まずは自社が獲得すべきターゲットを絞り込むことから始めましょう。この際、営業チーム内でのコンセンサスを得ることと、バッティングしないようにルールを決めることが大事です。
このとき、第三者が聞いて理解できるレベルまで、ターゲットを定義できるとより効果的です。
ターゲットを決めるときには、「STP分析」というフレームワークを一度試してみてください。STPとは、「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」の頭文字から取っています。
市場における顧客を細分化してどの顧客(セグメント)を狙うのかを決定し、自社の立ち位置を明確化したうえでターゲットを決める分析方法です。
相手の課題やニーズを把握する
ターゲットを決めたら、ターゲットの課題やニーズを把握しましょう。
営業する相手に課題やニーズがないのにサービスを提案しても、相手にとっては必要ないばかりか下手すれば押し売りになってしまいます。
広告主になり得る企業について調査して課題やニーズを検討し、仮説を立てることが重要です。もしも、見込み顧客とコミュニケーションを取るチャンスを得たら、抱えている不満や要望をヒアリングしましょう。
相手にとってのメリットや価値を伝える
「売り込みたい」という気持ちをおさえて相手の立場にたち、メリットや価値が理解できるような伝え方をすることが大切です。
特に新規顧客はまだ信頼関係が築けておらず、「何かを売りつけられるのではないか」と身構えています。
「話を聞いてみようかな」という気持ちにさせられるよう、まずはサービスやプロダクトを利用することで得られる相手のメリットを簡潔に伝えましょう。
話を聞いてくれるようであれば具体的な数値を交えて説明し、改めて自社の広告サービスなどを提案します。
決済者とコミュニケーションを取る
提案したサービスが見込み顧客の担当者に受け入れられたとしても、決裁者と同一ではないことがほとんどです。担当者から決済者に話をする過程で、齟齬が生まれたり時間がかかって結局契約に至らなかったりする可能性があります。
そのため、営業先の決済者は誰かを把握して、直接コミュニケーションを取れると理想的です。担当者から決済者にアプローチして話を通してもらい、可能であれば打合せに同席してもらうようにしましょう。
既存顧客を分析する
既存顧客の一定数は解約になる可能性があるため、新規開拓は必須。ですが、新規開拓営業に注力するあまり、既存顧客へのフォローを疎かにしないように気をつけてください。
新規開拓営業よりも少ない労力で利益を出しやすい既存顧客との関係性を維持することは、アップセルにつながる、年間のグロスが読めるなど、大きなメリット。
既存顧客を分析することは既存顧客維持につながるだけでなく、「得意先が顧客になったきっかけは何か」「自社が選ばれる理由は何か」など、新規開拓営業のヒントになる知見も得られるはずです。
新規開拓に成功する広告代理店の共通点
新規開拓で成果を上げている広告代理店には、いくつかの共通点があります。これらを理解し、自社の営業活動に取り入れることで、成功確率を高めることができます。
明確な専門性・強みを持っている
成功している広告代理店は、「〇〇業界なら」「△△の広告手法なら」という明確な専門性を持っています。すべての業界、すべての広告手法に対応しようとすると、結局どれも中途半端になり、差別化できません。
例えば、「BtoB製造業のリード獲得に特化」「美容クリニックのSNS広告に特化」「不動産業界のSEO対策に特化」など、狭い領域で圧倒的な実績と知見を持つことが重要です。
専門性を確立すれば、その領域では競合が少なくなり、価格競争に巻き込まれにくくなります。また、専門性が口コミで広がり、紹介による新規案件獲得も増えていきます。
顧客の事業成長にコミットしている
単に広告を配信して終わりではなく、顧客のビジネス成果にコミットしている代理店が選ばれます。広告のクリック数や表示回数ではなく、問い合わせ数、商談数、売上といった、顧客の事業成長に直結する指標を重視します。
そのためには、顧客の事業内容、商品・サービスの特徴、競合状況、ターゲット顧客などを深く理解する必要があります。単なる広告運用の外注先ではなく、事業成長のパートナーとしての関係を築くことが重要です。
データに基づいた提案をしている
「こういう広告をやりましょう」という感覚的な提案ではなく、データに基づいた論理的な提案ができる代理店が信頼されます。市場データ、競合分析、過去の実績データなどを活用し、なぜその施策が効果的なのかを数値で示します。
また、施策実施後も定期的にデータを分析し、PDCAサイクルを回して改善し続けます。データを可視化したレポートを提供し、顧客が広告投資の効果を明確に理解できるようにします。
レスポンスが早く柔軟である
問い合わせへの返信、資料の送付、見積もりの提出など、あらゆる対応のスピードが早い代理店は好印象を持たれます。特に新規開拓の初期段階では、レスポンスの早さが信頼獲得につながります。
また、顧客の要望に対して柔軟に対応できることも重要です。「それはできません」ではなく、「こういう方法ならできます」と代替案を提示する姿勢が、顧客との良好な関係構築につながります。
効果的な営業リストの作り方
新規開拓の成否は、営業リストの質で大きく左右されます。闇雲にアプローチするのではなく、自社にマッチする見込み顧客を効率的にリストアップすることが重要です。
理想顧客プロファイルを作成する
まず、自社にとっての理想顧客像を明確にします。既存顧客の中で、特に関係性が良く、継続的に発注があり、利益率が高い顧客を分析します。業種、規模、エリア、事業内容、課題などの共通点を抽出し、理想顧客プロファイルを作成します。
このプロファイルに合致する企業を優先的にリストアップすることで、成約率の高い営業活動が可能になります。
複数の情報源を活用する
営業リスト作成には、様々な情報源を活用します。企業データベース(帝国データバンク、商工会議所名簿など)、業界団体の会員名簿、展示会の出展企業リスト、各種メディアの広告主情報、求人サイトの募集企業などから、ターゲット企業を抽出します。
また、Webサイトの採用ページや決算資料から、事業拡大のサインを読み取ることもできます。新規事業の立ち上げ、新商品の発売、新店舗の開業などは、広告ニーズが高まるタイミングです。
優先順位をつけて管理する
リストアップした企業すべてに同じ優先度でアプローチするのは非効率です。理想顧客プロファイルとの合致度、企業規模、広告予算の推定額、アプローチの難易度などを考慮し、優先順位をつけて管理します。
CRMツールやスプレッドシートで、企業名、業種、規模、担当者情報、アプローチ履歴、次回アクション予定などを記録し、組織的に管理します。
広告代理店の新規開拓の営業方法

新規開拓の営業方法を検討する際は、「アウトバウンド」と「インバウンド」の特徴を理解することが重要です。
アウトバウンドとは、テレアポや飛び込み営業など、企業から顧客へ直接アプローチする方法を指します。一方、インバウンドとは、Web広告やオウンドメディアなど、有益な情報を提供することによって自社のサービスに関心を持ってもらう方法です。
ここでは、アウトバウンドとインバウンドの営業方法を、それぞれ4種類ずつ紹介していきます。
アウトバウンド営業
従来通りの営業手法は「アウトバウンド営業」という方法です。最近の傾向としては、「問い合わせフォーム営業」という手法が増えてきています。キャククルの問い合わせフォームにもときおり来ています。
テレアポ
代表的な新規開拓営業の方法は、テレアポです。見込み顧客が電話に出てくれた場合は、メールやダイレクトメールと比べると、直接話ができるぶん印象にも残りやすくなります。
運がよければすぐに決済者と話せるかもしれません。さらに営業担当者がテレアポするのではなく、テレアポ代行業者に電話してもらうという方法もあります。
ただリモートワークが普及している影響から、一度の電話で担当者に通じることは難しくなっています。また、訪問につなげるためのトークスキルも、より一層高いレベルで必要になってくるでしょう。
BtoBの場合は直接訪問だけでなく、オンライン商談のアポをとりあえず取得したうえで決裁者アポで訪問する、といった二段階アポイントも有効です。
飛び込み
飛び込み営業とは、アポイントメントを取らずに企業を訪問して営業する方法です。テレアポとは異なり顔を見て話すことができるため、親近感が湧きやすくなります。
顔を覚えてもらうだけでも、自社に興味を持ってもらうきっかけとなり効果的です。タイミングがよければ、決済者とすぐに話ができる可能性もあります。
しかし、移動時間がかかる上に無駄足に終わることもあるため、非効率でコストが高くつく営業手法。コロナ禍でより効率化が求められるようになった影響もあり、業界によっては減少傾向にあります。
また以前よりも飛び込み営業に対する拒否反応が高まっているだけでなく、セキュリティなどの観点から、飛び込み営業を受け入れなくなっている企業もあります。
メール・FAX
メールやFAXも、基本的なアウトバウンド手法のひとつです。顧客リストに記載されたメールアドレスや名刺を交換した相手のメールアドレス、ホームページに記載のFAX番号などに文章を送ってアプローチします。
テレアポや飛び込み営業とは異なり、一度に大量の見込み顧客に送信することが可能です。しかしながら、個人情報を保護する意識への高まりから、メールアドレスを取得すること自体が難しくなっています。
メールやFAXは読まれずに破棄されてしまうことも多いため、ほかの営業方法と併用することを推奨します。
問い合わせフォーム営業
問い合わせフォーム営業とは、見込み顧客のホームページ上にあるお問い合わせフォームに文章を記入して送信する方法です。
メール営業とは異なりメールアドレスを入手する必要がなく、かつ、数多くの企業にアプローチすることができます。ただし、コピペとわかるような文章の場合はなおさらしっかり読んでもらえず、メール営業と同様削除されてしまう可能性が高いので工夫が必要です。
インバウンド営業

次に、いま注目されている「インバウンド営業」です。以前からあった手法ですが、社会情勢の影響を受けやすい経済活動において、いまはこのインバウンド営業強化に動いている企業が増加しています。
Web広告
Web広告は、インターネットでの検索傾向に関する分析結果を活用して、自社のサービスや商品を宣伝する営業方法です。
ユーザーが検索したキーワードに適した広告を表示するリスティング広告、外部のWebサイトにバナーを表示するディスプレイ広告、一度Webサイトに訪れたことのあるユーザーに対して広告を配信するリターゲティング広告などがあります。
効率的に情報が提供できる一方で、差別化されていないサービスや商品であれば、膨大な量の情報に埋もれてしまうかもしれません。
ただし、2023年に実施とされているGoogleの「サードパーティcookie廃止」によって、これまでできていたWeb広告が原則できなくなると言われています。広告代理店やコンサルを通じて、最新の情報を把握するようにしてください。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、「自社で保有するメディア」の総称です。ホームページやブログ、SNSアカウントなどが該当します。
見込み顧客が持つ課題やニーズに役立つ情報を提供することで、購入や問い合わせ、資料請求等につなげる目的で制作します。
情報の精度が高いほど新規顧客の獲得につながる可能性も高まため、オウンドメディアの運用を担当する人材を確保する必要があります。
セミナー
セミナーを開催して見込み顧客を集客し、自社のノウハウを伝えて信頼関係を築いた上で営業をかける方法です。
セミナーの開催形態としては、セミナールーム等で講演をする、オンライン(ウェビナー)の配信などがあります。他社との共同開催も効率的です。
営業担当者が講師を務めることが多いですが、大規模なイベントでは代表や役職者が登壇することもあります。
YouTubeなどの動画配信
最近では、YouTubeチャンネルを持つ企業も増えています。YouTubeは、ブログやSNSアカウントと同様、オウンドメディアのひとつとしても考えられます。
文字や写真のみで伝えるのが難しいコンテンツは、動画にすると伝わりやすくなります。企業や製品、サービスの特徴を捉えやすいので、顧客の購買行動にも直結しやすいというメリットがあります。
しかし、動画の編集や投稿にはスキルだけでなく時間やコストがかかりますので、YouTubeチャンネルを開設して維持していけるかどうかは、しっかりと検討してから計画を立て、コンセプトを固めてから実施しましょう。
アポイント獲得率を高める具体的テクニック
営業リストを作成し、アプローチ方法を決めたら、次は実際にアポイントを獲得する段階です。アポイント獲得率を高めるための具体的なテクニックを紹介します。
最初の15秒で興味を引く
テレアポでも訪問でも、最初の15秒で相手の興味を引けるかどうかが勝負です。会社名と名前を名乗った後、すぐに相手にとってのメリットを簡潔に伝えます。
「〇〇業界の広告効果を平均30%改善した実績があります」「御社と同じ課題を抱えていた△△社の事例をお話しできます」など、相手が「もう少し聞いてみよう」と思える情報を最初に提示します。
断られる理由を事前に潰す
「今は間に合っている」「忙しい」といった断り文句に対して、事前に対応策を用意しておきます。
「既に代理店をご利用とのことですが、セカンドオピニオン的に他社の提案を聞くことで、現在の施策の妥当性を確認できます」「お忙しいことは承知しておりますが、だからこそ15分だけお時間をいただき、広告効果を改善する方法をお伝えしたいのです」など、断り文句を逆手に取るトークを準備します。
複数の選択肢を提示する
「来週水曜日に訪問させていただけますか?」という一択の提案ではなく、「来週水曜の午前か、木曜の午後、どちらがご都合よろしいでしょうか?」と複数の選択肢を提示します。
これにより、アポイントを取るかどうかではなく、どちらの日程にするかという判断に意識を向けさせることができます。また、対面・オンライン・電話など、複数の面談形式を選択肢として提示することも有効です。
フォローアップを徹底する
一度断られても諦めず、定期的にフォローアップします。数ヶ月後に状況が変わっている可能性もありますし、継続的に接触することで信頼関係が構築されることもあります。
メールマガジンの配信、業界情報の提供、セミナーの案内など、売り込みではなく有益な情報を提供し続けることで、「この会社は役に立つ」という印象を植え付けます。
初回商談で押さえるべきポイント
アポイントを獲得できたら、初回商談で好印象を与え、次のステップにつなげることが重要です。
徹底的な事前準備
初回商談の前には、相手企業について徹底的に調査します。Webサイト、プレスリリース、SNS、求人情報、決算資料などから、事業内容、商品・サービス、競合状況、課題などを把握します。
また、相手企業の広告出稿状況も可能な限り調査します。どの媒体に、どのような広告を出しているか、競合他社と比較してどうかなどを分析し、改善提案の材料にします。
ヒアリングを重視する
初回商談では、話すよりも聞くことを重視します。一方的に自社サービスの説明をするのではなく、相手の現状、課題、ニーズ、予算、決裁フローなどを丁寧にヒアリングします。
「現在の広告活動で満足されている点、改善したい点は何ですか?」「広告に期待する成果は何ですか?」「意思決定のプロセスはどのようになっていますか?」など、オープンクエスチョンを活用して、相手に多く語ってもらいます。
具体的な成功事例を示す
ヒアリング内容を踏まえて、相手の状況に近い成功事例を紹介します。同業種、同規模、同じ課題を抱えていた企業の事例を、具体的な数値とともに説明します。
「御社と同じ〇〇業界の△△社では、このような施策を実施した結果、問い合わせ数が3ヶ月で40%増加しました」など、相手が自社の成功をイメージできるような事例を提示します。
次のステップを明確にする
商談の最後には、必ず次のアクションを明確にして合意します。「1週間以内に提案書を送付します」「2週間後に再度打ち合わせの場を設けさせてください」など、具体的な日程とアクションを決めます。
曖昧なまま終わらせると、その後の進展が滞ります。次回の面談日程をその場で決めてしまうのが理想的です。
提案・見積もりの効果的な進め方
初回商談で関係性を構築できたら、提案書と見積もりを作成します。この段階で、具体的に契約につながるかどうかが決まります。
カスタマイズされた提案書を作成する
汎用的なテンプレートをそのまま使うのではなく、相手企業の状況に合わせてカスタマイズした提案書を作成します。相手企業の課題、ニーズ、目標を冒頭で確認し、それに対する解決策として自社のサービスを提案します。
提案書には、施策の内容、期待される成果、実施スケジュール、料金、過去の実績などを、具体的な数値とともに記載します。また、競合との差別化ポイントも明確に示します。
複数のプランを提示する
一つのプランだけでなく、予算や目的に応じた複数のプランを提示します。ベーシック、スタンダード、プレミアムなど、3段階程度のプランを用意し、相手に選択してもらいます。
最も売りたいプランを真ん中に配置し、上下にオプションを設けることで、中間プランが選ばれやすくなる心理効果が働きます。
投資対効果を明確に示す
広告費用は投資です。その投資によってどれだけのリターンが期待できるかを、具体的な数値で示すことが重要です。
「月額50万円の広告費で、問い合わせが月20件増加すると予測されます。1件あたりの成約率を30%、平均受注単価を100万円とすると、月600万円の売上増加が期待できます」など、ROIを可視化します。
リスクを軽減する仕組みを提示する
新規の代理店に依頼することは、顧客にとってリスクです。そのリスクを軽減する仕組みを提示することで、契約のハードルを下げることができます。
「最初の3ヶ月はトライアル期間として、成果が出なければ無条件で解約可能」「成果報酬型の料金体系も選択可能」など、顧客のリスクを軽減する提案をします。
クロージングのコツ
提案を行った後、契約につなげるクロージングの段階です。この最終段階で失敗しないためのコツを紹介します。
決断を促す理由を作る
「ご検討ください」と言って待っているだけでは、なかなか決断してもらえません。今決断すべき理由を作ります。
「来月からの繁忙期に間に合わせるには、今週中に契約する必要があります」「今月中にお申し込みいただければ、初期費用を免除します」など、期限を設けることで決断を促すことができます。
小さなYESを積み重ねる
いきなり契約を迫るのではなく、小さなYESを積み重ねていくアプローチが効果的です。
「この課題認識は合っていますか?」「この施策は御社の目標達成に役立ちそうですか?」「この予算感は妥当でしょうか?」など、小さな合意を一つずつ積み重ねていき、最後に「それでは契約書を準備させていただきます」と自然な流れでクロージングします。
最後の懸念を払拭する
クロージングの段階で、相手が最後に抱いている懸念や不安をすべて払拭することが重要です。「他に気になる点や不安な点はありませんか?」と直接尋ね、すべての懸念に丁寧に答えます。
特に、料金、契約期間、解約条件、サポート体制などは、明確に説明しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
アウトバウンド営業とインバウンド営業の違い

営業手法を決める前に、テレアポや飛び込み営業などのアウトバウンド営業と、Web広告やオウンドメディアなどのインバウンド営業それぞれの特徴やメリットを把握しておきたいところ。
わかっているつもりでも、意外に盲点があるものです。それぞれのメリットを整理しておきます。
アウトバウンド営業のメリット
アウトバウンドの営業方法では、営業担当が能動的に動いて見込み顧客にアプローチしていきます。お客様と接触することでサービスや商品を提案する機会を得たら、できる限り早めに商談の場を設定することを目指します。
アウトバウンドのメリットは、すぐに結果が出ること。最初の接触で相手にニーズがあるかどうかがかりやすく、うまくいけば決済者とすぐに話をすることが可能です。
また、こちらから能動的に動くため、狙いを定めたターゲットにアプローチしやすいこともメリットとして考えられます。
インバウンド営業のメリット
インバウンドの営業方法では、見込み顧客に対して能動的に接触はせず、むしろ相手が能動的に問い合わせや資料請求をするような仕組みを作っていきます。
情報提供により、見込み顧客のニーズや課題を解決することで購買意欲を高めていくことが目的です。
インバウンドのメリットは、見込み顧客と信頼関係を築きやすいこと。自社のサービスや商品を認知した顧客が問い合わせてきているため、話を聞いてもらう状況を作りやすくなっています。
また、能動的に動くアウトバウンドよりも営業コストを圧縮できる可能性があるのもメリットです。
新規顧客獲得までにかかる営業効率の向上を課題に抱えている企業は多く、インバウンド営業はひとつの解決策として注目されています。
いまや企業経営に欠かせないインターネットを活用すれば、自社のサービスや商品を潜在的に欲している顧客を見つけるまでの工数の削減が可能です。
インバウンド営業は成果が出るまでに時間がかかるため、始めるならできる限り早い方がよいでしょう。
従来通りのアウトバウンド営業を強化する手法は広告代理店がそれぞれ持っていると思いますので、次の項目では「インバウンド営業」にスポットを当てて説明します。
広告代理店の新規開拓でよくある失敗パターン
多くの広告代理店が新規開拓で失敗しています。典型的な失敗パターンを知ることで、同じ過ちを避けましょう。
失敗①自社サービスの説明に終始する
最もよくある失敗は、自社のサービス内容や実績を一方的に説明するだけで終わってしまうことです。顧客が知りたいのは、自社のサービスではなく、「自分たちの課題がどう解決されるか」です。
対策としては、まず顧客の課題やニーズを深くヒアリングし、それに対する解決策として自社サービスを提案します。顧客視点でのメリットを明確に伝えることが重要です。
失敗②差別化ポイントが不明確
「リスティング広告も、SNS広告も、SEO対策もできます」という総花的なアピールでは、他社との違いが伝わりません。顧客は「何でもできる」会社ではなく、「特定の領域で圧倒的に強い」会社を求めています。
対策としては、自社の強みを明確にし、その強みが活きる領域に特化してアプローチします。「〇〇なら当社」というポジションを確立することが重要です。
失敗③フォローアップが不十分
初回訪問で終わってしまい、継続的なフォローアップをしないケースが多いです。BtoBの営業では、初回接触から契約まで数ヶ月かかることも珍しくありません。
対策としては、定期的に有益な情報を提供し、関係性を維持し続けます。メールマガジン、セミナー案内、業界情報の共有など、売り込みではない接触を継続します。
失敗④料金が不透明
「まずはヒアリングしてから見積もりを」と言って、料金の目安すら示さないと、顧客は不安になります。予算感が合わなければ、時間の無駄になります。
対策としては、初回商談の段階で料金の目安を示します。「このような施策の場合、月額〇〇万円程度からスタート可能です」など、具体的な金額イメージを伝えます。
失敗⑤決裁者にアプローチできていない
担当者レベルでは好感触でも、決裁者の承認が得られず契約に至らないケースが多いです。担当者と決裁者では、重視するポイントが異なります。
対策としては、早い段階で決裁者を把握し、可能であれば直接コミュニケーションを取ります。また、担当者が決裁者を説得しやすいように、ROIや投資対効果を明確に示した資料を提供します。
デジタルツールを活用した営業効率化
新規開拓の効率を高めるために、様々なデジタルツールを活用することが重要です。
CRM・SFAツールの活用
顧客情報、商談履歴、次回アクション予定などを一元管理するCRM(顧客関係管理)・SFA(営業支援)ツールは、組織的な営業活動に必須です。Salesforce、HubSpot、Zoho CRMなど、様々なツールがあります。
これらのツールを活用することで、案件の進捗状況を可視化し、適切なタイミングでフォローアップできます。また、営業チーム内で情報共有が容易になり、属人化を防ぐことができます。
マーケティングオートメーション
見込み顧客の行動(Webサイト訪問、資料ダウンロード、メール開封など)を自動的に追跡し、適切なタイミングで適切なコンテンツを配信するマーケティングオートメーションツールも有効です。
興味関心度が高まったタイミングを自動検知し、営業担当者にアラートを送ることで、効率的なアプローチが可能になります。
オンライン商談ツール
Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなどのオンライン商談ツールは、移動時間を削減し、商談数を増やすことに貢献します。特に遠方の顧客や、忙しい経営者とのアポイントは、オンラインの方が取りやすい傾向があります。
画面共有機能を使って提案書を説明したり、録画機能で商談内容を記録したりと、対面商談にはないメリットもあります。
業界別のアプローチ方法
業界によって、効果的なアプローチ方法が異なります。ターゲット業界の特性を理解し、最適なアプローチを選択しましょう。
BtoB製造業へのアプローチ
製造業は、展示会やWebサイトでの問い合わせ獲得を重視します。リードジェネレーション型の広告提案が効果的です。また、技術的な内容を理解し、エンジニア向けのコンテンツマーケティングを提案できると強みになります。
決裁プロセスが長く、複数の関係者が関与するため、長期的な関係構築を前提にアプローチします。
小売・ECへのアプローチ
小売・EC業界は、売上への直接的な貢献を重視します。ROIが明確に測定できる施策(リスティング広告、ショッピング広告、SNS広告など)を提案し、具体的な成果数値を示すことが重要です。
また、季節やイベントに合わせたスピーディーな施策展開が求められるため、レスポンスの早さが評価されます。
医療・美容業界へのアプローチ
医療・美容業界は、地域密着型のマーケティングが重要です。MEO(マップエンジン最適化)、地域特化型のリスティング広告、口コミ対策などが効果的です。
また、薬機法などの法規制に詳しいことを示すと、専門性が評価されます。
インバウンド営業で注力すべき3つのポイント
インバウンド営業に注力することを決めたら、つぎの3つのポイントをおさえて自社に合った方法を具体化していきましょう。
カスタマージャーニーを考える

顧客がサービスや商品を知ってから購入するまでのプロセスを「カスタマージャーニー」と呼びます。
企業(顧客)がモノを買うとき、即決することは多くはありません。サービスや商品を認識し、他社と比較しながら検討した上で、購入を決定するというプロセスを踏みます。
営業担当者は、このプロセスに合わせて、ターゲットを識別して接触し、課題やニーズを調査してノウハウを提供したり助言したりすることが大切です。
見込み客にとって有益な情報をコンテンツとして発信する
インバウンド営業により見込み顧客の方から問い合わせや資料請求をしてもらうには、相手にとって本当に役立つ情報を発信しなければなりません。
プロの広告代理店としてのブランディングをし、自社のノウハウをコンテンツ化することで、信頼感が生まれます。
マーケティングチームと営業の連携
インバウンド営業を成功させるには、従来の営業手法に関する知識だけではなく、マーケティング知識の活用が必須です。
そのため、マーケティングチームと連携して動くほうが、成果を出しやすくなります。チーム間で成果や顧客の反応を共有すれば、集客施策や営業プロセスがより効率的かつ効果的なものになるでしょう。
成約率の高い見込み客を集める「ポジショニングメディア」

ポジショニングメディアでは自社とマッチする顧客、売りやすい・買ってもらいやすいユーザーだけを集客することが可能です。
ポジショニングメディアでは、競合製品などと比較しながら、自社が持つ独自の強みや価値、つまりは市場におけるポジション(立ち位置)をわかりやすく見せます。
すると「〇〇といえば・〇〇で選ぶなら自社の製品」というブランドイメージを顧客に認知してもらえるため、顧客側も「自社に最も合っている製品はこれだ」と納得して選ぶことが可能になります。

またポジショニングメディアを見たユーザーは、自社製品やサービスの価値を知った上で選んでくれるため、商談や成約にもつながりやすくなります。
実際に導入された企業では、「商談率が8割以上」「受注単価2.5倍」「成約までの時間が1/3に短縮」といった効果を実感するお声もいただいています。
成果を届けやすいWebメディア戦略であるため、特定の業界を得意としている広告代理店と弊社とで提携して、さまざまな業界向けに営業していただいています。
広告代理店の新規開拓に関するよくある質問
Q1.新規開拓で成果が出るまでどのくらいかかりますか?
新規開拓の成果が出るまでの期間は、営業手法や業界によって異なりますが、一般的には3〜6ヶ月程度を見込む必要があります。
アウトバウンド営業の場合、初回接触から契約まで1〜3ヶ月程度かかることが多いです。一方、インバウンド営業の場合、オウンドメディアの構築や認知度の向上に時間がかかるため、成果が出始めるまでに6ヶ月〜1年程度必要です。
ただし、インバウンド営業は一度軌道に乗れば、継続的に見込み顧客を獲得できるため、長期的にはより効率的な手法と言えます。
Q2.テレアポの成功率を上げるにはどうすればいいですか?
テレアポの成功率を上げるには、事前準備とトークスクリプトの改善が重要です。
まず、架電前に相手企業について調査し、業界特有の課題を理解します。そして、最初の15秒で相手の興味を引くフックを用意します。「〇〇業界の広告効果を平均30%改善した実績があります」など、具体的な数値を含めたメリットを伝えます。
また、断られた理由を記録し、トークスクリプトを継続的に改善していくことも重要です。PDCAサイクルを回すことで、徐々にアポイント獲得率が向上します。
Q3.小規模な広告代理店でも大手企業と契約できますか?
はい、小規模な広告代理店でも大手企業と契約することは可能です。重要なのは、明確な専門性を持つことです。
大手企業は、総合的なサービスを求める場合は大手代理店を選びますが、特定の領域での専門的なサービスを求める場合は、専門特化した中小代理店を選ぶことも多いです。
例えば、「BtoB製造業のリードジェネレーションに特化」「美容業界のInstagram広告運用に特化」など、狭い領域で圧倒的な実績を作ることで、大手企業からも選ばれるようになります。
Q4.既に他社と契約している企業にアプローチする方法は?
既に他社と契約している企業へのアプローチは、「乗り換え」ではなく「セカンドオピニオン」や「補完的な関係」を提案するアプローチが効果的です。
「現在の代理店のサービスに満足されているとは思いますが、第三者の視点で広告戦略をレビューさせていただくことで、新たな改善点が見つかるかもしれません」といった提案をします。
また、既存代理店が対応していない領域(例:既存代理店がリスティング中心なら、SNS広告を提案)で補完的な関係を築くことから始めることも有効です。
Q5.提案後に音信不通になった場合の対処法は?
提案後に音信不通になるのは、優先度が下がった、社内調整が難航している、他社と比較検討中などの理由が考えられます。
対処法としては、まず1週間後にフォローメールを送ります。「その後ご検討状況はいかがでしょうか」と簡潔に確認します。返信がなければ、2週間後に価値ある情報を添えて再度連絡します。「業界の最新トレンド」や「新しい事例」などを共有し、単なる催促ではなく有益な情報提供の形でアプローチします。
それでも反応がない場合は、一旦距離を置き、3ヶ月後に改めて接触します。状況が変わっている可能性があります。
Q6.価格競争に巻き込まれないためにはどうすればいいですか?
価格競争を避けるには、価格以外の価値を明確に示すことが重要です。
まず、自社の専門性や独自性を明確にします。「〇〇業界での豊富な実績」「独自のデータ分析手法」「手厚いサポート体制」など、他社にはない価値を打ち出します。
また、単なる「広告運用代行」ではなく、「事業成長のパートナー」としてのポジショニングを確立します。ROIを重視した提案を行い、「安いから選ぶ」のではなく「成果が出るから選ぶ」という判断基準を顧客に持ってもらいます。
Q7.オンライン商談と対面商談、どちらが効果的ですか?
オンライン商談と対面商談には、それぞれメリット・デメリットがあります。
オンライン商談のメリットは、移動時間が不要で効率的、遠方の顧客ともアプローチしやすい、画面共有で資料を見せやすいなどです。一方、関係構築がやや難しい、通信トラブルのリスクなどのデメリットがあります。
対面商談のメリットは、信頼関係を築きやすい、相手の反応を読み取りやすい、クロージングしやすいなどです。一方、移動時間とコストがかかるデメリットがあります。
理想的なのは、初回はオンラインで効率的に接触し、商談が進んだ段階や最終クロージングでは対面で行うというハイブリッドアプローチです。
広告代理店の新規開拓がうまくいく営業方法まとめ

広告代理店の新規開拓営業の方法は多岐にわたります。特徴やメリットが異なるため、ターゲットや自社の強みに適した方法を選びましょう。
アウトバウンド営業の効率が下がっていると感じたら、インターネットとの親和性が高いインバウンド営業に注力することをお勧めします。
自社が独自に持っているノウハウを、潜在的に欲している企業に届けることができれば、見込み顧客からアプローチしてくれる可能性が高まるはずです。












