電力会社向けデマンドレスポンスサービス比較!SaaS・アグリ・コンサルを徹底解説

最終更新日:2025年09月16日

デマンドレスポンスサービスを提供したいけど、「自社でできるのか?」「外部に任せるべきか?」と迷っていませんか?

近年、制度対応や脱炭素施策の一環として、電力小売事業者や法人エネルギーサービス提供者にとって、DR(デマンドレスポンス)は“避けて通れないテーマ”になっています。
しかし、DRの運用には、設備制御・通知・実績評価など多くの工程が関わり、「人手が足りない」「知識がない」「仕組みが整っていない」といった壁に直面する小売電気事業者も少なくありません。

本記事では、小規模投資で始められるSaaS型システムの導入、中規模投資で運用を委託できるアグリゲーター事業者の活用、大規模投資で制度や戦略まで包括的に対応できる専門コンサルティングサービス という3つのアプローチをご紹介します。
自社に合った方法を見つけることで、DRをスムーズに事業化する第一歩につながります。

※本サービスは、小売電気事業者・法人エネルギー提供者様向けの内容です。需要家(工場・施設)としてDR参加をご希望の方は、契約中の電力会社にお問い合わせください。

【アプローチ別に比較する】

デマンドレスポンスサービス

Recommend

小規模投資で
スピード導入【SaaS導入】

中規模投資で
運用も丸ごと依頼【アグリゲーター委託】

大規模投資で
制度・戦略まで網羅【コンサルティング】

エネチェンジクラウド

強み

既存の受給管理・顧客管理システムとのAPI/CSV連携が可能で、現場への導入負荷が低い点が大きな魅力です。データやオペレーションは社内で管理したいが、システムは外部に頼りたい企業にフィットします。

東京ガス

強み

DR制度に不慣れな事業者でも、運用設計から参加者管理、報酬分配までを一括で委託可能。これにより、スピード感のあるDR導入を目指す電力会社にとっては、「まず一歩踏み出す」ための実用的な選択肢となります。

エネルエックス

強み

24時間365日のモニタリング体制や世界規模の実績を背景に、電力需給調整の運用を全面的に代行可能です。国内でも複数の実績があり、DR業務を完全に外注したい電力会社に適した選択肢です。

KPMGコンサルティング

強み

制度対応・ビジネスモデル設計・社内稟議資料作成まで、実行フェーズに入る前の設計と合意形成を全面支援。特に、大企業での横断的な合意形成が必要なケースにおいて、「社内を動かすための外圧」として機能します。

目次

デマンドレスポンスサービスの一覧表

会社名 サービスの特徴

BridgeLAB DR

システム型DR支援で、運用自動化とコスト削減を同時に実現

  • 容量拠出金の削減をサポート
  • 既存システムとの連携がスムーズ
  • 誰でも使いやすい自動化された運用フロー

KPMGコンサルティング

制度・市場選定から実務まで伴走、戦略型DRコンサルティング

東京ガス

既存設備を活かして始める、シンプルな節電連携

エネチェンジクラウドDR

SaaS型で簡単スタート、柔軟な拡張性が魅力のDRプラットフォーム

エンコアード

小売電気事業者のための省力型DR、アプリ連携で管理も簡単

北陸電力

地域密着型で信頼感、柔軟なサポート体制のDRサービス

エネルエックス

グローバル展開で実績豊富、デジタルで最適化するDRソリューション

エナリス

幅広い業種の法人が参加しやすい、柔軟なデマンドレスポンスサービス

システム型DR支援で、運用自動化とコスト削減を同時に実現

BridgeLAB DR

BridgeLAB DR

※画像をクリックすると
公式サイトへ移動します。

引用元: BridgeLAB DR公式HP(https://bridgelabdr.com/)

BridgeLAB DRの概要

BridgeLAB DRは、小売電気事業者向けのクラウド型デマンドレスポンス(DR)支援サービスです。BridgeLAB DRは、自社ブランドでデマンドレスポンスを提供できる点が特徴です。容量拠出金の削減と運用負荷の軽減を両立できるよう設計されており、DRの導入から発動通知、インセンティブ算出、実績管理までを専用システムで自動化することで、業務効率化を支援します。省エネ大賞の受賞実績*もあり、顧客に向けた補助制度の案内や社外への説明に活用しやすい点も評価されています。

また、専門知識がなくても運用可能な仕組みを備えており、属人化しない仕組みとして機能します。自社開発やアグリゲーターへの委託とは異なり、少人数体制でも自走できるサービスとして位置付けられています。

*参照元:一般財団法人 省エネルギーセンター 省エネ大賞事務局|2022年(令和4年)省エネ大賞 受賞者の決定について(https://www.eccj.or.jp/bigaward/winner22/pdf/e-winner22.pdf)

BridgeLAB DRはこんな事業者におすすめ

  • 需給管理や料金設計などの業務で手一杯で、DRにまで人手が回らない
  • 制度には対応したいが、ゼロからの開発や自社構築は非現実的
  • ノウハウを残したいが属人化しない仕組みを作りたい

上記のようなお悩みをお持ちの事業者様は、「BridgeLAB DR」公式サイトをぜひ一度ご確認ください。

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BridgeLAB DRを選ぶべき理由

容量拠出金の削減をサポート

BridgeLAB DRを導入することで、容量拠出金の負担を抑え、電力調達コストの大幅な削減が期待できます。 容量拠出金は、電力使用が最も多くなる「ピーク時間帯(H3)」にどれだけ電力を使ったかで算出されるため、この時間帯の使用量を下げることが、コスト削減の鍵になります。

BridgeLAB DRでは、データを活用して、エリアごとの電力需要を高精度に予測。その上で、ピークが予想される時間帯に自動で節電要請(DR)を発動する仕組みが整っています。

さらに、DRの発動パターンは月単位で柔軟に調整可能。たとえば夏季ピーク・冬季ピークに集中させるなど、容量市場のルールに沿った設計ができるため、無駄のないDR運用が可能です。

既存システムとの連携がスムーズ

顧客管理や需給管理システムとCSV連携可能で、特別なシステム改修が不要。導入時の負担を軽減し、スピーディな展開を支援します。 初期登録はCSVで一括取込ができ、参加者情報の変更も随時対応可能。RPAや既存の業務フローにも組み込みやすく、日々の運用との整合が取りやすい設計です。

導入から初回DR発動まで最短4週間でのスムーズな立ち上げが実現できます。

誰でも使いやすい自動化された運用フロー

専門的な知識がなくても使いこなせるように設計されており、DRの発動から効果測定まで全て自動化。運用の属人化を防ぎ、限られた人数でも安定的に事業拡大が可能です。

通知はメールで一斉送信され、需要家はワンクリックで参加登録が完了。報酬額や実績レポートもシステムが自動計算し、DR業務の手間を最小限に抑えます。 さらに、ERABガイドラインに準拠した集計結果を自動生成できるため、国の報告制度や、企業が利用する補助制度にも対応可能です。

料金プラン

詳細は要問合せ。需要家規模やDR発動回数に応じて適切なプランを提案しています。

自社の条件に合うプランを知りたい方は、より詳しい情報を公式サイトにてご確認ください。

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BridgeLAB DRの会社概要

会社名 インフォメティス株式会社
所在地 東京都港区芝公園1-8-20
URL https://bridgelabdr.com/

KPMGコンサルティング

制度・市場選定から実務まで伴走、戦略型DRコンサルティング

KPMGコンサルティングは、デマンドレスポンス(DR)の制度対応から業務設計、市場選定まで幅広くサポートするコンサルティングサービスを提供しています。容量市場や需給調整市場への参入支援など、中立的な立場で適した制度選定やベンダー評価も可能です。エネルギー・インフラ分野に精通した専門チームが、クライアントの中長期戦略に合わせて事業構想を立案し、継続可能なビジネスモデルの構築をサポートします。

KPMGコンサルティングの会社概要

会社名 KPMGコンサルティング株式会社
所在地 東京都千代田区大手町1-9-7 大手町フィナンシャルシティ サウスタワー
URL https://kpmg.com/jp/ja/home/industries/energy.html

東京ガス

既存設備を活かして始める、シンプルな節電連携

東京ガスのデマンドレスポンスは、企業の発電機や空調設備などを活用して電力使用量を一時的に抑える取り組みです。 アグリゲーターとして、発動指令の通知・参加受付・報酬還元までを一括で対応。新たな設備投資は不要で、ピーク時の電力抑制による報酬と社会的貢献の両立が可能です。

特に100kW以上の節電が見込める事業者に適したメニューが用意されています。

東京ガスの会社概要

会社名 東京ガス株式会社
所在地 東京都港区海岸1-5-20
URL https://www.tokyo-gas.co.jp/index.html

エネチェンジクラウドDR

SaaS型で簡単スタート、柔軟な拡張性が魅力のDRプラットフォーム

エネチェンジクラウドDRは、自社開発や複雑なシステム導入が不要で、SaaS型で手軽にデマンドレスポンスを始められるサービスです。DR発動通知やインセンティブ設計、効果レポートの自動化などを一つのシステムで実現し、電力会社や小売電気事業者がスムーズにDR事業を立ち上げることができます。既存システムとの連携も柔軟で、規模拡大やカスタマイズにも対応しています。

エネチェンジクラウドDRの会社概要

会社名 エネチェンジ株式会社
所在地 東京都中央区京橋三丁目1番1号 東京スクエアガーデン14F
サービスURL https://enechange.co.jp/service/dr/

エンコアード

小売電気事業者のための省力型DR、アプリ連携で管理も簡単

エンコアードの「エコ電気アプリ」は、小売電気事業者が顧客向けに省力でDRを展開できるSaaS型サービスです。アプリ経由での発動通知や参加受付、効果測定やインセンティブ管理が一元化されており、手間をかけずにDR事業を内製化できます。ITが苦手な担当者でもすぐに使いこなせるシンプルな設計と、拡張しやすい柔軟なシステムが特長です。

エンコアードの会社概要

会社名 エンコアードジャパン株式会社
所在地 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター5F
サービスURL https://www.encored.co.jp/

北陸電力

地域密着型で信頼感、柔軟なサポート体制のDRサービス

北陸電力は、地域密着型の運営で、企業のニーズや課題に合わせて適切なDRプランを提案しています。自社設備の制御や運用のアドバイス、省エネ活動の可視化まで幅広くサポート。DR導入が初めての企業でも安心して取り組めるよう、手厚いフォロー体制が整っています。導入検討から運用まで一貫して相談できるのが魅力です。

北陸電力の会社概要

会社名 北陸電力株式会社
所在地 富山県富山市牛島町15番1号
サービスURL https://www.rikuden.co.jp/demandsupport/

エネルエックス

グローバル展開で実績豊富、デジタルで最適化するDRソリューション

エネルエックスは、世界各国で多数のDRプロジェクトを展開するグローバルプレイヤーです。先進的なデジタル制御技術とグローバルネットワークを活かし、日本国内の法人向けにも柔軟で実践的なデマンドレスポンスサービスを提供。導入企業ごとに適した削減メニューやインセンティブ設計が可能で、省エネやCO2削減への貢献もしっかりアピールできます。多拠点展開企業にもおすすめです。

エネルエックスの会社概要

会社名 エネルエックスジャパン株式会社
所在地 東京都千代田区丸の内1-8-2 鉄鋼ビルディング16F
サービスURL https://www.enelx.com/jp/ja/demand-response

エナリス

幅広い業種の法人が参加しやすい、柔軟なデマンドレスポンスサービス

エナリスは、需要側のエネルギーリソースを束ねて遠隔制御し、電力市場に提供するアグリゲーター型のデマンドレスポンス(DR)サービスを展開しています。電力料金を抑えたい企業や、自家発電機・蓄電池などの既存設備を活用したい法人にも適しています。参加にあたって特別な費用がかからず、契約している電力会社が他社でも利用できる柔軟さも大きな魅力です。容量市場への参加を通じて、DR発動がなくても報酬が受け取れる仕組みがあり、安定的な収益にもつながります。

エナリスの会社概要

会社名 エナリス株式会社
所在地 東京都千代田区内幸町2-1-6 日比谷パークフロント 18F
URL https://www.eneres.co.jp/service/business-support/

デマンドレスポンスとは

デマンドレスポンス(DR)とは、工場や商業施設など電力を多く使う企業に対し、電力が不足しそうな時間帯には使用を抑えてもらい、逆に余裕のある時間帯には利用を促すことで、電力の需給を調整する仕組みです。
近年では、電力需給のひっ迫が一時的な異常事態ではなく構造的な課題となっており、DRは安定供給を支える有効な手段として注目されています。

小売電力会社にとってDRは、単なる節電施策にとどまりません。

  • 容量拠出金の削減 により共通コストの負担を軽減できる
  • ピーク調達の回避 で市場価格高騰リスクを抑えられる

といった理由から、収益に直接影響する施策と言えます。

一方、企業側にとっても「社会的責任を果たす活動」として評価されやすく、ESG投資や脱炭素経営の文脈でPR効果を発揮します。これにより、小売電力会社は 顧客ロイヤルティやブランド価値の向上 にもつなげられます。
さらに国の補助制度(例:次世代型VPP実証事業、アグリゲーション補助金、家庭用蓄電池導入支援 など)を組み合わせれば、企業にとっての初期負担を抑え、DR参加を後押しすることが可能です。

結果としてDRは、

  • コスト削減(容量拠出金・市場調達リスクの低減)
  • 企業との関係強化(信頼性向上・長期契約化の後押し)
  • 脱炭素への貢献(社会的評価の獲得)
  • を同時に実現する戦略的な手段となります。

    いち早く取り組むことで、単なる電力供給を超えた「価値提案」として、他社との差別化を確立できます。

    デマンドレスポンスサービスとは

    デマンドレスポンス(DR)の仕組みを、小売電力会社やアグリゲーター(DRを取りまとめる事業者)が企業向けに提供するサービス形態 が「デマンドレスポンスサービス」です。

    このサービスでは、工場や商業施設など電力消費の大きい企業に対して、以下のような仕組みを整備・提供します。

    • 需要調整の通知・制御
      電力が不足しそうなタイミングで「電力使用を抑えてください」と通知。場合によってはEMS(エネルギーマネジメントシステム)や制御機器を通じて自動調整を行う。
    • インセンティブの提供
      電力使用を抑制した企業には、報奨金・電気料金割引・ポイントなどの形でメリットを還元。これにより企業側の参加意欲を高める。
    • モニタリングと実績評価
      削減量を計測・報告し、制度や補助金と連動させて収益化を図る。

    小売電力会社にとっての意味

    小売電力会社がDRサービスを展開することで、

    • 容量拠出金や市場調達コストを抑え、自社の収益構造を安定化
    • 顧客企業にインセンティブと「環境価値」を提供し、長期的な契約関係を強化
    • ESG・脱炭素対応を支援することで、電力供給を超えた価値提案が可能に
    • となり、単なる電力販売ビジネスから一歩進んだ「エネルギーサービスプロバイダー」としての立ち位置を築けます。

      デマンドレスポンスサービスの市場背景とビジネス機会

      日本の電力市場は再生可能エネルギーの導入や制度改革により、大きな転換期を迎えています。特に、容量市場や需給調整市場の始動により、DR事業者には新たな収益機会が広がっています。

      年度 国内DR市場規模
      2020年度 約650億円
      2030年度(予測) 約1,000億円

      このような成長の背景には、再エネ主力化に伴う系統安定化のニーズや、小売全面自由化により多様なサービスへの期待が高まっていることがあります。VPP(バーチャルパワープラント)の普及も進み、個々の小規模なリソースも集約して大きな市場に参加できるチャンスが広がっています。

      容量市場とは

      容量市場とは、「将来の電力供給力(kW)」を取引する市場であり、従来の電力量(kWh)の取引を中心とした卸電力市場とは異なります。容量市場の目的は、数年先(日本の場合は主に4年後)の電力需要ピーク時に十分な発電能力を確保し、電力の安定供給を実現することです。

      この市場では、発電事業者が将来の供給力を提供することを約束し、その価値に応じて報酬(容量支払い)を受け取ります。一方、電力小売事業者などは自らの需要分に応じて、その費用(容量拠出金)を負担します。

      【4パターンの比較】デマンドレスポンスサービスの提供方法

      DRサービス導入時、電力会社やアグリゲーターが選択できる提供モデルには、以下の4つがあります。それぞれの特徴を比較してみましょう。

      モデル メリット デメリット 必要リソース
      フル外注アグリ 迅速な開始・低リスク・専門知識不要 ノウハウが社内に残りづらい・収益性の制約 連携・調整担当者のみ
      SaaS利用 開発コスト抑制・効率化・拡張性 SaaS依存・自社リソース必要・カスタマイズ限界 DR運用担当者、需要家対応者など
      完全内製 高い自由度・ノウハウ蓄積・収益最大化 初期投資・専門性・リスクが高い 大規模な人員・資金
      コンサル依頼 専門知識の活用・客観的視点 コスト・依存リスク コンサル連携担当者

      モデルごとに異なる特徴があるため、自社の方針や人員体制にあわせて選択することが大切です。

      デマンドレスポンスサービスを提供するメリット

      DRサービスを提供することで、ビジネス面と技術面の両方で様々なメリットが得られます。

      ビジネス面

      収益源の多様化(容量市場や需給調整市場への参入で安定収益)

      容量市場や需給調整市場といった新たな電力市場への参入により、従来の電力販売以外の収益源を確立できます。特に、容量市場では将来の供給力に対して対価が得られ、需給調整市場ではリアルタイムの需給調整に貢献することで収益を確保できます。これは、電力小売事業の収益構造を多角化し、市場変動リスクを分散する上で極めて有効な戦略となります。

      顧客LTV向上(長期的な関係構築・満足度アップ)

      DRサービスは、需要家に対して新たな価値(電気料金の削減、環境貢献など)を提供することで、顧客満足度を高め、長期的な関係を構築する機会となります。DR参加を通じて、需要家は自社の電力消費パターンを把握し、より効率的なエネルギー利用を意識するようになるため、電力会社とのエンゲージメントが深まります。これにより、顧客の離反を防ぎ、顧客生涯価値の向上に貢献するでしょう。

      新規顧客獲得とブランド価値向上(SDGsや環境貢献アピール)

      環境意識の高まりや脱炭素化への要請を背景に、DRは企業や自治体のSDGs達成、RE100達成に貢献するソリューションとして注目されています。DRサービスを提供することは、このようなニーズを持つ新規顧客層へのアプローチを可能にし、企業の環境貢献への姿勢を示すことで、ブランドイメージや企業価値の向上に繋がります。

      電力調達コスト削減(需給ひっ迫時のコストリスク回避)

      自社でDRリソースを確保することで、市場からの電力調達量を最適化し、ひっ迫時の高騰リスクを回避できます。特に、電力価格が高騰しやすい時間帯に需要を抑制できれば、その分の電力購入費用を削減できるため、電力調達コストの低減に大きく貢献します。

      技術面

      電力消費データ活用によるサービス高度化

      DRサービスを通じて得られる需要家の電力消費データは、非常に価値の高い情報源です。このデータを分析することで、需要家の電力消費パターンを詳細に把握し、よりパーソナライズされた省エネ提案や、新たな付加価値サービスの開発に繋げることが可能です。また、将来の電力需要予測の精度向上にも寄与し、電力調達戦略の最適化にも役立ちます。

      VPP構築による新たなビジネス創出

      DRは、VPPを構成する重要な要素の一つです。DRリソースを束ねてVPPとして活用することで、個々の需要家が持つ小規模な調整力を大規模な調整力として電力市場に提供できるようになります。これは、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う系統安定化の課題に対し、柔軟かつ効率的な解決策を提供することに繋がります。

      電力系統の安定化と脱炭素化への貢献

      DRは、電力需給のリアルタイムなバランス調整に直接貢献します。特に、再生可能エネルギーの出力変動が大きい状況下では、DRによる需要調整は系統の安定性を維持するための重要な手段となります。これにより、大規模停電のリスクを低減し、社会インフラとしての電力供給の信頼性を高めることができます。

      デマンドレスポンスサービスの選び方

      DRサービスを選定する際には、次の5つのポイントを押さえておきましょう。
      1. スケーラビリティ:事業拡大や多様なリソース対応の柔軟性があるか
      2. API連携:既存のシステムとスムーズに繋げられるか
      3. 制度対応:頻繁なルール変更に素早く対応できる体制があるか
      4. コスト構造:初期投資・運用費・成果報酬など、自社に合う料金体系か
      5. ブランディング可否:自社ブランドでの展開やカスタマイズが可能か
      自社の戦略や予算に合わせて、総合的に比較検討することが重要です。

      まとめ

      デマンドレスポンス(DR)サービスは、電力の安定供給や脱炭素化の実現、そして企業の新たな収益源や顧客満足度向上に大きく役立ちます。導入を検討する際は、自社のリソースや方針に合った提供モデルを選び、スケーラビリティや制度対応、ブランディングなども重視しましょう。外部サービスを上手に活用しつつ、自社の知見も積み上げていくことで、長期的な成長が期待できるでしょう。今こそDRサービス導入の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。