【金型メーカーのマーケティング戦略】営業効率も上がる戦略のポイントとは

【金型メーカーのマーケティング戦略】営業効率も上がる戦略のポイントとは

「既存取引先への依存度が高く、新規開拓ができていない」「Webサイトはあるが問い合わせがほぼゼロ」「中国・東南アジアとのコスト競争に巻き込まれている」——金型メーカーの経営者・営業責任者から、こうした声をよく耳にします。

金型業界は高い技術力を持つ企業が多い一方で、その技術力を市場に正しく伝えるマーケティングが弱い企業も少なくありません。「何でも作れます」という訴求では競合との差別化が難しく、価格競争に陥りやすくなります。

この記事では、金型メーカーのマーケティングや営業戦略で役立つフレームワークをはじめ、より集客効果を高める広告・マーケティング施策をご紹介します。
金型メーカーの集客に有効なポジショニングメディア戦略あわせて自社の強みと相性の良いニーズを持つ顧客だけを狙う、「ポジショニングメディア」という集客施策についてもご紹介しています。

反響数ではなく、成約・売上につながることを重視している戦略のため、導入した企業からは
商談率が8割を超えた」「受注単価が2.5倍にアップ」「契約までのリードタイムが1/3に短縮した」といった成果を実感する声もいただいています。

金型メーカーを取り巻く市場環境と課題

金型メーカーを取り巻く市場環境と課題

近年、金型業界を取り巻く環境は大きく変化しています。生産数量こそ減少傾向にあるものの、より高い付加価値をもつ金型・複雑化・超精密化した金型の受注が増加しており、生産金額は10年間で1.2倍に伸びています。一方で、以下のような構造的な課題も深刻化しています。

EV化・DXが変える金型業界の構造

自動車業界のEV(電気自動車)シフトは、金型業界に大きな変化をもたらしています。内燃機関(エンジン)関連の部品点数が大幅に減少する一方、バッテリーケース・モーターハウジングなどEV特有の新しい金型ニーズが生まれています。また、製造現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、CAD/CAMの高度化・3Dプリンタの活用・IoTによる品質管理など、技術革新への対応が求められています。

こうした変化に対応できる金型メーカーと、対応が遅れる金型メーカーとの間で、受注量・受注単価の格差が広がりつつあります。

中国・東南アジアとのコスト競争

中国・韓国・東南アジアの金型メーカーの技術力向上により、コスト競争は激化しています。「価格だけで選ぶ」顧客に対しては、日本の金型メーカーが勝つことは難しくなっています。

この状況を打開するには、価格競争から脱却し、技術力・品質・納期・アフターサポートなどの付加価値で選ばれるポジションを確立することが不可欠です。そのためのマーケティング戦略が、今まさに問われています。

新規顧客開拓の難しさ

金型メーカーの多くは、既存取引先からの受注に依存しており、新規顧客開拓が弱い傾向があります。従来の営業スタイル(紹介・展示会・飛び込み)だけでは、安定した新規受注の確保が難しくなっています。

一方で、発注側の企業もWebで金型メーカーを探す機会が増えており、Webマーケティングへの対応が新規顧客獲得の重要な鍵となっています。

効果的なマーケティング・営業をするためのポイント

具体的なマーケティング施策などをご紹介する前に、前提として整理しておくべきことがあります。
それは自社の金型メーカーとしての独自性や強みがなにか、という点です。

この点が明確になっていないと、広告などの施策で伝えるべきメッセージがブレてしまったり、うまくターゲットユーザーに認知してもらえない可能性が高まります。

自社の強みと独自性を明確にする

自社がどういったニーズに応えるのが得意なのか、競合にはない強み・優位性がある強みはなにかといった点を、マーケティング施策を考える前に明確にしておきましょう。

役立つフレームワークとして代表的なものはSTP分析でしょう。「Segmentation:市場の細分化」「Targeting:標的市場の決定」「Positioning:市場優位性」という3つの観点から自社の状況を見つめることで、自社が狙うべき市場や立ち位置の明確化に役立ちます。

もうひとつのフレームワークとして、バリュープロポジションキャンバスをご紹介します。バリュープロポジションとは、ユーザーニーズに応えられている、自社独自の価値を指します。バリュープロポジションキャンバスでは、自社の提供価値とターゲットユーザーの悩みや課題などをそれぞれ整理して照らし合わせることで、市場から求められている(つまりは売上・利益につながる、自社ならでの強みを発見できるフレームワークになっています。

「何でも作れます」から「〇〇専門」へのシフト

金型業界でマーケティングが成功している企業に共通するのは、特定の技術・素材・業界・型種に特化したニッチポジションを確立していることです。

「プラスチック歯車の金型専門」「医療機器向け精密金型」「ゴム成形金型専門」など、専門性を絞り込むことで、競合が少ない土俵での戦いが可能になります。また、検索エンジンでも「金型メーカー」という競合の多いキーワードではなく、「プラスチック歯車 金型」「医療 精密金型」などのニッチなキーワードで上位表示を狙いやすくなります。

金型メーカーの集客・マーケティング施策

金型メーカーの集客・マーケティング施策

自社ホームページの強化

ホームページは、コンテンツを工夫することで、強力なマーケティング・営業ツールとなります。自社のホームページを訪れるユーザーの多くは、何かしらの接点から興味・関心を持って検索しているわけです。

そのため、こうしたユーザーが求めている情報を的確に分かりやすく提供できるようなホームページにしておけば、自社の強みや魅力を伝えたり、実績や信頼性がアピールできたりします。金型メーカーのホームページで特に重要なのは、対応可能な材質・精度・サイズ・納期・加工事例などの技術情報を具体的に掲載することです。発注担当者が「この会社なら任せられる」と判断できる情報を揃えましょう。

コンテンツマーケティング(技術情報・事例記事)

金型の発注担当者・設計担当者は、発注前にWebで詳細な情報収集を行います。そのため、自社の技術力・加工事例・品質管理体制・材料知識などを詳しく解説したコンテンツをWebサイトに掲載することが、信頼獲得と問い合わせ増加に直結します。

「〇〇材の金型加工で注意すべきポイント」「精密金型の公差管理の方法」など、発注担当者が知りたい専門的な情報を提供することで、「この会社は詳しい・信頼できる」という印象を与えられます。また、こうした技術コンテンツはSEO効果も高く、検索からの集客にも貢献します。

SEO対策

自社が狙うべき市場が明確な場合は、その市場に合わせたSEO対策を実施しましょう。商圏ベースにするか、ニーズベースにするかで対策すべきキーワードが異なりますので、どのようなターゲットに向けたSEO対策にするのかをよく検討する必要があります。

ターゲットにはどんな課題や悩みがあるか、どんな検索キーワードを使うかといった観点でしっかり分析してみましょう。ニッチな型種・材質・業界に特化したキーワードは競合が少なく、比較的短期間で検索上位表示を狙いやすいという特徴があります。

リスティング広告

リスティング広告は検索結果画面に表示される広告リンクです。自社が狙っている市場で、スピーディーな認知拡大を狙うなら、リスティング広告出稿もひとつの方法です。

リスティング広告は、クリック課金制なので、反響獲得がしやすいというメリットがあります。その一方で、市場規模や競合性の高さによって広告費用が高騰するという点には注意が必要です。こうした特性を理解したうえで、予算や達成目標などを入念に計画して出稿を検討するとよいでしょう。

展示会・商談会への出展

「INTERMOLD(インターモールド)」「日本金型工業会展」などの金型専門展示会への出展は、短期間で多くの発注担当者・設計担当者と直接接触できるという点で、金型メーカーにとって重要な新規開拓手段です。

展示会では、実際の加工サンプルや精度見本を持参することで、Webだけでは伝えにくい「技術力の高さ・精度の精緻さ」を直接届けられます。展示会後のフォローアップ(メール・電話・資料送付)まで計画しておくことで、名刺交換で終わらない商談化率の向上が期待できます。

マッチングサイト・資料請求サイト

金属加工や金型メーカーに特化したマッチングサイトの登録も有効です。掲載した広告を介して、条件が合えば案件を受けることができます。また、資料請求サイトにカタログを掲載することで、検討段階の見込み顧客の情報を取得できます。

ただし、マッチングサイトは相見積もりになるケースもあるため、確実に案件を獲得できる保証はありません。集客チャネルのひとつとして、他の手法とあわせて活用することをおすすめします。

メルマガ・ホワイトペーパーによるリード育成

金型の発注は検討期間が長く、すぐに商談につながらないケースも多くあります。そのため、一度接触した見込み顧客を継続的にフォローする「リード育成(ナーチャリング)」が重要です。

定期的なメルマガ配信で新技術情報・加工事例・業界トレンドなどを届けることで、検討段階にある見込み顧客との関係を維持できます。また、「金型材料の選び方ガイド」「精密加工の公差設計ノウハウ」などのホワイトペーパーを無料ダウンロードコンテンツとして提供することで、見込み顧客の情報を取得しながら専門性をアピールできます。

ポジショニングメディアで「売れる顧客」だけを集める

ポジショニングメディアとは、その名の通り市場内での自社のポジション(立ち位置)をユーザーに伝えるメディアです。

ポジショニングメディアのコンバージョンフロー

自社ならではの強みや価値を、競合と比較しながら見せることで、「◯◯といえば自社」という優位性のある立ち位置を見せることができます。ポジショニングメディアを経由してお問い合わせをくれるユーザーは、すでに自社に魅力を感じている状態。つまり成約や購入などの成果につながりやすいユーザーです。

  • 自社の強みをわかって問い合わせてくれるので、商談率が8割を超えた
  • ニーズが合致する自社に適したユーザーを狙って集客できるため、受注単価が2.5倍にアップ
  • 自社の特徴を理解してくれているので、すぐに具体的な打ち合わせや商談に入れるように。契約までのリードタイムも1/3に短縮された

といった実績もある戦略ですので、現状の集客施策・マーケティング施策がうまくいっていない際にはぜひ検討してみてください。
ポジショニングメディア戦略の
特徴・事例を見る

金型メーカーのニッチ戦略 成功事例3社

金型メーカーのニッチ戦略 成功事例

理論だけでなく、実際に成果を上げた金型メーカーの事例から学ぶことが、自社の施策立案において最も参考になります。以下の3社は、それぞれ異なるアプローチでマーケティングの成功を収めた代表的な事例です。

チバダイス:プラスチック歯車特化で2年で数千万円の受注を獲得

プラスチック歯車の金型などを手掛けるチバダイスは、プラスチック歯車に特化したソリューションサイト「ギヤプラス」を立ち上げました。「音を静かにしたい」「耐久性を向上させたい」といった顧客の具体的な課題に対し、自社の技術やサービスを提示する構成にしたことで、1日数件の問い合わせがあり、約2年で数千万円の受注につながっています。

この成功の核心は、「金型メーカー」という広いカテゴリではなく、「プラスチック歯車の金型」というニッチな専門性に絞り込んだことです。競合サイトが少ないニッチなキーワードで検索上位を獲得し、確度の高い見込み顧客だけを集めることに成功しました。

御津電子:Webサイト改良でアクセス50万件・問い合わせ1,000件を達成

電機部品の成形・金型を手掛ける御津電子は、大手取引先の海外進出で仕事が減少したことをきっかけに、Webサイトを改良しました。得意な技術や価格、納期など、発注者が知りたい情報を掲載し、他社と比較しやすい工夫を施しました。

SEO対策にも取り組んだ結果、サイト改良後からのアクセス数は延べ50万件、問い合わせは1,000件ほど、そのうち14件が新規取引につながっています。「Webサイトを24時間365日稼働する営業担当者」として機能させることで、営業人員を増やさずに新規顧客開拓を実現した好例です。

ニットー:ブランディングで世界43カ国から受注を獲得

株式会社ニットーは、長期的なマーケティング戦略とブランディングにより、自社オリジナル商品「トリックカバー」や医療用具「アルケリス」を開発し、世界43カ国から注文を獲得しています。

ニットーの成功が示すのは、受注生産(下請け)から自社製品開発・ブランディングへのシフトという、金型メーカーの事業変革の可能性です。自社の金型技術を活かして独自製品を開発し、グローバル市場で勝負するという戦略は、コスト競争から完全に脱却するための有力な選択肢です。

まとめ:金型メーカーが取るべきマーケティング戦略

金型メーカーのマーケティングで最も重要なのは、「何でも作れます」という訴求から脱却し、特定の技術・素材・業界・型種に特化したニッチポジションを確立することです。そのポジションをWebで明確に発信することで、競合の少ない土俵で確度の高い問い合わせを獲得できます。

本記事で紹介した施策を整理すると、以下のようになります。

施策 主な目的 特徴
自社ホームページ強化 信頼獲得・問い合わせ増加 技術情報・加工事例を具体的に掲載
コンテンツマーケティング SEO集客・専門性アピール 技術ノウハウ記事・加工事例コンテンツ
SEO対策 検索からの集客 ニッチKWは競合少なく上位表示しやすい
リスティング広告 即効性のある認知拡大 クリック課金・予算管理が必要
展示会・商談会 直接商談・新規開拓 技術力を直接伝えられる
マッチングサイト 案件獲得 相見積もりになるケースあり
メルマガ・ホワイトペーパー リード育成・関係維持 長期検討顧客へのフォローに有効
ポジショニングメディア 成約率の高い見込み客獲得 商談率8割・受注単価2.5倍の実績

これらの施策は、自社の状況・予算・目標によって優先順位が変わります。以下の観点で自社に合った施策を選ぶとよいでしょう。

  • 短期で問い合わせを増やしたい:リスティング広告・マッチングサイト登録
  • 中長期で安定した集客基盤を作りたい:SEO対策・コンテンツマーケティング・ポジショニングメディア
  • 既存見込み顧客を商談化したい:メルマガ・ホワイトペーパー・展示会フォローアップ
  • 成約率・受注単価を上げたい:ポジショニングメディア・ニッチ特化型Webサイト

重要なのは、単一の施策に頼るのではなく、複数の施策を組み合わせて相乗効果を生むことです。例えば「コンテンツマーケティングで集客したユーザーをメルマガでフォロー」「展示会で名刺交換した見込み顧客にホワイトペーパーを送付」など、施策間の連携を意識することで、マーケティングの効果を最大化できます。

現状の集客・マーケティングが成約につながらない、営業効率を改善したいといったお悩みや課題がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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