健康診断の受託を増やす方法|法人契約・Web集客差別化の実践マーケティングガイド
最終更新日:2026年02月20日
この記事は、健診センター・クリニック・病院など健康診断を提供している医療機関・健診事業者の経営者・担当者向けのマーケティングガイドです。法人(企業・健保組合)からの受託件数を増やしたい、Webから問い合わせを獲得したい、価格競争から抜け出したいとお考えの方はぜひ参考にしてください。
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2025年の健康診断市場:受託を増やすチャンスが拡大している

予防医療への社会的関心が急速に高まっており、健康診断市場は今後も緩やかな成長が続くと予測されています。特に2025年以降は以下の追い風が重なり、受託拡大の大きなチャンスが到来しています。
① 企業の「健康経営」義務化・制度化の加速
経済産業省が推進する「健康経営優良法人」認定制度の取得を目指す企業が年々増加しています。2024年度の認定企業数は約16,000社を超え、中小企業の間でも健康経営への取り組みが広がっています。
健康経営優良法人の認定要件には「従業員の健康診断受診率100%」が含まれており、これを達成するために「受診しやすい健診機関を探している企業」が急増しています。健診機関にとっては法人契約を増やす最大のチャンスです。
② 厚労省「保健医療2035」が推進する予防医療
厚労省が発表している「保健医療2035」では、疾病の治癒を主目的とする「キュア中心」から、慢性疾患や生活の質の維持・向上を目指す「ケア中心」への転換が掲げられています。
この方針は健診事業に大きな追い風です。治療前の「予防」として健診の役割が相対的に高まり、国・自治体・企業が一体となって受診率向上に取り組む動きが続いています。
③ 医療DXによる受診ハードルの低下
オンライン予約・電子問診・健診結果のデジタル管理などの医療DXが普及し、従業員が健診を受けやすい環境が整ってきています。DXへ対応した健診機関は、企業の担当者(人事・総務)から選ばれやすくなっています。
【重要】健診受託の売上の約8割は法人契約(企業・健保組合・団体)が占めるとされています。個人の受診者を集めるだけでなく、法人契約の件数と単価を増やすことが、健診事業を安定的に拡大する最も重要な戦略です。
健康診断受託を増やすための3つの戦略軸
健診受託を安定的に増やすには、以下の3つの軸を同時に動かすことが重要です。
| 戦略軸 | 目的 | 主な施策 |
|---|---|---|
| ① 法人契約の開拓と深耕 | 安定した受託件数・売上の確保 | 渉外営業・健保組合連携・健康経営支援 |
| ② Web集客の強化 | 能動的に選ばれるためのWeb基盤 | SEO・オウンドメディア・リスティング広告・ポジショニングメディア |
| ③ サービス差別化 | 価格競争からの脱却 | 巡回健診・健診DX・オプション充実・フォロー体制 |
この3軸のうち「②Web集客」だけに注力する医療機関が多いですが、Webからの問い合わせを商談・契約につなぐには「①法人営業の仕組み」と「③差別化できるサービス」がなければ成約に至りません。3軸を連動させることがポイントです。

法人受託を増やすための具体的アプローチ

① 渉外営業(新規法人開拓)の仕組み化
健診受託の安定基盤を作るには、待ちの姿勢ではなく能動的な渉外(アウトバウンド)営業が欠かせません。地域内の法人リストを整備し、電話・訪問・DM・メールなどで継続的にアプローチする「渉外部隊」の組成が理想です。
- まずエリア内の企業リスト(従業員規模別)を整備する
- 法人担当者(人事・総務)に向けたパンフレット・提案書を作成する
- 初回アプローチは「企業の健康診断コストの見直し提案」として入ると受け入れられやすい
- 年1回の定期更新(健診内容・料金表の送付)で既存顧客の離脱を防ぐ
② 健康保険組合・労働組合との連携
健保組合は被保険者(従業員)の健康維持に責任を持っており、特定健診・特定保健指導の委託先を常に探しています。健保組合との契約は1件で数十〜数百名単位の受託につながる大型案件です。
地域の健保組合・全国健康保険協会(協会けんぽ)の地域支部に対して、定期的に情報提供・提案活動を行うことで、安定的な大型受託につながります。
③ 「健康経営優良法人」認定支援との連携
健康経営優良法人の認定要件には「従業員の健診受診率100%達成」が含まれます。この達成を支援するパートナーとして自院を位置づけることで、「健康経営に取り組みたい企業」という高品質なリードを獲得できます。
具体的には、「健康経営優良法人認定のための健診受診率向上サポートプラン」などのパッケージ化されたサービスを作り、提案しやすい形に整えましょう。
④ ストレスチェックとのセット提案
2015年から従業員50名以上の事業所に義務化されたストレスチェック。健康診断の受診機会に合わせてストレスチェックをセットで提供することで、1社あたりの受託単価と継続率を高められます。企業側も「一度の来院で両方済む」という利便性を歓迎します。
SEO対策で健康診断受託の問い合わせを増やす
BtoB(企業向け健診)の担当者も、最初のリサーチはGoogleで行います。「健康診断 法人 ○○市」「企業健診 受け入れ」「従業員 健診 一括対応」などのキーワードで検索されるため、これらで上位表示されることが集客の要になります。
BtoBに効くキーワード選定のポイント
- 地域×ニーズ系:「企業健診 ○○区」「健康診断 法人契約 ○○市」
- 課題解決系:「従業員 健診受診率 上げる」「健康経営 健診 どこ」
- 比較・検討系:「健診センター 法人 比較」「会社の健康診断 委託先 選び方」
これらのキーワードで上位表示される記事やサービスページを作成し、問い合わせフォームへの導線を整備することで、24時間365日機能するリード獲得の仕組みが完成します。
公式サイトのSEO整備チェックリスト
- ✅ 法人向けサービスページが独立して存在するか
- ✅ 受け入れ可能な健診項目・定員数・料金目安が明記されているか
- ✅ 問い合わせフォームがスマートフォンで快適に入力できるか
- ✅ 法人の問い合わせという「目的別ページ」が設けられているか
- ✅ 施設・設備・スタッフの写真が掲載されているか
オウンドメディアで潜在企業にアプローチする
オウンドメディアは、自社で運営するWebメディアのことです。SEO施策と似ていますが、SEOは「今すぐ探している人」に向けるのに対し、オウンドメディアは「まだ積極的に探していないが、将来的に健診を委託する可能性がある企業担当者」へのアプローチに強みを発揮します。
健診受託向けオウンドメディアのコンテンツ例
- 「健康経営優良法人の申請に必要な書類と健診受診率の計算方法」
- 「従業員の健診受診率が上がらない5つの理由と解決策」
- 「企業の年1回の健康診断にかかる費用相場と委託先の選び方」
- 「巡回健診と施設健診の違い|自社に向いているのはどちらか」
こうした「企業の人事・総務担当者が検索するコンテンツ」を継続的に発信することで、自院の健康領域における専門性・信頼性が醸成され、将来的な法人問い合わせにつながります。
リスティング広告(Google/Yahoo!)で即効性を出す
SEOやオウンドメディアが成果を出すまでには一定の時間がかかります。短期間で問い合わせを増やしたい場合は、リスティング広告と組み合わせることが有効です。
BtoBリスティング広告の設定ポイント
- 入札キーワード:「企業健診 委託」「健康診断 法人契約 ○○市」「従業員 健診センター」など購買意向の高いキーワードに絞る
- 除外キーワード:「個人」「費用 自己負担」「個人で受ける」などBtoCクエリを除外し、無駄な費用を防ぐ
- 広告文:「法人対応可能」「受診率向上支援」「健康経営サポート」など企業担当者の目に刺さるフレーズを盛り込む
- LP(ランディングページ):広告クリック先は法人専用のサービスページに誘導し、問い合わせフォームまでの導線を短くする
自院の強みがアピールできる「ポジショニングメディア」
前述のSEO・オウンドメディア・リスティング広告はいずれも「自院のサイトに来てもらう」施策です。一方、「競合と比較されながら、ターゲット企業に自院を選んでもらう」仕組みとして効果的なのが、ポジショニングメディアです。
ポジショニングメディアは、市場での自院の立ち位置(ポジション)を明確にし、競合の強みもあえて取り上げながら「どんな企業に自院が最も適しているか」を差別化して見せるWebメディアです。

ポジショニングメディアを活用した医療・健診機関からは
- 受注単価が2.5倍になった
- 成約までにかかる時間が従来の3分の1に短縮した
- 価格ではなく「この施設に頼みたい」という問い合わせが増えた
といった成果を上げています。また24時間365日集客が可能なため、ネット上に営業部隊を置くようなものです。
ポジショニングメディアは顕在顧客(今すぐ委託先を探している企業)だけでなく、潜在顧客(将来的には健診を委託したいと考えている企業)にも同時にリーチが可能です。
差別化できるサービスを作る:競合に勝つための4つのポイント

① 巡回健診(出張健診)の提供
企業にとって「従業員を健診機関まで行かせる」負担は意外と大きく、受診率が上がらない原因の一つです。企業内に出向いて健診を実施する「巡回健診」は、受診率向上を求める企業から強いニーズがあります。
巡回健診に対応できる機関は同一地域でも限られるため、対応可能であることを積極的にアピールすることで、競合との明確な差別化になります。
② オンライン予約・電子問診の導入
企業の人事・総務担当者が従業員の健診予約を管理するにあたり、電話・FAX対応は大きな負担です。オンラインで従業員が個別に予約を入れられる仕組みや、電子問診票の導入は、企業側の管理工数を大幅に削減し、受診率向上にも貢献します。法人との継続契約にもつながりやすくなります。
③ 健診結果のデジタル管理・フォロー体制の整備
企業の健康経営担当者が最も求めているのは、健診後のデータ活用です。健診結果の一元管理・経年比較・要精検者への自動フォローなどの機能を提供できる機関は、健康経営の推進パートナーとして関係が深まり、翌年以降も継続して受託できます。
④ オプション検査の充実でセット提案
定期健診の受託に加え、ストレスチェック・生活習慣病精密検査・がん検診・婦人科検診などをオプションとして組み合わせ提案することで、1社あたりの売上単価を高められます。また企業側にとっても「一カ所でまとめて対応してもらえる」利便性が評価され、離脱防止・継続率向上にも効果的です。
マーケティング分析で武器を磨く:STP分析とバリュープロポジション
どれだけ優れた施策を打っても、「誰に・何を・どう伝えるか」が明確でなければ成果につながりません。そのためのフレームワークがSTP分析です。
STP分析とは、セグメンテーション(Segmentation)・ターゲティング(Targeting)・ポジショニング(Positioning)の頭文字をとったもので、「自院がどの市場で誰を相手に戦うのか」を決める分析です。
STPで確立した自院のポジションを基に導き出されるのがバリュープロポジションです。
バリュープロポジションとは、自院にあって競合が提供できていない、顧客(企業)が求めている価値のことです。

健診機関の例で言えば:
- 「巡回健診×健康経営サポートのセットで、受診率100%達成を支援する」
- 「健診結果のデジタル管理+精検フォローで、企業の健康管理業務を丸ごと代行する」
- 「ストレスチェック同時対応で、1日で法定義務を全てクリアできる」
バリュープロポジションが明確になったら、それをあらゆる接点(ホームページ・提案書・渉外時のトーク・広告文)で一貫して伝えることが差別化の鍵です。
各集客施策の比較表
| 施策 | 即効性 | コスト | 継続性 | BtoBへの適性 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|---|
| 渉外営業(法人開拓) | ○ 比較的早い | ○ 低め | ◎ 高い | ◎ 最適 | 今すぐ法人を増やしたい |
| リスティング広告 | ◎ 最速 | △ 高め | △ 広告費依存 | ○ 向いている | 短期で問い合わせを獲得したい |
| SEO対策 | △ 半年〜1年 | ◎ 低コスト | ◎ 資産として蓄積 | ○ 向いている | 長期安定集客・信頼構築 |
| オウンドメディア | △ 中長期 | ○ 中程度 | ◎ 高い | ◎ 最適 | 潜在企業への認知と教育 |
| ポジショニングメディア | ○ 3〜6ヶ月 | ○ 中程度 | ◎ 高い | ◎ 最適 | 成約率・受注単価を上げたい |
法人健診受託を増やした成功パターン3選
実際に健診受託件数を大きく伸ばした医療機関には、共通した成功パターンがあります。自院の状況に照らし合わせながら参考にしてください。
【成功パターン①】健康経営優良法人の申請サポートを武器に法人開拓
健康経営優良法人の申請書類の作成補助・受診率管理のサポートを健診契約とセットで提供したクリニックが、半年で新規法人契約を8社獲得した事例があります。
企業の人事担当者は「健康経営の申請を進めたいが何から始めればいいか分からない」という課題を持っており、そこへ「当院に任せればまとめて対応できます」という提案は非常に刺さります。健診サービス+健康経営支援のパッケージ化が、競合との差別化の大きな武器になります。
【成功パターン②】法人専用LPとリスティング広告の組み合わせ
「企業・法人向け健康診断」という独立したランディングページを作成し、「企業健診 委託 ○○市」などのキーワードでリスティング広告を配信した健診センターが、3ヶ月で月間問い合わせ数が4.5倍に増加した事例があります。
ポイントは、広告のLPを一般向けの診療案内ページではなく、法人担当者(人事・総務)の課題に特化した専用ページとして設計した点です。「何名から対応可能か」「出張対応はできるか」「ストレスチェックもセットか」という担当者が知りたい情報を冒頭に配置することで、問い合わせ率が大幅に向上しました。
【成功パターン③】オウンドメディアで潜在企業を教育して受託へ
「従業員の健康診断受診率が低い理由と解決策」「健康経営優良法人の申請ガイド」などのコンテンツを自社ブログで発信した病院が、SEO経由で月に5〜10件の法人問い合わせを安定的に獲得するようになった事例があります。
オウンドメディアの真価は、「まだ健診機関を探していない段階の企業担当者」に先回りしてアプローチできる点にあります。コンテンツを読んで「この病院は詳しい・信頼できる」という印象を持った担当者が、後から問い合わせてくるため、商談の初期状態から信頼度が高く成約しやすいのが特徴です。
健診受託を増やす取り組みでよくある失敗パターン
- 「ホームページを作ったが更新していない」:情報が古い(検査項目・料金・補助金情報が数年前のまま)サイトは企業担当者の信頼を損ないます。少なくとも半年に1度はサービスページを確認・更新しましょう。
- 「価格を下げることで法人を取ろうとしている」:価格競争は利益を圧迫し、長期的に継続できません。自院独自の強み(巡回対応・健康経営サポート・DX対応など)を軸にした価値訴求に切り替えることが長期的な成長につながります。
- 「法人への渉外営業を一切していない」:Webを整備するだけでは法人受託は急には増えません。渉外営業と組み合わせることで相乗効果が生まれます。Webで信頼を醸成しながら、渉外で能動的にアプローチする二段構えが理想です。
健康診断受託に関するよくある質問(FAQ)
Q. 法人健診の受託を増やすために最初に取り組むべきことは?
まず「自院の法人向けサービスページをホームページ内に独立して作る」ことをおすすめします。多くの健診機関は一般向けページしか持っておらず、企業担当者が探しても情報にたどり着けないことが多いです。法人専用ページに受け入れ可能な健診項目・定員数・料金・問い合わせ先を整備してから、営業・広告・SEOを展開する順番が正しいです。
Q. 渉外営業と広告では、どちらを優先すべきですか?
即効性と安定性の両立を考えると、「短期:リスティング広告で問い合わせを獲得しながら、並行して渉外営業と法人ページのSEOを強化」するのがおすすめです。広告は止めたら集客もゼロになりますが、SEO・オウンドメディア・渉外で積み上げた関係は長期的な資産になります。
Q. 健康経営優良法人の認定サポートを提供しているクリニックはどのくらいいますか?
まだ対応している健診機関は少数派です。だからこそ競合との差別化の大きなチャンスです。企業の人事担当者は「健康経営の書類作りを手伝ってくれる健診機関」を探しており、認定サポートを提供できることを明示するだけで問い合わせの質が大きく向上します。
Q. 巡回健診を提供していないクリニックでも受託を増やせますか?
もちろん可能です。巡回健診対応は差別化の一要素ですが、必須ではありません。「施設健診の予約しやすさ・受診当日のスムーズさ・結果の見やすさ・フォロー体制」などで差別化できます。まず自院の強みを洗い出し、それを言語化して伝えることが先決です。
Q. ポジショニングメディアとオウンドメディアはどう違うのですか?
オウンドメディアは自院が主体となって情報発信するメディアです。一方ポジショニングメディアは、自院のポジション(立ち位置)を明確にし、競合との比較も含めて「なぜ自院が最適か」を伝えることに特化したWebメディアです。「広く認知を広める」のがオウンドメディア、「選ばれる理由を明確にして成約率を上げる」のがポジショニングメディアと考えると分かりやすいでしょう。
健康診断の受託と健診者の増加につながるマーケティングまとめ

今日からできる受託拡大アクションプラン
健診受託を増やすための第一歩として、まず以下のアクションから始めることをおすすめします。
- ✅ 自院の法人向けサービスページを整備する(対応可能な健診項目・人数・料金を明示)
- ✅ エリア内の法人リストを最低50社作成し、渉外アプローチを開始する
- ✅ 「企業健診 ○○市」などの地域×法人キーワードでリスティング広告を出稿する
- ✅ 健康経営優良法人の申請サポートを自院のサービスとしてパッケージ化する
- ✅ オウンドメディアで月1本「企業の人事・総務担当者向けコンテンツ」を発信する
すべてを一度に行う必要はありません。自院の現状のリソースと課題に合わせて、最も効果が出やすいものから着手しましょう。Zenkenでは、現状の課題をヒアリングしたうえで、優先度の高い施策から提案します。
健康診断の受託を増やすためには、法人契約の仕組み化・Web集客の強化・サービス差別化の3軸を連動させることが重要です。
2025年に向けて健康経営への企業関心は高まる一方です。「健診を受け付けているだけ」の受動的な経営から、「企業の健康経営を支援するパートナー」としてポジショニングを確立する機関が、価格競争を脱して選ばれ続けます。
健診受託を増やすWeb戦略に課題を感じている方、新たな法人営業の仕組みを作りたい方は、ぜひ下記よりお気軽にご相談ください。







