海外市場調査の方法 海外進出前に調べる項目と進め方

海外市場調査の方法 海外進出前に調べる項目と進め方

海外進出や海外販路開拓を検討するとき、多くの企業が最初に海外市場調査を行います。市場規模、成長率、競合、規制、価格、代理店候補などを確認することは重要です。しかし、調査レポートを作るだけでは、海外からの問い合わせや商談は増えません。

海外市場調査で重要なのは、進出できるかどうかを漠然と判断することではなく、どの顧客に、どの用途で、どの順番で営業・マーケティングを仕掛けるかを決めることです。特にBtoB企業や製造業では、市場全体の大きさよりも、自社商材が選ばれる具体的な顧客層、用途、比較基準、販路を見つける必要があります。

海外市場調査は、デスクリサーチ、競合調査、顧客候補調査、現地ヒアリング、展示会調査、Web広告テスト、SEO調査などを組み合わせて進めます。調査結果をLP、英語サイト、営業資料、代理店候補リスト、問い合わせフォーム、CRMまでつなげることで、海外市場での反応を商談機会に変えやすくなります。

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海外市場調査は営業仮説を作るために行う

海外市場調査というと、人口、GDP、市場規模、輸入額、業界レポートなどの情報を集める作業に見えます。もちろん基礎情報は必要ですが、それだけでは自社がどの企業に営業すべきかは分かりません。

BtoB企業が海外市場調査で見るべきなのは、市場全体ではなく「自社商材が比較検討に入る場所」です。たとえば、同じ産業機械でも、完成品メーカー、部品メーカー、現地代理店、設備エンジニアリング会社、保守会社では、求める情報や比較基準が異なります。

調査のゴールは、海外市場を説明することではなく、次のような営業仮説を作ることです。

  • どの国・地域から優先的に検証するか
  • どの業界・用途で自社商材が必要とされるか
  • 現地顧客はどのような課題語や専門用語で検索するか
  • 競合や代替品と比べて、どの価値を訴求すべきか
  • 代理店、直販、展示会、Web集客のどれを優先するか
  • 問い合わせ後に営業が追えるリード条件は何か

最初に調査目的を決める

海外市場調査は、目的が曖昧なまま始めると、情報量は増えても意思決定に使いにくくなります。市場規模を知りたいのか、進出国を比較したいのか、代理店候補を探したいのか、Web広告の反応を見たいのかによって、調査方法は変わります。

調査目的 確認する情報 次のアクション
進出国を絞る 市場規模、輸入額、産業集積、競合、規制、物流条件 優先国を2〜3カ国に絞る
顧客層を決める 業界、用途、企業規模、導入課題、購買担当者 ターゲット企業リストを作る
販路を検討する 代理店、商社、展示会、EC、直販、現地パートナー 接触先と営業方法を決める
Web反応を見る 検索語、広告反応、LP閲覧、資料DL、問い合わせ内容 LP・広告・SEOの検証を始める

目的を決めずに調査会社へ依頼すると、一般的な市場レポートに寄りやすくなります。海外展開で成果につなげたい場合は、調査結果を営業、広告、Webサイト、問い合わせ対応にどう使うかまで決めておくことが重要です。

海外市場調査で調べる項目

海外市場調査では、国全体の市場性だけでなく、自社商材が選ばれる条件を分解して確認します。BtoB企業の場合、次の項目を整理すると、調査後の営業・マーケティングに使いやすくなります。

調査項目 確認する内容
市場規模 業界規模、輸入額、成長率、関連産業の投資動向
顧客候補 業界、用途、企業規模、購買部署、現地拠点、導入課題
競合・代替品 現地企業、グローバル企業、中国・欧州・米国企業、代替手段
価格帯 現地価格、輸入後価格、競合価格、代理店マージン、保守費用
規制・認証 輸入規制、安全規格、業界認証、表示義務、販売許可
販路 代理店、商社、販売店、展示会、Web、業界団体、現地法人
検索・Web反応 現地検索語、競合サイト、広告反応、LP閲覧、資料DL、問い合わせ

デスクリサーチで基礎情報を整理する

デスクリサーチは、公開情報をもとに海外市場の全体像を把握する方法です。政府統計、業界団体、貿易統計、企業サイト、展示会出展社リスト、ニュース、競合サイト、現地メディアなどを確認します。

デスクリサーチで見るべきなのは、単なる市場規模ではありません。自社商材に近い製品カテゴリ、用途、競合名、輸入品の扱われ方、現地で使われる専門用語を集めることが重要です。これらは、英語LPや海外SEO、広告文、営業資料の土台になります。

デスクリサーチで使いやすい情報源

  • 政府・公的機関の統計
  • 業界団体・展示会公式サイト
  • 競合企業の現地サイト
  • 代理店・販売店の取扱製品ページ
  • 現地EC・BtoBプラットフォーム
  • 現地ニュース・業界専門メディア
  • Google検索結果、広告、関連検索語

公開情報だけでは、顧客の本音や購買条件までは分かりません。デスクリサーチは、次のヒアリングやテスト施策の仮説を作るための初期調査として位置づけると実務に使いやすくなります。

競合・代替品・価格帯を調べる

海外市場では、日本国内の競合だけでなく、現地企業、欧米企業、中国企業、韓国企業、インド企業などが比較対象になります。また、同じ製品カテゴリだけでなく、現地で一般的な代替手段も競合になります。

競合調査では、製品スペック、価格、販売チャネル、導入事例、保証、納期、認証、現地サポート、Webサイト上の訴求を確認します。BtoB企業の場合、競合がどの用途を強調しているか、どの業界を狙っているかを見ると、自社が避けるべき市場と勝負できる市場が見えやすくなります。

確認項目 見るべきポイント
競合サイト どの業界・用途を前面に出しているか
価格帯 高価格帯で品質訴求できるか、低価格競争になるか
認証・規格 現地顧客が購入前に確認する条件は何か
販売網 代理店、EC、直販、展示会のどれが使われているか
訴求 価格、品質、納期、カスタマイズ、保守のどれで選ばれているか

顧客候補と用途を整理する

海外市場調査で特に重要なのが、顧客候補と用途の整理です。市場規模が大きくても、自社商材の導入課題が明確な顧客に届かなければ、問い合わせや商談にはつながりません。

顧客候補を整理するときは、業界名だけでなく、どの工程で使われるのか、誰が課題を感じるのか、誰が予算を持つのか、誰が問い合わせるのかを分けて考えます。製造業であれば、生産技術、品質保証、購買、研究開発、設備保全、経営層で確認したい情報が異なります。

この整理は、海外SEOや広告にも影響します。顧客が検索するのは製品名だけではありません。用途、課題、規格、素材、工程、トラブル名、比較語で検索することもあります。調査段階で検索語を拾っておくと、海外向けLPや記事コンテンツに反映しやすくなります。

現地ヒアリングで仮説を検証する

デスクリサーチで仮説を作ったら、現地顧客、代理店候補、業界関係者、専門家へのヒアリングで検証します。公開情報だけでは、実際の購買条件、価格感、既存取引先への不満、導入障壁、意思決定の流れまでは分かりにくいためです。

ヒアリングでは、自社商材の説明を一方的にするのではなく、現地でどのような課題があり、どの代替品を使っており、何が変われば切り替えるのかを確認します。調査段階で聞くべき項目を整理しておくと、営業開始後の提案精度が上がります。

  • 現地ではどの製品・サービスが使われているか
  • 既存品にどのような不満があるか
  • 購入前に必ず確認する条件は何か
  • 価格以外で重視される判断基準は何か
  • 日本企業に期待すること、不安に感じることは何か
  • 問い合わせ後、誰がどの順番で検討するか

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展示会やWeb広告を市場反応の検証に使う

海外市場調査は、調べて終わりではありません。展示会、Web広告、英語LP、SEOコンテンツ、資料DLを使って、市場の反応を検証することが重要です。反応が出る顧客層や訴求が分かれば、営業対象や広告予算を絞りやすくなります。

展示会では、来場者の質問、競合ブースの訴求、代理店候補の反応、価格感、サンプルへの関心を確認できます。Web広告やLPでは、どの検索語・広告文・資料が問い合わせにつながるかを確認できます。

BtoB企業の場合、展示会とWeb施策を分けて考えないことが重要です。展示会前に英語LPや資料DLを用意し、展示会後にメールや広告で再接触し、問い合わせ内容をCRMに残すことで、調査結果を商談化につなげやすくなります。

BtoB企業が調査後に作るべき営業導線

海外市場調査で顧客候補や訴求が見えても、問い合わせ導線がなければ商談は生まれにくくなります。調査後は、営業やマーケティングに使う具体的な導線へ落とし込む必要があります。

作るべき導線 目的
英語LP 調査で見えた顧客課題と選定基準を伝える
用途別ページ 業界・用途ごとに導入メリットを説明する
資料DL 問い合わせ前の比較検討層をリード化する
問い合わせフォーム 国、業界、用途、予算感、検討時期を把握する
営業フォロー 問い合わせ後に技術回答、見積、サンプル対応へ進める

調査会社に依頼する場合でも、調査結果をどの導線に反映するかを事前に決めておくと、レポートが実務に使いやすくなります。

海外市場調査会社と海外マーケティング支援会社の使い分け

海外市場調査会社は、調査設計、デスクリサーチ、アンケート、インタビュー、競合調査、レポート作成に強みがあります。一方、海外マーケティング支援会社は、調査後のLP、広告、SEO、コンテンツ、資料DL、問い合わせ導線、営業接点づくりまで支援しやすい傾向があります。

どちらがよいかは、目的によって変わります。進出可否や市場規模を把握したい場合は市場調査会社、海外からリードや商談を獲得したい場合は海外マーケティング支援会社も比較すべきです。

相談先 向いているケース
海外市場調査会社 市場規模、競合、消費者調査、現地ヒアリング、レポートを重視する場合
海外マーケティング支援会社 調査結果をLP、広告、SEO、問い合わせ、商談獲得に落とし込みたい場合

海外市場調査会社を探している場合は、調査方法や対応国を比較できる海外市場調査会社の比較記事も参考になります。ただし、海外からのリード獲得まで見据えるなら、海外マーケティング支援会社も合わせて確認しておくと、調査後の施策が止まりにくくなります。

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海外市場調査を商談獲得につなげる

海外市場調査は、海外進出の可否判断だけで終わらせるものではありません。調査で見えた顧客課題、競合、価格、用途、検索語、代理店候補を、Webサイト、広告、営業資料、問い合わせフォーム、CRMに反映することで、海外からの商談獲得につなげやすくなります。

特にBtoB企業では、海外市場調査の成果を「どの市場で、誰に、何を訴求し、どの導線で問い合わせを獲得するか」まで落とし込むことが重要です。調査とマーケティングを分けずに設計することで、海外展開の初期段階でも反応を検証しながら次の投資判断がしやすくなります。

調査レポートを作るだけでなく、海外顧客からのリード獲得や商談化まで進めたい場合は、海外市場調査会社だけでなく、海外マーケティング支援会社も比較しておくとよいでしょう。

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