介護職の採用が難しい理由と応募を増やす採用導線の作り方

介護職の採用が難しい理由と応募を増やす採用導線の作り方

介護職の採用は、求人媒体を増やすだけでは改善しにくくなっています。介護需要は増え続ける一方で、働き手の確保は地域・職種・勤務条件によって差が大きく、同じ求人票を出し続けても応募が増えない事業所は少なくありません。

厚生労働省は、第9期介護保険事業計画に基づく推計として、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人の介護職員を確保する必要があると公表しています。2022年度の約215万人と比べ、2026年度で約25万人、2040年度で約57万人の追加確保が必要です。

参照元:厚生労働省「介護人材確保に向けた取組について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02977.html)

採用を成功させるには、求人票の条件を整えるだけでなく、求職者が応募前に抱く不安を減らし、「この職場なら働けそうだ」と判断できる情報接点を作ることが重要です。

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介護職の採用が難しい構造的な背景

介護職採用が難しいのは、個別の事業所だけの問題ではありません。高齢化による需要増、地域内の人材獲得競争、勤務条件への不安、職業イメージの固定化が重なっています。

公益財団法人介護労働安定センターの令和6年度調査では、訪問介護員と介護職員を合わせた2職種の平均採用率は14.3%、離職率は12.4%でした。離職率は低下傾向にある一方、採用率も低下しており、新たな人材を採りにくくなっている状況が見えます。

参照元:介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査結果について」(https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf)

採用が難しい背景 介護事業所で起きること
介護職員の必要数が増えている 地域内の施設同士で同じ求職者を取り合いやすい
訪問介護員・介護職員の不足感が高い 求人を出しても応募が少なく、採用までの期間が長くなる
勤務条件で比較されやすい 夜勤、土日勤務、給与、残業、身体負担が応募判断に影響する
職場の雰囲気が見えにくい 人間関係や教育体制への不安で応募前に離脱される
採用後の定着まで見られる 早期離職が起きると再募集になり、採用コストと現場負担が増える

求人を出しても応募が来ない理由

介護職採用で応募が集まらない場合、給与水準だけが原因とは限りません。求職者は求人票を見たあと、施設名や法人名を検索し、採用サイト、口コミ、職場写真、職員の声を確認します。求人票と自社サイトの情報が薄いと、応募前に不安が残ります。

仕事内容が抽象的で働く姿を想像できない

「介護業務全般」とだけ書かれた求人票では、入浴介助、排泄介助、レクリエーション、送迎、記録、夜勤、看取り対応など、どこまで担当するのかが伝わりません。未経験者やブランク人材ほど、仕事内容が曖昧な求人には応募しにくくなります。

教育体制や相談先が見えない

介護職は、入職後に現場で覚える業務が多い仕事です。OJT、同行、研修、資格取得支援、先輩への相談体制が見えない求人は、未経験者や経験の浅い人にとって不安が大きくなります。

条件面だけで近隣施設と比較される

求人媒体上では、給与、勤務時間、休日、勤務地が並んで比較されます。条件面で大きく差をつけられない場合は、職場の考え方、利用者との関わり方、働く人の雰囲気、教育体制など、条件以外の判断材料を出す必要があります。

介護職採用で最初に整理する採用ターゲット

応募数を増やす前に、誰を採用したいのかを具体化します。経験者を採りたいのか、未経験者を育てたいのか、夜勤対応者を増やしたいのか、日勤パートを充足したいのかで、求人票の見せ方も採用手法も変わります。

採用ターゲット 求人票で伝えるべき情報 向いている導線
介護経験者 給与、役割、キャリア、夜勤回数、職場の人員体制 介護専門媒体、人材紹介、スカウト
未経験者 研修、資格取得支援、最初に任せる業務、相談体制 採用サイト、求人検索エンジン、地域向け広告
ブランク人材 復職支援、シフト相談、業務に慣れるまでの流れ 地域媒体、ハローワーク、自社採用サイト
パート・時短希望者 勤務時間、曜日、送迎有無、扶養内勤務、急な休みへの対応 求人媒体、求人検索エンジン、地域採用ページ
夜勤対応者 夜勤回数、休憩、仮眠、人員体制、手当、緊急時対応 介護専門媒体、スカウト、人材紹介

介護職採用で使える採用方法

介護職採用では、ハローワーク、介護専門求人サイト、求人検索エンジン、人材紹介、リファラル、自社採用サイトを組み合わせて使います。大切なのは、媒体を増やすことではなく、採用したい人材に合わせて情報を出し分けることです。

採用方法 向いているケース 注意点
ハローワーク 地域採用、費用を抑えたい採用 求人票が似通いやすく、職場の魅力が伝わりにくい
介護専門求人サイト 介護職経験者や有資格者へ届けたい採用 競合施設と並んで比較されるため、求人原稿の具体性が必要
求人検索エンジン 地域名と職種名で探す求職者への接点 採用サイトや求人ページの情報量が成果に影響する
人材紹介 急募、経験者採用、管理職採用 採用一人当たりの費用が高くなりやすい
リファラル 職場理解のある人材を採りたい場合 紹介制度と紹介したくなる職場づくりが必要
自社採用サイト 応募前の不安を減らし、定着まで見据えたい場合 写真、社員の声、仕事内容、教育体制を継続的に整える必要がある

介護職向け求人媒体を比較する場合は、介護職向け求人媒体まとめも参考になります。媒体の特徴だけでなく、掲載料金や課金方式を見ながら、自社の採用ターゲットに合う導線を選びましょう。

応募につながる求人票の作り方

求人票は、条件を並べるだけでは応募につながりません。介護職の求職者は、自分がその職場で働き続けられるかを見ています。給与や勤務時間に加えて、業務内容、教育体制、人員配置、職場の雰囲気を具体的に書くことが重要です。

仕事内容は業務単位で書く

入浴介助、食事介助、排泄介助、レクリエーション、送迎、記録、夜勤、看取り対応など、担当する業務を具体的に書きます。施設形態によって業務負担が変わるため、通所・入所・訪問の違いも明確にしましょう。

入職後の流れを示す

初日、1週間、1カ月、3カ月の流れを示すと、未経験者やブランク人材の不安を減らせます。誰が教えるのか、いつ独り立ちするのか、困ったときに誰へ相談できるのかを具体化しましょう。

職場の雰囲気を言葉と写真で伝える

「アットホームな職場」だけでは伝わりません。職員同士の声かけ、管理者の考え方、利用者との関わり方、ミーティングの頻度、研修の様子を写真や社員の声で見せると、応募前の判断材料になります。

採用サイトで補完すべき情報

求人媒体には文字数やフォーマットの制限があります。求職者が応募前に確認したい情報は、自社の採用サイトや採用ページで補完する必要があります。

  • 介護職の1日の流れ
  • 未経験者が入職してから独り立ちするまでのステップ
  • 職員インタビューや管理者メッセージ
  • 夜勤体制、休憩、残業、急な休みへの対応
  • 資格取得支援、研修、キャリアアップ
  • 施設写真、職員写真、利用者との関わり方
  • 応募から面接、施設見学、内定までの流れ

採用サイトの費用感を整理したい場合は、採用サイト制作費用の相場と内訳も参考になります。介護職採用では、制作費だけでなく、応募前離脱や早期離職を減らせるかまで見て判断することが重要です。

採用後の定着まで設計する

介護職採用は、採用できたら終わりではありません。早期離職が起きると、再募集、面接、教育、シフト調整が再び発生し、現場負担も増えます。

定着を見据えるなら、求人票で良いことだけを並べるのではなく、仕事の大変さ、夜勤や身体介助の実態、相談できる体制、成長できる環境を正直に伝える必要があります。入職前の期待値と実際の職場にズレが少ないほど、採用後のミスマッチを減らしやすくなります。

求人媒体に依存しない自社採用導線を作る

介護職採用が難しい状況では、求人媒体や人材紹介だけに頼ると、採用コストが上がりやすくなります。媒体で接点を作りつつ、採用サイトや職場紹介コンテンツで「この職場で働く理由」を伝える導線が必要です。

Zenken株式会社のヒューマンキャピタル事業本部は、求人媒体や人材紹介だけに依存しない自社採用の仕組みづくりを支援しています。職業の価値、企業のらしさ、現職社員の声をもとに、求職者が応募前に「この会社で、この仕事を選ぶ理由」を理解できるコンテンツや導線を設計します。

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介護職採用に関するよくある質問

介護職の採用が難しいのはなぜですか

介護職員の必要数が増える一方で、地域内の求職者数が限られ、勤務条件や職場環境への不安も応募を妨げやすいためです。求人票だけでは職場の雰囲気や教育体制が伝わらず、応募前に離脱されることもあります。

介護職採用で最初に見直すべきことは何ですか

採用したい人材像、求人票の内容、応募後の連絡速度、採用サイトの情報量を見直しましょう。媒体を増やす前に、求職者が応募前に知りたい情報を出せているかを確認することが重要です。

未経験者も採用対象に入れるべきですか

教育体制を整えられる事業所であれば、未経験者を採用対象に入れることで母集団を広げられます。研修、同行、資格取得支援、相談体制を具体的に伝えることが必要です。

まとめ

介護職の採用が難しい背景には、人材不足、勤務条件への不安、職場情報の不足、採用後の定着課題があります。求人媒体を増やすだけでは、根本的な改善につながりにくくなります。

応募につなげるには、採用ターゲットを明確にし、求人票、採用サイト、職場紹介、応募後対応を一貫させることが重要です。介護職が応募前に不安を解消し、働く姿を具体的に想像できる導線を作りましょう。

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