介護職の採用コストはいくらか 一人当たり費用と削減方法を解説
公開日:2026年05月12日
介護職の採用コストは、求人広告費や紹介手数料だけでは判断できません。応募が来ても面接につながらない、採用できても早期離職する、求人票の修正や面接対応に人事・現場の工数がかかる場合、見えないコストが積み上がります。
介護採用では、採用一人当たりの費用を「採用に使った外部費用」と「社内工数」と「定着しなかった場合の再採用費」まで含めて見ることが重要です。短期的に安い手法でも、採用後に定着しなければ結果的に高くつきます。
介護職の採用コストで見るべき費用
採用コストは、外部に支払う費用だけでなく、社内で発生する人件費や採用後の教育費も含めて考えます。特に介護職採用では、現場管理者が面接、見学対応、教育を兼務することが多く、社内工数が見落とされやすくなります。
| 費用項目 | 内容 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 求人媒体費 | 求人サイト、求人検索エンジン、紙媒体、地域媒体への掲載費 | 掲載しても応募がなければ費用だけが発生する |
| 成果報酬・採用課金 | 採用決定時や応募発生時に費用が発生するサービス | 採用職種や雇用形態で金額が変わる |
| 人材紹介手数料 | 紹介会社経由で採用した場合の成功報酬 | 理論年収に対する料率で高額になりやすい |
| 採用サイト・採用LP制作費 | 自社の採用ページ、職場紹介、社員インタビューなどの制作費 | 初期費用はかかるが、中長期で応募導線として残る |
| 社内工数 | 求人票作成、応募対応、面接、施設見学、内定者フォロー | 現場管理者の時間が採用コストとして見えにくい |
| 早期離職コスト | 再募集、再面接、再教育、シフト調整、欠員補充 | 採用単価を大きく押し上げる |
一人当たり採用コストの計算方法
介護職の一人当たり採用コストは、採用活動に使った費用を採用人数で割って算出します。さらに、早期離職者がいる場合は、定着した人数で割り直すと実態に近づきます。
| 計算式 | 使い方 |
|---|---|
| 採用単価 = 採用費用 ÷ 採用人数 | 採用一人当たりにかかった費用を把握する |
| 定着単価 = 採用費用 ÷ 6カ月以上定着した人数 | 早期離職を含めた実質コストを見る |
| 媒体別採用単価 = 媒体費 ÷ その媒体経由の採用人数 | 媒体ごとの費用対効果を比較する |
| 有効応募単価 = 採用費用 ÷ 条件に合う応募数 | 応募数ではなく、採用可能性のある応募の獲得効率を見る |
たとえば、求人媒体に30万円使って2名採用できた場合、単純な採用単価は15万円です。しかし、そのうち1名が短期離職し、6カ月以上定着した人が1名だけなら、実質的な定着単価は30万円になります。
介護採用で使われる主な手法と費用感
介護採用の費用は、無料掲載、定額掲載、応募課金、採用課金、人材紹介、採用サイト制作などに分かれます。どれが安いかではなく、自社の採用ターゲットと定着率に合っているかで判断することが重要です。
| 採用手法 | 費用の考え方 | 向いているケース |
|---|---|---|
| ハローワーク | 掲載費は無料 | 地域採用、費用を抑えたい採用 |
| 求人媒体の定額掲載 | 一定期間の掲載に対して費用が発生 | 複数職種を継続的に募集したい場合 |
| 応募課金 | 応募が発生するごとに費用が発生 | 応募獲得に費用を連動させたい場合 |
| 採用課金・成果報酬 | 採用決定時に費用が発生 | 掲載費の掛け捨てを避けたい場合 |
| 人材紹介 | 理論年収に料率をかけた成功報酬が一般的 | 急募、経験者、有資格者、管理者採用 |
| 採用サイト・採用LP | 制作費・運用費が発生 | 媒体依存を減らし、応募前の納得形成を強化したい場合 |
人材紹介の手数料は、理論年収の30〜35%程度が一般的とされています。介護職で年収350万円の人材を紹介会社経由で採用した場合、料率30%なら105万円、35%なら122.5万円が目安になります。
参照元:リクルートエージェント「人材紹介の手数料相場」(https://www.r-agent.com/business/knowhow/article/28954/)
介護職採用の一人当たり費用を試算する
採用一人当たりの費用は、採用手法によって大きく変わります。以下は、介護事業所が採用計画を立てる際の考え方です。実際の費用は媒体、地域、職種、雇用形態、契約条件によって変わります。
| 採用パターン | 費用例 | 一人当たり費用の考え方 |
|---|---|---|
| 無料媒体のみ | 外部費用0円 | 社内工数と採用までの期間を含めて評価する |
| 定額掲載で1名採用 | 掲載費5万円から30万円程度 | 採用人数が増えるほど一人当たり費用は下がる |
| 採用課金型で1名採用 | 職種別の成果報酬が発生 | 採用できるまで費用を抑えやすいが、採用時費用を確認する |
| 人材紹介で1名採用 | 年収の30〜35%程度が目安 | 急募には有効だが、定着しなければ負担が大きい |
| 採用サイトを活用 | 制作費・運用費が発生 | 複数職種・複数年で使うと中長期の採用資産になる |
一人当たり費用を下げたい場合は、安い媒体を探すだけでは不十分です。応募から面接、内定、入職、定着までの歩留まりを改善し、採用した人が長く働ける状態を作る必要があります。
採用コストが高くなる原因
介護採用でコストが高くなる原因は、媒体費の高さだけではありません。応募の質が合わない、面接辞退が多い、早期離職が起きる、採用担当者の工数が増えると、結果的に採用単価が上がります。
ターゲットが曖昧なまま求人を出している
経験者、未経験者、夜勤対応者、パート希望者、管理者候補では、求人票で伝えるべき情報が違います。全員に向けた求人票は、誰にも刺さりにくくなります。
応募後の対応が遅い
介護職の求職者は複数の求人へ同時に応募することがあります。初回連絡が遅れると、面接前に他施設で選考が進み、応募獲得にかけた費用が無駄になりやすくなります。
求人票と実際の職場にズレがある
良い面だけを強調し、夜勤、身体介助、人員体制、忙しさを隠すと、入職後のギャップが大きくなります。早期離職が起きれば再募集になり、採用コストは二重に発生します。
採用コストを下げるための改善策
採用コストを下げるには、単に広告費を削るのではなく、採用の歩留まりを改善する必要があります。応募数、面接率、内定率、入職率、定着率を見ながら、どこで費用が無駄になっているかを確認しましょう。
| 改善策 | 期待できる効果 |
|---|---|
| 採用ターゲットを分ける | 求人票の訴求が明確になり、有効応募が増えやすい |
| 求人票を具体化する | 仕事内容や勤務条件の認識違いを減らせる |
| 応募後の初回連絡を早める | 面接設定率を改善し、応募獲得費用を無駄にしにくい |
| 採用サイトで不安を解消する | 応募前離脱や面接辞退を減らしやすい |
| 入職後フォローを設計する | 早期離職を減らし、定着単価を下げやすい |
| 媒体別に採用単価を集計する | 費用対効果の悪い媒体を見直しやすい |
人材紹介の費用を見直したい場合は、人材紹介の手数料相場が高いと感じたときの採用コスト見直し方も参考になります。紹介会社を使うかどうかは、採用スピードと定着率を含めて判断することが重要です。
採用サイトを使って中長期の採用単価を下げる
採用サイトや採用LPは、初期費用がかかります。一方で、求人媒体や人材紹介と違い、一度作ったコンテンツは複数職種・複数回の採用活動で使い続けられます。
介護職採用では、仕事内容、職場写真、スタッフの声、教育体制、資格取得支援、夜勤体制、施設見学の流れを自社サイトで伝えることで、応募前の不安を減らしやすくなります。求人媒体から流入した求職者が施設名を検索したときの受け皿としても機能します。
採用サイト制作の費用感を知りたい場合は、採用サイト制作費用の相場と内訳も確認しておくと、短期費用と中長期の採用資産を比較しやすくなります。
採用コストを費用削減だけで判断しない
採用コストを下げることは重要ですが、費用だけを削ると、応募数が減ったり、採用したい人材に届かなくなったりすることがあります。見るべきなのは、採用費用そのものではなく、定着する人材をどれだけ効率よく採用できているかです。
Zenken株式会社のヒューマンキャピタル事業本部は、求人媒体や人材紹介だけに依存しない自社採用の仕組みづくりを支援しています。職業の価値、企業のらしさ、現職社員の声をもとに、求職者が応募前に納得できる情報接点を設計し、応募数だけでなくミスマッチ低減や歩留まり改善まで見据えた採用導線を整えます。
介護職の採用コストに関するよくある質問
介護職の一人当たり採用コストはどう計算しますか
採用活動に使った費用を採用人数で割って計算します。実態を把握するには、採用人数だけでなく、6カ月以上定着した人数で割った定着単価も見ることが重要です。
人材紹介は高いので使わない方がよいですか
急募や経験者採用では有効な場合があります。ただし、紹介手数料が高くなりやすいため、採用後の定着率、返金規定、紹介対象の質を含めて判断しましょう。
採用コストを下げる一番の方法は何ですか
媒体費を削ることではなく、採用ターゲット、求人票、応募後対応、採用サイト、入職後フォローを一貫させることです。面接辞退や早期離職を減らすことで、実質的な採用単価を下げやすくなります。
まとめ
介護職の採用コストは、求人媒体費や紹介手数料だけでなく、社内工数、面接辞退、早期離職、再採用費まで含めて考える必要があります。一人当たりの採用単価を把握するだけでなく、定着した人材一人当たりの費用を見ることが重要です。
採用コストを下げるには、安い媒体を探すだけではなく、求職者が応募前に納得できる情報を整え、応募後の歩留まりと入職後の定着を改善する採用導線を作りましょう。












