エアロ・フォト・センターのドローン測量を徹底解説|危険な現場も森林も水中も測量可能
最終更新日:2025年09月26日
測量業務の効率化とコスト削減は、建設・土木業界の永遠の課題です。従来なら数日かかっていた作業が数時間で完了し、危険な現場に人を送らずに精密なデータを取得できるとしたら、工事全体の収益性は大きく改善するはずです。
本記事では、40年以上の実績を持つ株式会社エアロ・フォト・センターの最新ドローン測量技術を解説します。水中地形も測定できるグリーンレーザ、森林を伐採せずに地盤データを取得する技術、GNSS電波が届かない屋内での高精度測量など、従来は不可能だった測量がどのように実現されているのか、具体的なメリットと共にご紹介します。
エアロ・フォト・センターは40年以上の実績を持つ航空測量専門企業
株式会社エアロ・フォト・センターは、東京都立川市に本社を置く航空写真測量の専門企業です。創業以来40年以上にわたり、空中写真とレーザ計測を技術の中核として、地理空間情報をどのように分かりやすく活用できるか追求し続けています。
同社の歴史は、大手航空写真測量会社の写真処理部門が独立・分社化したことから始まりました。もともと写真処理の専門部門として培ってきた技術やノウハウが、現在の写真測量における深い知識と高い技術力の基盤となっています。
近年では、従来の航空機による測量に加えて、UAV(ドローン)を使った先進的な3次元計測技術も積極的に取り入れています。この技術により、陸地はもちろん水域を含むさまざまな地形を、これまで以上に正確で詳細に把握できるようになりました。
豊富な実績と対応力
1995年には「デジタル関連部門」を設立し、2000年にはデジタル図化機を導入して「写真測量部門」を立ち上げるなど、時代の変化を先取りしてきました。現在では、Summit Evolutionを3台、Diapを1台、合計4台の高性能デジタルステレオ図化機を保有し、地図情報レベルに応じたさまざまな仕様の要求に柔軟に対応できる体制を整えています。
公共測量作業規程に準拠した成果物の作成にも対応しており、日本全国の公共事業やインフラ整備の現場で、数多くの実績を積み重ねてきました。測量士や測量士補はもちろん、一等・二等無人航空機操縦士、地理空間情報専門技術者など、多様な資格を持つ技術者がチームを組んで業務にあたっており、技術要件・納期・品質に確実に応えられる体制を整えています。
新技術への積極的な取り組み
エアロ・フォト・センターの強みは、歴史と実績だけではありません。未来を見据えた新技術への投資と導入を積極的に行っており、新しい技術を取り入れることで競争力を高めています。
2024年8月からは、UAV搭載型グリーンレーザ計測機器「YellowScan Navigator」の運用を開始しました。この機器は、従来のレッドレーザでは不可能だった水中の地形、つまり河床や湖底の測定ができることです。治水計画策定時の基礎データがより正確になり、安全で効果的な対策立案が可能となり、治水計画や環境調査、港湾管理といった分野への貢献が期待されています。
高性能センサーを安定して運用するため、新しい産業用ドローン「Matrice 400」も導入しました。最大飛行時間59分、最大ペイロード6kgという性能を持ち、広範囲・長時間の測量ミッションを実施できます。一回の飛行で広範囲をカバーできるため、現地立会い時間を大幅に短縮し、業務効率の向上に貢献します。
さらに2022年には、ハンディレーザスキャナ「Leica BLK2GO」を導入し、GNSS(全球測位衛星システム)の電波が届かない屋内やトンネル、樹木が密集した森林内など、従来は計測が困難だった環境での3次元データ取得を実現しています。施設の稼働を停止する時間を最小限に抑えながら必要なデータを取得できるため、操業損失を防ぎながら正確な現況把握が可能になりました。
これらの投資は、単に新しい機材を導入するだけでなく、陸・水・空、そして屋内まで、あらゆる空間を切れ目なく3次元データ化する総合的な測量サービスを提供する企業への進化を示しています。
ドローン測量から図化まで幅広いサービスを提供
エアロ・フォト・センターは、最先端のドローン技術を駆使したデータ取得から、航空写真測量、そして取得したデータの高度な解析・図化まで、測量に関する一貫したサービスを提供しています。顧客は複数の業者に依頼する必要がなく、高品質な成果物をワンストップで得ることができます。
ドローンレーザ測量で高精度な3次元地形データを取得
ドローンレーザ測量(UAV-LiDAR)は、同社が特に力を入れている分野の一つです。ドローンに搭載したレーザスキャナから地上に向けてレーザ光を照射し、その反射を捉えることで、地形の3次元座標を直接取得します。
この技術の特長は、1平方メートルあたり約200~400点という高密度な計測点を取得できることです。地形の微細な凹凸まで忠実に再現でき、センチメートル単位の精度で測量が可能となっています。
この高精度なデータにより、土量計算の精度が格段に向上し、工事の材料費や処分費の見積もり誤差を最小限に抑えられます。工事予算のぶれを抑えられるので、社内承認や発注時の説明がスムーズになり、予算管理がより確実になります。
また、レーザ光は樹木の葉の隙間を透過して地表面に到達する性質があるため、森林地帯でも正確な地盤の地形データを取得できます。従来なら伐採が必要だった場所でも、環境を保護しながら必要なデータを取得できるため、伐採費用の削減と環境配慮を両立できるのは大きな利点です。

引用元:エアロ・フォト・センター公式HP(https://kkapc.co.jp/business/uavレーザ測量・写真測量・斜め写真・動画撮影/)
UAV写真測量による効率的な現地調査
UAV写真測量は、ドローンに搭載した高解像度デジタルカメラで撮影した多数の空中写真を解析し、3次元モデルやオルソ画像(地図と同じように歪みのない正射投影写真)を作成する技術です。
エアロ・フォト・センターでは、プロジェクトの目的に応じて最適な撮影方法を提案しています。地図作成を目的とした垂直写真撮影はもちろん、建物の壁面や構造物の詳細な形状を把握するための斜め写真撮影、現地の状況を直感的に理解するための動画撮影など、多彩なニーズに対応しています。
さらに、公共測量作業規程に準拠した成果物の作成にも対応しているので、国や自治体の事業に使用でき、追加の検証作業も不要です。入札資料や補助金申請時の基礎データとしてそのまま活用でき、余計な手戻りを避けてスケジュール通りに手続き進められます。
デジタルステレオ図化による精密な数値地図作成
測量の最終工程であり、特に専門性が問われるのが「図化」作業です。撮影された写真や計測された点群データから、地図記号や線、ポリゴンなどを用いて、コンピュータ上で利用可能な数値地図データを作成します。
エアロ・フォト・センターは、4台のデジタルステレオ図化機を駆使し、熟練した技術者が作業にあたります。以下のようなさまざまな種類の計測データから数値図化が可能です。
| データの種類 | 対応可能な成果物 |
|---|---|
| 航空機から撮影された広域の航空写真 | 都市計画図、地形図 |
| ドローンによる高精細な写真 | 詳細な施設図、現況図 |
| レーザスキャナで取得した3次元点群 | 精密な地形モデル、断面図 |
| MMS(移動計測車両)で取得したデータ | 道路台帳図、河川台帳図 |
作成されるデータは、DM、SFC、P21、DWG、DXFといったデータ形式に対応しており、使用しているGIS(地理情報システム)やCADソフトウェアでそのまま活用できます。既存の設計システムに直接取り込めるため、データ変換の手間やミスなく、社内の別部署への共有もスムーズに行えます。
新機材と高度な解析技術で質の高い成果物を実現
高品質な成果物を生み出すためには、優れた技術者の経験と、それを最大限に引き出す機材が不可欠です。エアロ・フォト・センターは、この両輪を高いレベルで維持することで、他社にはない価値を提供し続けています。
UAVグリーンレーザによる水部測定技術
同社が導入した「YellowScan Navigator」は、これまで困難だった水中の地形測量を可能にするUAV搭載型グリーンレーザ計測機器です。従来のUAVレーザ測量で用いられてきたレッドレーザ(赤色光)は水に吸収されてしまうため、水面下の地形を計測することはできませんでした。しかし、Navigatorが搭載するグリーンレーザ(緑色光)は、水中への透過性が高く、水底の地形を捉えることができます。
このシステムの性能は以下の通りです。
- 精度:3cm
- 最大レーザレンジ:120m
- 測深能力:最大2セッキ深度(水の透明度による)
これにより、河川の堆積土砂量の把握、ダムの貯水量調査、浅海域の環境調査、港湾施設の水中部の点検など、これまで船による測深作業が必要だった業務を、より効率的かつ安全に行えるようになります。相模川や鴨井漁港での実証試験を通じて、この先進技術の実用化と精度向上に取り組んでいます。
ハンディスキャナSLAMによる非GNSS環境での計測
「Leica BLK2GO」の導入は、同社の3次元計測能力を飛躍的に向上させました。このハンディタイプのスキャナは、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を搭載しており、スキャナ自身が周囲の環境を認識しながら自己位置を推定するため、GNSS衛星の電波が届かない場所でも高精度な3次元点群データを取得できます。
オペレーターはBLK2GOを手に持ち、計測したい空間を歩くだけで、毎秒42万点もの高密度なカラー点群データをリアルタイムで生成できます。この革新的な手法により、従来なら数日かかっていた屋内測量をわずか数時間で完了できるようになりました。施設の稼働を止める時間を最小限に抑えられるため、操業損失を防ぎながら必要なデータを取得できます。
従来は計測が非常に困難だった以下のような場所のデジタル化が可能になりました。
- 複雑な配管が入り組んだ工場プラントの内部
- 文化財である歴史的建造物の詳細な記録
- 地下街やトンネルの現況把握
- 樹木が密集し上空からの計測が難しい森林の内部構造調査
3次元点群解析と各種地形データ作成
レーザスキャナや写真測量によって得られる3次元点群データは、それ自体が価値ある情報ですが、真価を発揮するのは、それを目的に応じて解析・加工した時です。エアロ・フォト・センターは、データ取得だけでなく、その後の解析・加工においても高度な技術力を有しています。
取得した膨大な点群データから、顧客のニーズに合わせてさまざまな成果物を作成します。インフラ設計に不可欠な縦横断図や、地形を直感的に把握できる等高線図はもちろん、地形の凹凸を強調して表現する陰影図や、広域を俯瞰できる鳥瞰図は、プレゼンテーションや住民説明会などで非常に有効なビジュアル資料となります。
さらに、地表面の標高データであるDEM(数値標高モデル)や、建物・樹木などを含む地物の標高データであるDSM(数値表層モデル)の作成にも対応しており、これらは日照シミュレーションやハザードマップ作成など、高度な地理空間解析の基礎データとして活用されています。

引用元:エアロ・フォト・センター公式HP(https://kkapc.co.jp/business/uavレーザ測量・写真測量・斜め写真・動画撮影/)
高い技術力と迅速な対応がエアロ・フォト・センターの強み
40年以上の歴史の中で、エアロ・フォト・センターが築き上げてきた強みは、単一の要素ではありません。新しい機材、経験豊富な人材、そして組織としての機動力が三位一体となって、他社には真似のできない優位性を生み出しています。
自社保有の機材による安定した品質
同社の大きな強みの一つは、DJI MatriceシリーズのドローンやYellowScanのレーザスキャナなど、業務に使用する主要な機材を自社で保有している点です。
機材をレンタルや外注に頼らないことで、外注先の都合に左右されることなく、顧客の要望に応じた迅速な業務展開が可能となり、中間マージンが発生しないためコストも抑制できます。突発的な依頼や短納期案件でも柔軟に対応できるため、発注側は納期遅延リスクを心配せずに済みます。
この自社完結型の業務体制が、高品質・短納期を同時に実現する基盤となっています。
主要保有機材の一覧
| カテゴリ | 機材名 |
|---|---|
| レーザ測量用ドローン | DJI Matrice 400 |
| レーザ測量用ドローン | EC101 connect-YS(国産UAV) |
| レーザ測量用ドローン | Matrice 600 Pro(複数保有) |
| 写真・斜め撮影対応 | Matrice 300RTK(赤外・ズーム・全方向衝突センサー付き) |
| 写真・斜め撮影対応 | Mavic 3-Pro |
| 写真・斜め撮影対応 | Mavic 2-Pro |
| 写真・斜め撮影対応 | Phantom 4-Pro |
| 写真・斜め撮影対応 | ANAFI |
| 測量補助機器 | YellowScan Navigator(グリーンレーザ対応) |
| 測量補助機器 | YellowScan Vx20-300 |
| 測量補助機器 | YellowScan Surveyor ULTRA |
| GNSS測量機器 | NetSurv-RE |
| GNSS測量機器 | Trimble R12i |

引用元:エアロ・フォト・センター公式HP(https://kkapc.co.jp/business/uavレーザ測量・写真測量・斜め写真・動画撮影/)
経験豊富な技術者による確実な成果物作成
最先端の機材も、それを使いこなす人間がいなければ宝の持ち腐れです。エアロ・フォト・センターには、40年以上の歴史の中で培われたノウハウを継承する、経験豊富な技術者が多数在籍しています。
測量士、測量士補はもちろんのこと、一等・二等無人航空機操縦士、地理空間情報専門技術者など、多岐にわたる資格保有者がチームを組んで業務にあたります。現場作業では、安全管理を徹底するために必ず複数名体制で臨み、ダブルチェックによってヒューマンエラーを防止します。現場での事故やデータ不備のリスクが大幅に減るため、発注担当者は成果物の再撮影ややり直しにかかる余計なコストを避けられます。
社内でのデータ解析や図化作業も、熟練の技術者が担当することで、高い品質の成果物を提供しています。
エアロ・フォト・センターのまとめ
ドローンレーザ測量による高精度な3次元データ取得、グリーンレーザを用いた画期的な水中地形測量、SLAM技術による非GNSS環境での計測、そして長年培ってきた精密なデジタル図化技術。これらの多岐にわたる技術で、現場ごとに最適な技術を組み合わせ、課題を解決する提案を行っています。依頼する側にとっては「複数業者を探す手間がない」「成果物をそのまま業務に活かせる」ことが大きな安心につながります。
測量に関するご相談やお見積もりをご希望の方は、エアロ・フォト・センターの公式ホームページからお問い合わせいただけます。下記のボタンから公式サイトにアクセスしてご相談ください。
エアロ・フォト・センターの会社概要
| 企業名 | 株式会社エアロ・フォト・センター |
|---|---|
| 所在地 | 東京都立川市錦町6-8-21 |
| URL | https://kkapc.co.jp/ |
本記事は、2025年8月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。







