海外向け広告媒体の選び方とは?主要媒体と成果につなげる導線設計
公開日:2026年05月19日
海外向けに広告を出す場合、どの媒体を選ぶかで届くユーザーや成果の出方は大きく変わります。Google検索広告、Meta広告、YouTube広告、LinkedIn広告、ショート動画広告のほか、中国ではBaiduやWeChat、小紅書、韓国ではNAVERやKakaoTalk、旅行領域ではTripadvisorやAgodaなども候補になります。
一方で、広告媒体を選ぶだけでは成果につながりません。広告で認知や流入を獲得しても、見込み顧客が比較検討できる情報接点がなければ、問い合わせや商談に進みにくくなります。
海外向け広告媒体を選ぶ際は、どの媒体で接点を作るかと、広告後にどの情報で選ばれる理由を伝えるかをセットで考えましょう。
海外向け広告媒体は目的と地域で選ぶ
海外向け広告媒体は、認知、検索、比較、購入、商談のどこを担わせるかで選び方が変わります。さらに、国や地域によって使われる検索エンジン、SNS、アプリ、旅行媒体が異なります。
i CROSS BORDER JAPANの海外デジタルマーケティング媒体一覧でも、検索エンジン、SNS、OTA、アプリ、広告媒体などに分けて、Google、Bing、Baidu、NAVER、Facebook、Instagram、YouTube、小紅書、WeChat、Tripadvisor、Agoda、Ctrip、Grabなどが紹介されています。
参照元:i CROSS BORDER JAPAN「海外デジタルマーケティング媒体一覧」(https://www.icrossborderjapan.com/digital-marketing/)
媒体を選ぶ前に、次の4点を整理しましょう。
- 狙う国・地域
- 商材がBtoBかBtoCか
- 目的が認知、購入、資料DL、問い合わせ、代理店開拓のどれか
- 広告後に受け止めるLP、EC、専門メディア、フォームがあるか
まず検討したいポジショニングメディア
海外向け広告媒体を比較する前に、広告後の受け皿としてポジショニングメディアを検討する価値があります。ポジショニングメディアは、広告配信先そのものではなく、比較検討中の見込み顧客に対して、自社が選ばれる理由を伝える情報接点です。
海外BtoBや製造業、専門商材では、広告で流入を集めても、価格や知名度だけで比較されると自社の強みが伝わりにくくなります。ポジショニングメディアでは、顧客が抱える課題、競合と比較する軸、自社が提供できる価値を整理し、問い合わせや商談につながる導線を作ります。
Zenken株式会社は、8,400以上のメディア制作・運用実績と120業種以上の支援知見をもとに、企業の強みを市場内で選ばれる理由へ変換するWeb集客支援を行っています。海外広告で集めた見込み顧客を、比較検討段階で受け止めたい企業に向いています。
| 向いている企業 | 活用できる場面 | 広告媒体との違い |
|---|---|---|
| BtoB製造業・専門商材 | 海外顧客に技術や用途の違いを説明したい | 広告流入を比較検討コンテンツで受け止める |
| 価格競争を避けたい企業 | 自社が選ばれる理由を言語化したい | クリック獲得ではなく商談化まで見据える |
| 海外代理店・法人顧客を開拓したい企業 | 商材理解を深めた上で問い合わせを獲得したい | LP単体より情報量と比較軸を持たせやすい |
海外向け広告媒体の比較表
海外向け広告媒体は、媒体ごとの得意領域を理解して選ぶ必要があります。まずは大きく分類して、自社の目的に合う媒体を絞り込みましょう。
| 媒体分類 | 主な媒体例 | 向いている目的 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 検索エンジン広告 | Google、Bing、Baidu、NAVER、Yahoo台湾 | 顕在層への接触、問い合わせ、購入 | 国別の検索エンジンとキーワード調査が必要 |
| SNS広告 | Meta、X、LinkedIn、WeChat、小紅書、Weibo、ショート動画広告 | 認知、興味喚起、リード獲得、再接触 | 現地の利用者層と広告表現を確認する |
| 動画広告 | YouTube、Meta、ショート動画広告 | 使い方、体験、ブランド理解 | 動画の言語、字幕、冒頭訴求が重要 |
| OTA・旅行系媒体 | Tripadvisor、Agoda、Ctrip、Qunar | 観光、宿泊、体験、訪日向け集客 | 予約導線や口コミ対策まで必要 |
| 現地アプリ・生活圏媒体 | Grab、KakaoTalk、LINE、Remember | 現地生活者やビジネス層への接点づくり | 対象国での利用実態を確認する |
| ポジショニングメディア | 自社の強みを伝える比較検討型メディア | 広告流入の受け皿、BtoB商談化、比較検討層の理解促進 | 媒体出稿ではなく情報導線の設計が必要 |
検索エンジン広告
検索エンジン広告は、課題や商品カテゴリを検索している顕在層に接点を作れる媒体です。Googleが候補になりやすい一方、国や地域によってはBing、Baidu、NAVER、Yahoo台湾なども検討します。
Google広告では、地域と言語設定を使って配信対象を調整できます。Google Adsヘルプでは、地域設定は広告を表示できる地理的範囲、言語設定はユーザーが理解する言語に広告を表示するための設定として説明されています。
参照元:Google Adsヘルプ「Choose your location and language settings」(https://support.google.com/google-ads/answer/1722072?hl=en)
BtoBや製造業では、検索広告から資料DLや問い合わせにつなげやすい一方、キーワードの翻訳だけでは不十分です。現地顧客が使う用途語、課題語、業界用語を調べ、LPで比較材料を提示する必要があります。
詳しくは、海外向けリスティング広告の進め方も参考になります。
SNS広告
SNS広告は、検索前の認知形成や興味喚起に向いています。Meta広告、X広告、LinkedIn広告、ショート動画広告のほか、中国ではWeChat、小紅書、Weibo、韓国ではKakaoTalkなど、地域ごとに候補が変わります。
Meta広告
FacebookやInstagramを通じて、生活者や興味関心層に接点を作れます。食品、化粧品、観光、D2C、地域産品など、ビジュアルで魅力を伝えやすい商材に向いています。詳しくは、海外向けFacebook広告の運用ポイントも確認してください。
LinkedIn広告
LinkedIn広告は、BtoB向けに職種、業界、会社属性などを活用した広告配信を検討しやすい媒体です。LinkedInヘルプでは、Locationが必須項目であり、プロフィール言語の選択も必要とされています。海外BtoBリード獲得では候補になります。
参照元:LinkedIn Marketing Solutions Help「Targeting options for LinkedIn Ads」(https://www.linkedin.com/help/lms/answer/a424655/)
ショート動画広告・X広告
ショート動画広告は、短い動画で認知を広げたい場合に候補になります。国や地域によって利用されるアプリが異なるため、対象国での利用状況、広告配信可否、表現ルールを確認しましょう。
X広告は、地域、言語、年齢などのターゲティングを使って、関心が高まっている話題に接点を作れる媒体です。Xのヘルプでは、地域・言語・年齢・性別はAND条件として扱われると説明されています。
参照元:X Business「Geo, gender, language, and age targeting」(https://business.x.com/en/help/campaign-setup/campaign-targeting/geo-gender-and-language-targeting)
動画広告
動画広告は、使い方、体験、比較前の理解促進に向いています。YouTube、Metaの動画面、ショート動画広告などが候補です。海外向けでは、冒頭数秒で誰向けの商品かを伝え、字幕や現地語ナレーションを用意することが重要です。
食品なら食べ方や調理シーン、製造業なら用途や導入前後の変化、観光なら体験の流れを見せると理解されやすくなります。
OTA・旅行系媒体
観光、宿泊、体験、訪日向け商材では、Tripadvisor、Agoda、Ctrip、QunarなどのOTA・旅行系媒体も候補になります。旅行者は予約前に口コミ、価格、立地、体験内容を比較するため、広告だけでなく予約ページや口コミ情報の整備も重要です。
訪日向け施策では、国・地域ごとに旅行計画のタイミングや使われる予約媒体が異なります。広告配信前に、旅行前、旅行中、旅行後のどこで接点を作るのかを決めましょう。
現地アプリ・生活圏媒体
東南アジアではGrabのようなスーパーアプリ、韓国ではKakaoTalkやRemember、中国ではWeChatなど、生活やビジネスの中で使われる現地アプリも広告接点になります。
現地アプリは、利用者の生活動線に入りやすい一方、対応国、広告メニュー、審査、入稿仕様、運用体制が媒体ごとに異なります。現地市場に詳しい支援会社と確認しながら選ぶことが重要です。
BtoB企業が選ぶべき媒体
BtoB企業や製造業では、認知だけでなく商談化まで見据えた媒体選びが必要です。検索広告、LinkedIn広告、業界メディア、ポジショニングメディアを組み合わせると、顕在層と比較検討層の両方に接点を作りやすくなります。
- 課題を検索している顕在層には検索広告
- 職種・業界で絞りたい場合はLinkedIn広告
- 専門商材の理解促進にはポジショニングメディア
- 展示会後の再接触にはリマーケティング
- 現地代理店候補には資料DLや問い合わせ導線
海外BtoBマーケティング全体の流れを整理したい場合は、海外BtoBマーケティングの実践ステップも参考になります。
BtoC・D2C・観光業が選ぶべき媒体
BtoCやD2Cでは、SNS広告、動画広告、検索広告、EC内広告、OTA広告を目的に応じて使い分けます。食品、化粧品、アパレル、観光などは、ビジュアルや体験を伝えられる媒体との相性があります。
- 認知拡大にはMeta広告、YouTube広告、ショート動画広告
- 購入意欲が高い層には検索広告
- 旅行・宿泊・体験にはOTAや旅行系媒体
- 中国向けにはWeChat、小紅書、Weiboなどの現地媒体
- 韓国向けにはNAVER、KakaoTalkなどの現地接点
ただし、広告で興味を持ったユーザーが購入や予約に進むには、現地語ページ、価格、配送、予約条件、レビュー、FAQの整備が欠かせません。
広告媒体だけで成果が止まる理由
海外向け広告媒体を選んでも、次のような状態では成果が止まりやすくなります。
- 広告とLPの訴求が一致していない
- 現地語の説明が不足している
- 問い合わせフォームが日本向けのままになっている
- 配送、納期、支払い、サポートの説明がない
- BtoBなのに比較材料や技術資料が不足している
- 広告流入後の営業対応が整っていない
広告媒体は接点を作る手段です。成果につなげるには、広告後に見込み顧客が納得できる情報導線を作る必要があります。
広告流入を問い合わせ・商談につなげる導線設計
海外向け広告では、媒体ごとの配信設定だけでなく、流入後の導線を設計します。特にBtoBや専門商材では、広告を見たユーザーがすぐ問い合わせるとは限りません。比較検討に必要な情報を段階的に用意することが重要です。
| 検討段階 | ユーザーの状態 | 必要な情報接点 |
|---|---|---|
| 認知 | 商品や企業を初めて知る | SNS広告、動画広告、現地語LP |
| 理解 | 何に使えるかを知りたい | 用途別ページ、導入メリット、FAQ |
| 比較 | 競合との違いを見たい | ポジショニングメディア、比較軸、事例、資料DL |
| 問い合わせ | 条件を確認したい | フォーム、資料、営業対応、オンライン商談 |
海外向け広告媒体を選ぶ際は、媒体費だけでなく、LP制作、現地語コンテンツ、資料DL、フォーム改善、営業対応まで含めて投資計画を立てましょう。
海外向け広告媒体に関するよくある質問
海外向け広告媒体はGoogleとMetaだけで十分ですか?
対象国と目的によります。GoogleとMetaは候補になりやすい媒体ですが、中国、韓国、台湾、東南アジア、旅行領域、BtoB領域では、Baidu、NAVER、LinkedIn、OTA、現地アプリなども検討する必要があります。
BtoB企業に向いている海外広告媒体は何ですか?
検索広告、LinkedIn広告、業界メディア、ポジショニングメディアが候補になります。検索広告で顕在層を拾い、ポジショニングメディアで比較検討層に選ばれる理由を伝える設計が有効です。
中国向け広告ではどの媒体を見ればよいですか?
Baidu、WeChat、小紅書、Weiboなどが候補になります。中国市場では媒体仕様や広告審査、アカウント開設、現地規制が関わるため、現地対応に詳しい支援会社への相談も検討しましょう。
広告媒体を選ぶ前に準備すべきことは何ですか?
対象国、ターゲット、目的、LP、現地語対応、問い合わせ後の営業体制を整理します。広告媒体を決めても、受け皿が整っていなければ成果につながりにくくなります。
まとめ
海外向け広告媒体は、検索エンジン、SNS、動画、OTA、現地アプリ、BtoB媒体など多様です。GoogleやMetaだけでなく、国・地域や目的に応じてBaidu、NAVER、LinkedIn、小紅書、WeChat、Tripadvisor、Grab、ショート動画広告なども候補になります。
重要なのは、媒体を選ぶことだけではありません。広告で集めた見込み顧客に、なぜ自社を選ぶべきかを伝え、問い合わせや商談につなげる情報導線を作ることです。海外市場で広告流入を成果につなげたい場合は、ポジショニングメディアの活用も検討しましょう。












