フィルム製造装置は、樹脂の溶融・押出から成膜、冷却、延伸、巻取までを行う生産設備です。
包装フィルム、光学フィルム、電池セパレーター、医療・農業用フィルムでは、必要な製膜方式やライン構成が異なります。国内メーカー14社の対応方式・用途・生産段階と、設備選定で確認すべき条件を整理します。
フィルム製造装置メーカー14社の比較表
製膜方式・装置領域、対応フィルム・用途、生産段階・主な特徴をもとに比較しています。実際の対応可否は、樹脂、層構成、製品幅、厚み、ライン速度、生産量によって変わるため、共通仕様を提示して確認してください。
| 会社名 | サービスの特徴 | 製膜方式・装置領域 | 対応フィルム・用途 | 生産段階・主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
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芝浦機械 |
汎用フィルムから高機能・特殊フィルムまでフルラインで対応 |
無延伸、一軸延伸、二軸延伸、多層フィルム、特殊製膜
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光学フィルム、電池分離膜、通気性フィルム、シュリンクフィルム、記憶媒体
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量産向け。高速化・極薄化・広幅化・多層化を含むフルライン設計
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日本製鋼所 |
延伸・無延伸フィルムを押出から巻取までライン構成 |
二軸延伸、無延伸、キャスト、シート成形、巻取、押出・混練
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食品包装、液晶・光学、電池セパレーター、機能性包材、エネルギー材料
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大型量産ライン向け。成形解析、キャストロール、巻取まで一貫提案
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東レエンジニアリング |
押出工程から巻取工程まで高機能フィルム設備を設計 |
キャスト、縦延伸、横延伸、熱処理、巻取、単体機器・ライン設計
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薄物・厚物フィルム、高機能フィルム、特殊環境で製造するフィルム
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量産・個別設計向け。クリーン、防爆、不活性ガス環境にも対応
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住友重機械モダン |
キャスト・インフレーション・ラミネートを幅広く展開 |
キャスト、インフレーション、押出ラミネート、シート、リサイクル
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包装、プロテクト・マスキング、農業、重袋、輸液バッグ、光学シート
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量産向け。多層成形、膜厚制御、再生設備を含むライン構築
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ムサシノキカイ |
通気性フィルムや多層フィルムをテストから量産まで支援 |
フィルムキャスト、多層押出、縦延伸、インライン印刷、ラミネート
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通気性・透湿防水フィルム、建材、衛生材、多層・高層数フィルム
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テスト機から量産まで。材料持込評価とカスタムラインに対応
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トミー機械工業 |
単層から多層までインフレーション製造装置を個別設計 |
単層・3層・5層インフレーション、Tダイ、巻取、リサイクル
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医療・衛生、食品包装、農業、一般包装、各種機能性フィルム
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量産・個別設計向け。押出機から巻取機・制御装置まで自社設計
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プラコー |
農業・包装・バリア用途の多層インフレーションに対応 |
3層・5層インフレーション、押出機、巻取、厚み制御、再生設備
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農業用ハウス、包装、重袋、プロテクト、ガスバリアフィルム
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量産向け。多層ダイ、偏肉制御、内部冷却までラインアップ
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池貝 |
単軸・二軸押出機とTダイを組み合わせて一括設計 |
Tダイ、単軸・二軸押出、共押出、多層押出、ロール成形
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各種樹脂フィルム、自動車用遮音シート、建材・特殊シート
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量産・特殊プロセス向け。製品幅変更と高精度ロール制御に対応
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アイ・ケー・ジー |
熱可塑性樹脂の薄物・厚物シート成形ラインを構築 |
押出、Tダイ、薄物・厚物シート、成形ロール、ライン制御
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汎用プラスチック、エンプラ、熱可塑性樹脂のフィルム・シート
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個別設計向け。製品幅・厚みに合わせて押出機と成形機を選定
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プラスチック工学研究所 |
スタックプレートダイで試作から多層フィルム量産へ展開 |
Tダイ、フィードブロック、多層押出、フィルム・シート成形
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PS、ABS、PP、PE、PMMA、PC、PET、PVC、多層フィルム・シート
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テストから量産まで。層数変更と多品種対応を重視するライン
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ジーエムエンジニアリング |
多層化改造から小型テスト装置までオーダーメイド |
Tダイ、フィードブロック、多層押出、ラミネート、巻取、テスト装置
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汎用・エンプラ、光学、建材、自動車、食品向けフィルム・シート
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試験・開発から量産改造まで。既設機の多層化にも対応
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アクスモールディング |
Tダイ・フィードブロックから大型多層ラインまで設計 |
Tダイ、フィードブロック、多層押出、ロール成形、膜厚・欠点検査、巻取
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CPP、軟質PVC、フッ素、PPS、PEEK、LCP、TPU、光学・食品・医療用
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研究用150mm幅から大型4000mm幅までカスタム設計
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松井製作所 |
材料供給・乾燥を含めたシートフィルム設備を総合調整 |
シートフィルム設備、材料受入・貯蔵・輸送・乾燥・配合・集中管理
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多層フィルム、光学フィルム、プレート、多層シート
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ラインコーディネート向け。原料ハンドリングから周辺設備まで対応
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井元製作所 |
高分子材料の混練・押出・延伸を研究開発設備で検証 |
一軸・二軸押出、Tダイ・多層ダイ、一軸・二軸延伸、引取・巻取
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高分子材料、新素材、少量サンプル、研究・評価用フィルム
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研究開発向け。デモ機・サンプルテスト・特注装置に対応
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フィルム製造装置メーカー14社の特徴
フィルム製造装置メーカーの選び方
製品仕様から製膜方式を決める
最初に、作りたいフィルムの用途、樹脂、幅、厚み、層数、必要物性を整理します。包装袋用の多層インフレーションと、光学用の高精度キャスト・延伸では、候補メーカーもライン構成も異なります。
既存品の置き換えであれば、現行製品の物性と不良内容を共有します。新材料の場合は、小型機やテストラインで樹脂の押出安定性、ダイ吐出、冷却、延伸、巻取を確認してから量産仕様へ進めます。
厚み・幅・速度・生産量を共通条件にする
同じ製膜方式でも、製品幅、厚み範囲、ライン速度、時間当たり押出量によって設備サイズが変わります。見積もりでは、定格能力だけでなく、通常運転する条件と品種変更時の範囲を提示します。
- 製品幅、ダイ幅、トリミング幅
- 厚みの下限・上限と許容偏差
- 通常速度、上限速度、必要生産量
- 原反径の上限、重量、巻芯寸法
- 品種数、切り替え頻度、段取り時間
単層・多層と材料の組み合わせを確認する
多層フィルムでは、押出機数、ダイ方式、層構成、層比変更、接着層、再生材の使用を確認します。材料間の粘度や温度差が大きい場合は、層の乱れ、厚みむら、滞留、樹脂劣化を抑える流路設計が必要です。
将来の品種追加も考え、層数の変更、押出機の増設、フィードブロックやダイの交換が可能かを確認すると、設備更新後の対応範囲を広げられます。
巻取品質と張力制御まで見る
フィルムが成形できても、巻取時にシワ、蛇行、巻きずれ、テレスコープ、ブロッキング、巻締まりが発生すると製品になりません。張力制御、タッチロール、蛇行修正、巻替え、スリット、静電気対策まで確認します。
極薄・広幅・高機能フィルムでは、巻替え時の張力変動やフィルムパスの変化が品質へ影響します。製膜機と巻取機を別メーカーから調達する場合は、制御責任とライン保証の範囲を明確にします。
検査・計測・データ連携を設計する
膜厚計、欠陥検査装置、幅計、温度・圧力センサー、樹脂流量、張力、速度などの計測データを、どの工程で取得するかを決めます。膜厚データをダイやエアリングへフィードバックする場合は、制御周期と調整範囲も確認します。
外観検査では、キズ、異物、フィッシュアイ、ピンホール、スジ、ムラ、シワなどが対象です。検査幅、ライン速度、欠陥サイズ、表裏検査、欠陥位置記録、マーキング、原反マップへの連携を整理します。
研究開発から量産への移行方法を確認する
小型試験機と量産機では、滞留時間、せん断、冷却速度、延伸条件、巻取張力が変わります。試験機で良品が作れても、その条件を単純に倍率換算するだけでは量産できない場合があります。
テスト設備の構成が量産ラインとどの程度共通しているか、取得できるデータ、量産移管時の設計支援、サンプル評価の範囲を確認します。試作機と生産機を同じメーカーへ相談するか、両社の技術者が連携できる体制を作ります。
フィルム製造装置の価格と見積項目
フィルム製造装置は、樹脂、製膜方式、幅、厚み、速度、層数、自動化、検査、工場条件に応じた受注仕様が多く、公式価格が公開されていないことが一般的です。メーカー間で比較するには、同じ仕様書を提示し、見積もりに含む範囲をそろえます。
| 見積項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 原料・押出工程 | 原料供給、乾燥、配合、押出機、スクリーンチェンジャー、ギヤポンプ |
| 成膜工程 | Tダイ・丸ダイ、フィードブロック、キャスト、エアリング、内部冷却、ピニング |
| 延伸・熱処理 | 予熱、縦延伸、横延伸、熱固定、冷却、オーブン、排気 |
| 搬送・巻取 | 引取、蛇行修正、張力制御、スリット、巻替え、原反搬送 |
| 検査・計測 | 膜厚計、幅計、外観・欠陥検査、温度・圧力、欠陥マップ |
| 制御・連携 | 操作盤、レシピ、データ収集、PLC、MES、トレーサビリティ |
| 設置・立ち上げ | 輸送、搬入、据付、ユーティリティ、試運転、サンプル評価、教育 |
| 保守・改造 | 保証、予備品、定期点検、遠隔支援、品種追加、ダイ・ライン改造 |
設備価格だけでなく、原料ロス、立ち上げ時間、品種切り替え、清掃、エネルギー、オペレーター人数、保守部品、稼働率を含む総保有コストで比較します。
メーカーへ相談する前に整理したい仕様
- フィルムの用途、使用環境、要求物性
- 樹脂名、グレード、添加剤、再生材、接着樹脂
- 単層・多層、材料構成、層比、表裏の指定
- 製品幅、厚み、許容差、エッジ・トリム条件
- ライン速度、押出量、日・月当たり生産量
- 延伸方向、延伸倍率、予熱・熱処理・冷却条件
- 原反径、重量、巻芯、巻姿、張力、スリット条件
- 許容する異物、ピンホール、フィッシュアイ、ムラ、シワなどの品質基準
- 材料供給、乾燥、配合、回収・再生の方法
- 設置スペース、天井高、床荷重、電力、冷却水、空圧、排気
- クリーン、防爆、不活性ガス、温湿度などの工場条件
- 導入時期、検収条件、教育、保守拠点、対応言語
フィルム製造装置メーカーに関するFAQ
フィルム製造装置と成膜装置は同じですか?
使われ方が異なります。フィルム製造装置は、樹脂を押し出して原反フィルムを作る設備を指すことが多い言葉です。成膜装置は、真空蒸着、スパッタリング、CVD、コーティングなど、基材上に薄い膜を形成する装置も含みます。問い合わせ時は、原反製膜か、既存基材への薄膜形成かを明確にしてください。
Tダイ法とインフレーション法はどちらが適していますか?
一律には決められません。Tダイ法は表面性、透明性、厚み精度、シート成形との共用を重視する用途で検討されます。インフレーション法はチューブ状に成形でき、包装袋、農業用、重袋などで利用されます。樹脂、用途、幅、厚み、物性、後加工から選びます。
既存の単層ラインを多層化できますか?
既存押出機、設置スペース、ダイ、架台、制御、冷却、引取、巻取の能力によっては、追加押出機とフィードブロック・多層ダイを組み合わせて改造できる場合があります。既設ラインの図面、仕様、使用樹脂、目標層構成をメーカーへ提示して確認します。
研究開発用の小型フィルム製造装置はありますか?
井元製作所の混練・押出・延伸設備、ジーエムエンジニアリングやアクスモールディングの小型ライン、プラスチック工学研究所のテスト設備などが候補になります。少量材料、清掃性、条件記録、量産機との相関を確認してください。
フィルム製造装置の納期は何で変わりますか?
標準機か個別設計か、押出機数、ダイ、延伸・熱処理、巻取、自動化、検査、工場工事、部品調達、サンプル評価の範囲で変わります。量産開始日から逆算し、仕様決定、設計、製作、工場試運転、搬入、現地立ち上げ、検収の工程を確認します。
導入前の製膜テストは必要ですか?
新材料、多層構成、極薄・広幅、高速化を伴う場合は重要です。材料を実際に押し出し、ダイ吐出、冷却、延伸、厚み、外観、巻取、物性を確認します。良品だけでなく、立ち上げ、品種切り替え、停止・再開時の挙動も量産性の判断材料になります。
関連するフィルム・検査装置の記事
製膜ラインでは、成形後の膜厚・外観検査と欠陥データの活用も重要です。検査設備を含めてラインを設計する際は、次の記事も参考にしてください。
フィルム製造装置メーカーのまとめ
フィルム製造装置メーカーを比較するときは、知名度や設備価格から選ぶのではなく、対象樹脂、製膜方式、製品幅、厚み、層数、速度、生産量、延伸、巻取、検査まで共通条件を整理することが重要です。
大型の延伸・無延伸量産ライン、インフレーション、多層Tダイ設備、小型研究開発機では、相談すべきメーカーが異なります。同じ仕様書と材料サンプルで各社の提案を確認し、試作から量産立ち上げ、保守・改造まで含めて導入先を選びましょう。
- 免責事項
掲載内容は2026年7月12日時点で確認した各社公式サイト、製品ページ、会社情報をもとにしています。装置仕様、対応材料、製品系列、サポート範囲は変更される場合があります。導入を検討する際は、対象フィルムの仕様と材料を提示し、各メーカーへ対応可否を確認してください。











