食品会社・メーカーの広告手法・販促戦略の重要ポイント|BtoB・BtoC別に解説
最終更新日:2026年02月18日
商品の入れ替わりが激しい食品業界。消費者の中で定番とならなければ、「新商品を投入→広告を展開する」の繰り返しになっているという現状があります。
食品の広告・販促マーケティングにおいても、消費者のニーズに基づいた戦略が必要になりますが、そのニーズが非常に細分化されているのがこの業界の特徴です。
そもそも「食」に求めるものが人それぞれに違い、美味しいと感じるものも異なります。また自分で消費するのか、誰かに贈答品として送るのかといった場面の違いもあるでしょう。
この記事では上記のような特徴のある食品業界で活用できる、集客方法やマーケティング戦略のポイントなどを解説しています。
「現在の方法以外の集客方法を探している」「これからWebマーケティングを始めようと思っているが何をすればいいかわからない」「業界内で独自のポジションを確立したい」と考えている企業の担当者に向けて、この記事ではポジショニングをベースとしたキャククルのWebマーケティング施策「ポジショニングメディア」についても紹介しています。
- 自社コンセプトにマッチした見込み顧客が増え、契約単価が1000万円向上した
- 商材の強みや特徴を理解した上で反響に至るため、価格競争から脱却し受注単価が2.5倍になった
- 数ある競合から自社に興味を持ってもらえるようになり、反響獲得後から契約までの期間を3分の1に短縮できた
といった成果があるWeb施策についてご興味のある方は、以下で詳しく解説しております。ぜひご確認ください。
「SNSを始めたが効果が見えない」「テレビCMや紙媒体だけでは若い世代に届かない」「BtoB(業務用)とBtoC(一般消費者向け)で戦略を分けるべきか?」——食品会社・メーカーのマーケティング担当者から、こうした声をよく耳にします。
食品の広告・販促で最も重要なのは、「誰に・どの場面で・どんな感情を喚起するか」の設計です。そしてBtoBとBtoCでは、全く異なるアプローチが必要になります。
本記事では、食品会社・メーカーが押さえるべき広告・販促の基本から、BtoB・BtoC別の具体的な手法、業界の成功事例5選、そして自社にマッチする顧客だけを集める「ポジショニングメディア戦略」まで体系的に解説します。
食品会社・メーカーの広告・販促で押さえるべき3つの基本

食品の広告・販促マーケティングを考えたときに重要なこととして、以下の3点が挙げられます。これらは業態(BtoB・BtoC)を問わず、すべての食品会社・メーカーに共通する土台です。
ターゲットと広告手法を合わせる
まず自社の食品を求めている顧客は誰でしょうか?商品開発の時点でメインターゲットを想定しているかと思いますが、1度立ち返ってターゲットのニーズに商品が応えられているかを確認することが重要です。
ターゲットが明確になったら、次は顧客がどういった方法で情報収集をしているかを探ります。テレビや雑誌はもちろん、インターネット検索・SNS・スマホアプリなど、顧客が日常的に触れているメディアで広告を展開することが基本です。Webを活用したマーケティング施策の重要度は年々高まっており、興味を持ったユーザーが検索した際にしっかりと商品の魅力が伝わるよう、ホームページやオウンドメディアも整備しておきましょう。
食べる場面をイメージさせる

食事は食べることが真の目的ではありません。健康な体づくり、体質改善、ストレス解消、誰かに喜んでほしいなど、食事を通じてなし得たい目的があります。また調理段階においても、手間をかけたくない・時間をかけたくないといったニーズもあるでしょう。
これらの場面で自社の食品が使われているイメージを具体的に抱いてもらう必要があります。多くの食品メーカーが行っている自社商品を使ったレシピ公開などは、まさにその代表例です。食事は感情や感覚などの消費者心理に訴えかける広告内容にすることで、購買意欲を高めることができます。
自社の食品を選ぶ理由を明確にする
数ある食品の中から、なぜ自社の商品を選ぶべきなのか——これが購入を決める最後の一押しです。感情に訴えるだけでなく、この段階ではロジックや数値が重要になります。
価格以外にも、食材の産地・栄養素・添加物の有無・受賞歴・口コミ評判など、具体的かつ客観的な特徴や強みを伝えられるとベストです。ECや食事宅配サービスであれば、配送方法や包装状態なども購買理由になり得ます。
BtoB食品メーカーの広告・販促手法
BtoB(業務用食品・食材)の場合、購買の意思決定者が複数人にわたり、検討期間も長くなる傾向があります。感情よりも品質・安全性・コスト・安定供給といった合理的な判断材料が重視されるため、BtoC向けとは異なるアプローチが必要です。
展示会・商談会への出展
食品業界では「FOODEX JAPAN」「スーパーマーケット・トレードショー」などの大型展示会が定期的に開催されています。展示会への出展は、短期間で多くのバイヤー・仕入れ担当者と直接接触できるという点で、BtoB食品メーカーにとって最も効率的な新規開拓手段のひとつです。
試食・試飲を通じた体験提供、商品パンフレット・サンプルの配布、その場での商談設定など、展示会ならではの施策を組み合わせることで、オンラインだけでは伝えにくい「味・食感・香り」という食品の本質的な価値を直接届けられます。
コンテンツマーケティング(技術・品質訴求)
BtoBの仕入れ担当者・開発担当者は、購入前にWebで詳細な情報収集を行います。そのため、自社の技術力・品質管理・トレーサビリティ・製造プロセスなどを詳しく解説したコンテンツをWebサイトに掲載することが、信頼獲得と問い合わせ増加に直結します。
導入事例・お客様の声は、購買を迷う担当者にとって特に信頼性を高める強力なコンテンツです。「どんな課題を抱えた企業が・どのような経緯で採用し・どんな成果が出たか」を具体的に記載することで、自社と似た状況の見込み客の背中を押すことができます。
メルマガ・ホワイトペーパーによるリード育成
BtoBの購買サイクルは長期にわたるため、一度接触した見込み客を継続的にフォローする「リード育成(ナーチャリング)」が重要です。定期的なメルマガ配信で新商品情報・業界トレンド・レシピ提案などを届けることで、検討段階にある見込み客との関係を維持できます。
また、「食品業界のトレンドレポート」「原材料の選び方ガイド」などのホワイトペーパーを無料ダウンロードコンテンツとして提供することで、見込み客の情報を取得しながら専門性をアピールできます。
BtoC食品メーカーの広告・販促手法
BtoC(一般消費者向け)の食品マーケティングでは、視覚的な訴求力・感情への共鳴・購買衝動の喚起が重要です。SNSやデジタル広告を中心に、消費者が日常的に触れるメディアで継続的に存在感を示すことが求められます。
SNS広告・アカウント運用

写真や動画などのビジュアル面でのPRが効果的な食の分野において、SNSを通じた情報発信は非常に効果的です。InstagramやTikTokは「おいしそう」「映える」といった視覚的要素をアピールするのに最適なプラットフォームです。
SNS広告はユーザー属性に合わせた精密なターゲティングが可能で、狙っているターゲットへの露出・認知向上と即効性が期待できます。一方でSNSアカウントの運用は継続的な情報発信が必要ですが、商品の情報だけでなくそこにかける想いやストーリーも伝えることで、商品や自社の固定ファンをつくることができ、情報を積極的に拡散してくれるようになります。
インフルエンサーマーケティング
食品は「食べてみないと分からない体験」が購買の決め手になることが多く、インフルエンサーを通じてリアルな体験を伝えることが非常に効果的です。フォロワー数の多い大型インフルエンサーだけでなく、エンゲージメント率の高いマイクロインフルエンサー(フォロワー1万〜10万人)との連携も、特定のニッチなターゲット層への訴求において高い費用対効果を発揮します。
UGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用も重要です。消費者は企業が発信する情報よりも、他の消費者の口コミやレビューを信頼する傾向があります。ハッシュタグキャンペーンなどでユーザーが商品を使った投稿を促すことで、自然な形での認知拡大と信頼獲得が可能です。
D2C(直販)戦略
D2C(Direct to Consumer)とは、メーカーが中間業者を介さず、自社ECサイトやSNSを通じて消費者に直接販売するビジネスモデルです。中間マージンが不要になるため利益率が高まり、顧客データを直接収集・活用できる点が最大のメリットです。
食品D2Cでは、定期購入(サブスクリプション)モデルとの相性が特に良く、健康食品・ミールキット・こだわり食材などのカテゴリで多くの成功事例が生まれています。「ZENB」「nosh(ナッシュ)」「GREEN SPOON」など、健康志向・時短ニーズという特定のニッチ市場を狙ったD2Cブランドが急成長しています。
レシピサイト・ポータルサイトへの掲載
食品を使う場面に近い広告媒体として、レシピ検索サイトとの相性は抜群です。またギフト・贈答品・お取り寄せなどは比較ポータルサイトへの情報掲載も効果的です。
レシピサイトとしてトップクラスの知名度を誇る「クックパッド」では、バナー広告やタイアップ企画など、認知度拡大施策が可能です。「楽天レシピ」は料理に関心の高い女性ユーザー・主婦の方に向けた情報発信に適しており、「おとりよせネット」はお取り寄せグルメの口コミ評判サイトとして、ギフト・高付加価値食品の販促に活用できます。
食品会社の広告・販促 成功事例5選

理論だけでなく、実際に成果を上げた食品会社・メーカーの事例から学ぶことが、自社の施策立案において最も参考になります。以下の5社は、それぞれ異なるアプローチで広告・販促の成功を収めた代表的な事例です。
ハーゲンダッツ:フレーバー復活総選挙でSNS26万票を獲得
ハーゲンダッツは、過去に販売したフレーバーから復活させたいものを投票する「フレーバー復活総選挙」をSNS上で実施しました。2ヶ月間で26万票を集めるなど大きな注目を集め、ブランドへの関心と購買意欲を大幅に高めることに成功しました。
この施策の成功ポイントは、消費者を「参加者」として巻き込んだことです。「自分が投票したフレーバーが復活するかもしれない」という当事者意識が、自発的な拡散と話題化を生み出しました。ブランドロイヤリティの高い顧客層との関係強化にも大きく貢献しています。
ジョンソンヴィル:UGC活用でInstagram1年でUGC数9倍・売上伸長
ソーセージブランドのジョンソンヴィルは、Instagramを活用したマーケティング施策で、ブランド戦略に紐づいたUGC(ユーザー生成コンテンツ)を創出することに成功しました。1年間でUGC数が9倍に増加し、売上も伸長するという顕著な成果を上げています。
「ジョンソンヴィルを使ったレシピ」「食卓シーン」などのハッシュタグ投稿を促進し、消費者が自発的にブランドの魅力を発信する仕組みを構築したことが成功の核心です。企業発信よりも消費者発信の方が信頼されるという特性を最大限に活用した好例といえます。
Mr. CHEESECAKE:希少性×インフルエンサーで「幻のチーズケーキ」に
「毎週日曜と月曜の朝10時に数量限定で販売」という希少性を打ち出し、「幻のチーズケーキ」というキャッチコピーで独自性の高いポジショニングを確立したMr. CHEESECAKE。インフルエンサーマーケティングやレシピ公開といったユニークな施策も組み合わせ、D2Cブランドとして急成長を遂げました。
この事例の本質は、「手に入りにくい」という希少性がブランド価値そのものになった点です。SNSでの口コミ拡散と組み合わせることで、広告費をかけずに「話題になること」自体をマーケティングとして機能させた革新的な事例です。
キッコーマン:「#〇〇の日」投稿でインプレッション数を大幅増加
キッコーマンは、X(旧Twitter)の自社アカウントで「#〇〇の日」に合わせて製品を投稿する施策を継続的に実施し、インプレッション数(表示回数)を大幅に増加させることに成功しました。
「醤油の日」「鍋の日」「おでんの日」など、食品に関連した記念日に合わせてタイムリーなコンテンツを発信することで、ユーザーの日常の文脈に自然に溶け込む形での認知拡大を実現しています。老舗ブランドが若い世代との接点を作るためのSNS活用の好例です。
ZENB:健康×環境ニッチでD2C成功
「おいしくて、体に良く、環境にも優しい」という価値を提供するZENBは、健康志向のニッチ市場でD2Cブランドとして成功しています。SNSやインフルエンサーを活用したレシピ動画の拡散、コンテンツマーケティングを通じて「ヘルシーなライフスタイルを提案するブランド」としてのポジショニングを確立しました。
ZENBの成功が示すのは、「誰でも食べる食品」ではなく「特定の価値観を持つ人のための食品」として明確にポジションを絞り込むことで、熱狂的なファンを獲得できるということです。ニッチ戦略とD2Cの組み合わせが生み出した好例といえます。
ポジショニングメディアで「売れる顧客」だけを集める
上記の成功事例に共通するのは、「誰でもいいから集客する」のではなく、自社の商品・サービスに最もマッチする顧客を狙い撃ちにするという発想です。この考え方を体系化したWebマーケティング手法が「ポジショニングメディア戦略」です。
ポジショニングメディアでは自社とマッチする顧客、売りやすい・買ってもらいやすいユーザーだけを集客することが可能です。競合製品などと比較しながら、自社が持つ独自の強みや価値をわかりやすく見せることで、「〇〇といえば・〇〇で選ぶなら自社の商品」というブランドイメージを顧客に認知してもらえます。

ポジショニングメディアを導入した企業からは、「商談率が8割以上」「受注単価2.5倍」「リードタイムが3分の1に短縮」といった成果を実感するお声もいただいています。食品業界においても、BtoB(業務用食材の仕入れ担当者向け)・BtoC(特定の健康ニーズや食へのこだわりを持つ消費者向け)の両方で活用できる手法です。
オウンドメディアによる情報発信
オウンドメディア戦略は、自社で運営するWebサイトを通じて情報発信をすることで、認知度向上や信頼感の醸成が可能なWebマーケティング戦略です。
簡単に始められるものとしては自社ホームページ内でのブログコンテンツなどですが、ホームページ以外にWebサイトを立ち上げることでよりテーマを特化させたコンテンツを発信できます。消費者にとって有益な情報発信をすることで、ユーザーの課題解決や理想の実現に自社商品がベストといった導線でPR・販売促進を狙うことができます。
商品を認知していない消費者層にも認知してもらえる機会をつくれるため、潜在顧客・見込み顧客へとアプローチ範囲を広げられます。食品メーカーであれば、レシピコンテンツ・食材の産地ストーリー・栄養情報・シェフとのコラボ記事など、商品の価値を多角的に伝えるコンテンツが効果的です。
キャククルが手がけるオウンドメディアとは?
120業界・8,000サイト以上の実績があるキャククルのオウンドメディア。
認知度向上、他社との差別化、従来と異なるターゲットにアプローチしたいなど、様々な目的で制作することができます。詳しくは以下のページでご確認ください。
食品会社・メーカーの広告手法・販促戦略まとめ
商品の回転の早い食品業界では、広告戦略もまた短期集中になりがちです。予算が潤沢にあり広告を連発できる企業ならよいですが、中小企業などでは難易度も高まるでしょう。
そこで中長期的な広告戦略・マーケティング戦略もぜひ検討してみてください。BtoBであれば展示会・コンテンツマーケティング・メルマガによるリード育成を組み合わせた継続的な関係構築が、BtoCであればSNS・インフルエンサー・D2Cを組み合わせた多層的なアプローチが、長期的な成果につながります。
本記事で紹介した広告・販促手法を整理すると、以下のようになります。
| 手法 | 向いている業態 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 展示会・商談会 | BtoB | 新規開拓・直接商談 |
| コンテンツマーケティング | BtoB・BtoC | 信頼獲得・SEO集客 |
| メルマガ・ホワイトペーパー | BtoB | リード育成・関係維持 |
| SNS広告・アカウント運用 | BtoC | 認知拡大・ファン化 |
| インフルエンサーマーケティング | BtoC | 体験訴求・UGC創出 |
| D2C(直販)戦略 | BtoC | 利益率向上・顧客データ取得 |
| レシピ・ポータルサイト掲載 | BtoC | 購買場面での認知 |
| ポジショニングメディア | BtoB・BtoC | 成約率の高い見込み客獲得 |
例えばどんな食品会社・メーカーとして消費者に認知してほしいのか、食品メーカーとして大事にしていることや独自の強みをどう伝えるか。オウンドメディアやポジショニングメディアを通じて発信することで、自社のファンをつくり、長く愛される企業や商品をつくることが可能になります。
Zenkenでは、いままでに120業種を超えるクライアント企業のWeb集客・マーケティングを支援してまいりました。クライアント企業ならではの強みを軸とした戦略提案を得意としており、各種分析、メディアの制作・運用など集客に関わる業務をワンストップで対応可能です。マーケティング戦略や広告方法、販売促進などについて課題感がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。















